【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q21 エンディング・ノートの有効性

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【Q21】遺言より簡単に書けそうなので、「エンディング・ノート」を書いてみようと思います。いざというときに子どもたちに迷惑をかけないように、「お葬式はしないでくれ」とか、「財産の種類や、それを相続させる人」を自筆で書こうと思うのですが、法的に効力があるのでしょうか。

【POINT】
① 葬儀方法の指定に効力があるか
② 特定財産承継遺言としての効力があるか

1⃣ 葬儀方法の指定の効力
① 葬儀方法には、さまざまな方法があり、社会的に大々的に行うのか、それとも家族だけでひっそりと行うのかでは、葬儀の準備の手間も費用も全く異なります。
② 大切な家族が突然亡くなったような場合には、遺族は何も考えられなくなってしまい、葬儀業者の言いなりになってしまうこともあります。
③ そうなってしまうと、故人が望んでもいなかった葬儀が執り行われてしまうだけでなく、遺族が非常に高額の葬儀費用を負担しなければならなくなってしまいます。
④ 遺族は宗教葬で行うのか無宗教葬で行うのか、誰に連絡して葬儀に来てもらうのか、納棺や花はどうするのか、葬儀参列者への種々の手配はどうするのかなど、突然の喪失感の中で、実にこまごましたことまで決めなければなりません。
⑤ したがって、自分が死亡した場合の葬儀方法について、エンディング・ノートで明確にしておくと、残された遺族が迷わないですむのではないかと思われます。
⑥ したがって、それは、残された家族に対する配慮として、できる限り尊重すべきだろうと思います。それは「お葬式はしないでくれ」と書かれている場合も同様です。
⑦ しかし、エンディング・ノートに自分の葬儀方法を指定していれば、遺族に対して法的な拘束力をもつと考えてよいかどうかについては、改めて考えてみる必要があります。
⑧ なぜなら、葬儀というものは、亡くなった人が主宰するものではなく、亡くなった人の祭祀を主宰する人が執り行うべきものだからです。
⑨ そもそも葬儀とは、故人のためだけに執り行われるものではなく、残された遺族の癒しのためにも執り行われるものであるともいえるかもしれません。
⑩ 祖先の祭祀を主宰すべき者は、民法897条に基づいて、単独承継されます。そうすると、祖先の祭祀主宰者としての地位を承継した者が、亡くなった人の葬儀方法についての判断権を有すると考えるべきでしょう。
⑪ つまり、葬儀方法の指定については、故人の意向を尊重することを前提として、最終的には祭祀承継者が判断するものと考えることとなります。
⑫ したがって、エンディング・ノートに「お葬式はしないでくれ」と書かれている場合、全く葬儀を執り行わないこととするのか、それとも、大々的な葬式はしないでくれという趣旨と受け取って、家族だけでひそやかに葬儀を執り行うこととするのかについては、祭祀承継者の判断にゆだねられるというべきでしょう。
⑬ もし全く葬儀を行ってほしくない場合には、祭祀承継者が迷ってしまわないように、どうして全く葬儀を行ってほしくないのかという理由も明確にしておいた方がよいと思われます。

2⃣ 特定財産承継遺言としての効力
① エンディング・ノートは、それ自体は遺言ではありませんが、自筆証書遺言の成立要件を満たしている限り、遺言としての効力を有する場合があります。
② 自筆証書遺言の成立要件は、遺言者がその全文・日付・氏名を自書して押印することです。なお、平成30年の民法改正により、自筆証書遺言と一体のものとして相続財産目録を添付する場合には、その目録については自書をすることを要しないとされ、パソコンで打った目録を添付することもできるようになりました。
③ したがって、エンディング・ノートの中に、自分の財産の処分方法について、どのような財産を誰に対して相続させるのかという全文を自書し、日付を書いて署名押印しておけば、その部分は自筆証書遺言として有効となります。
④ 自分の特定の財産を相続人に対して承継させるという趣旨の遺言を、従来は、いわゆる「相続させる」旨の遺言と呼び、最高裁判例が遺産分割方法の指定という意味を持つ遺言であるとしていました。
⑤ この点については、平成30年の民法改正によって、「遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の1人又は数人に承継させる旨の遺言(以下、特定財産承継遺言という)と明文化されました。
⑥ したがって、エンディング・ノートの中に、自筆証書遺言の成立要件を満たす形で、「財産の種類や、それを相続させる人」を決めておけば、遺産分割の方法を指定する特定財産承継遺言としての効力を持たせることも可能です。

