【終活・遺言・相続相談】相談例16 任意後見契約

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【終活・遺言・相続相談】相談例16 任意後見契約についての記事です。

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【相談内容】
一人暮らしの相談者(81歳男性)から、会社を経営している甥(65歳)から、「おじさんは今後のことを考えて財産管理契約と任意後見契約をしたほうがいい。自分が引き受けるから」と繰り返し勧められている。よくわからないので、詳しいことを教えて欲しいと相談された。

【検討すべき点】
任意後見契約では、法定後見と違い、本人が信頼できる人を後見人に指名できる利点がありますが、実際には多くの問題があり、あまり活用されていない実態もあります。任意後見契約のどこに問題があり、その結果どのようなことが起きているかを相談者に説明します。

【1】任意後見契約

① 任意後見契約に関する法律は、成年後見制度と同じく、平成12年に施行されました。
② 任意後見契約は、委任者(本人)が、受任者(任意後見受任者)に対し、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状態における自己の生活、療養監護及び財産の管理に関する事務の全部又は一部をあらかじめ委託し、代理権を付与する旨の委任契約で、任意後見監督人が選任された時からその効力を生じます(任意後見契約に関する法律3条、4条1項)。
③ 成年後見と異なる任意後見契約の最大のメリットは、委任者が元気なうちに自分の意思で任意後見受任者を指名できることです(委任できる権限の範囲も必要に応じて決められます)。成年後見制度の様々な問題を回避するための便法としても用いられてきました。

【2】任意後見契約の利用実態

① 弁護士、司法書士、公証人らが任意後見契約の長所を強調し、同契約を推奨してきたこともあり、令和元年の任意後見契約の新規登録件数は14,102件、同年7月29日時点での累計登録件数は120,962件にのぼりました(令和2年日本弁護士連合会・任意後見制度の利用促進に向けた運用の改善及び法改正の提言)。
② ところが、登記された類型120,962件のうち、本人死亡により閉鎖された登記を除く、100,504件の中で、「任意後見監督人の選任登記」がされたのは3,510件(約3%)しかありませんでした。
③ 任意後見契約を締結(登記)する人は多いけれども、多くの任意後見契約では、任意後見監督人が選任されず(したがって契約も未発効)、事実上、任意後見契約は利用されていません。

【3】任意後見契約の問題点

【3-1】委任者側の理解能力

① 令和元年12月の法務省調査では、任意後見契約時の委任者の平均年齢は80歳で、もっとも契約締結件数が多いのは83歳でした。この年代になると多かれ少なかれ判断能力が衰えますから(80歳~84歳の認知症有病率は21.8%)、委任者は任意後見契約の内容を正確に理解していない可能性があります。
② もともと高齢になると理解不足を疑われるのが嫌で、「わかった」といいがちですし、特に任意後見契約については「まだ先のことだ」を考えて同意しやすいのです。
③ したがって、任意後見契約は、もっぱら受任者側の主導によって取り決められやすいと言えます。

【3-2】財産管理契約との併用

① 任意後見契約の利用形態としては、即効型、移行型、将来型の3種類がありますが、令和元年のそれぞれの利用割合は1%、75%、24%でした(法務省民事局調べ)。つまり、任意後見契約が締結される4件のうち3件は、同時に財産管理契約が締結されているのです。
② しかし、このようなケースでは、財産管理受任者は、広範な権限に基づいて委任者の財産を管理しますから、本人の事理弁識能力が低下しても、わざわざ任意後見監督人による監督を求める必要がありません。むしろ、任意後見監督人がいない方が融通が利き、都合がよいのです。

【3-3】任意後見受任者の属性

① 法務省の調査によれば、任意後見受任者の割合は、親族70%、専門職17%、知人等6%、その他6%でした。しかし、もともと法律や経理に疎い親族が、財産管理受任者及び任意後見受任者としての職務を果たせるとは思えません。
② 専門職(弁護士、司法書士、税理士、コンサルタント)が親族に助言を与えて財産管理受任者に就任させ、その職務を代行しているのではないかと思われます。そうであれば、それら専門職にとっては家庭裁判所が選任する任意後見監督人は不要の存在です。

【3-4】任意後見監督人選任の請求権者

① 家庭裁判所に任意後見監督人を請求できるのは、本人、配偶者、四親等内の親族又は任意後見受任者ですが(任意後見契約に関する法律4条1項)、事理弁識能力の低下した本人、高齢者の配偶者、近くにいない親族などにこの役割を期待することは難しいと思われます。
② そうすると、本人(委任者)の状態をよく知っている任意後見受任者自身が任意後見監督人の選任を請求するしかありませんが、財産管理受任者を兼ねている任意後見受任者なら、その必要を感じないでしょう。

【3-5】任意後見契約に対する無理解

① 任意後見監督人が選任されなければ、任意後見契約が発効しないというのは(任意後見契約に関する法律2条1号)、弁護士や司法書士、行政書士にとっては常識ですが、世間ではそうではありません。
② そのため、代理権目録を添付した任意後見契約の公正証書と登記事項を見せられると、多くの方が(任意後見監督人選任前でも)成年後見人と同じ権限を持っていると誤解します。
③ 財産管理契約では認めないはずの出金を認める金融機関もあるそうです。そうした意味でも、任意後見受任者は、任意後見監督人選任の必要を感じません。
④ 任意後見受任者(=財産管理受任者)は、第三者(任意後見監督人)の監督を受けないまま、財産管理契約に基づいて本人の財産を管理するという状態が続き、任意後見契約はいつまでたっても日の目を見ないことになります。

