【終活・遺言・相続相談】相談例38 遺言書を書かせたい相談

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【相談内容】
相談者(55歳男性)から「弟(53歳)と仲が悪いので、将来、相続でもめることは避けられない。今のうちに父(80歳)に遺言書を書かせたいのだが、なかなか書いてくれない。頑固な父に何とか遺言書を書かせる方法はないか」と相談された。

【検討すべき点】
父親に無理に遺言書を書かせるわけにはいきません。どうすれば父がその気になってくれるかです。このような場合には、父親の立場に立って、何が不安で、なぜ遺言書を書こうとしないのか、その理由を考えていくしかありません。「専門家から遺言書を書くように説得してくれ」という依頼を受けることもありますが、遺言書の有効性などを説明することはできますが、説得はしません。

【1】高齢者の立場

① 父親が遺言を書いてくれないという場合、いくつかの原因が考えられます。第一は、父親が認知症等で事理弁識能力がなく、相談者が頼んでいる内容が理解できない場合です。これは遺言能力の問題で、そもそも遺言書の作成は不可能です。
② 第二は、父親に判断能力があり、相談者が遺言書を書いてくれと頼んでいることは理解しているものの、相談者の言いなりに遺言書を作成したのでは、次男に申し訳ないと思い、作成していないケースです。この場合、次男とともに二人で、遺言書を作成するようにお願いすれば、父親が遺言書を書いてくれるかもしれません。
③ 第三は、父親には判断能力があり、相談者が遺言書を書いてくれと頼んでいることは理解しているものの、いったん遺言書を書いてしまうと、子らが言うことを聞かなくなり、施設に放り込まれるのではないか、蔑ろにされるのではないかという不安から遺言書の作成を拒否しているケースです。高齢者からすれば、財産の処分は自分に残された最後のカードであり、それを奪われたくないという気持ちがあるのは自然なことです。

【2】説得の方法

① 父親の内心まではわかりませんが、上記の三つのケースが多いように感じます。そうした場合に高齢者に遺言書を書いてもらうためには、どうしたらいいのでしょうか。
② 相談者からストレートに、「相続紛争のリスクが高いから遺言書を書いて欲しい」という頼み方があります。しかし、それは、相続人の都合であって、父親に何らメリットはありません。
③ 次に「相続紛争になれば、多額の相続税を払うことになる」という理屈も、その時にはこの世にいない父親には響きません。「早く書かないとボケるから」というのは逆効果です。
④ さらに、弟の非をあげつらい、相談者の希望する内容の遺言書を書くように頼んでも、父親は「考えておく」と言った反応でしょう。
⑤ であれば、できるだけ父親の話し相手になって、父親に感謝の気持ちを表し、父親の不安を一つずつ払しょくしていくしかないと思います。
⑥ 例えば、老後の資金は十分だし、いざとなれば自分が助けるとか、介護が必要になった場合はどのように対応するとかいった具体的な生活設計を説明し、対価を求めず、入通院の付き添いや買い物などの世話をしていくうちに、父親も少しずつ心を開いてくれるかもしれません。
⑦ なお、昭和生まれの高齢者は横並びの意識が強いので、統計が助けになるかもしれません。平成30年の公正証書遺言作成件数は110,471件で、令和元年の遺言書検認審判事件の新受件数は18,625件でした。二者を単純に合計して論じるのは適切ではないかもしれませんが、最近では、約15万人以上が遺言書を作成していると言われます。

【3】周囲を翻弄する高齢者

① 一方、遺言書を書くといって推定相続人の子どもたちを呼び集め、御託を並べてはみるものの、結局遺言書を書かないという高齢者もおられます。
② 本人はいたって真面目に「誰に何を相続させるか、大所高所から真剣に考えている。みんなの意見を聴きたい」とおっしゃるのですが、はたから見ていると、高齢者特有の良くあるパフォーマンスにしか見えません。
③ つまり、子どもたちの忠誠心を試し、「最後まで自分を大切にした者を優遇してやる」という行動にしか見えないのです。このような高齢者は、むしろ遺言書の内容を確定したくないので、劇的な変化がなければ、どこまでいっても遺言の内容は確定しません。
④ これも相続紛争のよくある原因ですので、士業が高齢者本人から相談を受けた場合には、やんわりとになりますが、たしなめることになります。
⑤ もっとも相続人の立場では踏み込むことができませんので、原則通り、父親が自発的に遺言書を書こうと思うような、行動をとるしかありません。遠回りのようですが、父親に寄り添い、世話をして、心を開いてもらうしかありません。

【終活・遺言・相続相談】相談例37 遺言能力

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【相談内容】
相談者(55歳女性)から、「母(83歳)は物忘れがあって認知症の診断を受け、昨年から要介護2で施設に入所している。母の相続で弟(50歳)ともめたくないので遺言書を書いて欲しいが、認知症だと遺言書はかけないのだろうか」と相談された。

【検討すべき点】
認知症と言っても様々な程度があり、直ちに遺言能力を失うわけではありません。したがって、相談者の母の状況を詳しく聞いて、遺言が可能かどうか考えます。確定的なことはいえませんし、相続開始後に遺言の効力を争われることもありますから、争われない遺言書を作成するための工夫も必要です。

【1】遺言能力

① 「遺言能力」とは、一般に、物事に対する一応の判断力(誰に何を相続させるのか理解していること)を持っている状態で、遺言をするには遺言能力が必要です。
② 言動がしっかりしている場合は遺言能力を意識することはありませんし、意思表示がきわめて困難なら遺言書の作成は無理だと指摘します。
③ しかし、遺言者が認知症でその中間にある場合は、遺言能力がなかったとして遺言無効を争われる可能性があると考えておくべきです。
④ 遺言の有効性が問題になったときは、認知症の程度、遺言書作成時の状況、遺言書作成に至る過程などを総合的に勘案して遺言能力の有無が判断されます。
⑤ その判断はいつも事後的です。そこで、相談者に対しては、認知症の診断を受けている母が遺言書を書く際には、何に注意すべきかを説明することになります。

