【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q26 生前予約・生前契約の内容・範囲 

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【Q26】母が葬儀社と生前契約をして総額50万円を支払っていました。葬儀を実施する段階になったら会葬礼品や生花代、料理代は含まれていない、必要ない人もいるので「総額」には含まれていないと言われました。納得できません。

【POINT】
① 生前葬儀契約の内容
② 契約締結時の説明内容
③ 契約者死亡後に契約内容がわかるように

1⃣ 内容が不明瞭になりがちな生前契約
① ご質問は冠婚葬祭互助会も含めて生前葬儀契約でよくあるトラブルです。
② 生前契約では、葬儀社にどのような内容の葬儀サービスを依頼する内容になっていたのかが、重要なポイントとなります。
③ 過去の契約を見ると「葬儀一切」とか「○○コースでコース料といった大雑把な内容の契約書で、具体的な葬儀サービスの明細もなしというお粗末なものも少なくありませんでした。
④ 契約に含まれているサービスの内容が不明確で、葬儀社に含まれていないと主張されると、消費者は自分が契約したわけではなく、契約の同席していたわけでもなく、契約書等客観的資料も曖昧で役に立たないとなると、葬儀社の言いなりになりかねないという困った状況だったわけです。
⑤ このような状況から消費者サイドからは、生前契約時に、喪主候補や相続人予定者を同席させるよう要望したりしていますが、業界は応じていないのが現状です。

2⃣ 一般的な葬儀の費用
① 葬儀に係る費用は一般的に、葬儀社に頼むもの、通夜ぶるまいや会葬礼品等の参加者によって変動するもの、火葬関係の費用、寺院に支払う費用などに分けられます。
② 葬儀社との契約で一括と言っている場合に、本当に一括である場合でも葬儀社に頼むものだけであるということが普通です。したがって会葬礼品や料理代は含まれていないのが業界の常識となっています。
生花代はある程度含まれている場合もあるので、どの範囲まで含まれるか確認が必要です。
③ 契約締結時に受けた説明と実際の契約内容とが異なっていた場合には、不実告知により契約を取り消す(消費者契約法4条1項)という方法も理論的にはあり得ます。
④ しかし、葬儀に関する契約の場合には、本人が死亡しているとか、時間的余裕がないとか、葬式の実施後に問題が表面化するなど、取消しによって解決することは適切ではない場合が多いという問題があります。

3⃣ 契約内容の確認を
① 生前葬儀契約では、契約当事者が亡くなってから実施することになるので、契約締結時に契約内容の明細を客観的に明確にしておくことが重要となります。
② また、生前の契約では、時間的なゆとりがなくて急がなくてはならないという通常の葬儀契約のような事情があるわけではないので、葬儀の場合に必要なサービス内容や葬儀の契約に含まれているもの、含まれていないもの、などについて情報収集を十分に行ったうえで、自分が死んだ後に残された人にもよくわかるような契約内容や明細を用意してくれる葬儀業者を選ぶことが重要です。

【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q25 生前契約・生前予約の解約

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【Q25】葬儀社と葬儀の生前予約契約をして50万円を支払った後に、急に現金が必要になり解約の申し出をしました。葬儀社は「入会金として受け取ったものだから解約返金には応じられない」と言います。50万円もの入会金などあるのでしょうか。

【POINT】
① 生前葬儀契約の趣旨
② 解約できない特約の妥当性
③ 入会金の意味

1⃣ 1回払いの葬儀生前契約
① 生前葬儀契約の典型的なものとしては、従来から冠婚葬祭互助会があります。これは契約金額を毎月数千円程度分割で支払っていくというもので、割賦販売法に基づく許可が必要です。
② 許可の審査の際には使用する約款内容も審査をすることになっており、中途解約できる内容であることが必要とされています。
③ ただし、解約料としていくらまで差し引くことができるかについては特に規制されていません。
④ ご質問のケースでは、法律で規制されている冠婚葬祭互助会ではなく、1回払いの生前葬儀契約に関するものです。したがって、基本的には当事者間の契約の合意内容によります。
⑤ 具体的には、事業者が決めた約款の内容の合理的な解釈によります。ただし、どのような内容の約款なのかによって、消費者契約法の規制する不当条項に該当する場合には、その不当な条項部分は無効とされます。

2⃣ ご質問の契約の趣旨
① ご質問の契約の内容はどのようなものだったのか、が最も問題です。
② 消費者は、「生前予約契約」であるとの認識です。つまり、自分が死んだ場合の葬儀サービスの予約をし葬儀サービスの代金を前払いしたものである。予約完結権を実行しないで解約することはできるはずである、という主張と思われます。
③ 一方、葬儀社の言い分は「入会契約の入会料である」から入会後に退会したとしても返還できないという主張のように思われます。
④ そうすると、この契約の内容はいったいどのような内容のものだったのかが大きなポイントとなります。入会とは、どのような会に入会するという契約なのか、入会料とは何に対する対価なのか、という問題です。
⑤ これらの点を解明するには、まず契約書や契約関係書類を確認する必要があるでしょう。実態として、生前に生前葬儀契約の予約をしたという趣旨の内容であれば、これは一種の請負契約に該当するものであり、仕事が完成する以前は、注文者はいつでも契約を解除できるのが原則です。
⑥ 解除できない旨の特約があるときでも、消費者からの解約を制限するだけの合理的理由がないので、消費者契約法10条に反して無効であるというべきです。
⑦ ただし、その場合には、もし葬儀社に損害を与えた場合には損害については賠償することになると思われます。ただし、この損害には「儲けそこなった利益」や「外務員に支払った歩合給」等は含まれません。

