世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見契約の注意点 任意後見監督人に任意後見人の指導をしてもらえるのかについて考えてみたいと思います。
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【1】任意後見監督人の主たる仕事
任意後見監督人の主たる仕事は、任意後見人の事務を監督し、その事務について家庭裁判所に報告すること(任意後見契約法7条1項1号、2号)です。
具体的には、任意後見人の事務処理の状況、支出の計算・用途などについて、任意後見人から定期的に資料の提出と報告を求め、本人(委任者)が任意後見人に託した事務が本人の利益のためにしっかりと実行されているかチェックするとともに、いつでも、事務の報告を求めることができ、また、財産状況の調査をさせることができます。
これらの報告及び調査事項の中から、任意後見人の事務の処理に適正でないところがあれば、任意後見人に改善のための助言や指導をして処理の是正をさせなければなりません。
【2】解任は裁判所の権限
任意後見監督人が任意後見人の事務の監督をする中で、任意後見人に不正な行為、著しい不行跡、その他任務に適しない事由があるときは、任意後見監督人の請求により、家庭裁判所は任意後見人を解任することができます(任意後見契約法8条)。
この裁判所による監督・チェックが任意後見契約の根幹をなすものと言えるでしょう。すなわち、任意後見監督人の指導に従わないで不適正な事務処理が是正されないでいたり、権限を濫用し本人の財産を使い込んだり、日常の素行が悪いというような事情がある任意後見人の場合には、裁判所の判断によっては解任されてしまうことになります。
なお、任意後見監督人には、任意後見人を監督する権限はあっても、解任する権限はありません。
【3】解任されたら法定後見へ
このように、任意後見人に一定の事由があると、家庭裁判所は、任意後見監督人、本人、その親族又は検察官の請求により、任意後見人を解任することができます。
この請求により、任意後見人が解任された場合、任意後見人がいなくなってしまいますので、通常は、任意後見監督人から法定後見開始の審判等の請求をすることになると思われます(任意後見契約法10条2項)。
なお、本人の判断能力の状況によっては、新たな任意後見契約の締結も不可能ではありません。しかし、任意後見監督人の選任までに相当の日数を要することになることから、本人が任意後後見を希望する場合は別ですが、そうでない限りは、本人の保護の必要性及び緊急性を考慮すると法定後見の利用が相当と思われます。