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【孤独死をめぐるQ&A】Q41 自動車の処分についての記事です。
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【Q41】おじが孤独死をしたのですが、生前に付き合いもなかったので相続放棄をしようと思っています。おじは自動車を所有していたらしく、駐車場の貸主からは自動車の処分をするように言われています。
相続放棄をする予定なのに自動車を処分してしまってもよいものでしょうか。
【A】相続放棄をする予定であれば自動車の処分には関与しない方がよいでしょう。ただし、対象となる自動車に財産的な価値がないのであれば廃棄処分をしたとしても単純承認とはみなされない可能性は高いので、処分に応じてもよいかもしれません。
【解説】
1 自動車の処分
① 自動車も動産であり相続の対象になります。そのため、自動車の所有権は相続人に帰属します。
② 自動車を処分する場合、本来的には、遺産分割手続きにより自動車の名義を相続人名義に変更し、その上で自動車を譲渡したり、廃車手続きをとったりすることになります。
2 相続放棄を予定している場合
① 相続放棄する場合、自動車の名義変更をして譲渡してしまうと「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」に当たり、単純承認をしたものとみなされる可能性があります。
② そのため、基本的には、相続放棄を予定している場合には、自動車の処分は自ら行わない方がよいと言えます。
③ 駐車場が賃貸の場合、遺品整理の場合と同様、賃貸人に法的手続きをとってもらい賃貸人に処分してもらうことになります。駐車場が被相続人の所有地であれば、自動車をそのまま置いておくことになります。
④ なお、自動車のローンが完済しておらず、所有権が販売会社やローン会社のままであれば、販売会社やローン会社に連絡をして、自動車を引き揚げてもらうという方法も考えられます。
3 どうしても自動車を処分したい場合
① 事情によっては、相続放棄をする予定であるがどうしても処分したいということもあるかもしれません。そのような場合、対象となる自動車に財産的価値がないのであれば処分は可能です。
② 一般的経済価値のない物の廃棄については、単純承認事由たる「処分」に当たらないという裁判例があります。
③ そのため、自動車に財産的価値がないのであれば、廃棄したとしても「処分」に当たらないと言えます。自動車の価値については、普通自動車(新車)の減価償却期間は6年ですので、減価償却期間が経過しているかが一つの参考になります。
④ 自動車を廃棄する場合、リサイクル業者に引き渡して解体処分をしてもらい、その上で管轄の運輸支局において永久抹消手続きを行うことになります。
⑤ 相続した自動車を永久抹消する場合は、財産の処分行為ではないため名義を変更せず故人名義のまま、相続人の代表者が単独で申請を行うことができるとされています。
⑥ 車検残存期間が1ヶ月以上の場合は、自動車重量税の還付を受けることができますが、自動車重量税の還付を受ける権利も相続財産ですので、相続放棄をするのであれば還付は受けない方がよいでしょう。
⑦ なお、軽自動車の場合には、軽自動車検査協会において手続きを行うことになります。