3⃣ 契約内容が異なっていた場合
① 契約内容が、葬儀社の主張する「入会契約」であり退会しても入会金は返金しない内容となっていた場合には、二つ問題点があります。
② 第1に、消費者が生前の葬儀予約契約だと認識していたことです。業者の説明を信じてそう思い込んで契約していたのであれば、不実告知による取消し(消費者契約法4条1項)ができる可能性があります。
③ 第2に、入会契約であっても入会金は何に対する対価なのか。退会しても返還しないだけの合理的な理由があるのか、平均的損害を超えていないのかという問題です。
④ 入会後に退会まで受けたサービスは何か、退会によりその事業者が被る平均的損害はどのようなものかがポイントになります。
⑤ いずれにしても一切返金しないとの特約は、消費者契約法9条1号に反して無効と考えられます。

【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q24 生前葬儀契約の注意点

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【Q24】葬儀社から「今、生前予約をして30万円前払すれば50万円のコースと同額の葬儀ができる」と言われました。まだ60歳であり、将来のことまで分からないので悩んでいます。

【POINT】
① 生前葬儀契約とは
② 生前葬儀契約の危険性

1⃣ 多様化する生前葬儀契約
① 最近では、自分が死んだあとの葬儀のことを考えて生前に自分のための葬儀の手配を考えたい人が増えつつあるようです。
② 雑誌の企画や消費者向けの講座などでも生前葬儀契約に関する講座は人気があるようです。
③ こうした事情が背景にあり、自分の生前に葬儀のための契約ができるタイプの契約もいろいろなものが出てきています。
④ かつてはこの種の契約としては冠婚葬祭互助会がある程度でしたが、現在では冠婚葬祭互助会以外のタイプのものもいろいろ出てきています。
⑤ ご質問のケースは勧誘内容しか分かりませんので、具体的にどのような内容の契約であるか不明です。ここでは、生前葬儀契約として可能性のあるものを考えていきます。

2⃣ 1回払いや2回払いの生前葬儀契約
① 最近販売されるようになった生前葬儀契約として、葬儀代金を契約時に一括払い、あるいは2回払いで自分が死んだ後の葬儀をパックで契約するタイプのものがあります。
② このタイプでも、事業者は質問にあるような勧誘を行うことが多いようです。
③ このタイプの契約で注意しなければならない点は、自分が死んで葬儀が必要になった時に、契約した事業者が存在していて経営状態も安定しており契約通りに葬儀を実施できる保証はない、ということです。
④ 冠婚葬祭互助会の場合には、割賦販売法に基づき経済産業省の許可が必要で、さらに同法では消費者が前払した金額の2分の1は保全する義務があると定めています。
⑤ しかし、1回払いや2回払いの生前葬儀契約の場合には、法律による規制は一切ありません。どのような事業者であっても個人でも、資産の規模などに関係なく自由にビジネスとして行うことができます。
⑥ 監督官庁などで経営状態をチェックする仕組みはありません。契約する消費者個人が契約相手の事業者が将来葬儀を実施できるかどうか判断しなければなりません。

3⃣ どのような葬儀をしたいか
① 第2に、自分がいつ死ぬかということは予想がつきません。自分が死んだときにどのような葬儀をするのが良いか、葬儀を行う家族にとって納得できるかということについて、今の時点で適切に判断することができるか、ということも大きな問題です。
② 葬儀のあり方や考え方が大きく変化している時代です。葬式の祭壇、棺のデザインや品質なども今決めてよいものかどうか。
③ また亡くなる本人の考えと残される家族の考え方が一致するとも限りません。

4⃣ 遺族との情報共有
① 第3に、生前葬儀契約は、契約した本人が死亡した場合に契約による葬儀が実施されるというものです。契約による債務の履行が必要になった時点では、契約者はもういないのです。
② したがって、生前葬儀契約をしたことやその具体的な内容を本人しか知らないのでは、契約した意味がありません。
③ 葬儀を行う遺族となる家族の人たちが、本人が契約した生前葬儀契約の内容なども含めてよく承知していることが必要です。
④ 具体的には、契約の際に本人とともに家族が同席して契約の締結や内容についても知る機会を持つこと、さらに契約した場合には、契約で事業者が約束したサービス内容を明確かつ平易な内容の書面として作成して保管しておくことが重要です。
⑤ 冠婚葬祭互助会も含め生前契約では、本人が死亡した時には生前契約のあることを誰も知らず、したがって別の葬儀業者に依頼して葬儀を実施してしまうことがよくあると言われています。契約時に家族が同席するあるいは契約内容を家族に周知することは不可欠と言えます。