【孤独死をめぐるQ&A】Q55 地方自治体への相談

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【Q55】高齢の一人暮らしです。孤独死は避けたいですが、頼れる親戚、友人もおらず、また高齢で外出もままならず、これから新たな縁を築くというのも難しいです。
死んだら誰にも発見されないのではないか、死後の葬儀や遺品整理はどのようになるだろうと心配でなりません。かといって安心してお願いできる業者も知らず困っています。誰に相談したらよいのでしょうか。

【A】地方自治体やお住いの地域の地域包括支援センターに相談してみてください。
各自治体が孤独死対策を設けており、何か利用できる取り組みがあるかもしれません。
また、孤独死対策にとどまらず、亡くなった後の葬儀や遺品整理、納骨などを支援する取り組みをしている自治体も増えてきています。

【解説】

1 国や地方自治体の孤独死防止に対する取組
① 平成19年版高齢社会白書において「孤立死防止対策の創設」という記載がなされ、以後、高齢社会白書では厚生労働省の孤立死対策が掲げられています。
② 平成18年8月には「高齢者等が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議」が設けられました。平成20年3月に同会議の報告書が発表されました。
③ 平成24年には、厚生労働省から都道府県、指定都市、中核市宛に「地域において支援を必要とする者の把握及び適切な支援のための方策等について」(平成24年5月11日社援地発0511第1号)が発せられ、孤立死防止のための支援を必要とする人の把握、適切な支援をするように通知しています。
④ 平成30年4月1日施行の改正社会福祉法において、孤立防止のための自治体を始めとした地域の関係機関のネットワークの強化や見守り体制の構築を市町村に努力義務として課すなど、地域における孤立死対策を推進しています。
⑤ そのような流れの中、例えば、大阪府池田市は「池田市高齢者安否確認に関する条例」を制定し、民生児童委員と福祉委員が協力して高齢者宅を訪問する、安否確認が出来ない場合がそのことが市長に報告されると市の職員により立入調査ができるなどのことを定めています。
⑥ また、東京都中野区では「中野区地域支えあい活動の推進に関する条例」を制定し、70歳以上の単身者や75歳以上の世帯の名簿を自治会や民生委員・警察署・消防署に提供できる、町会・自治会委員と連携した区職員による支援を必要とする方への訪問などを定めています。
⑦ 全国の自治体でも孤立死の予防策を設けており、自治体の84.2%が孤立死防止対策として巡回・訪問活動をしており、53.9%が緊急連絡システムの構築をしているとのことです。東京都では23区、26市のうち35市区で見守りと銘打ったサービスを提供しているとのことです。
⑧ このように孤立死の防止は、国の重点政策になっており、地方自治体は、孤独死防止のための様々な施策を用意しています。

2 地方自治体の終活支援に対する取組
① 孤独死の防止からさらに進んで、高齢者の終活そのものを支援する動きも広まっています。
② なかでも有名なのは、神奈川県横須賀市が行なっている「わたしの終活登録」や「エンディングプラン・サポート事業」です。
③ 「わたしの終活登録」は、本人のエンディングノートや遺言の保管場所や葬儀・遺品整理の生前予約先など終活に関わる事項を登録しておき、認知症や死亡など万が一の際に事前に指定していた人に開示するという制度です。
④ 「エンディングサポート事業」は、葬儀社と高齢者の葬儀生前予約や死後事務委任契約について横須賀市が葬儀社の情報提供や葬祭執行者の確保協力、安否確認などを支援し、もし葬儀社が破綻した場合には、墓地埋葬法9条により市が葬儀費用を負担するという仕組みです。葬儀社が破綻しても、契約書の写しを市が保管しており、葬儀社を変えるだけでその方の意向どおりの葬儀、埋葬が行なえるのです。
⑤ 神奈川県大和市も「おひとり様などの終活支援事業」として、葬儀生前予約支援事業や緊急時、死亡時の情報提供などを行っています。
⑥ 福岡県福岡市では、福岡市社会福祉協議会が終活サポートセンターを設けており、「やすらかパック事業」として、生前の予約により死後事務(チキ荘、納骨、家財処分、役所の手続き等)を福岡市社協が委託した業者が行うというサービスを提供しています。
⑦ やすらかパックの特徴は、死後事務に要する費用を前払いするのではなく、少額短期保険会社と提携して月々の利用料金を支払えばよいとしていることです。
⑧ このように各自治体が、独居の高齢者の孤立死だけでなく、葬儀や遺品整理、納骨などの不安も解消できるような制度に力を入れ始めています。

