【終活・遺言・相続相談】相談例21 生前整理

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
パスポート申請、車庫証明申請も多く手掛けております。

【終活・遺言・相続相談】相談例21 生前整理についての記事です。

東京都世田谷区の事業復活支援金【事前確認】は【090-2793-1947】までご連絡を

東京都世田谷区の車庫証明は【090-2793-1947】までご連絡を

東京都世田谷区の相続・遺言・戸籍収集支援・終活は【090-2793-1947】までご連絡を

東京都世田谷区のパスポート申請は【090-2793-1947】までご連絡を

【相談内容】
相談者(75歳男性)から、「1週間前の検査でガンの転移が見つかった。既に遺言書は書いているが、妻子に迷惑をかけないよう、他にやっておいた方がよいことを教えて欲しい」と相談された。

【検討すべき点】
遺産の処理については遺言書で対応できますが、それ以外にも相続開始後に遺族が難題に直面することがあります。いざというときに遺族や周囲の方が困らないよう、相続財産を明らかにし、身の回りのものを整理し、利用しない不動産・動産や海外資産などは処分し、これまで放置してきた問題を片付けるように勧めます。相談者本人がショックを受けているようであれば、説明には気遣いが必要です。

【1】財産の特定

① 一般に、高齢者は、推定相続人に対して自分の財産の内容を明らかにしない傾向があります。子供たちが財産を狙っているのではないか、財産が少なければ、ぞんざいに扱われるのではないかという不安が先立つからです(逆に現金を見せびらかして、関心を引こうとする場合もあります)。
② そのまま相続が開始すると相続人らは遺産の調査に手間取り、準確定申告や相続税申告が滞ったり、ほかの共同相続人(兄弟姉妹など)が被相続人の財産を隠している(あるいは生前贈与を受けた)のではないかと、疑い出すこともあります。
③ それは相続紛争の種になりますので、相続人に遺産の内容が分かるようにすることが望まれます。遺産は遺言書に明示しておくことが基本ですが、エンディングノートや手帳などに遺産の詳細を記載する方法もあります。

【2】エンディングノート

① 「エンディングノート」は、やがて迎える死に備える自身の希望などを書き留めておくもので、各種のエンディングノートが書店で販売されています。終活セミナーや社会福祉協議会や地域の高齢者の集いなどで配布されることもあります。
② エンディングノートに書き留める項目としては、財産の内容、葬儀の希望やその際の連絡先、自分史、感謝の気持ちなどが代表的です。
③ しかし、一人でエンディングノートを書いていると、つい、遺言めいた内容(たとえば、自社の株式は長男に譲りたいなど)を記してしまいがちです。そうなると、これは自筆証書遺言として有効か無効かという問題が生じますし、他に有効な遺言がある場合、その文言が不明確な場合には遺言内容の解釈指針として用いられる可能性があります。
④ また、相続人に対する不満や愚痴を書けば、争族の種になることもあるでしょう。したがって、エンディングノートを利用する場合には、そのようなリスクがあることを説明します。

【3】身の回りの動産の整理

① 高齢になるほど身の回りの整理が上手く出来なくなり、不要な物が増えます。ゴミ屋敷のような状態になる前に不要なものを整理しておくべきでしょう。
② 特に80歳を超えると自分で物を捨てることが困難になってきますが、相談者はまだ75歳と若いので、自分でできるはずです。年賀状の打ち切りの挨拶や、利用していない契約の解約処理なども検討すべき点です。ペットの世話については、負担付遺贈やペット信託といった方法もあります。