【2】遺言書作成の準備

① 日常生活では、遺言者の生活や介護の状況をビデオ撮影したり、介護日記などに記録するよう勧めます。
② ちなみに、他の相続人から、「母がこんな遺言書を書くはずがない」などと指摘されることがありますが、ビデオや録音などで遺言者が普段から繰り返して同じ趣旨のことを言っていたことが明らかなら、そうしたトラブルを招くこともありません。
③ かかりつけ医に対しては、遺言者の様子や言動をカルテに記載してもらうよう頼みます。長谷川式簡易知能評価スケール等の検査を実施してもらうことも重要です。
④ そして、かかりつけ医から「遺言は書けると思います」といった言葉がもらえるなら、その旨を記載した診断書を作成してもらうべきでしょう。医師がその診断書を書いても遺言能力があると確定できるわけではないのですが、重要な証拠になります。
⑤ なお、長谷川式簡易知能評価スケールは30点満点で20点以下で認知症の可能性が高いと言われ、10点以下では高度認知症の可能性が高いと言われています。なお、アルツハイマー型認知症でも遺言書作成時にはしっかりしている方もおられ、例外的ですが、長谷川式簡易知能評価スケールで10点以下(4点)でも、看護師との会話などの状況から遺言能力ありとされた判例(京都地判H13.10.10、東京地判H17.3.29)もあります。

【3】遺言書の作成

① 実際に遺言書を作成する場合について、遺言書の種類としては公正証書遺言を勧めます。公正証書遺言は証人2人の同席のもとで公証人が作成しますので、後日、遺言の有効性を争われる可能性が低くなりますし、形式的有効性も担保できます。
② 相談例でみると、要介護2とのことですので、公証役場へ出かけることは出来そうですし、公証役場に行けば、遺言者も気が張って、しっかり受け答えできることもあるでしょう(もちろん公証人に出張してもらうことも可能です)。
③ 次に、遺言の内容についてですが、認知症がある遺言者でも無理なく理解できる程度の簡単なもの(そしてできるだけ全相続人に公平なもの)に留めておくべきでしょう。その意味で複雑な内容を含む、予備的遺言や節税対策を施した上で各相続人や受遺者別に細かく財産を相続(遺贈)させる内容はお薦めできません。
④ そして、公証役場に出発するときの状況や公証役場での様子は、ビデオで撮影することを勧めます。なお、相談例では、介護認定の際の認定調査票や主治医意見書も資料となりますが、これらの資料は遺言能力の判断を目的にしたものではないので、それだけで決定的な意味を持つわけではありません。

【終活・遺言・相続相談】相談例36 遺言の時期

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【相談内容】
相談者(61歳女性)から、「先日、親しくしていた友人(63歳)が脳出血で亡くなり、ショックだった。私も万一に備えて、長男(33歳)、次男(27歳)、三男(25歳)に遺産分けをする遺言書を作成しておきたい」と相談された。

【検討すべき点】
高齢になってからの遺言では、遺言能力が疑われ、遺言無効の訴訟を招くこともあります。ですので、「遺言書は早目にかいておくべきだ」と言われますが、若ければ若いほど良いというわけでもありません。と申しますのも、遺言書作成後相続開始までの期間が長すぎると、その間の状況変化に対応するため複雑な条件を付けた予備的遺言が必要となる場合があるからです。

【1】早すぎる遺言

① 相談者(61歳女性)の平均余命は28.25年です。そこで28年後、相談者が89歳で亡くなると仮定すると、その時長男は61歳、次男は55歳、三男は53歳になっています。
② しかしその28年の間に、3人の子は、就職・転職・事業の成功・失敗・結婚・離婚・出産・育児・自宅の購入などのイベントを経験していることでしょう。
③ もしかしたら、どなたかが不慮の事故で早世しているかもしれません。また、相談者も大病を患い、介護が必要となり、遺産が目減りしているかもしれません。
④ 一方、女性の健康寿命は75歳で、認知症も60歳代ではほとんど認められません。したがって、相談例の場合は、大病の前兆があるなどの事情がない限り、遺言を急ぐ必要はないと言ってもよいでしょう。
⑤ しかし、相談者は不安を抱えておられる様子です。遺言書を作成することにより、その不安を取り除けるのであれば、遺言書の作成をためらう必要はありません。
⑥ もっとも、遺言書作成後、相続開始までの間に相当期間が経過するでしょうから、特に相続人や遺産の変化については条件分けが必要になります(予備的遺言)。

【2】急ぐべき遺言

① 一方、高齢者の場合には遺言を急ぐ必要があります。見たところお元気そうでも、遺言書の作成をためらったり、内容にこだわりすぎているうちに相談者が他界し、「あの時遺言を作成しておけば」と後悔することがあります。
② また、一命をとりとめたとしても、事故や心疾患、脳血管性疾患の後遺症で、遺言能力を失うこともあります。
③ したがって、高齢者からの遺言の相談では、さりげなく相談者の健康状態を伺い、その危険を判断すべきです。その結果あまり時間がない可能性があると思われるときには、財産の特定や条件分けの検討に時間をかけることなく、遺言書を作成すべきでしょう。
④ このような場合、完璧な遺言書に固執する必要はありませんし、公証人との打ち合わせが待てない場合には、とりあえず自筆証書遺言を書いていただくことを勧めます。
⑤ なお、遺言者が病床にあり、かつ、切迫している場合で、自筆証書遺言の要件を充足できないならば、危急時遺言を検討します。
⑥ 危急時遺言では、3名以上の証人の立会いや遺言の日から20日以内に家庭裁判所による確認が必要になるなどの要件があります(民法976条)。

【終活・遺言・相続相談】相談例35 遺言の要否

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【相談内容】
相談者(78歳男性)から、「もし私が死んだら、相続人は「妻(60歳)と、離婚した前妻との間に出来た長男(50歳)の2人になる。2人は仲も良いし、大した財産もないので、大丈夫だと思うが、それでも遺言書を作っておくべきなのか」と相談を受けた。

【検討すべき点】
遺言を残すべきケースと残さなくても良いケースがあります。後妻と前妻の子が共同相続人になる場合は、遺言が必要となる代表例です。両者が表面的に上手くいっているように見える場合でも、遺言書を作成するようお勧めします。