3 自治体へ相談を
① もし独居で孤独死が不安、亡くなった後のことの事務が不安だが、安心して委託できる友人や会社が見つからないという方は、お住いの市区町村又は地域包括支援センター(世田谷区ではあんしんすこやかセンターと呼称されています)に相談してみてください。
② もちろん、弊所行政書士長谷川憲司事務所でも、ご相談に応じております。

【終活・遺言・相続相談】相談例21 生前整理

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【相談内容】
相談者(75歳男性)から、「1週間前の検査でガンの転移が見つかった。既に遺言書は書いているが、妻子に迷惑をかけないよう、他にやっておいた方がよいことを教えて欲しい」と相談された。

【検討すべき点】
遺産の処理については遺言書で対応できますが、それ以外にも相続開始後に遺族が難題に直面することがあります。いざというときに遺族や周囲の方が困らないよう、相続財産を明らかにし、身の回りのものを整理し、利用しない不動産・動産や海外資産などは処分し、これまで放置してきた問題を片付けるように勧めます。相談者本人がショックを受けているようであれば、説明には気遣いが必要です。

【1】財産の特定

① 一般に、高齢者は、推定相続人に対して自分の財産の内容を明らかにしない傾向があります。子供たちが財産を狙っているのではないか、財産が少なければ、ぞんざいに扱われるのではないかという不安が先立つからです(逆に現金を見せびらかして、関心を引こうとする場合もあります)。
② そのまま相続が開始すると相続人らは遺産の調査に手間取り、準確定申告や相続税申告が滞ったり、ほかの共同相続人(兄弟姉妹など)が被相続人の財産を隠している(あるいは生前贈与を受けた)のではないかと、疑い出すこともあります。
③ それは相続紛争の種になりますので、相続人に遺産の内容が分かるようにすることが望まれます。遺産は遺言書に明示しておくことが基本ですが、エンディングノートや手帳などに遺産の詳細を記載する方法もあります。

【2】エンディングノート

① 「エンディングノート」は、やがて迎える死に備える自身の希望などを書き留めておくもので、各種のエンディングノートが書店で販売されています。終活セミナーや社会福祉協議会や地域の高齢者の集いなどで配布されることもあります。
② エンディングノートに書き留める項目としては、財産の内容、葬儀の希望やその際の連絡先、自分史、感謝の気持ちなどが代表的です。
③ しかし、一人でエンディングノートを書いていると、つい、遺言めいた内容(たとえば、自社の株式は長男に譲りたいなど)を記してしまいがちです。そうなると、これは自筆証書遺言として有効か無効かという問題が生じますし、他に有効な遺言がある場合、その文言が不明確な場合には遺言内容の解釈指針として用いられる可能性があります。
④ また、相続人に対する不満や愚痴を書けば、争族の種になることもあるでしょう。したがって、エンディングノートを利用する場合には、そのようなリスクがあることを説明します。

【3】身の回りの動産の整理

① 高齢になるほど身の回りの整理が上手く出来なくなり、不要な物が増えます。ゴミ屋敷のような状態になる前に不要なものを整理しておくべきでしょう。
② 特に80歳を超えると自分で物を捨てることが困難になってきますが、相談者はまだ75歳と若いので、自分でできるはずです。年賀状の打ち切りの挨拶や、利用していない契約の解約処理なども検討すべき点です。ペットの世話については、負担付遺贈やペット信託といった方法もあります。

【4】不動産の生前整理

① 郷里に先祖伝来の実家や田畑があるが、しばらく帰っておらず、現状が分からないといったこともよくあります。しかし、放置しておくと、遺産分割では相続人が郷里の不動産の取得を嫌がり、その不動産の押し付け合いになります。
② 郷里の実家が倒壊等の危険のある特定空き家等となった場合には、市町村が立入調査し、指導、勧告、命令等の経過を経て強制的に解体を代執行されるという手段が用意されています(空家等対策の推進に関する特別措置法)、令和3年民法改正により、管理不全土地管理命令や管理不全建物管理命令の制度が用意されましたが、手間がかかることには違いありません。
③ 先々代、先代の相続で土地の所有権移転登記手続をしていなかったというケースもあります。これに対しては、登記名義人の死後長期間に渡り相続登記されていない土地につき、登記官が法定相続人を探索し、職権で長期間相続登記未了である旨を登記に付記して法定相続人の登記手続を促す等の措置が講じられました(所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法等)。
④ 令和3年民法改正により、所有者不明土地管理命令及び所有者不明建物管理命令が創設され、相続登記や住所変更登記も義務化され(不動産登記法改正)、相続土地国庫帰属法により、条件次第で相続土地を国庫に帰属させる道も用意されましたが、いずれも相当手間がかかります。
⑤ 共有不動産の処理、私道・里道・水路敷の処理、筆界特定なども将来問題になります。したがって以上のことに心当たりがあるのであれば、使用されていない建物は解体し、土地は先代の相続を原因とする所有権移転登記を経て、郷里の不動産を隣家などに譲渡又は贈与するなどして、身軽になることをお勧めします。

