1.事実婚とは何か ― 法律婚との違いと現代的意義
(1)事実婚の定義
事実婚とは、婚姻届を提出していないものの、夫婦としての共同生活の実態があり、当事者双方に婚姻意思がある関係をいいます。
法律上の用語ではありませんが、判例・実務では長年にわたり認められてきた概念です。
重要なのは、単なる同棲やルームシェアとは異なり、
- 互いを配偶者として認識している
- 共同生活(住居・家計・生活の協力)がある
- 社会的にも夫婦として扱われている
といった実態がある点です。
(2)法律婚との共通点
事実婚であっても、一定の法的保護は認められます。
- 不貞行為に対する慰謝料請求
- 正当理由なき一方的解消に対する損害賠償
- 婚姻費用分担に準じた扶養義務
- 事実上の夫婦としての社会保障(健康保険の被扶養者等、要件あり)
これらは、**「婚姻に準ずる実態」**がある場合に限って認められます。
(3)法律婚との決定的な違い
一方で、事実婚には法律婚と比べて大きな制約があります。
- 相続権が一切ない
- 法定代理権がない
- 医療同意や手続上の法律婚配偶者と同じような同意などが認められないケースが多い
- 戸籍に反映されない
- 親族関係が発生しない
つまり、**「生きている間は夫婦同然でも、法的には赤の他人」**という側面が常に存在します。
このギャップこそが、事実婚において「契約」と「法的備え」が不可欠となる理由です。
東京都世田谷区の家族法務(事実婚・婚前契約・パートナーシップ契約・親なき後)は【090-2793-1947】までご連絡を
2.なぜ事実婚には契約が必要なのか
(1)法律婚は「制度」、事実婚は「自己設計」
法律婚は、民法という巨大なパッケージ制度に自動的に組み込まれます。
一方、事実婚は制度ではなく、当事者の意思と合意によって成り立つ関係です。
そのため、
- 何を共有するのか
- どこまで扶養するのか
- 別れる場合どうするのか
- 病気・死亡時にどう対応するのか
を言語化し、書面化しなければ、法的には何も守られません。
(2)「愛情」だけでは紛争は防げない
多くの紛争は、関係が良好な時ではなく、
- 病気
- 介護
- 別居
- 破局
- 死亡
といった局面で生じます。
そのとき、口約束や「そう思っていた」という認識は、ほぼ役に立ちません。
そこで重要になるのが、事実婚契約書です。
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3.事実婚契約書とは何か
(1)事実婚契約書の役割
事実婚契約書とは、事実婚関係にある(またはこれからなる)二人が、
- 互いの権利義務
- 生活のルール
- 財産の帰属
- 解消時の清算方法
などを定めた私的契約書です。
法律婚における民法の代替機能を果たすもの、と考えると理解しやすいでしょう。
(2)契約自由の原則と限界
事実婚契約書は、原則として契約自由の原則が適用されます。
ただし、
- 公序良俗に反する内容
- 一方に著しく不利な内容
は無効となる可能性があります。
そのため、家族法務に精通した専門家の設計が極めて重要です。
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4.事実婚契約書の主な条項例
以下は代表的な条項構成例です。
(1)前文・基本合意条項
- 双方が事実婚関係にあることの確認
- 相互に誠実に共同生活を営む意思
(2)同居・別居に関する条項
- 居住地
- 転居時の協議義務
- 別居が生じた場合の生活費分担
(3)生活費・家計管理条項
- 生活費の負担割合
- 共同口座の有無
- 家賃・光熱費・食費の分担方法
(4)財産の帰属条項
- 婚姻前財産は各自の特有財産とする
- 婚姻後取得財産の帰属ルール
- 高額動産・不動産の名義と実質所有者
(5)扶養・生活保障条項
- 病気・失業時の扶養義務
- 子供が生まれた場合の認知や親権と扶養義務
- 医療費負担
- 介護が必要となった場合の協力内容
(6)貞操義務・信義則条項
- 不貞行為の定義
- 違反時の損害賠償
(7)契約解消条項
- 解消の意思表示方法
- 財産清算
- 慰謝料・解消金の有無
(8)協議・紛争解決条項
- 協議優先
- 管轄裁判所
これらは一例であり、当事者の価値観・年齢・資産状況・家族関係によって大きくカスタマイズされます。
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5.事実婚契約書だけでは不十分な理由
事実婚契約書は非常に重要ですが、万能ではありません。
特に次の3つの局面には対応できない、または弱いのが現実です。
- 死亡後の財産承継
- 判断能力喪失時の支援
- 死後の事務処理
そこで必要となるのが、次に説明する3つの制度です。