5⃣ 契約内容は何か
① 冠婚葬祭互助会も含めて生前の葬儀契約では、「ここで契約しておけば、これですべての葬儀を行うことができて、一切金銭的な負担はかからない」と期待して契約する人が多いと思います。
② しかし、生前葬儀契約を利用していた場合でも追加費用が発生することがあります。生前葬儀契約では、葬儀を行う場合に必要な一定のサービスがパックされたパック商品です。問題はどのようなサービスが含まれているかということです。
③ 通常葬儀には、病院から自宅迄の遺体の搬送、枕飾り・祭壇の貸与、棺の販売などは含まれているのが普通です。ただし、病院と自宅が遠い場合追加料金が発生する場合もあります。
④ 自宅ではなく、斎場での葬儀をしたいと思っていても斎場の利用料金は含まれていない場合もあります。葬式の司会やアシスタントの人数、棺や祭壇のランクなどで価格は違ってきます。パックではどのような品質か注意が必要です。
⑤ さらに、火葬費用、火葬場までのタクシー代、食事代、お返しの費用などはパックに含まれていないことが普通です。霊柩車による火葬場への搬送費用、民間火葬場の場合は火葬費用が発生します。
⑥ お経をあげてもらったり、戒名をつけてもらう際の寺院へのお布施も別途必要となります。
⑦ 生前葬儀契約の場合、時間はあるので、何が含まれているのか、別途どのような費用が必要となるのかなど、よく検討することが大切です。

【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q23 冠婚葬祭互助会契約の解約

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【Q23】70歳の父が将来の葬儀のことを考えて、36万円36回払の冠婚葬祭互助会の契約をしました。知人から「36万円で全部できるわけがなく、追加料金が発生する」と言われ、全部できると思って契約したので、それなら辞めたいと思い解約したいと告げたところ、「6回分の支払済み金額は解約手数料で戻らない」と言われました。正当な言い分でしょうか。

【POINT】
① 冠婚葬祭互助会とは何か
② 冠婚葬祭互助会の中途解約
③ 解約料の妥当性

1⃣ 冠婚葬祭互助会とは
① 冠婚葬祭互助会とは、葬儀や結婚式などが必要になった場合にサービスの提供を受けることを約束して、その対価を2カ月以上にわたり3回以上に分割して支払う契約を指します。数年間にわたり数千円程度を分割払いで支払うものが多くみられます。
② 分割による前払の方式をとっていることから、冠婚葬祭互助会は割賦販売法の規制が及び、経済産業省の許可が必要です。
③ 営業所ごとに営業保証金の供託が必要で(主たる営業所は10万円、その他の営業所は1か所ごとに5万円)、顧客からの預かり金が多くなるとその半額を保全することも義務づけられています(前受金保全措置)。
④ 金額と提供されるサービスの内容は、互助会業者によって数種類のコースを用意しているのが普通です。コースの内容は、料金内で提供できる範囲のサービスなどを組み合わせています。
⑤ 安いコースの場合には、例えばホールの使用料が含まれていないなど、葬儀に必要なサービスであっても含まれていないものがあるので、よく確認することが大切です。
⑥ さらに、葬儀には、料理、タクシーなどの費用、火葬場の支払、寺院への支払いなど、互助会で提供する以外のサービスなどが必要不可欠です。
⑦ そのため、葬儀を行う場合には、互助会への支払だけで葬儀を済ませることができるわけではありません。この点も消費者に誤解がないように十分説明が必要です。

2⃣ 冠婚葬祭互助会の中途解約
① 冠婚葬祭互助会は、サービスの提供を受ける前であれば中途解約ができます。冠婚葬祭互助会の使用する約款については割賦販売法による許可の際の審査対象になっており、現在では中途解約ができる内容になっているものであることが必要とされています。
② ただし、現在のところ、中途解約の際の解約料などの取扱いについては具体的な基準は定めておらず、互助会業者の自由に委ねています。
③ これまでは、契約金額の2割程度の違約金条項を定めているものが少なくありませんでした。また、支払済みの料金は返還しないというケースもしばしば見受けられました。

3⃣ 解約料と消費者契約法
① こうした事情のもとで以前から互助会の解約に伴うトラブルは少なくありませんでした。解約しても支払済みの金銭が返還されないとか、違約金が高すぎるという指摘が少なくなかったのです。
② 消費者契約法では「当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの」を不当条項とし、「当該超える部分」は無効であると定めています。
③ 違約金条項に定める違約金が平均的損害を超えているのではないかという指摘がされていたのです。
④ ある適格消費者団体が、冠婚葬祭互助会が用いていた中途解約に関して、一律契約金額の2割を解約料とする条項が平均的損害を超えるもので無効であるとして差止めを求めた事件があります。
⑤ この事件に関して大阪高裁は次のように判断しました(互助会側が上告しましたが、上告不受理で高裁判決が確定しています)。
⑥ 消費者契約法9条1項にいう「平均的損害」とは、同一事業者が締結する多数の同種契約事案について類型的に考察した場合に算定される損害の額を指し、具体的には、解除の事由、時期等により同一の区分に分類される複数の同種の契約の解除に伴い、当該事業者に生ずる損害の額の平均値をいうものと解されると判断しました。
⑦ 次いで、冠婚葬祭互助会は、消費者から葬儀等の施行の請求を受けてはじめて、その消費者のために葬儀等の施行に向けた具体的な準備を始めるものであること、したがって、具体的な葬儀等の施行の請求がなされる前に契約が解約された場合には、損害賠償の範囲は原状回復の範囲に限られるべきであると判断しました。逸失利益の請求はできないと判断したわけです。
⑧ 具体的には、契約の締結及び履行のために通常要する平均的な費用の額が「平均的な損害」であり、その範囲は個々の消費者契約との関係において関連性が認められるものを意味すると判断しました。
⑨ 毎月の集金費用(1回600円の実費)と年1回のニュースの作成費用と送付費用および入金状況通知の費用であると判断しました。
⑩ 以上からすると、中途解約した場合には支払済みの月掛金は一切変換しないとする主張は不当なものであり、認められません。

