【任意後見制度】任意後見契約の中身

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
パスポート申請、車庫証明申請も多く手掛けております。
今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見制度の中身について考えてみたいと思います。

【終了】持続化給付金・家賃支援給付金、申請サポート業務は受付を終了しました。

東京都世田谷区の車庫証明は【090-2793-1947】までご連絡を

東京都世田谷区の相続・遺言・戸籍収集支援・終活は【090-2793-1947】までご連絡を

東京都世田谷区のパスポート申請は【090-2793-1947】までご連絡を

 

【1】受任者・・・支援・擁護する人

任意後見契約は、財産管理や療養看護等に関する事務を自分の信頼できる人にお願いし、これを引き受けてもらう契約ですが、この契約の受任者の資格に制限はなく、また、委任契約ですので、法人が受任者となることもでき、複数の受任者と委任契約をすることも可能です。

しかし、家庭裁判所による、任意後見監督人選任の審判の段階において、任意後見契約の受任者に不正な行為その他任意後見人として不適切な事由があれば、家庭裁判所は、任意後見監督人選任の申立てを却下します。

申立てが却下されると、受任者は任意後見人にはなれませんので、この手続きによって、任意後見人の適格性が公的に審査されることになります。

 

【2】委任事務の内容・・・食事や介護をしてもらえるのか

成年後見制度とは、精神上の障害により判断能力が不十分であるため、物品の購入や医療契約、施設入居契約、銀行取引等の法律行為を行なうことが困難な人の判断能力を補う制度ですから、その制度趣旨から、任意後見契約により委任される事務は法律行為に限られます。

したがって、買い物をする、食事を作る、掃除をするなどの、いわゆる事実行為のみを委任し、代理権を付与しない内容の契約(準委任契約)は、この任意後見契約には当たらないこととなります。そのため、任意後見契約の一部(条文)として、法律行為についての代理権の付与とともに事実行為についても委任事項に含めると、法律問題を生じるおそれがあります。

同一の公正証書であっても、事実行為については別途の準委任契約として結んでおくとよいでしょう。

 

【3】代理権の範囲・・・何をやってもらえるのか

任意後見契約により代理権が与えられる対象となる法律行為は、預貯金の管理・払戻し、不動産その他の重要な財産の処分、遺産分割、賃貸借契約の締結・解除等財産権に関する法律行為だけでなく、介護契約、施設入所契約、医療契約等の締結(身上監護に関する法律行為)を含みます。

また、これらの法律行為に関連する登記・供託の申請、要介護認定の申請等の公法上の行為も代理権の対象となり得るものと解されています。また、これらの事務に関して生ずる紛争について、弁護士に訴訟を委任することも可能であると解されます。

なお、委任者(本人)が任意後見契約によって受任者(支援・擁護者)にしてもらえるのは、法律行為だけと言いましたが、厳密には、その代理のために必要な事実行為は、常識の範囲内であれば権限に含まれます。

例えば、医療契約の前提となる本人の病状や病歴告知の補助・代行や、銀行などから払戻しを受けた現金の保管などの事実行為は代理権の範囲内と解されます。

さらに、身上監護事務としての法律行為に付随する事実行為は、広く代理権の範囲に含まれます。例えば、見守りのための定期的訪問時での生活状況の把握のための活動や意思確認のための語らいなどがこれにあたります。

 

【4】任意後見契約公正証書・・・必ず公正証書を作る

任意後見契約は、適法かつ有効な契約が結ばれることを確実にするなどの観点から、公証人の作成する公正証書によってしなければならないとされています(任意後見契約法3条)。

公証人が本人の判断能力(意思能力)と意思とを確認します。任意後見契約の公正証書が作成されると、公証人の登記所に対する嘱託により、任意後見の登記がされます。

なお、契約を解除する場合には、公証人の認証のある書面によることとされています。