【相続・遺言について】相続人の範囲

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回からは【相続・遺言】に関して基本的なところから解説していきたいと思います。

【Q】相続人となることができるのはどのような人でしょうか?

【A】◆配偶者について

亡くなった人のことを「被相続人」、財産などを相続する人のことを「相続人」と呼びます。

被相続人に近い関係のある者としては、配偶者と血族(親、兄弟姉妹、子など)が考えられますが、このうち配偶者については常に相続人となると定められています。従って、夫が亡くなれば、妻は常に相続人ということになります。

◆血族について

血族については、子、親、兄弟姉妹の順に相続人となります。

① 被相続人に親、兄弟姉妹、子のいずれもがいる、ということもあるでしょう。この場合全員が相続人となれるわけではありません。相続人となる順位は民法で定められており、上の順位の者がいる場合には、その者のみが相続人となります。

② 第1順位とされているのは「子」です。ここでいう子には、実の子だけでなく「養子」も含みます。つまり「子」がいる場合は配偶者と子が相続人となります。

また、夫が亡くなる前に子が亡くなっていた場合、子の子つまり「孫」がいる場合には、その孫が相続人となり、親、兄弟姉妹は相続人とはなりません。

③ 第2順位とされているのは、「直系尊属」です。直系尊属とは、祖父母や父母などのように、血縁関係が縦につながっている者をいいます。養親は含まれますが、配偶者の父母は含まれません。

直系尊属の中では、親等の近い者が優先されます。従って、父母いずれかが存命であれば、祖父母は相続人となりません。両親ともに亡くなっているが、祖父母のいずれかが健在である場合、その祖父母と妻が相続人となり、兄弟姉妹は相続人とはなりません。

④ 兄弟姉妹は、先順位者である子、直系尊属ともに存しない場合に、初めて相続人となります。つまり夫が亡くなった場合、配偶者である妻と、夫の兄弟姉妹が相続人となります。

兄弟姉妹には父母の一方のみが同じ者も含まれますが、父母の両方を同じくする兄弟姉妹とは相続分が違います。

また、夫が亡くなる前に兄弟姉妹が亡くなっていた場合、兄弟姉妹の子、すなわち被相続人の「甥や姪」が相続人になります。

⑤ なお、先順位者がいない場合とは、そもそも存在しない場合や亡くなっている場合だけでなく、相続放棄がなされた場合なども含みます。

良くいただくご相談の中に、ご夫婦にお子様がいらっしゃらない場合、「お互い配偶者だけに財産が相続される」と勘違いされているケースです。

このケースは上記③のケースまたは④のケースに該当しますので、あくまでも配偶者と被相続人の親または兄弟姉妹と相続の話し合いをしなければならなくなるので、事前に遺言書作成等対策が必要となります。

コメントを残す