4⃣ 不実告知による取消しの場合
① また、契約の締結について勧誘をする際に、事業者が「この契約には葬儀に必要なすべてが含まれている」旨の契約の内容についての不実の告知をしたために消費者が誤認した事実がある場合には、消費者契約法による不実の告知を理由に契約を取り消すことができます。その場合には支払済みの全額を返還するよう請求できます。

【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q22 葬儀の生前予約・生前契約に関するトラブル

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【Q22】20年前に互助会の会員となり満期も過ぎました。父の葬儀で利用しようとしたら「20年前の12万円コースはなくなり、いまある30万円コースを利用すると18万円追加になる」と言います。では、解約すると言うと「解約手数料がかかるので7万円しか戻らない」と言われました。正当なことなのでしょうか。

【POINT】
① 冠婚葬祭互助会とは
② 追加料金請求の妥当性
③ 解約料請求の妥当性

1⃣ 冠婚葬祭互助会は前払式特定取引
① 生前に自分の葬儀のための契約をしておく契約で、古くから利用されているものが冠婚葬祭互助会です。冠婚葬祭互助会とは、割賦販売法で規制されている前払式特定取引に該当します。
② 割賦販売法では、規制対象の前払式特定取引を次の要件を満たす取引と定義しています。
③ 第1に支払条件に関して、消費者が商品の引渡しまたは役務(サービス)の提供を受ける前にあらかじめ2カ月以上にわたり3回以上の分割払いで料金を支払うものであることです。
④ 第2に、役務の場合、事業者が同法施行令で定められている役務を提供するものであることが必要です(商品の場合は指定制はありません)。
⑤ 同法施行令では「一 婚礼(結婚披露宴を含む)のための施設の提供、衣服の貸与その他の便益の提供及びこれに付随する物品の給付」と「二 葬式のための祭壇の貸与その他の便益の提供及びこれに付随する物品の給付」の2種類の役務を指定しています。以上の要件を満たす取引を指して、冠婚葬祭互助会と言っています。
⑥ やさしく言えば、毎月1000円から数千円の支払をしておくと、自分や家族の死亡などにより葬式などの冠婚葬祭が必要になった場合に、前払した費用で行うことができるということで、経済的に豊かでなかった時代のニーズにあった種類の取引だったといえるでしょう。
⑦ 現代社会においても自分の葬式で家族に負担をかけることを心配して生前に葬儀のための契約をしたいと考える人が増えています。
⑧ こうした事情から、冠婚葬祭互助会についても自分の生前に葬儀契約できるシステムという観点から消費者の注目を浴びているという事情があります。
⑨ 半面、契約締結時には、いつ葬儀が必要になるか予想することができないという特殊性のある契約です。例えば、契約締結時には健全経営をしていた事業者の経営状態が変わってしまうとか、物価の変動であるとか、社会事情や生活文化などの変化によって葬式のあり方もかわってしまうなどということは起こり得ます。
⑩ そのためにさまざまなトラブルも起こっています。ご質問のケースはその典型的なもので、契約締結から20年後にサービスの提供を求められても困ると言い出して問題が起こったケースと考えられます。

2⃣ 問題の所在
① 事業者の主張は「契約をしたのは20年前のことだ。現在は、20年前にあった12万円のコースはなくなっている」、「現在あるのは30万円コースであるから、18万円の追加料金を支払ってもらう必要がある」というものです。
② ここで問題となるのは、20年前に締結された冠婚葬祭互助会の契約の内容は何かということです。冠婚葬祭互助会の契約では、契約した消費者は、契約に基づいて事業者が提供するはずの商品やサービスに対して対価を支払うことを約束し、対価を契約で約束した支払方法で支払う債務を負います。
③ ご質問のケースでは、12万円を分割前払で支払うというもので、契約者であるご質問者(消費者)はその支払いを完了しているということです。
④ では、事業者は契約で12万円の対価をもらってなにを提供することを約束したのでしょうか。割賦販売法の定義でいうと、「葬式のための祭壇の貸与その他の便益の提供及びこれに付随する物品の給付」です。
⑤ 契約締結の際には契約内容として「こういう祭壇の貸与」、「こういう棺・骨壺などの給付」、「これこれの内容の便益の提供」といった具体的な内容を契約の際には決めていたはずです。
⑥ 冠婚葬祭互助会の契約とは、契約で対価と提供するサービスの内容を定めるもので、ただし、「葬式に関する約束したサービスの提供時期は将来のいつになるかは予想できない未定のものであるが、必要になった時は何年先になっても契約に従って提供しますよ」ということを約束するものであるということなのです。
⑦ したがって、事業者は、20年前の契約で約束した内容のサービスを提供する契約上の債務を負担していることになります。
⑧ 今現在20年前のコースが商品として販売されていなくても、締結した契約を履行する義務があることには違いはありません。
⑨ 20年前の契約で今はそのコースがないからということは、契約を守らなくてもよいという理由にはならないのです。この事業者の対応は、法的には根拠のない言い分です。
⑩ ご質問者は、20年前の契約で約束したサービスを提供するように事業者に対して要求する権利があります。追加料金を支払う義務はありません。
⑪ 事業者としては、20年前とは物価も違っているなどの事情があるから、12万円でサービスの提供を求められても採算が合わないという言い分があるのかもしれません。
⑫ しかし、もともと冠婚葬祭互助会というものは契約内容にそういうリスクをはらんでいるものであって、そうした事情を承知の上で事業として行っているわけですから、20年の経過の中で採算が取れない事情になったからといって追加料金を請求することは認められないというべきです。

