【成年後見制度について】成年後見人がつくと戸籍に記載されるって本当ですか?後見登記とは?

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回は後見制度に関して、「成年後見人がつくと戸籍に記載されるって本当ですか?後見登記とは?」について考えてみましょう。

【Q】私の母は90歳になりますが、認知症がかなり進行し、日常生活に支障が出るまでになってしまったので、成年後見制度を利用して成年後見人を付けてもらうことにしました。私の親戚にそのことを話したら、「成年後見人がつくと戸籍に載ってしまうよ」と言われました。成年後見人がつくと戸籍に記載っされるというのは本当なのでしょうか?

【A】成年後見に関する相談を受ける際、「成年後見人がつくと戸籍に記載されてしまうのでしょうか?」という質問をよく受けます。答えは「ノー」です。新しい成年後見制度ができる前の禁治産、準禁治産の宣告制度の下では、禁治産及び準禁治産宣告は、戸籍に記載されていました。しかし、平成11年の法改正により、新たに成年後見登記制度が創設され、新しい成年後見制度は、戸籍に記載されることはなくなりました。

新しい成年後見制度では、家庭裁判所で後見、保佐または補助開始の審判がなされ、かつ審判の効力が確定すると、家庭裁判所が法務局に嘱託して審判内容を登記してもらうよう依頼します。これを受けて登記がなされるため、後見人や後見開始の申立てをしたものが、自ら登記の申請をする必要はありません。

ただし、その後、登記内容に住所などの変更が生じた場合は、後見人等が「変更登記」を申請しなければなりません。また、従来の禁治産・準禁治産制度のもとで戸籍に記載されている禁治産宣告・準禁治産宣告は、当然に後見登記に移行するわけではなく、戸籍の記載を消除して後見登記に移行させる場合にも、後見人が「移行登記」を申請する必要があります。さらに、成年被後見人等の死亡により後見等が終了した場合は、成年後見人等は自ら「終了の登記」を申請する必要があります。

任意後見契約を締結した場合、法定後見と同様に、任意後見契約を締結した事実が戸籍に記載されることはありません。任意後見契約の登記が行われるだけです。

ただし、法定後見の場合には家庭裁判所が法務局(東京法務局)に嘱託して登記をしてもらいますが、任意後見の場合は、任意後見契約の公正証書を作成した公証人が法務局(東京法務局)に登記を嘱託します。この点が法定後見と異なります。

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