世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見契約の手続 任意後見契約の解除1について考えてみたいと思います。
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本人または任意後見人(受任者)の各当事者は、いずれも任意後見契約を途中で解除(合意解除、一方的解除、約定解除)することができますが、次のとおり、解除する時期が、任意後見監督人の選任の前か後かによって、その要件が異なります。
① 任意後見監督人が選任される前は、いつでも、公証人の認証を受けた書面によって、任意後見契約を解除(撤回)することができます(任意後見契約法9条1項)。
② 任意後見監督人が選任された後は、正当な理由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て、任意後見契約を解除(撤回)することができます(任意後見契約法9条2項)。
【1】任意後見監督人が選任される前に解除する場合の要件
ア 任意後見監督人選任(任意後見契約の発効)前であれば、公証人の認証を受けた書面によっていつでも解除することができます(任意後見契約法9条1項)。
イ 合意解除の場合には、合意解除の意思表示を記載した書面に公証人の認証を受ければ、すぐに解除の効力が生じます。
ウ 当事者の一方からの解除の場合は、解除の意思表示を記載した書面に公証人の認証を受け、その書面を配達証明付内容証明郵便として相手方に送付し、それが到達した時に効力を生じます。つまり、相手方が受け取れば(受け取ることができる状態になれば)任意後見契約は将来に向かって効力を失うことになります。
なお、登記申請に当たっては、①郵便局で解除の意思表示を記載した書面を送付した時に交付される郵便局引受記載印のある控え(配達証明付内容証明郵便の謄本)と、②配達日を確認するための配達証明の葉書を添付して、解除による任意後見終了の登記を申請することになります。
エ ちなみに、解除においては、当事者双方による公正証書の作成によることまでは要求されていません。任意後見契約の解除は、その締結とは異なり、その内容の審査までは必要なく、当事者の真意に基づく解除であることが担保されていれば足りるからです。
公証人は、解除書面を認証するに当たっては、署名の真正の審査の際に、解除が本人の意思に基づくものであることを確認します。
オ 契約の解除を理由に上記の公証人の認証手続きを受けようとする場合、その者は認証を受ける書面(解除する旨を記載した書面)を作成の上、本人確認書類として、印鑑登録証明書と実印(あるいは住民基本台帳カードやマイナンバーカードや運転免許証などの顔写真付きの公的証明書)を公証役場に持参して、解除通知書に公証人による認証を受けることになります。
カ 公証人の認証手数料は5,500円です。
なおその他必要な費用としては、内容証明郵便の費用が約1,470円、閉鎖登記事項証明書代550円があります。閉鎖登記事項証明書は任意後見契約が終了したことの証明書として必要ですので、終了の登記申請時に一緒に申請するとよいでしょう。