3⃣ 対処方法
① 消費者がとることができる対処方法としては、契約に従ったサービスの提供をするよう要求する方法が考えられます。
② ただし、葬儀の場合には、葬儀が必要になってからそれほどの猶予期間をおくことはできません。したがって、数日程度の期間を区切って契約に従った債務の履行を請求し、期間内に債務の履行がないか、事業者が「30万円コースとの差額を支払わない限りできない」と拒絶するのであれば、債務不履行を理由に契約を解除することになるでしょう。そして現実の葬儀は別の業者に依頼せざるを得ないと考えられます。
③ 契約相手に債務不履行があった場合には、相手の債務不履行によって被った損害で、通常予想することができる範囲の損害については、相手方に債務不履行による損害賠償を請求することができます。
④ すでに支払った12万円の返還を求めるとともに、事業者が契約どおり履行してくれれば被ることがなかったであろう金銭的な被害について、損害賠償請求することができます。
⑤ 12万円コースと同様の内容の葬儀を実施したのに、新たに別業者に依頼せざるを得なかったために高い出費を強いられたという場合には、その部分を債務不履行に基づく損害として事業者に賠償請求できます。
⑥ ご質問では、30万円との差額を支払いたくないから契約をやめると述べた消費者に対して、契約を解約するのであれば解約料がかかると事業者は主張しています。
⑦ しかし、消費者が解約したいと言っているのは、消費者の自己都合によるものではなく、事業者が契約に基づく債務の履行を拒否しているためです。
⑧ つまり、事業者の債務不履行による契約解除にあたるわけです。自分が債務不履行を起こしているにもかかわらず、契約を守らないのであれば契約を解消するという消費者に対して解約料をとるといっているという理不尽な主張をしていることになります。
⑨ 契約の中途解約が消費者の自己都合によるものであれば、合理的な範囲で契約で定められている違約金であれば消費者は支払わなければなりません。
⑩ つまり、支払った金銭から差し引かれて残った差額しか返還されないこともやむを得ない場合があります。
⑪ しかし、ご質問のケースは、事業者が債務の履行を拒絶しているために起こったことなのですから、事業者は解約料をとることはできません。むしろ消費者に対して損害を賠償する義務を負うことになります。

【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q17 献体意思と遺族の承諾

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【Q17】母は生前に献体を申し出ており、その際、兄(すでに死亡しています)が同意書にサインしています。私は母の遺体をいじられたくないので、献体したくありません。献体は断ることができるのでしょうか。

【POINT】
① 献体とはどういうことか
② 献体の意思は尊重されるか
③ 遺族が献体を拒否することができるか

1⃣ 献体とは
① 献体とは、自己の身体(遺体)を、死後、医学または歯学の教育として行われる身体の正常な構造を明らかにするための解剖(正常解剖)の解剖体として提供することを指しています(献体法2条)。
② つまり、献体による正常解剖は、犯罪捜査のための司法解剖や死因調査などのための行政解剖・病理解剖などと異なり、医学や歯学の教育の向上を目的としています。

2⃣ 献体の意思
① ある人が、自己の身体(遺体)を、死後、医学または歯学の教育として行われる身体の正常な構造を明らかにするための解剖(正常解剖)の解剖体として提供することを希望することを「献体の意思」があるといい(献体法2条)、献体の意思は尊重されなければならないこととされています(同法3条)。
② したがって、死亡した人が、献体の意思を書面によって表示しており、かつ、次の⑴⑵のいずれかに該当する場合には、死体解剖保存法7条に基づく遺族の承諾なくして、死体の正常解剖を行うことができます(献体法4条)。
⑴ 正常解剖を行おうとする者が属する医学または歯学に関する大学の学校長が、死亡した者が献体の意思を書面によって表示している旨を遺族に告知し、遺族がその解剖を拒まない場合
⑵ 死亡した者に遺族がない場合
③ ご質問の場合には、お母さんが書面によって献体の意思を表示していることが明らかですから、ご質問者が解剖を拒まない限り、ご質問者の承諾がなくても、正常解剖を行うことができることになります。

3⃣ 遺族による献体の拒否
① しかし、ご質問の場合、ご質問者が積極的に解剖を拒む場合には、献体の意思に基づいて正常解剖を行うことはできなくなってしまいます。
② 人が死亡した場合、その人の法的権利能力はなくなってしまい、法的主体としてその人の献体の意思が法的な力を持つことは難しくなります。法律上、死者を法的な主体として取り扱うことはできないものとされているからです。
③ そうすると、死者の祭祀主宰者(祭祀承継者)が死者に代わって法的権利を行使することになりますから、祭祀主宰者自身の意思を考慮しないわけにはいきません。
④ しかし、献体法3条が定めているように、死者自身が有していた献体の意思は、できる限り尊重されるべきでしょうし、医学や歯学の教育のために役に立ちたいというお母さんの意思は、それ自体尊いものとして考えるべきでしょう。