6.公正証書遺言 ― 事実婚最大の弱点「相続」を補う
(1)なぜ遺言が必要なのか
事実婚の配偶者には法定相続権が一切ありません。
どれだけ長年連れ添っていても、遺言がなければ1円も相続できません。
(2)公正証書遺言の特徴
- 公証人が作成
- 原本が公証役場に保管
- 無効リスクが極めて低い
- 検認不要
事実婚の相手に確実に財産を遺すためには、公正証書遺言が事実上必須です。
(3)事実婚契約書との関係
事実婚契約書は「生前の生活ルール」、
遺言は「死後の財産承継」。
両者は車の両輪です。
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7.任意後見契約 ― 判断能力喪失への備え
(1)事実婚というだけでは後見人になれない
法律婚の配偶者であっても当然に後見人になれるわけではありませんが、
事実婚の場合、法律婚に比べ家庭裁判所が選任する後見人が第三者になる可能性が高くなります。
(2)任意後見契約とは
元気なうちに、
- 判断能力が低下した場合
- 誰に
- どこまでの権限を与えるか
を公正証書で定める契約です。
(3)事実婚における重要性
これにより、
- 事実婚のパートナーが後見人になる
- 財産管理・医療・施設入所の判断を任せられる
という状態を作れます。
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8.死後事務委任契約 ― 「死後の空白」を埋める
(1)死後に発生する事務
- 死亡届提出
- 火葬・埋葬
- 住居の解約
- 医療費精算
- デジタル遺品整理
これらは相続人でなければできないものが多いですが、
事実婚のパートナーは相続人ではありません。
(2)死後事務委任契約の役割
生前に、
- 死後の事務を
- 誰に
- どこまで委任するか
を契約で定めます。
(3)事実婚との相性
事実婚のパートナーに死後事務を託すためには、
死後事務委任契約が不可欠です。
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9.4つの書面を統合設計する重要性
- 事実婚契約書
- 公正証書遺言
- 任意後見契約
- 死後事務委任契約
これらは単独では不十分であり、
- 内容の整合性
- 時系列の整理
- 権限と責任の切り分け
を統合的に設計する必要があります。
ここに、家族法務・事実婚専門家の価値があります。
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10.行政書士長谷川憲司事務所に相談するメリット
(1)事実婚・家族法務に特化した専門性
世田谷区砧にある行政書士長谷川憲司事務所は、
事実婚・非典型家族・パートナーシップ設計に注力している専門家です。
一般的な行政書士事務所とは異なり、
- 事実婚の実務的リスク
- 家族関係の感情面
- 将来紛争の予測
を前提に設計します。
(2)「書類作成屋」ではなく「設計者・支援者・伴走者」
単に契約書のひな型を当てはめるのではなく、
- 二人の価値観
- 資産状況
- 年齢差
- 親族関係
を丁寧にヒアリングし、オーダーメイドで構築します。
(3)4契約を一体で設計できる
事実婚契約・遺言・任意後見・死後事務を
一つの人生設計として整合的に構築できる点は大きな強みです。
(4)世田谷区砧という立地
- 都内在住・近郊在住者がアクセスしやすい
- 地域事情・不動産事情に精通
対面相談のしやすさも、長期的な関係構築に重要です。
(5)「争いを起こさない」ための法務
最大のメリットは、
将来の紛争を未然に防ぐ設計思想にあります。
愛情がある今だからこそ、
冷静に、論理的に、法的に備える。
その伴走者として、長谷川憲司事務所は大きな価値を提供します。
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11.まとめ ― 事実婚を「不安な選択」にしないために
事実婚は自由で柔軟な選択ですが、
法的に何もしなければ、極めて脆弱な関係でもあります。
だからこそ、
- 事実婚契約書で「生きている間」を守り
- 公正証書遺言で「死後」を守り
- 任意後見契約で「判断能力低下」を守り
- 死後事務委任契約で「最後の空白」を埋める
という多層的な備えが必要です。
その全体像を理解し、実務として形にできる専門家に相談することが、
事実婚を安心できる人生の選択に変える第一歩となるでしょう。
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行政書士長谷川憲司事務所
特定行政書士 長谷川憲司
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