世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
今回は、【相続・遺言】に関して、寄与分の決定について考えてみたいと思います。
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【Q】寄与分はどのようにして決めるのですか?手続きを教えてください?
【A】寄与分の決定は、まず共同相続人間で話し合ってみて、まとまらないときには、家庭裁判所の手続きである調停や審判によることになります。
◆1.協議(相続人間での話し合い)
寄与分に関する話し合いは、遺産分割協議と同じく共同相続人全員で行わなければなりません。寄与分は相続開始後、遺産分割協議が成立する前までに決定されておくべきものですので、遺産分割協議の中であわせて話し合いで決めるのが普通です。
◆2.調停
共同相続人間の話し合いでまとまらないときは、家庭裁判所に調停を申し立てて、調停の場で寄与分について話し合いで決めることになります。
調停手続きは、裁判所を利用して話し合うための手続きです。調停委員の方々が各相続人の言い分を調整してくれる分、当事者だけでの協議よりまとまる可能性は高いと言えますが、共同相続人全員が合意に至らなければ、調停成立となりません。
寄与分についての調停を申し立てる場合には、遺産分割の調停も併せて申し立てるのが普通ですが、実際には、寄与分の調停をあえて申立てるのではなく、遺産分割調停の中で、寄与分について主張することが多いです。
寄与分の調停は、寄与分を申し立てる相続人が申立人となり、他の共同相続人全員が相手方になります。
管轄(どこの裁判所で扱うか)は、原則として相手方の住所地の家庭裁判所もしくは当事者が合意で定める裁判所になります。遺産分割調停が既に行われている場合、その遺産分割調停が行われている裁判所が管轄裁判所になります。
◆3.審判
共同相続人間での協議や調停で合意できないときは、家庭裁判所に寄与分を定める旨の審判の申立てをすることになります。
審判手続きは、裁判官が当事者から提出された証拠等に基づいて判断する手続きです。
寄与分を定める審判の申立ては、遺産分割の審判事件の申立てがなされていることが要件とされていますので、遺産分割審判が申し立てられていない場合、寄与分の審判の申立てと一緒に遺産分割の審判を申し立てる必要があります。
なお、調停を申し立てることなく、ただちに寄与分の審判の申立てを行うことも可能ですが、ただちに審判が開始されることは少なく、裁判所により職権で調停に付されるのが普通です。
管轄は遺産分割審判が申し立てられている場合には、遺産分割の審判事件が扱われている裁判所になります。遺産分割審判と同時に申し立てる場合には、相続が開始した地(被相続人が亡くなった場所)を管轄する裁判所になります。
◆4.定め方
寄与分が認めれれるには、寄与行為をした時期、その方法、態様、通常の扶養義務の範囲を超える程度の特別の寄与であったこと、その結果どのようにして財産が維持され増加したのかの関連性が明確に示されなければなりません。
したがって、調停手続・審判手続きの中で、寄与分を主張する人は、上記事情を裏付けるための立証活動をしなければなりません。例えば、扶養型や財産給付型では、扶養金額や財産給付を裏付ける領収書や預貯金通帳等の動きから立証すべきこととなります。