【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q16 成年後見人の葬祭の権限

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、シニア世代の将来設計、終活・相続支援・成年後見制度に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【Q16】入院中の成年被後見人がなくなりましたが、この被後見人には身寄りがありません。成年後見人は、葬儀の手配・火葬・納骨をすることができますか。

【POINT】
① 成年後見人と死後事務
② 成年後見人の葬祭の権限

1⃣ 成年後見人と死後事務
① 成年被後見人が死亡した場合には、成年後見は当然に終了し、成年後見人は原則として法定代理権等の権限を喪失することになります。
② 人が死亡すると、通常、死亡届の提出→葬儀→火葬→納骨などが必要となります。この「死後の事務」処理は、これまで相続人等の家族の仕事でした。
③ しかし、今日、身寄りのない高齢者や、身内とのかかわりの薄いかたちで生涯を終えていく高齢者が増えており(無縁社会)、死亡した成年被後見人に相続人がいない場合や、相続人が死後の事務にかかわることを拒んでいるような場合などがしばしば見受けられます。
④ このような場合、成年後見人は、成年被後見人の死亡後も、一定の死後事務を行うことを周囲から期待され、苦慮しながらも対応せざるを得ない状況に置かれることになります。

2⃣ 死亡届の提出
① 人が死亡した場合、同居の親族などの「届出義務者」は市町村に死亡の届出をしなければなりません。そして、この死亡届によって死者は除籍されます。
② 後見人は、平成20年5月1日から、死亡届出をすることができるようになりました。ただし、「届出義務」が課せられたわけではありません。

3⃣ 火葬・埋葬
① 後見における死後事務に関して、平成28年、民法典に873条の2が追加されました。ここには、成年後見人は、成年被後見人の死亡後に、家庭裁判所の許可を得て、「死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結」をすることができると定められています。
② これは、成年後見人が成年被後見人の死亡後に火葬・埋葬の手続きをすることを求められ、社会通念上これを拒むことが難しい状況にあることを考慮し、火葬・埋葬に関する成年後見人の権限を明文化したものです。成年後見人に火葬・埋葬の義務を負わせたものではありません。
③ この点は、墓地埋葬法を適用するうえで注意が必要です。墓地埋葬法9条1項は、「死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない」と規定していますが、たとえ成年後見人がいたとしても、「埋葬又は火葬を行う者がないとき」に該当する場合もありうるということになります。
④ なお、民法873条の2に基づいて死後事務を行うことができるのは、成年後見人のみであり、保佐人や補助人は含まれません。これは保佐人・補助人に民法873条の2の死後事務に関する権限を付与すると、保佐人等が被保佐人等の生前よりも、強い権限を持つことになってしまうからであると説明されています。

4⃣ 遺体の引取り・葬儀・納骨
① 「遺体の引取り」「葬儀」「納骨」は、これまでみてきた「死亡届の提出」「火葬」「埋葬」とは異なり、成年後見人の権限内の事項として法律上明記されていません。
⑴ 遺体の引取り
・民法873条の2第3号が、「死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結」を成年後見人の権限に加えている以上、火葬・埋葬の前提として必要な遺体の引取りのために行う葬祭業者等との契約の締結も、成年後見人は当然行うことができるものと解されます。
⑵ 葬儀
・次に、成年被後見人の葬儀に関する契約は、「死体の火葬又は埋葬に関する契約」に含まれるのでしょうか。
・この点については、「葬儀は遺体の引取りおよび火葬とは異なり、その施行が公衆衛生上不可欠ではなく、これを行わないことによって相続財産が減少する等のおそれがないことから、成年後見人の権限に追加をしなかったものである。とくに、葬儀を行う場合には、無宗教で行うことも含め、どの宗教で葬儀を行うのかという宗教上の問題や、どこまでの費用であれば社会通念上許されるかという問題があり、成年後見人に権限を追加することとはせずに、相続人が行なうことが適当と判断したものである」、と説明されています。
・したがって、成年被後見人が亡くなり、身寄りがなかったため、成年後見人がやむを得ず葬儀を行った場合には、従前どおり事務管理の規定(民法697条)に従って処理することになります。
・この場合、成年後見人には、費用償還請求権は認められます(民法702条)が、報酬請求権は認められません。なお、葬儀は火葬と異なり、緊急性がないため、善処義務規定(民法874条・654条)で対処することは難しいと思われます。
⑶ 納骨
・納骨は、民法873条の2第3号の「埋葬」に準ずるものとして、成年後見人は納骨に関する契約を締結することができるものと解されます。
・遺体の処理は、埋葬(=土葬)によって完結するのに対し、火葬された遺体の処理は、納骨によって完結します(ただし散骨の場合は納骨しません)。
・遺体について、成年後見人による最終的処理(=埋葬)が民法873条の2第3号によって認められているのですから、成年後見人による遺骨の最終的処理(=納骨)についてももちろん法は認めていると解すべきでしょう。
・成年後見人になった弁護士や司法書士・行政書士が、成年被後見人の火葬を行った際、遺骨の引取り手がいないので、仕方なく自分の事務所で遺骨を保管していることもあるようです。上記のように解することで、成年後見人の事務所に遺骨を置いておくような事態は回避することができるようになるでしょう。

