【改正民法債権編】解除の基本的な考え方

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回は、【改正民法債権編】に関して、解除の基本的な考え方について考えてみたいと思います。

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解除の基本的な考え方

債務者の帰責事由は不要とし、法定解除を2種類に整理

 

◆契約の解除
契約の解除とは、いったん有効に成立した契約を破棄し、契約がなかった状態に戻すことです。解除には、次の3種類のものがあります。
①法律が定める要件に基づく法定解除
②契約ごとに当事者が定めた解除権に基づく約定解除
③当事者が契約の解消に合意する合意解除
今回の民法改正では、①の法定解除の基本的な考え方と要件について、変更が加えられています。

 

◆帰責事由を不要に
旧法では、解除は債務を履行しなかった債務者に対する制裁と考えられており、債務不履行について債務者に責任を負わせるだけの理由(帰責事由)がない場合は、解除できないとされていました。

旧法543条ただし書きは、履行不能による解除について「債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるとき」は解除できないと定めており、また催告による解除に関する旧法541に基づく解除権も、債務者に帰責事由がなければ行使できないと解釈されていました。

新法では、解除について、債務者に対する制裁ではなく、債務不履行の場合に債権者を契約上の拘束から解放するための制度と位置づけ、解除にあたって債務者の帰責事由の有無を問わないこととし、旧法543条ただし書きの規定は削除されました。

たとえば、部品の仕入れ先が大災害で被災し部品の供給ができなくなった場合、これまで発注者は、仕入先には帰責事由がないため、契約の解除ができませんでした。新法下では、こうした場合でも、速やかに契約を解除し、代替的な仕入先との取引に入れるようになります。

ただし、これまでも、債務不履行について債務者に帰責事由がないと判断されることは少なく、この変更の実務への影響は大きくありません。
なお、債務不履行の場合に損害賠償を請求するためには、今後も債務者の帰責事由が要件となります。したがって、債務者に債務不履行があった場合は、債権者は、要件や効果の違いを踏まえて、契約を解除するか否か、損害賠償を請求するか否かを考えていくことになります。

 

◆法定解除の種類の整理
新法では、法定解除の種類を「催告による解除」(新法541条)と「無催告解除」(新法542条)の2つに整理しました。

解除に際しては、債務者に債務を履行するチャンスを与えるために、事前に期間を定めて催告し、それでも履行しないときに解除権が発生するのが原則です(催告による解除)。しかし、催告をしても履行を受ける見込みがない場合にまで、債権者に催告を要求することは無意味なので、その場合はいきなり契約を解除することが認められます(無催告解除)。

旧法では、解除の種類を、債務者よる債務不履行の内容の違いにより、「履行遅滞等による解除」(旧法541条)、「定期行為の履行遅滞による解除」(旧法542条)、「履行不能による解除」(旧法54条)の3つに整理していました。
新法では、これを「催告による解除」と「無催告による解除」の2つに整理したのです。
旧法での「債務が定期行為であること」と「履行不能であること」は、無催告解除が可能となる要件の1つとして位置づけられています。

 

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