【3-6】適時における任意後見監督人の選任

① 任意後見監督人選任の申立てをする時期についても、任意後見監督人選任の要件である、「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状況にあるとき」(任意後見契約に関する法律4条1項)の判断は容易ではありません。
② 事理弁識能力は法律行為の結果が自己にとって有利か不利かを判断する能力であり、それが「不十分である」とは、民法13条1項規定の需要な財産行為について自分一人で行うことは不可能ではないが、適切に行えないおそれがあるため、他人の援助を受けていていた方が安心であるといった程度の判断能力をいうとされます。
③ この要件は、補助開始の要件とほぼ同じであるので、後見開始の要件や保佐開始の要件よりは手前の状態で足り、「一人にしておけない」「判断が危なっかしい」と思われる状態であれば該当するはずです。
④ ただし、客観的な判断と委任者本人の認識は往々にして食い違い、その意味でも任意後見監督人の選任請求の判断は遅れがちになります。

【3-7】本人の同意

① 任意後見監督人を選任するには本人の同意が必要です(任意後見契約に関する法律4条3項)。しかし、本人は自分の事理弁識能力の低下を認めませんし、財産にも執着しますから、「任意後見監督人の選任を申立てて財産管理に着手しますが、いいですか」と問われて素直に承諾するとは限りません。
② なお、本人の同意が得られない場合でも「本人がその意思を表示することができないとき」であれば任意後見監督人を選任できますが(同項但書)、家庭裁判所の調査官調査時にはっきり「いやだ」といわれてしまうとそれまでです。
③ そうなると、例外的に「本人の利益のため特に必要があると認められるときに限り」の要件を満たすものとして、家庭裁判所に後見開始の審判を求めるしかなくなります(同法10条1項)。

【4】相談者へのアドバイス

① 相談者は、甥から任意後見契約と財産管理契約の併用(移行型)を勧められているわけですが、甥に何か思惑がありそうな場合には、移行型には濫用の危険性があることを説明して、慎重に判断するようにアドバイスします。
② 弁護士が相談者の代理人として、これらの契約締結交渉を担当することができることも説明するとよいかもしれません。
③ 相談者から相談を受けた弁護士や行政書士に対して任意後見契約の受任者になるように求められた場合には、●任意後見契約に関する相談者の理解を確認し、●財産管理契約を伴わない将来型の任意後見契約を検討し、●任意後見監督人の選任申立てに関する具体的基準を相談者と協議して、●その申立てに対して同意しない場合は任意後見契約を解除することを確認する(任意後見契約に関する法律9条1項)などの手順で引き受けるべきだと考えます。

【終活・遺言・相続相談】相談例9 親との同居

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【相談内容】
相談者(62歳男性)から、「田舎で一人暮らしをしている母(86歳)が認知症のようなので、心配している。弟(次男59歳)もいるが、私は長男だし、私の2人の子も就職して家を出たので、母を引き取って、妻(60歳)と3人で暮らそうと思うが、どうだろう」と相談された。

【検討すべき点】
子が認知症の親を引き取って面倒を見るというのは美談とも言えるいい話です。しかし、実際の世話をするのが息子ではなくその配偶者であれば、その配偶者の理解は不可欠ですし、先々のことも考えておかなければなりません。また、兄弟姉妹への配慮や田舎の実家の処分も検討材料です。善意だったとしても、それが仇にならないように、将来を予測したアドバイスが必要になります。

【1】親と同居のパターン

① 別々に暮らしていた子が高齢の親と同居して面倒を見るパターンとしては、概ね以下の4つに分類されます。
(1)子が親を田舎から呼び寄せる「引取り」
(2)子が実家に戻って親と同居する「実家での親との同居」
(3)複数の子が持ち回りで親を預かる「ローテーション」
(4)子が自宅と実家を行き来する「半同居」
相談例はこのうちの(1)のパターンです。

【2】当事者の心理

① 一般的に高齢の親は住み慣れた自宅から離れたいとは思わないので、母の気持ちを考える必要があります。それでも、母が長男の申出に応じたのなら、自宅で自立して暮らす自信がなくなり、地元の施設にも入りたくない(大勢の前で恥をかくのが怖い)といった気持があるからかもしれません。
② 長男としては、長男の責任を果たしたい(在宅介護してあげたい)という気持ちが強いのだろうと思います。男性で単身の子が親を引き取るというパターンはあまり見られないので、配偶者(妻)が母の面倒を見てくれるだろうという、甘い考えがありそうです。
③ しかし、相談者の妻としては、義母との同居は歓迎できることではないケースが圧倒的です。そうであれば、同居すれば義母の資産を流用させてもらえるとの期待を抱くことは当然あり得ますし、いざとなれば施設に入居してもらうという考えもあり得ます。
④ 一方、次男は母の介護問題から逃げられるので、あまり文句を言わないでしょう。長男一家が母の財産を多少流用することも想定範囲かもしれません。しかし、母の財産が一気に減少したり、母から長男一家への恨みつらみを聞かされたり、長男が母を引き取って間もなく施設に入所させたりといった事情が生じれば、「親孝行は口先だけ」と長男夫婦を非難し始めるでしょう。