【5】祭祀承継

① 郷里に相談者の父母や祖父母の眠るお墓がある場合、相談者もそこに入るのか、入るのならその祭祀承継はどうするのかも考えておく必要があります。
② 相談者は郷里のお墓に思い入れがあったとしても、子どもたちは都会に住んでいて里帰りすることもないし、村落共同墓地の場合そこの掃除も期待できないなら、いっそ墓じまいして、子どもたちが訪問しやすい場所で永代供養しておくことが望ましいかもしれません。

【6】デジタル遺産に関する生前整理

① 比較的新しい問題ですが、デジタル遺産があるのであれば、その対応も必要です。オンラインのデジタル遺産には、SNSアカウント、ブログアカウント、暗号資産(仮想通貨)、メールアカウント、アフィリエイトアカウント、FX取引アカウント、蓄積データなどが挙げられます。これらには所有権や著作権を観念できませんし、債権というわけでもありませんが、それに経済的価値があれば相続財産に含まれます。
② しかし、相続人がデジタル遺産の存在に気づかない可能性がありますし、パソコンやスマホ等の端末のパスワードやアプローチの方法が分からなければ、デジタル遺産を捕捉し、現金化できません。
③ したがって、生前整理としては、あらかじめ金融資産化するか、相続人に対してデジタル遺産の存在を知らせ、パスワード等と共に現金化や名義変更の具体的な方法を指示するように勧めます。
④ オンライン上のデータの消去や処分を希望する場合には、エンディングノート、死後事務委任契約などにより必要な情報を添えてデータ処分(抹消)を依頼すべきですが、それも生前に行なっておく方が確実です。

【7】海外資産

① 相談者が海外資産を所有しているときも、その内容を明らかにしておく必要があります。本来相続については被相続人の本国法によりますが(法の適用に関する通則法)、遺産たる不動産には所在地法が適用されることもあります(英米・中国法など)。
② その場合は現地の裁判所で検認裁判を受ける必要があり(プロベート手続き)、当地在住の弁護士に依頼するなど複雑な手続きが必要です。よってこのような海外資産もあらかじめ処分することをお勧めします。

【8】特別受益の整理

① 相続では、頻繁に特別受益が問題になりますが、数十年も前の贈与では、遺言者もはっきり覚えていないことが多いでしょう。そこで、いつ、だれに、何のために、いくら贈与したのか、持戻し免除するのか否かについて、整理して記録を残すように相談者にお勧めします。

【9】債務の整理

① 相続開始時に債務が残っていると、その負担を巡って相続人がもめるリスクがあります。ですから、できるだけ繰上弁済しておくべきです。例えば、その借入金がアパートなどを建築する費用に使われたなら、遺言で建物を取得する相続人に負担させるのが合理的です。
② 借入金返済が厳しいなら、自己破産、任意整理などの方法により債務整理しておくことをお勧めします。相続開始時に債務が上回るのなら、迅速に相続放棄できるよう相続人に知らせておきます。

【終活・遺言・相続相談】相談例8 ゴミ屋敷

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【相談内容】
相談者(55歳女性)から、「一人暮らしの叔母(84歳)の家に行ってみたところ、ゴミで足の踏み場がなく、玄関外にもごみが散乱していた。隣近所の人からもなんとかしてと言われたが、私がゴミを整理しようとすると叔母が怒り出し、どうすればよいか困っている」と相談された。

【検討すべき点】
高齢者の一人暮らしの家がゴミ屋敷と呼ばれ、近隣住民が迷惑しているというニュースをよく見るようになりました。ただし、本人が「ゴミ」と思っていなくて、ゴミではないと言い張ると、有効な手段がないのが現状です。令和3年民法改正により、管理不全土地管理命令や、管理不全建物管理命令の制度が新設されましたが、ゴミ屋敷問題の解決には、まだまだ難しい問題が残されています。

