【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q22 葬儀の生前予約・生前契約に関するトラブル

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、シニア世代の将来設計、終活・相続支援・成年後見制度に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q22 葬儀の生前予約・生前契約に関するトラブルについての記事です。

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【Q22】20年前に互助会の会員となり満期も過ぎました。父の葬儀で利用しようとしたら「20年前の12万円コースはなくなり、いまある30万円コースを利用すると18万円追加になる」と言います。では、解約すると言うと「解約手数料がかかるので7万円しか戻らない」と言われました。正当なことなのでしょうか。

【POINT】
① 冠婚葬祭互助会とは
② 追加料金請求の妥当性
③ 解約料請求の妥当性

1⃣ 冠婚葬祭互助会は前払式特定取引
① 生前に自分の葬儀のための契約をしておく契約で、古くから利用されているものが冠婚葬祭互助会です。冠婚葬祭互助会とは、割賦販売法で規制されている前払式特定取引に該当します。
② 割賦販売法では、規制対象の前払式特定取引を次の要件を満たす取引と定義しています。
③ 第1に支払条件に関して、消費者が商品の引渡しまたは役務(サービス)の提供を受ける前にあらかじめ2カ月以上にわたり3回以上の分割払いで料金を支払うものであることです。
④ 第2に、役務の場合、事業者が同法施行令で定められている役務を提供するものであることが必要です(商品の場合は指定制はありません)。
⑤ 同法施行令では「一 婚礼(結婚披露宴を含む)のための施設の提供、衣服の貸与その他の便益の提供及びこれに付随する物品の給付」と「二 葬式のための祭壇の貸与その他の便益の提供及びこれに付随する物品の給付」の2種類の役務を指定しています。以上の要件を満たす取引を指して、冠婚葬祭互助会と言っています。
⑥ やさしく言えば、毎月1000円から数千円の支払をしておくと、自分や家族の死亡などにより葬式などの冠婚葬祭が必要になった場合に、前払した費用で行うことができるということで、経済的に豊かでなかった時代のニーズにあった種類の取引だったといえるでしょう。
⑦ 現代社会においても自分の葬式で家族に負担をかけることを心配して生前に葬儀のための契約をしたいと考える人が増えています。
⑧ こうした事情から、冠婚葬祭互助会についても自分の生前に葬儀契約できるシステムという観点から消費者の注目を浴びているという事情があります。
⑨ 半面、契約締結時には、いつ葬儀が必要になるか予想することができないという特殊性のある契約です。例えば、契約締結時には健全経営をしていた事業者の経営状態が変わってしまうとか、物価の変動であるとか、社会事情や生活文化などの変化によって葬式のあり方もかわってしまうなどということは起こり得ます。
⑩ そのためにさまざまなトラブルも起こっています。ご質問のケースはその典型的なもので、契約締結から20年後にサービスの提供を求められても困ると言い出して問題が起こったケースと考えられます。

2⃣ 問題の所在
① 事業者の主張は「契約をしたのは20年前のことだ。現在は、20年前にあった12万円のコースはなくなっている」、「現在あるのは30万円コースであるから、18万円の追加料金を支払ってもらう必要がある」というものです。
② ここで問題となるのは、20年前に締結された冠婚葬祭互助会の契約の内容は何かということです。冠婚葬祭互助会の契約では、契約した消費者は、契約に基づいて事業者が提供するはずの商品やサービスに対して対価を支払うことを約束し、対価を契約で約束した支払方法で支払う債務を負います。
③ ご質問のケースでは、12万円を分割前払で支払うというもので、契約者であるご質問者(消費者)はその支払いを完了しているということです。
④ では、事業者は契約で12万円の対価をもらってなにを提供することを約束したのでしょうか。割賦販売法の定義でいうと、「葬式のための祭壇の貸与その他の便益の提供及びこれに付随する物品の給付」です。
⑤ 契約締結の際には契約内容として「こういう祭壇の貸与」、「こういう棺・骨壺などの給付」、「これこれの内容の便益の提供」といった具体的な内容を契約の際には決めていたはずです。
⑥ 冠婚葬祭互助会の契約とは、契約で対価と提供するサービスの内容を定めるもので、ただし、「葬式に関する約束したサービスの提供時期は将来のいつになるかは予想できない未定のものであるが、必要になった時は何年先になっても契約に従って提供しますよ」ということを約束するものであるということなのです。
⑦ したがって、事業者は、20年前の契約で約束した内容のサービスを提供する契約上の債務を負担していることになります。
⑧ 今現在20年前のコースが商品として販売されていなくても、締結した契約を履行する義務があることには違いはありません。
⑨ 20年前の契約で今はそのコースがないからということは、契約を守らなくてもよいという理由にはならないのです。この事業者の対応は、法的には根拠のない言い分です。
⑩ ご質問者は、20年前の契約で約束したサービスを提供するように事業者に対して要求する権利があります。追加料金を支払う義務はありません。
⑪ 事業者としては、20年前とは物価も違っているなどの事情があるから、12万円でサービスの提供を求められても採算が合わないという言い分があるのかもしれません。
⑫ しかし、もともと冠婚葬祭互助会というものは契約内容にそういうリスクをはらんでいるものであって、そうした事情を承知の上で事業として行っているわけですから、20年の経過の中で採算が取れない事情になったからといって追加料金を請求することは認められないというべきです。

3⃣ 対処方法
① 消費者がとることができる対処方法としては、契約に従ったサービスの提供をするよう要求する方法が考えられます。
② ただし、葬儀の場合には、葬儀が必要になってからそれほどの猶予期間をおくことはできません。したがって、数日程度の期間を区切って契約に従った債務の履行を請求し、期間内に債務の履行がないか、事業者が「30万円コースとの差額を支払わない限りできない」と拒絶するのであれば、債務不履行を理由に契約を解除することになるでしょう。そして現実の葬儀は別の業者に依頼せざるを得ないと考えられます。
③ 契約相手に債務不履行があった場合には、相手の債務不履行によって被った損害で、通常予想することができる範囲の損害については、相手方に債務不履行による損害賠償を請求することができます。
④ すでに支払った12万円の返還を求めるとともに、事業者が契約どおり履行してくれれば被ることがなかったであろう金銭的な被害について、損害賠償請求することができます。
⑤ 12万円コースと同様の内容の葬儀を実施したのに、新たに別業者に依頼せざるを得なかったために高い出費を強いられたという場合には、その部分を債務不履行に基づく損害として事業者に賠償請求できます。
⑥ ご質問では、30万円との差額を支払いたくないから契約をやめると述べた消費者に対して、契約を解約するのであれば解約料がかかると事業者は主張しています。
⑦ しかし、消費者が解約したいと言っているのは、消費者の自己都合によるものではなく、事業者が契約に基づく債務の履行を拒否しているためです。
⑧ つまり、事業者の債務不履行による契約解除にあたるわけです。自分が債務不履行を起こしているにもかかわらず、契約を守らないのであれば契約を解消するという消費者に対して解約料をとるといっているという理不尽な主張をしていることになります。
⑨ 契約の中途解約が消費者の自己都合によるものであれば、合理的な範囲で契約で定められている違約金であれば消費者は支払わなければなりません。
⑩ つまり、支払った金銭から差し引かれて残った差額しか返還されないこともやむを得ない場合があります。
⑪ しかし、ご質問のケースは、事業者が債務の履行を拒絶しているために起こったことなのですから、事業者は解約料をとることはできません。むしろ消費者に対して損害を賠償する義務を負うことになります。