【3】同居と介護

① 親との同居は、もちろん在宅介護を意味しますが、在宅介護のたいへんさは経験してみないとわかりません。介護サービスを利用するとしても、徘徊、癇癪、愚痴、下の世話などを経験し、それまでの生活が制約され、認知症が進んだ親から感謝されなくなれば、やがて我慢の限界を迎えます(認知症の見当識障害から、排泄物を弄んだり壁に塗りたくる等の症状も見られますので、そうなると一層我慢することが辛くなります)。そうなると施設への入所を選択せざるを得なくなります。
② 母の他界後、遺産分割の段階になれば、長男夫婦には「介護の苦労はどう評価してくれるのか」という気持ちが生じます。
③ 寄与分(民法904条の2)には、「特別の寄与」との厳しい要件があり、よほどのことがなければ認められません(上記のような症状の親の面倒を見る程度では、認められません)。
④ 平成30年民法改正では、配偶者の苦労に配慮して、相続人ではない親族(相続人の妻など)が被相続人に対して無償で療養看護などの労務を提供した場合には、特別寄与料が認められることになりました(民法1050条)が、寄与分と比べて要件が大幅に緩和されたわけではありません。実際どのような場合に請求が認められるかも、まだ判例がなく不透明です。
⑤ したがって、相談者は、同居後に在宅介護が不可能な状態になったらどうするのか、また、在宅介護は特別の寄与に認められにくいということを考えなければなりません。

【4】親の財産管理

① 親と同居するには、他の兄弟姉妹から親の資産の流用を疑われないように、親の財布と子の財布を完全に分ける必要があります。具体的には、親子双方が別の家計簿をつけ、親の出費は出来る限り口座引き落としや振り込みを利用し、ATMからの現金出金を避け、1年に1度は他の兄弟姉妹に預金通帳の写しや収支の明細を送ることを勧めます。日常生活を写真や動画に写しそれを送るなどの工夫が大切です。
② このことは、長男が母の成年後見人になったとした場合に必要となる行為でもあり、成年後見を申し立てない場合でも、任意財産管理契約を締結したのと同じ運用と報告をすべきだということです。
③ よく問題となるのは、孫の入学や卒業の祝い金、結婚祝、出産祝、新築祝等の現金出金ですが、兄弟姉妹の各ケースを同額としておくなど、事前に話し合いで決めておけば、紛争を回避できます。
④ また、母を迎え入れるのに、バリアフリーなどのリホームや階段風呂場トイレなどに手すりを設置する等の工事を行う場合も、事前に兄弟姉妹の同意を得て、領収書を保存することが大切です。
⑤ 母の住んでいた田舎の実家は、帰る予定がないならば、空家問題を避けるためにも早めに処分すべきです。これは相談例では弟がいますので、よく話し合って決める必要があります。
⑥ 相談例でいう弟の立場の人から相談を受けた場合のアドバイスとしては、長男に母の生活費を教えてもらい、その一部でも分担して母名義の口座に仕送りすることをお勧めします。これは長男の浪費の抑止にもつながります。

【5】他の同居のパターン

① 相談例とは違うケースですが、【1】同居のパターンの(2)「実家に子が同居」のケースについて、子が身軽な単身者である場合が多いようです。この場合、非同居の兄弟姉妹からは、同居の子が自分の都合で親に寄生しているとみられるリスクが高くなります。このケースは親の預金の流用や自宅相続などの問題でもめやすいため、親の財産管理は【1】(1)の「呼び寄せて同居」パターンより気を使い厳格にすべきでしょう。
② これに対して【1】(3)の複数の子が持ち回りで親を預かる「ローテーション型」のパターンは、たとえば2か月ごとに、長男や次男・長女や次女の家を行ったり来たりするもので、あまり多くは見られませんが、高齢の親にとっては移動が負担になり、頻繁な環境の変化は認知症の進行にも悪影響を与えるので、あまりお勧めはできません。
③ また、【1】(4)の「子が実家と自宅を行き来する半同居」は、子が金曜の夜から日曜日まで実家に戻り親の介護をするといった方法です。その子にとっても大きな負担になることは自明なので、兄弟姉妹の仲がこじれることは少ないのですが、二重生活の為、費用面でも、体力面でもこの負担が重くなり、長続きしないケースが多くなります。

【6】親の言動についての注意

① 同居の場合に限定されませんが、認知症が進んだ高齢の親は、子どもの気を引きたいがゆえに、目の前の子に迎合する言動が多くみられ、目の前にいない子の悪口を言う傾向があります。
② 例えば、次男に「長男夫婦にご飯を食べさせてもらえない」「長男に預金通帳を取り上げられた」といい、長男には「頼りになるのはおまえだけだ」「次男は私の財産を狙っている」などと媚びるのです。高齢者として自然ともいえる行動ですが、子どもらがその言動を真に受けると、確実に争族の種になります。これを避けるためには親に「子供の悪口は言わない」ことを約束してもらうことと、兄弟姉妹間で話合い、親の言動を真に受けないとしておくことですが、実際は難しいところです。

【7】相続開始前の紛争(前哨戦)

① 親と同居していること非同居の子の対立が深まれば、相続開始前でもトラブルが生じます。
② 長男が親が「次男の顔も見たくない」と言っているとして、次男との面会を遮断することがあります。実際、親が同居の子の顔色をうかがってそのような発言をすることもありますが、非同居の子からすれば、それは許せるものではありません。そこで、自宅に押し掛け、警察を呼ばれ、弁護士に依頼して面会交流を求める親子関係調整調停事件に発展することもあります。
③ しかし、子に「親との面会を求める権利」はありません。「親が会いたくないといっている」として調停期日の出頭を拒否されると打つ手がありませんし、人身保護法2条の申立ても要件が厳しく、うまくいく見込みはあまりありません。
④ そこで、腹に据えかねた非同居の子が、ディサービスの帰りに親を連れ去るといった自力救済も起こり得ます。これに対して、同居の子が親の取返しを図ろうとすると、今度は非同居の子が「親は家に帰りたくないといっている」と主張します。
⑤ さらに、親を確保した子が、遺言書を書かせ合うといったこともあります。離婚事件の子供の取り合いに似ていますが、こうなると手の施しようが有りません。
⑥ その他、非同居の子が、同居の子が親の財産を費消することを予防するために後見開始を申し立てることも頻繁に見受けられます。そして、同居の子は家庭裁判所からの意見照会で後見開始の申し立てを知ることになりますが、例外なく激怒し紛糾します。
⑦ 相続前でもこれだけもめていれば、相続発生後に紛争になるのは必至です。親との同居はその遠因となるかもしれませんので、相談者には以上のリスクをお伝えし、十分に検討していただくようお勧めします。