【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q15 面識のない親族の遺体の引取り

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【Q15】生前面識のなかった叔父(父の弟)が死亡したので、遺体を引取りに来るように警察から電話がありました。両親もすでに死亡しており、叔父は結婚しておらず、子どももいなかったので、私だけが縁故者になるというのですが、私は叔父の遺体を引取りたくはありません。引取りの拒否はできるのでしょうか。

【POINT】
① 相続人や扶養義務者は遺体の引取義務を負うのか
② 祭祀主宰者は遺体の引取り義務を負うのか
③ 引き取り手のない遺体の葬祭は誰が行なうのか
④ 引き取り手のない遺体の葬祭費用は誰が負担するのか

1⃣ 相続・扶養義務との関係
① ご質問では、叔父さんに妻子がいないのであれば、ご質問者が唯一の血縁者であり、唯一の法定相続人になるのかもしれません。
② しかし、相続は、被相続人の有していた相続財産(プラスの資産だけではなく、マイナスの負債も含みます)を承継することであって、遺体は相続の対象に含まれません。
③ よって、遺体を引き取る義務があるかどうかということと、法定相続人であるかどうかということとは、関連するものではありません。したがって、ご質問者が相続を放棄すれば解決するという問題ではありません。
④ また叔父さんの生前にご質問者が扶養義務者であったかどうかも関係ありません。扶養義務とは、扶養権利者に扶養の必要性が認められる場合に、扶養義務者である直系血族および兄弟姉妹に扶養の可能性が存するときに発生する経済的な援助義務です。
⑤ 特別な事情がある場合には、3親等内の親族に扶養義務を負わせることはできますが、それには家庭裁判所の審判が必要です。
⑥ いずれにしても、遺体の引取りは、そのための費用に関する点を除いて経済的な援助義務とは何の関係も有りませんから、扶養義務があるかどうかという問題でもありません。

2⃣ 祭祀承継との関係
① 遺体に関する権利義務については、法律には直接の規定はありませんが、祭祀主宰者(祭祀承継者)が有すると考える学説や判決例が多いといえるでしょう。
② 遺体については、権利義務の対象とすべきでないという考え方もありますが、遺体を盗難や破壊から守るという意味で、遺体に対する所有権を観念することには合理性があると思います。
③ そうだとすれば、民法を準用して遺体の所有者は祭祀主宰者であると考えるのが最も適当であろうと思われます。
④ ご質問では、ご質問者が唯一の血縁者であることから、ご質問者が祭祀主宰者になるのではないかとも思われますが、誰が祭祀主宰者になるのかについては、第1に被相続人の指定、第2に慣習、第3に家庭裁判所の審判、によって決まります。
⑤ 被相続人の指定や慣習が存在したとしても、その対象者が祭祀主宰者になることを拒否している場合には、その者を祭祀主宰者としても意味はありませんから、祭祀主宰者になるべき義務などは観念すべきではありません。そうすると、祭祀承継という点から考えても、ご質問者には遺体の引取義務はないと考えられます。

3⃣ 引き取り手のない遺体の葬祭事務
① それでは、引取手のない遺体の葬祭はどうなるのでしょうか。この点については、葬祭を実際に行うという面と、そのための費用をどうするかという面を分けて考えるべきだと思います。
② まず、葬祭を実際に誰が行なうかという面については、引取手のない遺体の火葬に関しては、死亡地の市町村長が行なわなければならないこととされています(墓地埋葬法9条1項)。
③ なお、引取手のない遺体のうち、住所、居所、氏名がわからない遺体については、行旅死亡人とみなされて、市町村が火葬しなければならないと定められています。
④ 行旅死亡人に関しては、住所や氏名が判明しない場合には告示や公告を行い、住所や氏名が判明した場合は、相続人や扶養義務者に通知しなければならないこととされています。
⑤ しかし、行旅死亡人に該当しない引取手のない遺体の場合には、そのような手続きを定める法律は存在していません。それにもかかわらず、実際には、法定相続人に連絡して遺体の引取りを事実上求めるという実務になっているようです。
⑥ 以上のように、火葬までの手続きは法令で定められていますが、葬儀やその後の葬祭に関する規定はありません。
⑦ なお、引取手のない遺体については、その所在地の市区町村長が献体の要請があった場合に献体に付すことができます(死体解剖保存法12条)。献体が行なわれた場合には、解剖を行った大学側で解剖後の遺体を火葬し、大学の墓地に納骨した上で慰霊祭を行うところもあります。この場合には学校長が費用を負担することとされているので(同法21条)、葬祭費用の問題は生じません。

4⃣ 引き取り手のない遺体の葬祭費用
① 次に、葬祭の費用をどうするかという面については、墓地埋葬法9条1項に基づいて市町村長が火葬を行った場合の費用は、行旅病人及行旅死亡人取扱法を準用するとしております。
② 死亡者の遺留した金銭・有価証券を充当し、不足のときは相続人、死亡者の扶養義務者の順で負担し、さらに不足のときには遺留物品を売却し、最終的には火葬を行った地の都道府県の負担となります。
③ 引き取り手のない遺体につき、市町村長以外の誰かが実際に葬祭を行った場合には、民法では、市町村長などに対する事務管理に該当すると思われますが、その費用については、生活保護法の適用を受け、葬祭扶助を受けることができます。もし叔父さんが生前に生活保護を受給していた場合には、葬祭執行を民生委員に依頼した上で葬祭扶助を適用することもできます。 

