世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
今回は、【改正民法債権編】に関して、根保証について考えてみたいと思います。
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根保証
根保証に関する個人の保証人の保護を拡充
◆根保証とは
根保証とは、主債務者が継続的な取引について負担する債務を保証することをいいます。
根保証は、保証額の上限や保証期間を定める「限定根保証」とこれを定めない「包括根保証」に区分することができます。
たとえば、建物賃貸借契約の保証も、この根保証(包括根保証)に当たります。賃借人が、将来にわたって継続的に負担する賃料債務や明渡し時の原状回復費用などの不特定の債務を、包括して保証するものといえるからです。
◆根保証に関する個人の保証人保護の拡充
根保証は、時に保証人の予想をはるかに超える責任を負担させられる危険があり、社会的にも問題となる事例が少なくありません。
上述の建物賃貸借の例でも、たとえば、大学生になった子がマンションを借りる際に、親が連帯保証人になるケースはよくあります。
その子の火の不始末が原因で火災が発生し、建物や他の居住者に甚大な被害を与えてしまったような場合、もし賃貸人がその建物に火災保険等をかけていなければ、一個人ではおよそ負担しきれない責任を連帯保証人である親が、すべて背負わなければならないという事態に陥ります。
平成16年の民法改正では、借入金等を根保証の対象とする類型に限って、保証上限(極度額)を定めなければ無効としたり(旧法465条の2)、一定の保証期間が経過すると保証金額が確定(元本確定)するなどのルールが新設されて保護が図られました(旧法465条の3等)。ただ、このような保証人保護の要請は、前述の例で示したように、必ずしも借入金等を根保証の対象とする類型に限られないという指摘がありました。
そこで、今回の改正では、平成16年改正で新設されたルールの適用範囲を、広く個人による根保証契約一般に拡大することとされました(新法465条の2、465条の4)。
◆残された検討課題(特別解約権の明文化)
根保証をめぐる残された検討課題として、「特別の元本確定請求権(特別解約権)」を明文化するか否かが議論されています。
これは、平成16年の民法改正時から検討されていたもので、根保証契約の保証人は、一定の特別な事由がある場合には、元本の確定を請求できるとする考え方です。
特別の事情とは、たとえば以下のいずれかに著しい事情の変更があった場合をいいます。
①主債務者と保証人との関係
②債権者と保証人との関係
③主債務者の資産状態
判例等の考え方を踏まえた一般的な理解を明文化するものですが、考慮すべきさまざまな要素を的確に表現することが難しいという技術的な問題をクリアできず、今回も改正が見送られることになりました。
なお、この特別解約権は、実務でも確立した考え方として条文がなくても救済が図られていますので、従前の実務に与える影響は大きくないと言えるでしょう。