なるほど納得!遺言書のあれこれ

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【遺言制度】に関して、「なるほど納得!遺言書のあれこれ」と題した説明資料のご提供です。

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今、終活という言葉が広く世間に知れ渡るようになり、併せて法的効果のある「遺言制度」に関するお問い合わせが非常に増えております。

弊所では初回相談を1時間無料で対応しておりますが、遺言制度に関するご相談をいただく場合、遺言制度の説明に時間を要してしまうのが実状です。

そこで、「なるほど納得!遺言書のあれこれ」と題して説明資料を作成いたしました。下記のリンクからPDFの資料を読むことができます。

相談の予約をする前に、一読すると遺言制度の全体像がご理解いただけるものと思いますので、お時間あるときにお試しください。

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【終活・遺言・相続相談】相談例7 望まれない介護者 

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【相談内容】
相談者(女性55歳)から、「久しぶりに尋ねた一人暮らしの父の家に、見知らぬ女性が上がり込んで、父の世話をしている。妻に先立たれた父は、その女性を頼りにしているようだが、ときどき怖がっているようにも見え心配だ」と相談された。

【検討すべき点】
その女性(介護者)は善意で父の世話をしてくれているのかもしれませんが、そうでない可能性もあります。父本人、隣人、親戚らに父と介護者との関係を確認し、必要に応じて、地域包括支援センターの援助を求め、介護認定を受けることや、成年後見開始の申立てなど、しかるべき対策が必要になると思われます。

【1】望まれないボランティア

① 介護サービスの従事者以外の方が、認知症傾向のある高齢者の家に入り込み、高齢者の世話をしていることがあります(同性の場合も異性の場合もあります)。このような方は、その昔、高齢者に「世話になった」「特別なご縁があった」などと主張し、自らを「ボランティア」と称して食事、掃除、洗濯などをして高齢者に取り入ります。また、高齢者も話し相手ができ面倒をみてもらえるので、歓迎する傾向があります。
② その介護者が真に善意で、あるいは高齢者との信頼関係から面倒をみてくれるならばありがたいことです。しかし、こうした方が高齢者の通帳や印鑑を管理し、勝手に預金を引き出し、世話代などの名目で金銭を取得しているケースも散見されます。
③ さらに、高齢者に婚姻届を作成させて配偶者になったり、養子縁組を届け出て養子になったり、あるいは自分に対する遺贈を書いた遺言書を作成させたりするケースもあります。
④ このような場合のターゲットになる高齢者は、配偶者や子供のいない、孤立している、小金を持っている、認知症の初期でお金の管理ができないといった共通点が見られます。
⑤ このような介護者は高齢者の財産を勝手に使った点などを指摘されると、高齢者から暴力を振るわれたとか、性的関係を強要されたとか逆切れすることもあります。

【2】相談者へのアドバイス

① このような場合、まず、相談者の父から通帳を預かって取引の履歴を確認し、収支に不自然な点がないかを確認します。それが困難な場合や、不自然な多額の出金がある場合には、介護者に説明を求めます。説明で不明点が解消されればよいのですが、そうでない場合は次の手段を講じます。
② 説明が不自然な場合や、介護者による金銭の消費や搾取が判明した場合、弁護士に依頼して返還請求をすることになります。もし、本人の判断能力が十分でないならば、四親等内の親族である相談者から成年後見制度利用の申立をしてもらいます。
③ これに対して、介護者が「父は認知症ではない」「財産を取り上げるのはかわいそう」などといって法定後見制度の利用に反対したり、医師の診断を受けることを妨害したりしますが、取り合う必要はありません。
④ 介護者と父との婚姻や養子縁組を防止するには、父と区役所や市町村役場に同行して、縁組等の届出に関する不受理届を提出する方法があります。

【3】高齢者虐待

① 平成18年、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)が施行されました。同法は、養護者又は高齢者介護施設従事者等による高齢者虐待の防止を目的としており、虐待の例として、身体的虐待(殴る、蹴る、つねる、縛るなど)、性的虐待(高齢者夫婦間のDVも含む)、心理的虐待(脅迫、恫喝、侮辱)、ネグレクト(介護や世話の放棄・拒否や不合理な制約)、経済的虐待(年金・預貯金・財産等の取り上げや処分)などが挙げられます。
② もし、介護者に預金通帳を取り上げられている場合には、経済的虐待に該当する可能性が高く、高齢者に対して恫喝や侮辱をしている場合には心理的虐待のおそれがあります。
③ このような場合、相談者に高齢者虐待防止法の内容を説明し、地域包括支援センターや市区町村の高齢者窓口へ通報や相談をするように勧めます。地域包括支援センターや高齢者窓口の担当者が自宅を訪問して調査し、虐待の有無やその保護、介護認定や成年後見制度の必要性なども検討してくれます。

【終活・遺言・相続相談】相談例4 一人暮らしの高齢者の相談

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【終活・遺言・相続相談】相談例4 一人暮らしの高齢者の相談についての記事です。