【1】後妻と前妻の子

① 後妻(及びその子)と前妻の子が相続人の場合の遺産分割は高確率でもめます。と申しますのも、多くの場合両者は没交渉で、とても話合いができるような関係にないからです。
② とりわけ後妻が前妻との離婚原因に関与していた場合(不倫、略奪婚)や、被相続人が高齢になってから再婚した場合(財産目的と思われる場合)には、前妻の子は、後妻に対して、極めて厳しい感情を抱きます。
③ そこで、現在の妻とどのようにして結婚に至ったのか、その結婚について長男の同意を得ていたのかといった事情まで相談者にお聞きすることになります。
④ 後妻と前妻の子の間に波風が立ったことがなくても、例えば、相談者がワンマンの会社経営者だったりすれば、2人とも相談者の機嫌を損ねたくないため、表面上は仲良くやっているのかもしれません。しかし、そうであれば相談者がいなくなれば、不仲が表面化するでしょう。
⑤ したがって、後妻と前妻の子の関係は、それ自体がリスク因子ですから、共同相続人のためにも、遺言を勧めます。

【2】大した財産がない

① 相談で遺言を勧めたときに、「私には大した財産がないから」と言われることは多くあります。
② 相談者が謙遜されている可能性もありますが、多くは、はじめての経験に対する警戒や逡巡があるからではないかと思います(大した財産はないと言いながら、数千万円の財産があることがほとんどです)。
③ それに、遺産が数十万円、数百万円でも争族(相続紛争)になることはありますし、そもそも紛争になるかどうかは、遺産の額ではなく、むしろ共同相続人の感情や生活状態によるところが大きいので、遺産が少なければ紛争にならないということにはなりません。
④ 尻込みしている相談者を理屈で説得しようとしても、納得してもらえなければ意味はありません。この相談者は迷っておられるのだなと、考えて、財産額の話は追及しないほうがよいと思います(資産の多寡に関する評価や受け止め方は、個人差が大きい事柄です)。

【3】遺言が必要な類型

① 後妻と前妻の子というパターン以外にも、特に遺言をお勧めする類型があります。第一に、子のいない夫婦の場合、一方配偶者(被相続人)が死亡すると他方配偶者のほかに兄弟姉妹(又は甥・姪)が相続人として舞台に登場します。
② しかし、他方、配偶者と被相続人の兄弟姉妹や甥・姪は、もともと疎遠であることが珍しくなく、ときには面識すらない疎遠な者同士で遺産分割協議することは甚だやりにくいものですから、遺言を残すべきです。
③ 第二に、内縁の夫婦の場合、ほかに一人でも相続人がいれば、内縁の配偶者には何も残りません。したがって、相続開始後の内縁配偶者の生活を守りたいと言うならば、そしてそのために生前贈与を選択しないならば、遺言書は必要不可欠です(配偶者居住権も内縁の配偶者には適用されません)。
④ 第三に、婚外子や半血の兄弟姉妹がいる場合は、相続人の間に信頼関係がないことが多いと思われます。そうすると感情的なもつれが生じやすいので、遺言が必要です。
⑤ 第四に、、養子縁組をしている場合、実子と養子の間でもめることが少なくありません。特に、被相続人が養子縁組をしたことを実子に知らせていないケースでは、「なぜ君がここに座っているのか」というところから話が始まります。
⑥ 第五に、共同相続人の中に、高齢で意思能力に問題があったり、海外在住している者がいたり、音信不通(行方不明)の方がいる場合は、すぐに遺産分割協議が行なえないため、円滑に相続手続きを行うためには遺言書が不可欠ですし、あわせて遺言執行者も指定しておくべきです。
⑦ 第六に、すでに相続人同士が反目している場合や、相続人間で不公平が生じやすい場合には、遺言が必要です。たとえば、相続人の内、一人だけが被相続人を介護している場合(寄与分)、相続税対策によってすでに推定相続人間に不均衡が生じている場合(特別受益)、遺産の評価が問題になったり、遺産を分配しにくい場合(自宅不動産や自社株式など)、賃貸不動産の承継、負債の承継などが絡む場合などは、迅速かつ円満な遺産分割を期待できませんから、遺言が必要でしょう。

【4】遺言が不要なケース

① これに対して、親一人子一人の家族構成ならば、親の財産はそのまま一人の子に相続されるので、基本的に遺言は不要です。両親と子一人の家族構成の場合も、やがては子が両親の財産を承継するので、格別の事情がない限り、遺言は不要です。
② これに対して、子が複数の場合は、争族の可能性はないと言い切れる場合は別ですが、原則として遺言をお勧めします。
③ なお、若くして遺言を作成された場合、その後の人生の状況に変化が生じ、その都度、遺言内容の見直しや場合によっては、新たに作成することが必要になってきます。

【5】相談者に対するアドバイス

① 相談例ですが、家庭の内情は不明ですし、遺言書作成について必ずしも積極的ではありません。ただし、後妻と前妻の子のケースでは遺言書を書いていただくべき典型例ですので、相談者のご家庭の事情をよく伺いながら、これから先に起こるであろうことを一緒に想像し、遺言で何ができるのかを説明することになります。
② 相談者は今のままで何不自由ないかもしれませんが、遺言を残すことは、妻のためにも子のためになもなることを理解してもらえればと思います。また、妻と前妻の子の直接対立を避けるために、遺言執行者の指定を勧めるべきではないでしょうか。

【終活・遺言・相続相談】相談例34 埋葬に関する相談

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【相談内容】
相談者(79歳女性)から、「終活セミナーで、子どもたちに迷惑をかけないために墓地を購入しておくべきだと勧められた。郷里には両親の墓があるが、他界したら家族に会いに来てほしいので、近くに墓を買った方がいいだろうか」と相談された。

【検討すべき点】
法律相談ではありませんが、終活や遺言の相談の最後の方で、こうした話が出ることはよくあります。埋葬の慣習や葬祭業者・霊園業者の実態について知識を蓄え、相談者に寄り添った回答が求められます。

【1】墓地・納骨堂

① 墓埋法は、国民の宗教的感情や公衆衛生の観点から、墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならないとされています(同法1条、10条1項)。
② 大半の都道府県(政令指定都市を含む)では、この経営許可の対象は宗教法人と地方公共団体に限られています(入会地の村落共同墓地なども認められています)。
③ 一般に、都会になればなるほど地方公共団体が経営する墓地(公営墓地)よりも宗教法人が経営する墓地や納骨堂の方が多く、寺院の境内にある墓地は寺院境内墓地、大規模な墓地は霊園とよばれます。

