【任意後見制度】高齢社会を取り巻く制度 任意後見制度と併用する法的な仕組み2

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【任意後見制度】に関して、高齢社会を取り巻く制度 任意後見制度と併用する法的な仕組み2について考えてみたいと思います。

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【2】死後事務の委任契約の併用

任意後見契約の3つの類型、すなわち将来型、即効型、移行型のいずれの契約を結ぶ場合であっても、それとは別に、任意後見事務を委任した高齢者が亡くなった後を適切に事務処理することをも、受任者(任意後見人)にお願いすることができます。

本人(委任者)が死亡すると、委任契約である財産管理契約及び任意後見契約(さらに準委任契約も)は終了するのが原則です(民法653条1号)。そうすると、その後は、受任者は、委任事務の処理を本人の相続人等に引き継ぐことになります。この場合、本人が死亡後の病院の支払や葬儀、永代供養料の支払等についても委任しておきたいという希望がある場合に、そのことはかなえられるのでしょうか。

(1)これに関しては、入院中の諸費用の病院への支払、自己の死後の葬式を含む法要の施行とその費用の支払、入院中に世話になった家政婦や友人に対する応分の謝礼金の支払を委任する契約は、当然に、委任者の死亡によっても契約を終了させない旨を包含する趣旨のものであり、民法653条の法意がかかる合意の効力を否定するものではない、とする判例があります。

そうすると、本人(委任者)が死後の事務処理等を受任者に委任することは可能であり、「財産管理契約及び任意後見契約」と同一の公正証書に別個の契約として委任事項を記載しておくことによって、本人の死亡後であっても、委任契約に基づき、受任者によって本人の依頼事項が実現されることになります。
その他、将来型や、即効型との併用も、もちろん可能です。

(2)死後の事務委任に関しては、さらに、「委任者は、自己の死亡後に契約に従って事務が履行されることを想定して契約を締結しているから、その契約内容が不明確又は実現困難であったり、委任者の地位を承継した者にとって履行負担が加重であるなど契約を履行させることが不合理と認められる特段の事情がない限り、委任者の地位の承継者が委任契約を解除して終了させることを許さない合意を包含する趣旨と解することが相当である」とする高裁判例があり、これによれば、特段の事情がない限り、本人(委任者)の地位の承継者である相続人等も委任契約を解除することができないとしています。

(3)以上述べた通り、死後の事務も委任契約ないし準委任契約として有効であり、特約として財産管理契約とは別契約として公正証書の中に記載することができます。この点からも「移行型」は高齢者など委任者の要望を満たすものであり、有利であると言えます。
なお、死後の委任事務は任意後見事務との連続性はないので、財産管理契約及び任意後見契約とともに一つの公正証書中に記載することはできますが、代理権目録には記載することはできませんし、強行規定である任意後見契約法による任意後見契約の中に盛り込むのは疑義があります。別契約とするのがよいでしょう。

死後の事務の内容としては、本人の生前に発生した債務の弁済(治療費、入院費、家賃の支払、光熱水費の支払等)、入院保証金、入所一時金、その他の残債務の受領、自身の葬儀、埋葬、寺・宗派・墓の指定、お布施の指定、永代供養、年忌法要を行うこと、檀家料の毎年支払額の指定、ペットの世話、身の回りの衣類等の廃棄処分等について、依頼することができます。

本人(委任者)の死後、長期に及ぶ事務については、受任者が途中で死亡してしまうことも考慮しなければならないので、そのような場合は、成年後見人及び後見監督人の職務に積極的に取り組んでいる公益社団法人成年後見センターリーガルサポート(司法書士会)や公益社団法人成年後見支援センターヒルフェ(行政書士会)などの法人を受任者にすることも考えられるでしょう。