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【相談内容】
相談者(77歳女性)から、「2人の子供は独立し、4か月前には夫が他界して、私もおひとりさまになってしまった。これからどうやって生きていけばいいのか途方に暮れている」と相談を受けた。

【検討すべき点】
一人暮らしの高齢者世帯数は約683万世帯(男性約222万世帯、女性約460万世帯)です。近くに相談できる身内や知人がいないため、孤立している方も少なくありません。こうした方は、やがて病気になったり、生活できなくなればどうすればいいか、認知症になったら誰が面倒を見てくれるのかといった、不安を常に感じています。特に配偶者を亡くした直後は、精神的に落ち込みがちなので、注意が必要です。

【回答・解説】

【1】おひとりさま

① 一人暮らしの高齢者を「おひとりさま」と呼ぶことがあります。「おひとりさま」という言葉はテレビドラマの題名に使われ有名になりましたが、このドラマの主人公は30代の女性であり、まだ、高齢者を対象とした言葉ではなかったようです。
② その後NHKの番組で、地域社会と隔絶し、孤独な生活を送る高齢者の増加現象を「無縁社会」として取り上げ、人間関係の希薄化や生き甲斐などの問題により、消費者被害や孤立死などのリスクが高まることに警鐘を鳴らしました。こうして高齢者のおひとりさまがクローズアップされたようです。
③ しかし、高齢者の一人暮らしを「おひとりさま」と呼んだとしても、その中には子や兄弟姉妹などの推定相続人がいる場合と、推定相続人がいない場合、独居であっても、完全な一人暮らしか施設入所されているかなどで事情は異なります。

【2】配偶者を失った場合の心情に対する理解

① 相談者には2人の子供がいるので、本来、相談相手に困らないはずです。また、相談者はまだ若いので、まだ認知症のリスクも現実化しないと思われます。したがって健康に関する不安が顕在化していないのなら、年金支給に合わせて今後の生活設計を見直すとか、生前整理や断捨離を始めるとか、あるいは遺言をお勧めする、子供が将来自分の面倒を見てくれるか心配であるならば、委任財産管理契約や任意後見契約を検討するなどという回答になることが考えられます。
② 心配なのは相談者の心身の状態です。というのも、配偶者が亡くなると(子供の有無にかかわらず)残された配偶者は生活のリズムが狂い、喪失感から気力を失いがちで、一気に老けると言われています。この傾向は妻に先立たれた男性に顕著ですが、夫に先立たれた女性も落ち込んでしまい、生活のリズムが乱れ、不安が高じることが見受けられます。
③ したがって、このような兆候が見られる場合には、相談者の気持ちに寄り添い、亡くなった配偶者の菩提を弔い、故人を偲んで昔話を聞くとともに、新たに何かするべきことを見つけて、相談者を元気づけることが大切です。

【3】相談者へのアドバイス

① まじめな方ほど、「自分がしなければならないこと」を探そうとされます。そして、気持ちが弱っているときには、高齢者は、終活ビジネスの宣伝文句に乗せられて、不要なことに手を出してしまいがちです。
② 例えば、終活や遺言のセミナーに参加すれば、任意後見、財産管理、家族信託、遺言信託を勧められるでしょう。終活フェアでは、葬儀の予約や墓地の購入を勧められることが多くみられます。
③ しかし、それは相談者に本当に必要なことでしょうか。2人の子供が気にかけてくれているならば、相談者にとって、それらは喫緊の課題ではありません。そうであれば、相談者には配偶者のいない新しいライフスタイルを模索するようにアドバイスした方がよいと思われます。
④ 例えば、高齢者のサークル活動は、今、活況のようです。中には商売目的のものも見られますが、山歩きや寺社巡りなど、多額の費用がかからないものはたくさんあります。そのメンバーも同じような経験をされた方が多く所属されていますので、その方々と語らうことが、気持ちを落ち着ける効果を生み出すと思われます。

【4】保証人問題

① 一般的にはおひとりさまが不安に感じておられるのは、施設入所、入院の際の身元保証人が見つからず、入所や入院を断られるのではないかという問題です。介護施設や病院は、ケアプランへの同意、手術や延命など治療方針への同意、死亡した際の遺体の引取り、利用代金の支払などのために身元保証人を求めます。
② 厚生労働省は通達を出しており、施設や病院は身元保証なしに入所や、入院できるようにするべきであるとしていますが、その後も身元保証人を求める施設病院が大半ですので、この心配は尽きません。
③ そこでNPO法人などの各種法人による見守り、財産管理、福祉サービス支援、身元保証サービスに葬祭支援までまとめたサービスが注目を浴びています。
④ しかし、これらのサービスを提供する業者が将来も健全な運営をしており、いざというときに頼れるという保証はありません。葬儀や埋葬、墓石の売買なども同じことが言えます。つまり、葬祭業者や霊園業者は、「いざというときに子供たちに迷惑をかけないよう今から準備しておきましょう」と言って、墓地の永代使用権や墓石を売り込み、高齢者を囲い込みがちです。
⑤ しかし、最初に多額のお金を支払わせて長期にわたりサービスを提供するという類型の終活ビジネスでは、常に、事業者が集めた金を流用して別の事業に投資し、失敗して破綻するというリスクがあります。そのようなリスクを避けるための冷静な判断には孤立しないことがもっとも重要です。

【5】士業の関与

① 配偶者を亡くしたばかりの相談者の動揺や不安が大きく、このまま放置することが見過ごせないのであれば、見守り契約をお勧めするべきでしょう。定期的に訪問をしたり、事務所にお越しいただき、相談事を伺いながら話し相手を務め、生活上のアドバイスや行政手続きのサポートをして差し上げる。これは高齢者医療で行われていることと何ら変わりません。法的な問題解決ばかりに固執することはありません。

