世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
今回は、【相続・遺言】に関して、寄与分を主張できる者の範囲について考えてみたいと思います。
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【Q】寄与分は誰でも主張できるのでしょうか?
①内縁関係の夫や妻は、妻や夫が亡くなった場合、寄与分を主張できますか?
②相続放棄した人は、寄与分を主張できますか?
③祖父母の相続の時に、代襲相続人(孫)は被代襲者(親)が祖父母の財産の維持に貢献したとして、寄与分を主張できますか?
【A】寄与分は誰でも主張できるわけではありません。民法上主張できる人が制限されています。
◆1.内縁関係の夫又は妻
従来、寄与分の主張は、相続人に限定されていました。そのため、相続人でない内縁関係の夫や妻は、寄与分を主張できませんでした。
この点について、相続人以外の者は、寄与分の主張が認められない点で、公平を欠くとの指摘がありました。
そこで、被相続人に対して、特別の寄与をした被相続人の親族(特別寄与者)が、一定の要件を満たした場合、相続人に対し、寄与に応じた金銭(特別寄与料と言います)の支払の請求ができるようになりました。この規定は、令和元年7月1日以降に相続が発生した場合に、施行されます。
親族とは6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族が範囲となります。
血族とは血のつながっている人です。養子も、血族に含まれます。姻族とは配偶者の血族のことです。
内縁関係の夫や妻は、それだけでは、親族とはなりません。内縁関係の夫や妻が、被相続人の6親等内の血族か、3親等内の姻族でなければ、寄与分も特別寄与料も主張できません。
◆2.相続放棄をした人
相続放棄をした人は、初めから相続人とならなかったものとみなされます。よって、寄与分の主張はできません。
特別寄与料においても、相続放棄した人は、特別寄与者から除外する規定があります。ですので、相続放棄をした人は、寄与分も特別寄与料も主張できません。
◆3.代襲相続人
祖父母の相続の時に、代襲相続者(孫)は被代襲者(親)が祖父母の財産の維持に貢献したとして、寄与分を主張できます。
このことは、民法に直接の規定はありません。
この場合に被代襲者(孫)に寄与分を認めないと、親が存命であった場合と比べ、不公平が生じます。代襲相続者は被代襲者の寄与分を主張できるという立場をそのまま受け継ぐと考えることができます。
このような、寄与分の主張を認めた判例も存在します。