【2】墓地の永代使用権

① よく「墓を買う」と表現されますが、正確には、墓地の経営者(宗教法人等。ここでは霊園業者と呼びます)と墓地購入希望者との間で、整地・区画された一区画の使用権を有償で設定する契約です。
② この使用権は「永代使用権」と呼ばれますが、実際に永遠に使用できる権利ではなく、祭祀承継者からの連絡が途絶えたり、一定の期間が過ぎれば消滅します。その場合に、霊園業者は、その墓を更地にして新たな永代使用権を販売するのです。
③ なお、墓地の値段については、おおむね90cm(3尺)四方の正方形が「1聖地」と呼ばれ、1聖地ごとに、たとえば30万円というように値段が決められています。ちなみに、6尺四方の正方形(4聖地)が1坪の広さとなります。

【3】墓石

① 墓地の永代使用権を得ても、実際に埋葬するには墓石が必要ですから、石材店に墓石を注文して安置してもらいます(生前に墓石を購入するケースも多いです)。なお、霊園業者と石材店の関係は密接であるケースが多く、提携している石材店による墓石以外は認めない霊園もあります。
② 墓石の種類としては、御影石(花崗岩)、安山岩などが人気で、瀬戸内海の諸島で産出される庵治石(あじいし)、青木石、北木石、伊予大島石などのブランド物のほか、最近では中国産の墓石が多くなりました。
③ 平均的な墓石の値段は100万円から200万円程度ですが、相談者のように新たに墓を建立するとなれば、墓地の永代使用権と合わせて300万円以上かかります。

【4】墓地・納骨堂の現状

① 日本の死亡者数は増加中ですが、少子化・過疎化や地方には古くからの村落共同墓地などが多くあることから、地方での墓地には余裕があります。
② これに対して、都会近郊の墓地は、相談例のように家族に会いに来てほしいという理由で需要が増えています。土地には限りがありますから、駅近を売り文句にするマンション型の納骨堂(相場は100万円程度)や樹木葬(樹木を墓標とする)を前提とするガーデニング霊園(相場は70万円程度)等の新商品も開発されています。
③ 霊園業者から見れば、永代使用権を設定しただけで最初に多額の売上が見込めますが、その後の管理費等の売上は微々たるものです。そして、放漫経営によって資金が底をつけば、墓地経営が頓挫することにもなりかねません。
④ したがって、勧誘の言葉に飛びつくのではなく、その霊園業者が信用できる経営主体かどうかを慎重に見極める必要があります。

【5】墓じまい、改葬

① 「墓じまい」とは、墓石を撤去して霊園業者に墓地使用権を返還することをいいます。墓がなくなるので、先祖の御遺骨は永代供養(合祀)するのが一般的です。
② ただし、墓石の撤去費として霊園業者から数十万円を請求され、トラブルになることがあります。
③ また、「改葬」とは、霊園業者に墓地の永代使用権を返還するとともに、別のお墓にお骨を移すことをいいます(墓埋法2条3項)。この場合は、墓石の撤去費の他、双方の墓地経営者の許可が必要になることが多く、相応の費用がかかります。
④ したがって、相談者が近くの霊園で永代使用権を購入し、墓石を購入し、田舎のお墓を墓じまいして、改葬まで希望されているのであれば、かなりの出費になります。まずは費用を確認することから始めなければなりません。

【終活・遺言・相続相談】相談例33 葬儀・法事に関する相談

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【相談内容】
相談者(50歳男性)から、「入院中の母(82歳)の容態が思わしくない。もしものとき、葬儀や法事の手順をどのようにすればいいのかわからない。」と相談を受けた。

【検討すべき点】
遺言や相続に関する相談の中では葬儀や法事に関する話題が出ることもありますし、ときには、それが喫緊の問題であることもあります。相談者の信頼を得るためにも、死亡届、葬儀、法事などの手順を一通り説明することになります。

【1】死亡届

① 死亡届は、届出義務者(同居の親族、その他の同居者、家主、家屋若しくは土地の管理人、後見人、保佐人、補助人、任意後見人、任意後見受任者)が死亡診断書や死体検案書を添えて、死亡を知った日から7日以内に届出なければなりません。

【2】火葬許可証・埋葬許可証

① 墓地・埋葬等に関する法律(以下墓埋法と言います)8条により、ご遺体を火葬するには火葬許可証が必要です。
② 死亡届とともに火葬許可申請書を区市町村に提出して、火葬許可証を取得します。
③ 火葬終了後、焼骨の埋葬のためには、斎場からもらう埋葬許可証(火葬証明書)が必要になります。

【3-1】葬儀

① 葬儀は、道教の教えとも曹洞宗のしきたりともいわれるが判然としません。
② 葬儀の方法には、仏式、神式などがありますが、最近では費用を節約するためにも直葬を選択されるケースも多く見受けられます。
③ 直葬とは、通夜・告別式を行わず納棺後すぐに火葬する葬儀のことで、最近の5%~20%は直葬とも言われております。直葬の場合、僧侶も来ず、読経も戒名もなく、あるのは祭壇と蠟燭だけとなります。
④ 故人の希望によって、自然葬、樹木葬、生前葬を行う場合もあります。

【3-2】葬儀費用の額

① 葬儀等関係費は、交通事故損害賠償算定基準によれば、約150万円とされており、統計でもその程度とされているようです。
② しかし、超高齢社会で死亡者が超高齢化し、通夜や葬儀に参列する方が少なくなったこと、相続人の人数も減っていること、10万円~20万円程度の格安葬儀を謳い文句に新規業者が参入し、直葬や家族葬が増えていることから、葬儀費用の単価は確実に下がっています。
③ このような傾向に対して、葬祭業者は「葬儀費用で家族に迷惑をかけないように、元気なうちに積み立てをしましょう」などと、高齢者の囲い込みを図っているところも多くみられます。
④ 遺族としてはすでに葬儀費用を積み立てているのなら、その葬儀社に頼めばよいと考えがちですが、いざその場になると様々なオプションを勧められ、思いのほか高額になるケースが多いようです。