【終活・遺言・相続相談】相談例3 高齢の夫婦二人暮らしの方々の相談

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【終活・遺言・相続相談】相談例3 高齢の夫婦二人暮らしの方々の相談ついての記事です。

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【相談内容】
相談者夫婦(夫85歳、妻80歳)から、「今のところ自宅で二人暮らしをしているが、週刊誌やTVを見ると終活などが必要と言われて、今後のことが気になったきた。何から準備すればよいのか」との相談。

【検討すべき点】
高齢者世帯のうち、夫婦二人暮らしの世帯数は800万を超え、その人数は1600万人おられる計算になります。高齢の夫婦そろっての相談というのはあまり多くはないのですが、このことはご夫婦がお互いを気遣いサポートし、生活も安定していると考えても良いのではないでしょうか。しかし、そのようなご夫婦が相談に来られたということは、何らかの動機があり、必要に迫られていると考えた方がよいでしょう。

【回答・解説】

【1】生活・健康に関するお悩み

① 多く見られるのは、夫婦どちらか一人の健康が損なわれ、二人で暮らすことが困難になり、どうすればよいかと心配する生活自立のお悩みです。高齢の夫婦がお互いを支え合い何とか生活しているところ、片方が健康を害すると、途端にその生活が成り立たなくなることがあります。

② そのようなお悩みに関する相談であれば、地域包括支援センターの存在を紹介し、そちらへの相談や支援の要請をお勧めすることが大切になります。ちなみに地域包括支援センターは各自治体で別の呼称の場合もあり、世田谷区では「あんしんすこやかセンター」と呼称されます。

③ また、介護保険サービスの概要、施設入所、任意財産管理契約、成年後見制度などの説明も必要になろうかと思います。また、配偶者名義の家に配偶者死亡後にも住めるのかという相談も良くみられますが、条件はありますが、民法改正により創設された、「配偶者居住権」の説明も必要になります。

【2】子供のいない夫婦の相続に関するお悩み

① 高齢の夫婦が揃っての相談でよく聞かれることの一つに、「自分が先に亡くなった場合、配偶者はどうなるのか」というものがあります。特に子供がいない夫婦の場合にはこのお悩みは多く聞かれます。

② また、この相談をされる方の多くの方に、「自分が亡くなった後の遺産は全て配偶者が相続するから、お金の心配はない」という危険な思い違いをされている方が見受けられますので、注意が必要です。

③ 子供のいない夫婦のどちらかが亡くなられれば、先に死亡した配偶者の兄弟姉妹(又は甥・姪の場合もある)が相続人として登場することになります。仮に亡くなった配偶者の直系尊属(親・祖父母)が存命であれば、その直系尊属が相続人になります。

④ 夫婦二人暮らしの方々が、それぞれの兄弟姉妹や甥姪と親戚付き合いをしていればまだしも、疎遠であることが多く見受けられるので、残された配偶者は遺産分割協議で苦労することになります。したがって、残される配偶者に遺産の全てを相続させ、疎遠な親戚との遺産分割協議を回避するには、遺言を残すべきです。

【3】子供がいる夫婦に関するお悩み

① 子供がいる夫婦の場合、子供への相続に関するお悩みが多くなります。子供と遺産の扱いに関して意見に隔たりがある(老親は自宅に住み続けたいが、子供は売却して現金で相続したいなど)場合や、そもそも残された配偶者と子供に血縁関係がない(前妻・前夫の子や養子縁組した子)場合などです。

② 相続人である配偶者に認知症がみられる場合や、子供が複数いる場合で子供の間で遺産を巡る意見の相違がみられる場合なども、相続が争族(争いのある相続)状態になる可能性があります。

③ このような事情の有無をよく聞き取り、まずは、被相続人となる先に亡くなるであろう方の意向を確認して、それに沿った形で推定相続人間での話し合いや、遺言書の作成を勧めることになります。また、認知症や怪我や病気で判断能力が欠ける状態への備えとして、任意後見契約や家族信託の検討も必要になるかもしれません。

【4】夫婦そろっての遺言

① 夫婦間に年齢差がある場合は特にそうですが、統計的に男性の寿命の方が短いので、夫が亡くなった場合についてのみを検討され、夫のみ遺言を作成されるケースが多く見受けられます。しかし、どちらが先に亡くなるかは分かりませんので、夫婦そろっての遺言書作成をお勧めします。

② ただし、夫婦そろっての遺言と言っても、「共同遺言」(同じ遺言書に夫婦連名で作成した遺言)は無効とされているので、注意が必要です。

③ 遺言で配偶者にすべての財産を相続させるとしても、その配偶者が先に死亡してしまっているケースも考えねばなりません。この場合亡くなった配偶者に相続させるとした遺産は宙に浮く形となり、相続人間で遺産分割協議が必要になってきます。

④ 配偶者が死亡した時点で、遺言を書き換えることも考えられますが、その時点で遺言能力を喪失している危険性を考えると、遺言作成時に、相続させるとした配偶者が死亡した場合を想定した、予備的遺言にしておくことをお勧めします。
具体的には、宙に浮くことになる遺産の行先を考えておくということです。兄弟姉妹などの他の相続人でも、どこかの団体への遺贈(寄付)も考えられます。その場合、遺言執行者を定めることや、遺贈先の了解を取り付けることが必要となってきます。

【任意後見制度】任意後見契約の注意点 認知症になったとき、確実に後見が始まるか(2)

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見契約の注意点 認知症になったとき、確実に後見が始まるか(2)について考えてみたいと思います。

