【任意後見制度】任意後見契約の注意点 任意後見開始時に任意後見人を増やせるか

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見契約の注意点 任意後見開始時に任意後見人を増やせるかについて考えてみたいと思います。

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【1】任意後見開始時に任意後見人を増やせるか

任意後見が開始するのは、本人の判断能力が不十分な状況となり、家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときからです。

家庭裁判所が任意後見監督人を選任するための要件としては、任意後見契約が登記されていることが必要です(任意後見契約法4条)。

したがって、任意後見監督人が選任されて任意後見がスタートする時点で任意後見人を増やそうと思っても、その時点では、任意後見人にしたいと思っている者との任意後見契約が登記されていませんので、その者の任意後見監督人を選任することはできず、任意後見人になることはできません。

【2】契約するには判断能力が必要

もう一人任意後見人をどうしても増やしたいということであれば、本人(委任者)と任意後見人予定者(受任者)とで新たに任意後見契約を締結し、その登記をした上で、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を請求し、任意後見監督人が選任された後は、二人目の任意後見人として任意後見事務を開始することが認められます。

しかし、本人と任意後見人予定者とが任意後見契約を結ぶ際に、本人と契約するだけの判断能力があるかどうかが問題となります。ある程度本人の判断能力が低下してきているため、任意後見が開始したわけですので、本人が新たな契約を締結するだけの判断能力が果たしてあるかどうかということになります。

【3】判断能力の存否は行為によって異なる

判断能力(意思能力)があるかどうかについて、法定後見では、民法9条に、事理を弁識する能力を欠く常況にある者の法律行為は取り消すことができるが、日用品の購入その他日常生活に関する行為については取り消すことができない旨の規定があります。

これは日用品等の購入程度の簡略で反復的な行為については、通常判断能力が認められるであろうとの判断のもとに相手方の取引安全を保護した規定だと理解されます。

判断能力は、抽象的・一般的なものではなく具体的な行為の内容ごとに判断されることになります。

【4】一般的には任意後見契約には高度な判断能力が必要

判断能力が減退している状況で、契約を締結し、直ちに任意後見開始の手続きに入るものを「即効型」と呼んでいます。この即効型の契約については、公証人は本人(委任者)の判断能力の点につき医師の意見を徴するなど特に慎重な対応をすることになります。

任意後見契約を結ぶに当たり、本人はすでに判断能力が低下してきている現在から死亡までの残りの人生の生活プランを描き、自分の希望する生活環境、生活レベル、資産収支の予測を立て、任意後見人等への報酬額を定め、不動産等の処分の必要性を検討するなどして、任意後見人に依頼する事務とその代理権の範囲を決定するものであることから、一定のレベルの判断能力が必要とされます。

もっとも、即効型の場合は、本人保護のために財産管理のすべてと、生活・療養看護に関する事務のすべてを任意後見人にお願いするのだということを本人が理解していることさえ確認できれば、判断能力の点はクリアできると思われます。

その場合は上記のような趣旨で考案されている定型の文例を活用するのが相当でしょう。本人が上記の趣旨すら理解できないときは、法定後見制度の利用を考えることになります。