【3-3】死亡直前の預金の引き出し

① 預貯金の名義人が死亡したと分かれば、銀行取引は停止されます。そこで、最後が近づくと、家族があわてて金融機関を回り、預貯金を引き出して、それを葬儀費用等に充てていました。
② そこで、平成30年の相続法改正では、各共同相続人は、単独で遺産に属する預貯金債権のうち金融機関毎に債権額の3分の1に法定相続分を乗じた額(1金融機関当たり150万円まで)の払戻しを請求できることになりました(民法909条の2)。
③ これに対して、この制度を利用するとしても、除籍謄本等を用意しなければならず、当日現金払いを求める葬祭業者や僧侶への支払いには間に合いません。
④ したがって、現在でも、死亡直前に家族が預金を引き出すケースは減っていないとみられています。後日この出金をめぐって問題になることがあるので、領収証等を残しておくよう勧めてください。

【3-4】葬儀費用の負担者

① 相続税法上、葬儀費用は債務控除の対象(相続税法13条)ですが、相続債務ではありません。民法上も遺産から支払われるべきものか、喪主が負担すべきものかについて決まっていません。
② 一般的には、喪主が取引先を呼んで盛大に葬儀を執り行う場合や、喪主が香典を受け取る場合には喪主が葬儀費用を負担するべきで、逆にそのような事情がなければ、相続財産から出しても良いと思いますが、いずれにせよ相続人間で決める問題です。
③ ただし、実際に葬儀費用の負担をめぐって紛争になることもあるので、それを避けるためには、遺言や死後事務委任契約において、相続財産から葬儀費用を支弁すると決めておくべきだと思います(葬儀費用は遺言事項ではありませんが、遺言で定めておけば、平均的な葬儀費用である限り、相続人から文句が出ることは少ないと思われます)。

【3-5】遺品の保管

① 臨終、通夜、葬儀の間、親族は混乱を極めますが、その間に、被相続人の遺品(貴重品や通帳など)がなくなり、斎場に赴かず自宅で留守番をしていた親族が疑われるということもあります。
② したがって、家族のだれが何を保管するのか等をあらかじめ決めておく必要があります。

【4】法要・行事

① 初七日、四十九日と言った法事は、七日ごとに地獄で審判を受けるという仏教及び道教の信仰に由来するそうです。
② 四十九日以降は年忌法要として、祥月命日に、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、三十三回忌などが行なわれ、そのいずれかの機会に遺骨を墓地に埋葬しますが、最近では三回忌あたりで法事を終え、機を見て永代供養に移すことが多いようです。
③ 神道では、死者は神になるのでめでたいとされ、法事ではなく式年祭と呼び、一年祭、三年祭、五年祭などが行なわれます。

【5】永代供養

① 「永代供養」とは、遺骨を共同墓地に合葬(合祀)することで、寺院によってはそのための永代供養塔などを設置しています。永代供養は安価(10万円程度が相場)ですので、最近では最初から墓地・墓石を購入せず、永代供養で祀ることが多くなりました。
② 超高齢社会においては、親の祭祀を行うべき子の世代でも、すでに60代、70代ということが多くなりました。そして、祭祀を引き継ぐ孫の世代では30代、40代となりますが、少子化のため孫の人数も少なく、その多くは近くにいません。
③ すると祥月命日や月命日に墓参りして菩提を弔うということも難しいので、早めにあるいは最初から、永代供養が選ばれる傾向があります。

【6】祭祀承継

① 系譜、祭具、墳墓の所有権は祭祀主宰者が承継する(民法897条)とされ、遺骨は祭祀主宰者に帰属するとされています。
② 最近は火葬後、仏壇に骨壺を安置したまま墓地に埋葬しないケースも散見されます。これはいつまでも故人と離れたくないという相続人の心情や、埋葬費用がかかることが原因ではないかと思いますが、いざ埋葬しようとすると埋葬許可証が見当たらず、難儀することがあります。
③ まだ、埋葬していない場合は、火葬許可証、埋葬許可証を確認し、代々の墓地がないなら墓地・墓石を購入するか、縁のある寺に永代供養するなどの方法を勧めます。

【終活・遺言・相続相談】相談例32 終末期医療に関する相談

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【終活・遺言・相続相談】相談例32 終末期医療に関する相談についての記事です。

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【相談内容】
相談者(73歳女性)から「10年前に義母を見送ったが、意識がないまま延命されてかわいそうだった。自分のときには、家族に迷惑をかけたくないが、どうしておけばよいか」と相談を受けた。

【検討すべき点】
終末期にどのような治療を望むか望まないかはその人の自己決定によるべきですが、終末期には意識を消失していることが多く、意思を伝えることができません。そこで、最近では、延命治療についてのリビング・ウィル(生きている間の意思)を公正証書で残しておく方法が勧められています。

【1】延命治療

① 「延命治療」とは病気の根治ではなく、延命を目的とする治療です。今日では医療技術の発達により、患者の意識がなくなっても気管切開、人工呼吸器、胃瘻(いろう)、輸血、輸液などによって延命を図ることができるようになりました。
② たとえば、胃瘻は、嚥下障害などで栄養などの経口摂取が困難な患者に対し、人為的に胃に瘻孔を作ってチューブを留置し、食物や水分や医薬品を投与する医療処置です。ちなみに、約10年前ほどまでは、終末期の認知症や寝たきりの患者にも積極的に胃瘻が造設されていました。
③ しかし、それは患者が望んでいないことではないか、かえって患者を苦しめているのではないか、家族にも迷惑をかける、いったん延命治療を始めると中止できなくなるといった批判がありました。
④ こうして、高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドラインでは、経口摂取の可能性を適切に評価し、胃瘻導入の必要性を確認し、本人の人生にとって何が最善かを追求するといった方針が提言され、この頃から、胃瘻、気管切開、人工呼吸器などの延命装置は徐々に減っています。

【2】安楽死と尊厳死

① 一般に「安楽死」とは、終末期の苦痛から患者を開放するために死期を早めることで、致死性の薬物投与などにより積極的に死期を早める方法(積極的安楽死)と、治療を開始せず、又は治療を中止して死期を早める方法(消極的安楽死)に分類できるとされています。
② 一方「尊厳死」とは、末期がん患者など治癒の見込みのない人々がQOL(生命・人生の質)と尊厳を保ちつつ最後のときを迎えることをいい、治療は麻薬などによる疼痛管理などに限られるとも言われますが、消極的安楽死との違いははっきりしていません。