【1】ゴミ屋敷とは

① 高齢になると、どうしても物忘れが多くなり(認知症が加わればなおさら)、さっきまで手元にあった物がどこに行ったか分からなくなります。間違えて大切なものを捨ててしまったらたいへんだと思い、部屋に物があふれます。
② たまにゴミをだそうと思うものの、分別収集日は覚えていないし、燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ごみ、ペットボトル、紙パック、粗大ごみなど、の分類なんてできるはずもありません。重いゴミ袋を抱えて階段を上り下りするのも一苦労ですし、ゴミ集積所で分類ミスを近所の人に指摘され怒られるのも嫌でたまらず、だんだんとゴミ出しが億劫になってきます。
③ さらに、必要なときに目的のものが見当たらないと、認知症や物忘れだとは認めたくないので、「盗まれた」と言い出します。「盗んだ」と疑われるのは、様子を見に来る家族や訪問介護のヘルパーで、「盗まれたもの」は、通帳や印鑑などに限らず、眼鏡だったり、野菜だったり、下着だったりします。
そして「そんなものは誰も盗みませんよ」といわれると、「じゃあ、私への嫌がらせに違いない」とひとを遠ざけるようになります。
④ さらに高齢者は「頼れるものは金しかない」という感覚に陥りがちです。そこで、手元に現金を置いて見せびらかし、家族や知人の関心を引こうとすることがあります。ところがその現金を誰かが狙っている気がして、家の中のあちらこちらに隠します。そしてその隠し場所を忘れてしまうので、なおさら物が捨てられなくなります。そんなタイミングで誰かが「整理しよう」と声をかけると、現金を狙っているとしか思えなくなり、極めて強い拒否反応(怒り出す)を示します。
⑤ このような背景で、高齢者の一人暮らしの場合はかなりの確率で、屋内は足の踏み場もない状態になっているという印象です(屋外までゴミがあふれているのは末期症状です)。

【2】ゴミ屋敷の解決方法

① このような傾向が進行すると、やがて玄関外にもゴミがあふれ、異臭がしたり、害虫が発生したり、景観や通行を害したりするようになります。この段階でようやく近隣からのクレームで「ゴミ屋敷」と認識されます。しかし、本人が「これはゴミではない」と言い張る限り、それをゴミとして撤去する方法はありませんでした。
② 横浜市や大阪市など地方自治体によっては、相談窓口を設けて、指導・勧告・命令・代執行を内容とする条例を定めて取り締まろうとする動きがありますが、再発防止が保証できないことや強権的な措置には馴染まない面もあり、難しい問題に違いありません。
③ なお、居住空間に価値のない大量の商品を度を越して収拾することにより、著しい苦痛や不全を起こすことは、近年「強迫的ホ―ディング」(ためこみ症)とよばれる精神疾患と分類されるようになりましたが、薬物療法や認知行動療法が採られるケースもあるようですが、すぐに寛解するような有効な治療法は見つかっていません。高齢者には片付ける気力も体力もない場合が多いので、家族としては、高齢者の気持ちをなだめて一緒に片付けようと提案する程度のことしかできないのが実情です。

【3】管理不全土地管理命令及び管理不全建物管理命令

① 令和3年民法改正の一環として、相続時の登記の義務化などが規定されましたが、同時に、管理不全土地管理命令及び管理不全建物管理命令の制度が設けられました。施行日は令和5年4月1日です。施行後はこの制度によってゴミ屋敷問題は対応ができる可能性があります。
② 概要としては、所有者による土地の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは利害関係人の請求により、当該土地を対象として管理不全土地管理人による管理を命ずる処分(管理不全土地管理命令)をすることができ(改正民法264条の9第1項)、その効力は対象土地にある動産に及びます(同条2項)。
③ また、管理不全建物についても、利害関係人の請求により、当該建物を対象として、管理不全建物管理人による管理を命じる処分(管理不全建物管理命令)ができるようになりました(同法264条の14第1項)。
④ しかし、この改正法によるとしても、相談者(姪)自身は申立権者たる利害関係人に当たらない可能性があること、申立人は予納金を負担させられること、戸外のゴミについては管理不全土地管理命令によってある程度は片付けられるかもしれないが、屋内のゴミはそのままとなり、やがて元の木阿弥になる可能性があるなどの問題があります。
⑤ したがって、管理不全土地管理命令などの運用が不明である現時点では、相談者に対しては、できる範囲で叔母を説得すべきであるものの、最終的には行政対応に任せ、大きな荷物を背負い込まないようにアドバイスすることになると思います。