【4】不動産の生前整理

① 郷里に先祖伝来の実家や田畑があるが、しばらく帰っておらず、現状が分からないといったこともよくあります。しかし、放置しておくと、遺産分割では相続人が郷里の不動産の取得を嫌がり、その不動産の押し付け合いになります。
② 郷里の実家が倒壊等の危険のある特定空き家等となった場合には、市町村が立入調査し、指導、勧告、命令等の経過を経て強制的に解体を代執行されるという手段が用意されています(空家等対策の推進に関する特別措置法)、令和3年民法改正により、管理不全土地管理命令や管理不全建物管理命令の制度が用意されましたが、手間がかかることには違いありません。
③ 先々代、先代の相続で土地の所有権移転登記手続をしていなかったというケースもあります。これに対しては、登記名義人の死後長期間に渡り相続登記されていない土地につき、登記官が法定相続人を探索し、職権で長期間相続登記未了である旨を登記に付記して法定相続人の登記手続を促す等の措置が講じられました(所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法等)。
④ 令和3年民法改正により、所有者不明土地管理命令及び所有者不明建物管理命令が創設され、相続登記や住所変更登記も義務化され(不動産登記法改正)、相続土地国庫帰属法により、条件次第で相続土地を国庫に帰属させる道も用意されましたが、いずれも相当手間がかかります。
⑤ 共有不動産の処理、私道・里道・水路敷の処理、筆界特定なども将来問題になります。したがって以上のことに心当たりがあるのであれば、使用されていない建物は解体し、土地は先代の相続を原因とする所有権移転登記を経て、郷里の不動産を隣家などに譲渡又は贈与するなどして、身軽になることをお勧めします。

【5】祭祀承継

① 郷里に相談者の父母や祖父母の眠るお墓がある場合、相談者もそこに入るのか、入るのならその祭祀承継はどうするのかも考えておく必要があります。
② 相談者は郷里のお墓に思い入れがあったとしても、子どもたちは都会に住んでいて里帰りすることもないし、村落共同墓地の場合そこの掃除も期待できないなら、いっそ墓じまいして、子どもたちが訪問しやすい場所で永代供養しておくことが望ましいかもしれません。

【6】デジタル遺産に関する生前整理

① 比較的新しい問題ですが、デジタル遺産があるのであれば、その対応も必要です。オンラインのデジタル遺産には、SNSアカウント、ブログアカウント、暗号資産(仮想通貨)、メールアカウント、アフィリエイトアカウント、FX取引アカウント、蓄積データなどが挙げられます。これらには所有権や著作権を観念できませんし、債権というわけでもありませんが、それに経済的価値があれば相続財産に含まれます。
② しかし、相続人がデジタル遺産の存在に気づかない可能性がありますし、パソコンやスマホ等の端末のパスワードやアプローチの方法が分からなければ、デジタル遺産を捕捉し、現金化できません。
③ したがって、生前整理としては、あらかじめ金融資産化するか、相続人に対してデジタル遺産の存在を知らせ、パスワード等と共に現金化や名義変更の具体的な方法を指示するように勧めます。
④ オンライン上のデータの消去や処分を希望する場合には、エンディングノート、死後事務委任契約などにより必要な情報を添えてデータ処分(抹消)を依頼すべきですが、それも生前に行なっておく方が確実です。

【7】海外資産

① 相談者が海外資産を所有しているときも、その内容を明らかにしておく必要があります。本来相続については被相続人の本国法によりますが(法の適用に関する通則法)、遺産たる不動産には所在地法が適用されることもあります(英米・中国法など)。
② その場合は現地の裁判所で検認裁判を受ける必要があり(プロベート手続き)、当地在住の弁護士に依頼するなど複雑な手続きが必要です。よってこのような海外資産もあらかじめ処分することをお勧めします。

【8】特別受益の整理

① 相続では、頻繁に特別受益が問題になりますが、数十年も前の贈与では、遺言者もはっきり覚えていないことが多いでしょう。そこで、いつ、だれに、何のために、いくら贈与したのか、持戻し免除するのか否かについて、整理して記録を残すように相談者にお勧めします。

【9】債務の整理

① 相続開始時に債務が残っていると、その負担を巡って相続人がもめるリスクがあります。ですから、できるだけ繰上弁済しておくべきです。例えば、その借入金がアパートなどを建築する費用に使われたなら、遺言で建物を取得する相続人に負担させるのが合理的です。
② 借入金返済が厳しいなら、自己破産、任意整理などの方法により債務整理しておくことをお勧めします。相続開始時に債務が上回るのなら、迅速に相続放棄できるよう相続人に知らせておきます。