【3】リビング・ウィル

① 終末期になれば、いずれ延命治療をするか否かの選択を迫られます。しかし、医療機関からすれば、本人や家族の同意のないまま延命治療を見送り、あるいは中止した場合には、後日、遺族から糾弾される可能性があります。
② また、稀ですが、家族の複数(例えば子どものいない夫婦など)が同時に終末期を迎えた場合には、死亡の先後によって法定相続人や相続分ががらりと変わりますから、延命治療を競うようになる場合もあります。
③ そこで、こうした混乱を避けるために、事前に、自分の意思(リビング・ウィル)で、どちらを選択するかはっきり決めておくべきだと言えるのです。
④ もっとも、延命治療の選択は財産管理契約・任意後見契約・見守り契約等の対象ではありませんし、そもそも相続開始前のことですので、遺言の対象にもあたりません。そこで、尊厳死宣言公正証書の作成が勧められています。
⑤ なお、遺言公正証書は遺言者の生前でも手元の正本や謄本で内容を確認できますから、公正証書遺言の中に尊厳死の条項を加えても良いように思えます。しかし、そうすると生前に相続人に遺言内容を知られることになるので、公正証書遺言とは別に尊厳死宣言の公正証書を作成するべきでしょう。

【終活・遺言・相続相談】相談例31 相続させたくない相談

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【相談内容】
妻を早くに亡くしたという相談者(75歳男性)から、「私には近くに住む長女(52歳)と居所不明の長男(50歳)がいる。長男にはギャンブル癖があり、たびたび尻拭いをした末に縁を切り、15年以上会っていない。そういう次第で長男には相続で財産を与えたくないが、どうすればいいだろう」と相談された。

【検討すべき点】
このような相談を時々受けます。相談者が心から長男を憎んでいる場合と、むしろ長男が心配でたまらないが、自分が面倒をみてもらっている長女の手前、けじめをつけておかねばならないと考えている場合があります。結論としては、長男の借金の返済等生前贈与の事実を確認した上、遺言書を残すことになると思われますが、相談者の気持ちに配慮した対応が望ましいです。

【1】勘当

① いきなり「長男と正式に縁を切りたい」、「戸籍から外したい」と切り出される相談者もおられますので、勘当から説明します。
② 江戸時代から明治憲法下にかけては相続権を奪う勘当の制度が存在しました。しかし今の日本国憲法下では認められておりません。
③ 類似のものとして、普通養子縁組の離縁、嫡出否認の訴、親子関係不存在の訴、認知無効の訴、特別養子縁組などがありますが、長男が実子であれば該当しません。

【2】相続人の欠格事由

① 民法891条1号から5号は相続人の欠格事由を定めていますが、相談例の長男はこれに該当しません。
1号:故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
2号:被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
3号:詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
4号:詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
5号:相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

【3】廃除

① 遺留分を有する推定相続人が被相続人に対して虐待をし、重大な侮辱を加え、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、相続人の廃除を家庭裁判所に請求できます。
② しかし、廃除は要件が大変厳しく、誰が見ても「これはひどい」と言う虐待又はそれと同等の事実があることが必要で、子が親の言うことをきかないとか、怒鳴り合いをしたという程度ではまったく要件を満たしません(司法統計によると廃除容認の審判は年間30件程度)。
③ 相談例の長男には、ギャンブル依存、借入金の肩代わり(生前贈与)、音信不通といった事情はあるものの、それだけでは排除の要件は満たさないでしょう。
④ なお、遺言書でも排除の意思表示をすることができますが、もっともよく事情を知っている者が他界した後に、遺言執行者が虐待や非行の事実を立証することはきわめて難しいので、お勧めできません。
⑤ なお、推定相続人を廃除しても、長男の子は代襲相続することも注意が必要です。

【4】遺留分の放棄など

① 長男と連絡が取れ、長男も相続を望まないとのことでしたら、裁判所の許可を得て遺留分を放棄してもらう方法があります。もっとも遺留分を放棄しても相続権を失うわけではありません。
② 別途、遺言で全遺産の処分を決める必要がありますし、遺留分の放棄は事情によって撤回が可能なので、法律関係が不安定になります。なお、遺留分の放棄の効果は、廃除と異なり、代襲者にも及びます。
③ 相続分の譲渡(民法905条1項)や相続分の放棄は、相続開始後に相続分が生じてはじめて認められるので、相続開始前にこれらの合意を取り付けても無効です。

【5】遺言と遺留分侵害額請求権

① 相談者には、遺言で全財産を長女に相続させ、長男には何も与えないとしていただく他ないと思われます。そうすると、長男から長女に対して遺留分侵害額請求権を行使される可能性があります。
② たとえば、相談者の推定相続人が2人だと仮定して、長男に対して15年前に3,000万円の援助をし、現時点での遺言者の遺産は4,000万円だとします。
③ この場合、遺留分算定の基礎財産に算入される相続人に対する贈与は相続開始前10年間に限られるので(民法1044条1項、3項)、長男が援助してもらった3,000万円は基礎財産に算入されず、長男の遺留分は4,000万円✖1/2✖1/2=1,000万円となります。
④ しかし、遺留分侵害額請求権の算定においては、遺留分権利者がすでに受けた特別受益たる生前贈与(3,000万円)は、それがいつ行われたかにかかわらず、請求額から控除されます(民法1046条2項1号)。そうすると、長男はすでに3,000万円をもらっているために、1,000万円の遺留分について侵害額請求権を行使できません。
⑤したがって、相談者としては、長男から「15年前に借金の返済のために少なくとも、1,000万円以上の生前贈与を受けました」という確認書を差し入れさせ、このことを理由として、遺産の全てを長女に相続させる遺言を作成しておけば、長男から長女に対する遺留分侵害額請求権の行使を防ぐことができます。
⑥ また、長男からそのような確認書を受け取ることができない場合、長男に金を渡した日付や金額などを特定し、その繰越済み通帳、振込伝票、領収証、借用書等を残しておくように勧めます。
⑦ そして公正証書遺言の付言事項で、長男に対する生前贈与を具体的に記載し、遺言執行者を指定すれば、長男も遺留分侵害額請求権の行使を思いとどまざるを得ないと思われます。それでも、長男が遺留分侵害額請求権を行使してきた場合、家庭裁判所での調停を経て成立しなければ、地方裁判所での訴訟となります。