なるほど納得!遺言書のあれこれ

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今回は、【遺言制度】に関して、「なるほど納得!遺言書のあれこれ」と題した説明資料のご提供です。

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今、終活という言葉が広く世間に知れ渡るようになり、併せて法的効果のある「遺言制度」に関するお問い合わせが非常に増えております。

弊所では初回相談を1時間無料で対応しておりますが、遺言制度に関するご相談をいただく場合、遺言制度の説明に時間を要してしまうのが実状です。

そこで、「なるほど納得!遺言書のあれこれ」と題して説明資料を作成いたしました。下記のリンクからPDFの資料を読むことができます。

相談の予約をする前に、一読すると遺言制度の全体像がご理解いただけるものと思いますので、お時間あるときにお試しください。

なるほど納得!遺言書のあれこれ

【任意後見制度】高齢社会を取り巻く制度 公的支援その他の仕組み1

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今回は、【任意後見制度】に関して、高齢社会を取り巻く制度 公的支援その他の仕組み1について考えてみたいと思います。

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【1】希望をかなえる制度の選択

(1)高齢化問題への対応

超高齢社会においては、年金、医療、福祉はもとより、社会構造そのものの変革が求められています。本来であれば、喜ばしいことであるはずの長寿が、核家族化との進展と相まってか、今日では、老後の生活、とりわけ医療、介護等の問題が大きな不安要因となっています。

したがって、社会構造等という社会全体の大きな枠組みの問題を持ち出すまでもなく、高齢者を巡る様々な課題については、国民一人一人が、身近な共通の問題として真剣に向き合わなくてはならない時代となっています。

(2)福祉サービス提供者との契約

超高齢社会に突入した今日、多くの人が様々な形態の福祉サービスを利用していますが、今後、この傾向はさらに進むことになると思われます。
この福祉サービスについては、平成12年(2000年)4月1日の介護保険法の運用開始により、それまでの行政措置によるものから契約に基づくものへと変わりました。
その結果、高齢者等の福祉サービスの利用者は、それまでの受動的な行政措置を受けるという立場から、自由な意思に基づく選択により、福祉サービス提供者(事業者・施設運営者等)と対等な立場で契約をするという立場へと変わりました。

したがって、契約を結ぶことのできる能力に疑問のある高齢者が福祉サービス提供者と対等な立場で契約を結ぶためには、成年後見制度を利用し、成年後見人等を代理人として契約を結ぶことになります。

(3)ライフプランの策定

成年後見制度の大きな柱の一つである任意後見制度は、判断能力が十分にあるときに、自分自身の将来の姿を思い浮かべながら、自らの生き方を託す人を自らの意思で選択するという制度です。そのような意味において、任意後見制度は「老い支度」ないしは「老後の安心設計」と評されています。

しかしながら、この任意後見制度を利用するとしても、当然のことながら、この制度についても、メリット・デメリットがあり、ひいては、できることとできないことがありますので、そのような意味においては、介護保険制度やこれに関連する日常生活自立支援事業その他の制度の利用をも視野に入れつつ、自分自身にあったライフプランを策定するということが、極めて重要となります。

≪ライフプランの具体例≫

・体が動かなくなったら、○○施設に入所を希望したい。
・さらに介護が必要になった場合は、○○を指定します。
・内科は○○病院、耳鼻咽喉科は○○病院、外科は○○病院を指定します。
・体が動かなくなったら、一戸建てだと手が回らないので、一戸建てを売ってマンションに住みたい。
・生活費として、○○銀行から、毎月〇万円を引き落として欲しい。
・死亡保険の受取が妻となっているが、妻が私より早く死亡した場合は、受取人を○○に変更して欲しい。
・証書等(健康保険証・年金手帳等)は金庫に保管して、番号は○○○です。適正な管理をお願いしたい。
・体が動かなくなったら、ペットの世話は○○さんにお願いしたい。
・墓参りの代行を○○さんにお願いしたい。
・墓参りを年〇回お願いする。
・延命治療はしないで苦痛が少ない治療のみにして欲しい。
・毎年、地域の○○神社で9月の第1周日曜日にお祭りがあります。子供の時から楽しみにしておりました。是非、○○さんに連れて行ってもらいたい。
・葬儀は○○葬祭場、墓地は〇〇墓地にお願いしたい。
・遺体は医療の発展のため、○○会に献体をお願いしたい。
・亡くなったあと、臓器は臓器移植希望者に提供して欲しい。
・墓に入りたくないので、遺灰は故郷の○○の海にまいてほしい。
・子供・孫に手紙を書いたので、それぞれに手紙を渡して欲しい。
・病名や余命の告知は、○○と○○だけに知らせて欲しい。
・家族や友人の連絡リストの作成。私が亡くなったら、それぞれに連絡をお願いします。
・私は○○大学の学者でした。蔵書が数万冊あるので、死後は○○資料館に寄贈してほしい。