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【3】受任者が任意後見監督人の選任請求をしないのは違法

任意後見契約を結んだケースのうち、任意後見監督人が選任され任意後見が開始した件数は全体の5%程度と言われています。この数字をどう評価するかですが、任意後見を開始する前に本人が認知症などにならずに亡くなるという場合もあります。

一方本人の判断能力が低下しても任意後見契約をスタートさせることなく財産管理契約を依然として継続させている例がかなりあるのではないかという推測もなされています。

その理由としては、任意後見契約に移行しなくても財産管理契約を継続していくことで、受任者の仕事は変わらず特に困ることもないということと、むしろ任意後見監督人に監督されるので煩わしいということ、任意後見監督人の選任手続きをとることがめんどうで、さらに任意後見監督人に対する報酬で費用がかかること、任意後見制度をよく理解していないこと、といった原因が考えられます。

代理権の消滅する場合を定めた民法111条と委任の終了する場合を定めた民法653条は、本人の意思能力の喪失を代理権の消滅及び委任契約の終了の事由としていないので、本人が意思能力を喪失しても委任は終了せず、代理権も消滅しないというのが通説です。

しかしながら、判断能力が不十分となったら、本人(委任者)の保護のため任意後見契約をスタートさせるという内容の任意後見契約を結んでおきながら、本人が実際そうなってしまってからも、受任者が財産管理契約をそのまま継続しているような状態は明らかに違法であり、受任者を監督する者が事実上誰もいない状態となって、結局、受任者による不正、代理権の濫用を防ぐことができないといったことになりかねません。

【4】本人の判断能力が低下してきたとき

財産管理契約からスムーズに任意後見契約に移行する対策として次のような事項が考えられます。
①財産管理契約の条項中に「本人が精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状況になったときは、受任者は、家庭裁判所に、任意後見監督人の選任を請求する。」とする一文を入れて、監督人の選任請求義務を明記する。
②継続的見守り契約を結ぶ
③受任者を監督する者をおき、受任者をチェックするとともに指導する。

公益社団法人リーガルサポート(司法書士会)や権利擁護センターぱあとなあ(社会福祉士会)、公益社団法人成年後見支援センターヒルフェ(東京都行政書士会)などはこのようなシステムを取り入れていますが、監督人として信頼できる者を配置することでも同様な役割は果たせると思われます。

その他に、監督者としないまでも、受任者を複数として相互にけん制させる形態によって、判断能力低下後において放置されることを防止することは可能と思われます。

また、契約を締結する公証役場の現場でも、公証人が単に契約内容を当事者に読み聞かせるだけでなく、特に、受任者に対して、制度の趣旨並びに任意後見監督人の選任請求義務の条項についてよく砕いて説明し、本人の判断能力が低下してきたと感じたら、スムーズに任意後見に移行する手続きをとることを理解してもらう必要があります。

【任意後見制度】任意後見契約の注意点 認知症になったとき、確実に後見が始まるか(1)

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今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見契約の注意点 認知症になったとき、確実に後見が始まるか(1)について考えてみたいと思います。

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【1】財産管理契約は本人の判断能力が低下してきたら終了させる

認知症などにより本人の判断能力が低下し、事理弁識能力が不十分な状況になったら、本人、配偶者、四親等以内の親族又は任意後見受任者等の請求により、家庭裁判所は、任意後見人を監督する任意後見監督人の選任をします(任意後見契約法4条1項)。

任意後見契約は、家庭裁判所がこの任意後見監督人を選任したときから効力を生じ、任意後見事務が開始します。同時に、今までの財産管理契約は役目を終えて終了します。

しかし、財産管理契約が終了して、任意後見契約に移行するといっても、任意後見人(財産管理契約の下では受任者)が本人のために行なう事務が大きく変わるわけではなく、よく似た内容の事務(本人の生活、療養看護、財産の管理に関する事務)を行なうことになります。

任意後見が開始するとその時から任意後見人が行なう事務を家庭裁判所が選任した任意後見監督人が監督(チェック)することになり、その点が大きく異なります。

任意後見監督人が任意後見人の事務が適切に行われているかどうかを監督し、家庭裁判所は任意後見監督人からの定期報告に基づき任意後見人の事務処理をチェックすることによって任意後見人を間接的に監督することにより、任意後見人の不正行為を防止します。

【2】「移行型」が採用されるわけ

それでは、誰が本人の判断能力の衰えを察知し、任意後見監督人の選任を請求するかということになります。

請求できることができる者は上記のとおり、本人、配偶者、四親等以内の親族、任意後見受任者等ですが、「移行型」であれば、任意後見受任者は移行前(任意後見監督人が選任される前)において、財産管理契約のもとで、本人の生活、療養看護及び財産の管理事務を行ない、本人を見守ってきていることから、本人の判断能力の低下に他の誰よりもいち早く気づくはずで、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を請求することが可能と考えられます。

このようなことから、財産管理契約と任意後見契約を連結した「移行型」が優れているということで多くの任意後見契約の希望者から支持されています。

【任意後見制度】任意後見契約の注意点 財産管理契約と同じ内容で良いか

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【1】老い支度は移行期前の財産管理契約から

これまで述べてきたとおり、任意後見契約を締結したいとする高齢者の内、判断能力が低下する前でも既に、足腰が衰え外に出るのが大変であるとか、寝たきりの状態であるとか、あるいは施設に入所するに当たって、日常生活上の事務を自ら行うことができなくなっている等の理由により、生活、療養看護及び財産の管理の事務について第三者に任せる任意後見契約と同内容の支援を受けたいとする要望があり、そのような要望を実現するための契約が「移行前財産管理契約」と呼びならわされている委任契約です。