【終活・遺言・相続相談】相談例30 名義預金

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【相談内容】
相談者(77歳女性)から、「これまで夫(85歳)の給与や退職金などを私名義の預金口座に入れて貯めてきた。その一部は長女(48歳)とその子ども(孫17歳)の名義の預金にしているが、次女(44歳)には知らせていない。夫が亡くなった場合何か問題になるだろうか」と相談された。

【検討すべき点】
配偶者や親族の名を借りた名義預金は多用されていますが、相続税対策としては効果がありません。税務調査が入るような場合には、被相続人からの生前贈与を主張してもほぼ認められず、課税対象の遺産であることを認めて修正申告することになるでしょう。また、名義預金は、遺産分割においても遺産性をめぐって紛争の種になります。

【1】名義預金

① 「名義預金」とは、実質的な所有者と名義上の所有者が異なる預貯金のことです。相続税回避の手段として、あるいは生前贈与の準備として、よく使われます。財産評価基本通達では名義預金の評価方法は決まっていませんが、税務署にとっては最重点の調査対象です。

【2】税務調査

① 不動産を生前贈与した場合、法務局は税務署に対して贈与を原因とする所有権移転登記があった旨を連絡し、税務署は、贈与税の申告期限(贈与の翌年3/15)までに贈与税申告がなければ、所有権移転登記を受けた受贈者に対して贈与税の申告を忘れていないかを問合せます。
② これに対して、預貯金を相続人等に移動した場合には、金融機関から税務署に対してその旨が報告されるわけではありません。したがって、税務署から直ちに贈与税申告に関する問い合わせがあるわけではありません。
③ しかし、税務署がこれと目星をつけていた案件で相続が開始し、相続税申告に不審な点があった場合には、過去に遡って親族の預貯金を含めて取引履歴をチェックし、無申告の贈与あるいは遺産の可能性がある(名義預金)と判断した場合には、税務調査を行います。
④ そうして、税務署が調査の目的で相続人を来訪した時点では、親族名義を含めて預貯金の履歴は全て明らかになっているのです。

【3】配偶者名義の名義預金

【3-1】遺産性

① 夫の所得は夫婦共有財産を構成することが多いでしょうが、相談例のように、妻が自分名義の預金として保管しているケースはまま見受けられます(もちろん逆の場合もあります)。
② 妻としては、自分が財産を握っておきたい、夫の相続が発生しても子に権利を主張されたくない、相続税も減らしたいという思惑もあるのかもしれません。
③ しかし、妻が専業主婦で数十年間さしたる所得がなく、妻名義の預金が親の相続等によって得た固有資産というわけでもなく、夫から渡された給料等を貯めていたという以外に合理的な説明がつかなければ、配偶者名義の預金の全部又は一部は、亡夫の名義預金とみなされる可能性が高くなります。

【3-2】配偶者税額軽減との関係

① 配偶者名義の預金が遺産だと認められても、配偶者が配偶者税額軽減の適用を受ければ、1億6千万円までは、非課税になりますから、税務署も無駄な調査はしないとも考えられます。
② しかし、税務署の立場からすれば、たとえば申告された亡夫の遺産は1億円だが、妻名義の預金2億円も名義預金(遺産)だとすれば、妻は2億円以上の遺産を取得することになるので、配偶者税額軽減の上限である1億6千万円を軽く超え、これに応じた相続税を課税できます。
③ さらに、配偶者以外の相続人も相続するなら、課税対象となる遺産全体の増加により、それら相続人が負担する相続税額も増額できます。

【3-3】配偶者名義の名義預金の危険性

① 夫の相続が開始し、相談者が自分名義の預金は夫の遺産ではないものとして、残りの遺産について子らと遺産分割し、相続税を申告したとしましょう。
② 2年後に税務調査が入って相談者名義の預金は遺産だと指摘された場合、修正申告が必要になります。これに対して、名義預金は自分のものだと主張しても原資の立証が問題になりますし、仮に夫から贈与を受けたと主張すれば贈与税を課税されることになります。
③ そして、修正申告だけですむならばよいのですが、過少申告加算税10%や重加算税35%を課税されるおそれがあるほか、妻の隠蔽仮装行為(相続税法19条の2第6項)が認定されれば、修正申告においては、配偶者税額軽減の適用が認められません(同法19条の2第5項)。
④ したがって、相談者に対しては、夫の相続が開始したときには、少なくとも、原資の説明がつかない相談者名義の預金は亡夫の遺産として相続税を申告するべきであると説明します。
⑤ なお、相談者が夫よりも先に死亡した場合には、名義預金がそのまま相談者の遺産とみなされる可能性が高く、全体の相続税額が増えてしまうことになりかねません。このように配偶者名義の名義預金は大きなリスクがあり、お勧めできません。

【4】親族名義の名義預金

① 親族名義の名義預金も配偶者名義預金のそれと変わりなく、税務署からは相続税の潜脱目的ではないかと疑われます。孫名義の預金は、子への相続、孫への相続の二代飛ばし効果がありますから、より厳しく対応されます。
② 配偶者名義の預金は、実際に配偶者が管理しているでしょうが、世帯を別にする長女や孫の名義預金では、通帳やカードの保管状況が問題になります。さらに、贈与の主張が通っても、それが相続開始前3年以内の贈与であれば、相続税の課税相続是財産ですし、3年より前で7年以内の贈与であれば、贈与税と無申告加算税を課されることになります。
③ そもそも、相続税より贈与税の方が税率は圧倒的に高く、少なくとも税務署に対して、名義預金性を否認して被相続人からの贈与を主張することに意味はありません。

