【任意後見制度】 高齢社会を取り巻く制度 任意後見制度に代わる法的な仕組み3

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
パスポート申請、車庫証明申請も多く手掛けております。

今回は、【任意後見制度】に関して、高齢社会を取り巻く制度 任意後見制度に代わる法的な仕組み3について考えてみたいと思います。

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【1】信託制度の活用

(7)遺言代用信託の具体的活用方法

Aさんが自分の財産の全部を信頼できる第三者Bさんに移転した上、Aさんが存命中はAさん自身が受益者となって利益を享受し、Aさんの死後は、その妻あるいは子供など特定の人を受益者と指定しておくという信託契約を結ぶことが可能です。

そうすれば、遺言をしたのと同様に、死後自分の意思に基づいた財産の分配を達成できることになります。ただ、このような契約をした場合でもAさんに認知症等の症状が現れたときに、間違いなくAさんがBさんから受益を続けられるかどうか、やはり心配となるかも知れません。そのような心配があるのなら、信託契約を結ぶ時点で、受益者Aさんの代理人すなわち「受益者代理人」として、Cさんを選任しておくことが可能です(信託法139条1項)。

つまり、高齢者Aさんが、「体も不自由になってきたし、将来認知症が現れたときに備えて、Cさんに受益者代理人をお願いしておきたい。」と思うのであれば、まず、AさんとCさんの間で、移行型任意後見契約を締結しておきます。内容は、Cさんに①「Aさんを代理して第三者と遺言代用信託契約を結ぶ権限を付与する」としておき、その上で②「Cさん自身が、その遺言代用信託契約についての受益者Aさんの代理人となる権限を授与する。」と規定しておきます。
そうすれば移行型任意後見契約の受任者が遺言代用信託の受益者代理人を兼ねることができ、スムーズな運用が見込めることになります。

なお、受益者代理人(Cさん)を選任する場合、そのCさんの死亡に備えて別の代理人(Dさん)を選任しておくのが妥当なことは、任意後見契約における受任者の場合と同様です。この場合、遺言代用信託契約に「(1)受益者代理人は、C及びDとする。」として上、「(2)受益者代理権は、もっぱらCが単独で行使するものとし、Cが死亡し、またはCに支障があるときは、Dが単独で行使するものとする。」と規定しないと、常にCさんとDさんが共同して権限を行使しなければならないという面倒な関係になってしまう(信託法139条3項)ので、注意が必要です。

(8)受益者連続信託

任意後見契約と併用する遺言代用信託は、Aさんが自分の財産を第三者Bさんに移転した上、Aさんが存命中はAさん自身が受益者となって利益を享受し、Aさんの死後は、「特定の人」例えばAさんの妻、あるいは子供を受益者として指定しておくという信託契約でした。この特定の人(受益者)が死亡すると、順次他の者に新たな受益権を発生するという仕組みを作っておくことにより、相当長期にわたる信託を行うことが可能になります(信託法91条)。これを受益者連続信託と言います。この手の信託を移行型任意後見契約と組み合わせることも可能です。

自分が築いた事業を孫の代まで確実に承継させたい場合(事業承継信託)や、自分の死後、高齢の妻あるいは障害のある子供の介護活費用、あるいは無償で居住する場を確保しつつ、その死後は財産を特定の孫に託したい場合(いわば、介護支援信託ともいうべき形態)に有効であると予測されます。

この場合、信託の時期は無制限(未来永劫)というわけにはいきません。存続期間は、「当該信託がされた時から30年を経過した時以降に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間」(信託法91条)とされています。

いずれ、信託期間が相当長期にわたることから、信託の受託者(Bさん)は、高齢化や病気が懸念される個人より、法人その他の団体の方が適していると言えましょう。
また、受益者指定権(信託法89条)の行使など、責任ある判断も、法人その他の専門家集団の方が適していると言えます。

また、必要に応じ、信託受益者の代理人や、信託監督人を置き、遺漏なく円滑な信託運営を図ることも必要となってきます。