世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、シニア世代の将来設計、終活・相続支援・成年後見制度に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q45 葬儀とグリーフケアついての記事です。
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【Q45】大切な家族を亡くした人は、死別の悲しみを体験するといわれていますが、この死別の悲しみは残された家族にどのような影響を及ぼすのでしょうか。また、葬儀によって遺族の悲しみを癒すことはできるのでしょうか。
【POINT】
① 死別による悲嘆とは
② グリーフケアとは
③ 葬儀とグリーフケア
1⃣ 死別による悲嘆とは
1 悲嘆(グリーフ)
① 死別によって経験される「悲嘆(グリーフ)」は、一時的な反応であり、誰しも経験しうる正常な反応です。
② 通常の悲嘆は、ⅰ悲しみ、怒り、いらだち、不安、恐怖、罪悪感、絶望、孤独感、喪失感などの感情反応、
③ ⅱ否認、非現実感、無力感、記憶力や集中力の低下などの認知反応、ⅲ疲労、泣く、動揺、緊張、引きこもるなどの行動的反応、ⅳ食欲不振、睡眠障害、活力の喪失、免疫機能の低下などの生理的・身体的反応の4つに分類されます。
④ 悲嘆反応の種類や強さに関しては個人差が非常に大きく、同じ人でも時間とともに変化します。悲嘆が軽減されるのに必要な時間は、人によって大きく異なります。
⑤ 時間の経過に伴い、悲嘆は必ずしも直線的に軽減していくのではなく、気持ちや感情は波のように大きく揺れ動きます。
⑥ 故人の命日や誕生日、結婚記念日などが近づくと、故人が生きていた頃の記憶がよみがえり、気分が深く落ち込む「記念日反応」がみられることもあります。
⑦ 死別に伴う通常の悲嘆は決して病的なものではないですが、一方で新たな身体疾患や精神疾患、自死につながることもあります。
⑧ 配偶者との死別の場合には、「後を追うように亡くなる」といわれるように死亡のリスクが高まることが知られています。
2 通常ではない悲嘆
①死別による悲嘆は基本的に正常な反応であるものの、病状の持続期間と強度が通常の範囲を超え、日常生活に支障が出るような「複雑性悲嘆」と呼ばれる状態に陥ることもあります。
② 一般人口での有病率はおよそ2.4%~4.8%とされ、危険因子として、突然の予期しない死別、自死や犯罪被害による死別、同時または連続した喪失、遺体の著しい損傷、子どもとの死別など故人との間に深い愛着関係、過去の未解決の喪失体験や精神疾患歴、経済的な困窮、サポート・ネットワークの不足、訴訟や法的措置の発生などが挙げられています。
③ 複雑性悲嘆は、従来、精神疾患とは認められていませんでしたが、「遷延性悲嘆症」という疾患名が冠され、新たな精神疾患として位置づけられることになりました。
2⃣ グリーフケアとは
1グリーフケアの目的
① グリーフケアに関する厳密な定義は定まっていません。死別後の心理的な過程を促進するとともに、死別に伴う諸々の負担や困難を軽減するために行われる包括的な支援ととらえることができます。
② 死別による悲嘆は基本的に正常な反応であるものの、ときに複雑性悲嘆や、精神疾患や身体疾患への罹患、自死、死亡につながる危険性をはらんでいます。
③ このようなリスクの低減を図るため、元の正常な心身の機能を回復させることがグリーフケアの目標になります。
④ また、現実生活の困難や今後の人生設計など、故人亡き後の生活や人生をどう立て直していくかという課題にも死別に伴い直面します。必要に応じて、生活上の困難に対する問題解決的な支援も求められます。
⑤ 遺された人の抱えるニーズやリスクは多様であり、すべての人に同様の支援が必要なわけではありませんが、各人のニーズやリスクに応じた多層的な支援が望まれます。