【2】事務の範囲と受任者・任意後見人の監督は別問題

判断能力に問題ない場合は、通常の生活を送ることが困難であっても、後見が開始される要件の「事理を弁識する能力が不十分な状況」(任意後見契約法2条1号)に該当しないことから、任意後見制度を利用することができません。

しかしながら、日常生活上の事務を自ら行うことができなくなっている本人(委任者)にとっては、認知症となる前でも後でもそれは連続した日々の老後を生きていくことであり、その間通常の生活をしていくのに必要な支援は同じはずです。

これについて、受任者の権限濫用を防止する見地から、財産管理契約の委託する事務の範囲を任意後見契約の事務の範囲に比べ狭くして、なるべく個別に列記すべきだとする意見があります。受任者の信頼性が明らかでないケースではそういえるでしょう。

財産管理契約において受任者に任せる事務の範囲は、本来的には本人の財産の状況及び精神・身体の健康状況並びに誰が受任者であるかなどによっておのずと違ってくるのであり、事務の範囲を狭くした個別列記であってもそれで本人が通常の生活を送ることが可能であるならば、受任者による不正を抑制する見地から制限を設けることに意味があると思われます。

しかし、本人(委任者)にとってはそれで用を足さず困る場合もありますので、結局は、本人が必要とする事務によってその範囲は決まるものと考えます。

また、任意後見契約における事務の範囲は、認知症等により正常な判断ができにくくなっている本人保護のために広範に設定されるのが通例ですが、正常な判断ができる現在であっても全幅の信頼を寄せることのできる受任者にすべてを任せたいという委任者もいることでしょう。そうすると、基本的には、財産管理契約と任意後見契約は同一内容であっても、特に問題はないということになります。

【任意後見制度】財産管理契約の注意点 任意後見契約の解除制限

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今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見契約移行型の財産管理契約の注意点 任意後見契約の解除制限について考えてみたいと思います。

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【1】民法の規定と任意後見契約法の規定

財産管理契約は、委任契約の一種ですから基本的には委任の規定に従い各当事者はいつでも解除する(将来に向かって失効させる)ことができます(民法651条1項)。一方、任意後見契約は、民法の特則を定めた任意後見契約法に基づくものですから、解除の効力についても同法の規定によって判断することになります。

同法では、任意後見契約が発効する前(すなわち家庭裁判所において任意後見監督人が選任される前)は、本人又は任意後見受任者は、いつでも公証人の認証を受けた書面によって契約を解除することができるとしています(任意後見契約法9条1項)が、任意後見契約が発効した後(家庭裁判所において任意後見監督人が選任された後)は、本人又は任意後見人は、正当な事由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て解除することができることになっています(同法9条2項)。

【2】任意後見監督人が選任されていないとき(移行前)

本人はまだ判断能力があって、任意後見監督人の選任をしていない状態であれば、本人からでも、受任者からでもあるいは双方の合意によっていつでも解除することができます。

本人又は受任者の一方からの解除による場合は、解除通知書を公証人の認証を受けた後、配達証明付き内容証明郵便で相手方(受任者あるいは本人)に送付する必要があります。終了の登記を申請する際には、郵便局から受領した内容証明郵便の謄本と配達証明のはがきを添付書面として東京法務局(民事行政部後見登録課)に提出する必要があります。

契約の合意解除の場合は、合意解除の意思表示を記載した書面に公証人の認証を受けた後、当該書面の原本又は認証ある謄本を添付書面として終了の登記を東京法務局(民事行政部後見登録課)に提出する必要があります。

【3】任意後見監督人がすでに選任されているとき(移行後)

本人の判断能力が低下し、家庭裁判所で任意後見監督人が選任されている場合は、無条件での解除はできないこととなっています。

この場合は、解除する側に「正当な事由」がある場合(例えば、後見人の不正行為、不行跡、任意後見人の遠方への引越しや長期入院など)に限り家庭裁判所が許可をして、解除することができます。本人の解除をしたいとする理由の説明を基に、根拠ある場合は裁判所は許可することになると思われます。

その理由は、任意後見監督人の選任によって任意後見契約が効力を生じた後については、本人の判断能力が不十分となっているので、任意後見人に自由に解除を認めると、本人の身上監護及び財産管理が放置されてしまう危険があります。

また、本人の解除を自由に認めると、本人に不利益が生じることを理解しないまま任意後見契約を終了させてしまうことにもなりかねないことから、任意後見がスタートした後には解除について一定の制限が設けられているからです。

契約解除についての家庭裁判所の許可を受けたときは、本人又は任意後見人である解除申立人が、相手方に解除の意思表示をし、任意後見契約を終了させることになります。

申立人又は相手方は登記所に対して任意後見契約終了の登記を申請しなければなりません。その際の添付書面として、①解除の意思表示を記載した書面、②①の書面が相手方に到達したことを証する書面、③家庭裁判所の許可があったことを証する書面、④③の審判の確定証明書を提出する必要があります。

【4】任意後見人の解任

任意後見人に「不正な行為、著しい不行跡その他その任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は・・・任意後見人を解任することができ」ます(任意後見契約法8条)。

任意後見人の解任の審判がされると、裁判所書記官の嘱託により任意後見契約の終了の登記がされることになります。単独の任意後見人が解任された場合に、本人に判断能力があり、任意後見契約を望んでいる場合は新たな第三者と任意後見契約を締結し、直ちに任意後見監督人の選任手続きをとることになります。

既に本人に判断能力がなく他の後見人が必要と判断されたときは、任意後見監督人等から法定後見開始の審判の請求をすることとなります(任意後見契約法10条1項、2項)。