【5】贈与の時効

① 上記の説明に対して、相談者から「贈与は10年以上も前のことですから、贈与税は時効ですよね」と言われることがあります。
② 贈与税の時効は6年(故意に申告しなかった場合7年)ですから、贈与から10年経過すれば時効が完成していると思いがちです。
③ しかし、贈与行為が認められるには贈与契約書などの資料が必要ですし、そもそも税務署は7年以前の金銭移動については、名義預金か貸付金だとみなして贈与行為そのものを認めません。それが意図的な脱税行為とされれば、重加算税を課税されるリスクもあります。
④ なお、贈与税の時効の起算点は申告期限の翌日からで、令和3年1月1日に行なった贈与の申告期限は令和4年3月15日となるので、令和4年3月16日から時効が進行します。原則的な事項の完成は令和10年3月15日となり、贈与行為そのものから6年以上たてば時効が完成するわけではありません。
⑤ よって、贈与税の時効を期待することは現実的ではなく、相続税を節税したいならば、暦年贈与等の方法を利用していただくしかないと思われます。税務に関するご相談になりますので、具体的な詳しい説明は税理士に確認する必要があります。

【6】名義預金と遺産分割

① 相続人全員が名義預金の遺産性を認めるなら遺産分割の対象ですが、名義人(相談者や長女ら)が被相続人から贈与で取得したので固有資産であるなどと主張し、他の相続人(次女)がそれを否認すれば、遺産の範囲に争いが生じます。
② この場合には、遺産分割の前提問題として地方裁判所での遺産確認等の訴訟を先行させることになりますが、確実に相続紛争の長期化を招きます。
③ したがって、相談者に対しては、夫が亡くなった場合には、配偶者(相談者)名義の預金の一部は亡夫の遺産と認め、長女や孫名義の預金についても名義預金として遺産と認めるのか、改めて夫から長女らへの贈与として扱うのかを決め、その上で遺産分割をして相続税を申告するように説明します。
④ なお、遺言書を書く場合には、こうした混乱を避けるために、名義預金も遺産として処分するように勧めます。

【終活・遺言・相続相談】相談例29 生前贈与

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【相談内容】
相談者(78歳女性)から、「同居して世話になっている長女(53歳)とその夫(55歳)に各1,000万円、その娘たち2人(25歳、23歳)に各300万円を贈与しておきたい。次女(52歳)には内緒にしておきたい。気を付けておくことはあるか」と相談された。

【検討すべき点】
高齢の親は、様々な動機で家族に財産を贈与します。生前贈与には、それが贈与税又は相続税の対象となるという税務に関する問題と、遺産分割の際に特別受益として影響しないか、遺留分侵害額請求権の対象とならないか、又は同請求権の減額要素にならないかといった相続に関する問題があります。

【1】贈与税

① 相談例の場合で暦年贈与の適用があるとすれば、長女の夫に対する1,000万円の贈与に対しては、(1000万円-110万円)×0.4-125万円=231万円の贈与税がかかります(直系尊属からの贈与とそうでない贈与では税率が変わります)。
② 孫2人に対する各300万円の贈与には、それぞれ、(300万円-110万円)×0.15-10万円=18万5千円の贈与税が課税されます。合計2,600万円の贈与につき、受贈者側に合計445万円の贈与税が課税されます。
③ そこで、相談者がこの金額の贈与税がかかることを知って贈与するのかを確認します。時折、「必ず贈与税がかかるのでしょうか。税務署にばれるのでしょうか」と尋ねられることがありますが、税務署の調査能力を侮ってはいけません。所定の贈与税を納付すべきです。
④ 高い贈与税率を避けるためには、暦年贈与を繰り返すか、相続時精算課税制度の利用を検討するように勧めます。なお、贈与から3年以内に贈与者が亡くなって相続が開始した場合には、贈与税ではなく相続税が課税され、すでに贈与税を支払っていれば、差額の還付が受けられます。

【2】特別受益

① 相談者の相続が開始した場合、長女は共同相続人ですから、長女に対する1,000万円の生前贈与が特別受益に当たる可能性が高いことを指摘します。これに対して、長女の夫や娘たちは相談者の相続人ではないので、原則として特別受益の問題は生じません。
② 長女への生前贈与が特別受益となった場合の効果として、1)その贈与が何年前のものであっても相続財産に持戻されること、2)その相続財産をもとに各相続人の具体的相続分が計算され、長女は1,000万円の先払いを受けたとみなされること、3)ただし、特別受益の遺産分割の具体的相続分が0円以下になっても、すでにもらった財産の返還を要しないことを説明します。
③ 相談者は世話になっていることの感謝として、あるいは今後も世話になることを期待して長女に生前贈与するのでしょうから、遺産の前渡しとしての性格はないと思われます。とすれば、黙示的な持戻し免除の意思表示があったとも考えられますが、無用な紛争を避けるため、相談者には持戻し免除の趣旨を遺言書など書面で残すように勧めます。
④ 生前贈与の対象が不動産だった場合、特別受益の額は、相続開始時を基準として計算されます。ただし、現預金については、最近30年間、物価水準はほぼ一定していますので価額の修正は不要でしょう。

【3】遺留分侵害額請求権

① 長女も次女も遺留分権利者ですから、相談者の相続において次女が遺留分を侵害された場合には、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができ、生前贈与は遺留分の算定基礎に加えられることがあります。特に問題となるのは、特別受益と遺留分侵害額請求権の関係です。
② なお、長女の夫や孫に対する贈与は特別受益に当たりませんが、相続開始から1年前までの贈与と、それ以前の贈与であっても遺留分権利者に損害を加えることを知って行った贈与については、遺留分の算定基礎となり、遺留分侵害額請求権を行使される可能性があり、相談者へ説明をします。

【4】生前贈与の告知

① さて、相談者の「次女には内緒にしておきたい」という発言は「次女には財産を与えたくない」と聞こえますが、実は次女にも「長女には内緒だよ」と言って生前贈与をしているかもしれません(高齢者は秘密めいた言動で子らの気を引く傾向があります)。
② しかし、相続開始後に金融機関の取引履歴から多額の出金や送金が明らかになり、その手続きへの関与者、出金の取得者やその趣旨をめぐって紛争が長期化することがご承知のとおりです。
③ したがって、相談者に対しては、相続紛争の原因を少しでも減らしておくために、遺言書やその他の書面で、「長女一家には面倒を見てもらっているので、令和〇年〇月〇日に総額2,600万円を贈与した。ただし長女への贈与1,000万円について、持戻しは免除する」、「次女にも自宅購入費として平成○年〇月〇日に3,000万円を贈与したが、それも持戻しは免除する」などと残しておくように勧めます。