2グリーフケアの分類
① グリーフケアは、提供される援助の内容に基づき、ⅰ情緒的サポート、ⅱ道具的サポート、ⅲ情報的サポート、ⅳ治療的介入に分類されます。
② 情緒的サポートとはいわゆる心のケアのことで、当事者の思いを尊重し、心の声にじっくりと耳を傾けることが大切です。
③ 家事や育児、経済的問題、法律問題など、目の前の現実的な困難に直面している人に対しては、問題の解決を手助けする直接的かつ具体的な支援、いわゆる道具的サポートが必要となります。
④ 情緒的サポートとは、悲嘆反応や対処方法などについての知識を提供することや、法律相談窓口や当事者団体といった各自のニーズに対応可能なサービスを提供している公的機関や民間組織など、社会資源に関する情報を提供することです。
⑤ 治療的介入とは、精神科医やカウンセラーなどによる専門的な治療のことで、うつ病や不安障害といった精神疾患が認められる場合には、薬物療法を含む精神科的治療が必要となります。
⑥ このように一般的には、故人亡き後の遺族への直接的、意図的なサポートがグリーフケアと考えられています。
⑦ 一方で、たとえば最後に故人との良い時間を過ごせたことや、故人らしい葬式を挙げられたことなど、遺族にとって少なからず救いや助けになる事象全般を広義のグリーフケアととらえることもできます。
3⃣ 葬儀とグリーフケア
1葬送儀礼や法事・法要
① 葬儀を含む死に関わる儀礼や慣習は、死者のためだけの行事ではなく、遺族にとっても重要な意義があります。葬儀や通夜といった非日常的な一連の儀式は、死を現実のものとして受け入れる手助けとなります。
② 日本独特の儀礼である拾骨儀礼、いわゆる骨揚げも死の現実を受容するための重要な手段といわれています。
③ 葬儀や通夜の場は、悲嘆の感情を公に表すことが許された社会的な機会であり、参集した親戚縁者は、故人にゆかりのある人々などと、故人の思い出やきもちを共有することは遺族の支えになります。
④ 葬儀後には各宗教儀式に則り、法事・法要が行われます。こうした儀式は、悲しみを共有する場を提供するだけでなく、記念日反応が懸念される節目の時期に行われ、加えて長期にわたって実施されるという点でグリーフケアとしての要素もあります。
2湯灌やエンバーミング
① 湯灌とは、臨終後に遺体を洗い清めることで、現在では主に葬儀社によって行われます。遺族は湯灌に立ち会い、協働するなかで、現世での故人の苦しみを洗い流せたと思えたり、死化粧を施されて穏やかにみえる故人の顔を眺めて安堵の気持ちを抱いたりします。
② 限られた時間ですが、故人を前にして、遺族同士で思い出を振り返り、思いを分かち合える機会でもあります。
③ 一方エンバーミングでは遺体の長期保存が可能となるため、急いで葬儀を行う必要がなくなり、落ち着いて準備を進めることができ、故人と顔を合わせる最後の時間をゆっくりと過ごせるようになります。
④ 死亡時の外傷や、長い闘病生活や薬の副作用によるやつれをなおし、生前の故人の顔に近づけることができます。
⑤ こうした湯灌やエンバーミングを通じて、故人が喜んでくれていると思えることが、辛い気持ちを少し楽にしてくれるかもしれません。
3墓や仏壇
① 遺族は故人のことを忘れて、新たな人生を歩み始めるのではなく、姿形はなくとも、故人とともに生きています。故人の写真を持ち歩き、ことあるごとに故人に語りかけたり、墓や仏壇の前で故人と対話したりします。朝の出かけに、夕方帰宅時に仏壇に話しかけることが日常になっている遺族も少なくありません。
② 肉体はなくとも、聞き役や相談役として故人の存在や役割は維持され、墓や仏壇は遺族が故人と向き合う窓口のような働きを有していると思われます。
③ 従来、お盆などの行事を通して死者と交わり、そして墓や仏壇を媒介として故人との強いきずなを維持し、亡き人とのつながりが、遺族の心のよりどころとなってきたのかもしれません。