【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q14 感染症による死亡と遺体の搬送・火葬

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【Q14】感染症により死亡した場合、遺体の取扱い方法は通常の場合と異なるのでしょうか。

【POINT】
① 感染症の場合に何に気をつけるべきか
② 遺体の搬送に特別な取扱い方法があるか
③ 遺体の火葬に特別な取扱い方法があるか

1⃣ 感染症において気をつけるべきこと
① 感染症によって死亡した人の葬送を行う場合、遺族への感染を防ぐとともに、葬送の従事者への感染も防がなければなりません。
② 感染症が急激に拡大し、死亡者数が急増して、火葬場の火葬能力を超えることになると、遺体の保存・搬送における対応にも支障を来す場合があります。
③ そこで、感染症によって死亡した人の遺体については、保存・搬送の際に感染が拡大しないようにする最善の注意が求められますし、そのためには遺体との接触の機会をできる限り少なくする必要があります。
④ もっとも、遺族の宗教感情や葬送に関する意向を無視するわけにはいきませんから、遺族の意向を尊重しつつも有効な感染症拡大防止対策を行うことが重要だろうと思います。

2⃣ 遺体の搬送における特別な取扱い方法
① 感染症によって死亡した人の遺体を搬送する場合、遺体を取り扱う事業の従事者への感染拡大を防止することが重要です。
② 新型コロナウィルス感染症の場合、一般的には飛沫感染および接触感染で感染するとされています。遺体の場合、呼吸や咳による飛沫感染のおそれはありませんから、接触感染に留意しなければならないことになります。
③ 接触感染を予防するには、感染管理の観点から「被透過性納体袋」に遺体を収容することが推奨されています。「被透過性」とは、体液などの液体が浸透しないという意味です。
④ そして、被透過性納体袋の外側も消毒するものとされています。それは、遺体収容の際に、袋の外側に体液等が付着することも予想されるからです。
⑤ なお、遺族の感情への配慮や遺体識別の観点から、少なくとも顔の部分が透明な被透過性納体袋の使用が推奨されています。

3⃣ 遺体の火葬における特別な取扱い方法
① 感染症によって死亡した人の遺体については、「一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体は、24時間以内に火葬し、又は埋葬することができる」とされています。
② 感染症によって死亡したのでない遺体については、墓地埋葬法3条で「埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く他、死亡又は死産24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。ただし、妊娠7箇月に満たない死産のときは、この限りでない」とされており、遺体の24時間以内の火葬が禁止されているのですが、感染症によって死亡した人の遺体は、感染防止の観点から、特例として、24時間以内の火葬が認められています。
③ ガイドラインにおいては、まず、遺族への配慮として、関係者同士が可能な限り接触しないで、亡くなられた方のお顔を見る場を、可能であれば設定できるように検討することが示されています。
④ そして火葬場従事者への感染防止対策に留意するとともに、火葬場における遺族等に感染が拡大しないよう、できる限り少人数で会することとし、三密を避け、お互いにマスクを着用し、人との距離を意識するなどの一般的な感染対策を行うことが求められるとしています。
⑤ なお、ガイドラインでは、100℃を超える温度にさらされたウィルスは失活すること、その温度に達するまでは注意が必要であることについて、理解しておくことも指摘されています。

【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q13 遺体搬送のルール

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【Q13】父が死亡したとき、病院の担当看護師から、「病院に出入りしている葬儀社があるのでそちらに連絡してご遺体を自宅に搬送して下さい」と言われました。
父の遺体は私が自分で自宅まで搬送しようと思っていたのですが、そういうことはできないかのように言われたのですが、自分で父の遺体を搬送してはいけないのでしょうか。

【POINT】
① 遺体の搬送は自分でできるのか
② 遺体の搬送にルールはあるのか

1⃣ 遺体の搬送
① 自分で遺体を搬送することについては、法定伝染病で死亡した場合などの特別な場合を除いて、法令では何ら規制されていませんので、家族の遺体を自家用車で搬送することは自由です。
② しかし、タクシーを使って遺体を搬送することは禁止されています。国土交通省令である旅客自動車運送事業運輸規則14条では、1項で「一般乗合旅客自動車運送事業者は、第52条各号に掲げる物品を旅客の運送に付随して搬送してはならない」とし、第52条12号には「死体」が定められています。また、同規則52条では、旅客は死体を自動車内に持ち込んではならないと禁止しています。
③ 他人の遺体を搬送できるのは、貨物自動車運送事業法に基づき、一般貨物運送業許可(霊柩自動車限定許可)を受けた場合に限定されています。
④ 霊柩自動車限定許可を受けるためには、霊柩車を保有し、遺体を搬送したり安置したりできる施設等を保有していなければなりません。
⑤ 霊柩車には、日本では緑地に白字(事業用)の8ナンバーのナンバープレートが付けられます。

2⃣ 遺体搬送のルール
① 自家用車で家族の遺体を自由に搬送できるといっても、法律によるルールが全くないわけではありません。
② なぜなら、遺体を搬送することは自由にできるとしても、その行為が社会的に悪影響を及ぼすような行為であれば、別の観点からの法規制が加えられることになるからです。
③ たとえば、遺体を物理的に破壊するような方法で搬送すれば、遺体を損壊したものとして、3年以下の懲役に処せられることがあります。
④ また、自宅に搬送した後、適切な処置を行わずに放置した場合、遺体を遺棄したものとして、3年以下の懲役に処せられることもあります。