世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見契約移行型の財産管理契約の注意点 予備の受任者を選びたいについて考えてみたいと思います。
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【1】予備の受任者を選んでおきたい。
受任者が複数の場合、第1順位の受任者をAとし、第2順位の受任者をBとするなど優先順位を定めることは、少なくとも登記所との関係ではできないとされています。
後見登記法にこのような予備的契約を登記する規定がないからです。そうしますと、AとBを同列の受任者とする任意後見契約を締結するほかありません。その上で、「Aが病気や死亡によって後見事務を行なうことができなくなったときには、Bは任意後見監督人の選任の請求をしなければならない。」と定めた場合にはどうなるでしょうか。
この点については、日本公証人連合会「新版 証書の作成と文例 全訂家事関係偏」(立花書房、2005年)111ページでも、「このような特約は登記されないし、Bが特約に違反して、Aの職務遂行中に任意後見監督人選任の請求をした場合、家庭裁判所は特約に拘束されないので注意を要する」と指摘しています。
確かに裁判所に対して効力を生じない特約を設けることには、疑義が存しないわけではありません。しかし、裁判所を拘束する効果はなくとも、契約当事者間で効力を生じると解するのを妨げる理由はなく、かえって、本人の意思を尊重するという任意後見契約法の趣旨に適合すると考えられます。
したがって、このような契約も当事者間においては有効であり、当事者であるBには契約上の義務が委任者(本人)との関係で生じるものと考えられます。