相続・遺言・成年後見無料相談会のお知らせ

世田谷区砧の車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

本日は無料相談会のお知らせをいたします。

相続、遺言、成年後見について、世田谷区の行政書士5名が無料相談会を開催いたします。私もメンバーの一人になっております。

会場は世田谷区【烏山区民会館 集会室】京王線千歳烏山駅徒歩1分

日時は令和1年9月29日(日)13:00~16:30

(最終受付:16:00)

予約番号 080-7025-8357(受付:行政書士ナカムラオフィス)

ご予約の方優先ですが、飛び込み参加も歓迎です。

皆様のお越しをお待ちしております。

相続・遺言・成年後見無料相談会のお知らせ

世田谷区砧の車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

本日は無料相談会のお知らせをいたします。

相続、遺言、成年後見について、世田谷区の行政書士5名が無料相談会を開催いたします。私もメンバーの一人になっております。

会場は世田谷区【烏山区民会館 集会室】京王線千歳烏山駅徒歩1分

日時は平成31年4月11日(木)13:00~16:30

予約番号 080-7025-8357(中村由美子)

予約優先ですが、当日飛込みでのご相談も歓迎です。

皆様のお越しをお待ち申し上げております。

エンディングノートの内容を実現させる方法

エンディングノートには法的効果がないことは述べましたが、せっかく自分の将来を考え希望をまとめたのですから、エンディングノートに書いた希望をかなえたいですよね。

エンディングノートに書き込んだ内容のうちいくつかは実現させる方法があります。たとえば、けがや病気で身体が不自由になった時や認知症になり病状が進んだ後のことや自分が最後を迎えた後のことなどです。

【財産管理委任契約】けがや病気などで体が不自由になり銀行へ行くことや日常身の回りのことにも不自由な状態になると自分自身で財産を管理していくことが困難になります。このようなときに【財産管理委任契約】を利用しましょう。

この契約を結ぶことにより、財産管理を信頼できる人に任せることで、不動産や預貯金に関する手続きを滞りなく進めてもらうことができます。また、任せた人から定期的な報告をもらうことでその財産管理が適正になされているのかがはっきりします。体の不自由な親御さんの身の回りの世話を行うお子さん等とこの契約を結ぶことで、親御さんのために財産管理していることが明白となり、使い込みをしているのではなどの誤解や親族間のもめ事を防ぐこともできます。

【見守り・任意後見契約】病気や加齢などにより認知症になり症状が進んだなど自分の判断能力に衰えが始まった後のことを任せるのは【見守り・任意後見契約】を利用しましょう。

この契約を結ぶことで、自分自身の判断能力がしっかりしている間は契約を結んだ人と定期的な面談訪問などで変わりがないかを確認してもらえます。判断能力が衰えてきたと判定された際には、契約を結んだ相手が家庭裁判所に任意後見監督人の選定を申立てることでご自身の代理人として財産管理等を行うことができるようになります。

この制度は【法定後見制度】に非常に似ていますが、【任意後見契約】はご自身の判断能力がはっきりしている時に結ぶことができ、その後見内容も自分で判断することができます。何よりいざ判断能力が衰えてから家庭裁判所にて選定される法定後見よりも事前に契約することで万が一に備えておくことができ、後見人も自分で選ぶことができる点が特徴です。この任意後見契約を結んだ相手も任意後見監督人への報告などが義務付けられており適正な任意後見がなされるようになっております。

【尊厳死宣言書】自分の最後をいかに迎えるのか終末期医療の在り方についてですが、【尊厳死宣言書】を活用されたらいかがでしょう。これは不治の病にかかった時にどのような医療を望むのかをはっきりと意思表示しておくものです。

苦痛の中回復の見込みなく死期が近づく状態で病院のベッドに管に繋がれただ生を永らえるためだけの延命措置を望まず、安らかな最期を迎えたいと考えている方に有効なものです。実際にそのような状態で正常と認められる延命措置の拒否という意思表示ができるのかは疑問であります。家族や治療を行う医師に対し、延命措置を望まない自分自身の意思表示をあらかじめ残すことで周りの方々を悩みや混乱から助けることにもなるでしょう。

【生前契約・死後事務委任契約】自分の死後どのような葬儀を行ってほしいか、飼っていたペットのことや残した病院などへの支払いや家財道具の整理などの希望は【生前契約・死後事務委任契約】はいかがでしょう。

この契約は、生前に自分の死後行われる様々な手続きや儀式について自分の意思表示をすることで希望がかなえられ、残された家族などが迷い・もめることがなくなります。契約にすることで、自分の希望を示すのみではなくその内容を現実に実行してくれる人が存在することになります。

見てきましたような契約を結び活用することで、エンディングノートにまとめた自分の希望が実現することになります。どの契約書も【公正証書】で作成することでより法的に保護され確実な実現に近づきます。(任意後見契約は公正証書で作成することが法定されています。)

ご自分の将来と死後のことを考えることは今を見つめよりよく生きるためでもあります。この機会にぜひともご検討されてはいかがでしょうか。

 

エンディングノートと遺言の種類

エンディングノートと遺言をおなじものとかんがえている方が多くいらっしゃるようです。このよく耳にするエンディングノートと遺言の違いと注意点を見ていきましょう。

エンディングノートと呼ばれるものは、生前に自分の身の回りのことをまとめ整理し、死を迎える際にどのような医療を望むか、どのような葬儀や埋葬を望み、自分の財産をどうしたいか等を表明するものです。しかしこのエンディングノートには法的効果はなく、あくまでも自分の生前の意思を表明することで、残された方々に自分の希望を伝える効果しかありません。

一方遺言とは民法に規定のある法的効果があるもので、自分の死後財産をどのようにするのか等を意思表示することで、実際に死を迎えたのちに自分の財産を分配相続される際に記したことが実現するものです。この遺言を行うには法律の決まりに従って行わなければ無効となってしまい却って残された方々が混乱してしまいます。

ではどのような場合に遺言がよくて、どのような場合にエンディングノートが役立つのでしょう。これはどちらか一つというよりは全体としての意思表明にエンディングノートを活用し、法的に効果の認められた内容である財産の分与や子供の認知等身分関係については遺言ではっきりとして法的効果を発生させるようにした方がよろしいと思います。

遺言は書面に残さなければ当然自分の死後に法的効果は発生しません。この書面にしたものが遺言書になりますが、3種類に分類されます。自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3つですが、それぞれにメリットデメリットがあります。

自筆証書遺言は全文を自書し押印が欠かせません。パソコンで作成したり、代筆してもらった場合は無効になります。自書は本文のみでなく、日付(〇月吉日は無効)氏名まですべてです。しかし、平成31年1月13日より施行された改正相続法の規定により、「財産目録」についてはパソコンでの作成や、登記簿謄本、預貯金通帳のコピーを添付することが認められました。この添付の際には、各財産目録ごとに、「署名して、押印」することが必要になります。この方式は自分のみで作成でき一番時間も費用も掛からない方式と言えます。しかし、自筆証書遺言が作成後改ざんされたり、紛失や破棄されてしまうことや、本当に本人が自書したか死後にもめる可能性があります。また、残された人が遺言内容を確認するには家庭裁判所に「検認」を申請する必要があります。

公正証書遺言は本人と証人2名が公証役場へ出向き(場合によっては公証人が出張することもできる)遺言内容を口述し、公証人が公正証書に記載します。この方式ですと、死後に残された方が家庭裁判所へ「検認」を申請する必要はありません。公正証書遺言作成時に公証人にて本人確認をしますので、確実に本人の遺言と証明されます。また公証役場にて正本を保存しますので紛失や破棄なども起こりません。しかし公証人の手数料や証人の日当等自筆証書遺言より費用が掛かることになります。

秘密証書遺言は遺言証書を封筒に入れ、遺言書に押印した印鑑と同じ印鑑で封筒に押印する。そしてその封筒に公証人が本人の申述した住所氏名と自分の遺言を封入した旨を記載する。最後に公証人と証人が封印された封書に署名押印を共にするもので、遺言内容を他人に知られることなく遺言を残したことを公証してもらえる。この秘密証書遺言の場合には、自書でなくてもパソコンで作成したり代筆をしてもらった遺言書でも有効とされる。これは自書できない方にはよい方式であるが、やはり「検認」の申請は必要になり、封印した遺言書の紛失や破棄の危険は残る。

費用の面に検討材料は残りますが一番確実な方法は公正証書遺言であると言えるのではないでしょうか。