【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q40 団体契約等の割引が後から判明した場合

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【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q40 団体契約等の割引が後から判明した場合についての記事です。

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【Q40】父が生前所属していた団体と葬儀提携契約を締結していた葬儀社が「基本葬儀料金1割引、生花一対付き」としていました。それを知らずに、同じ葬儀社に個人で葬儀の依頼をして支払をした後にそのことを知ったのですが、差額の返金を求めることは可能でしょうか。

【POINT】
① 団体契約と個人契約の関係
② 契約の成立と効果

1⃣ ご質問の趣旨
① 父上が亡くなられたので葬儀社に依頼して葬儀を行ったところ、葬儀が終わった後で父上が生前所属していた団体がその葬儀社との間で葬儀提携契約を締結していたことが判明したという事例のようです。
② 葬儀社との葬儀契約で約束した葬儀費用は支払済みであるものの、団体との葬儀提携契約では団体の加盟メンバーであれば「基本葬儀料1割引、生花一対付き」で利用できる取り決めとなっていたので、支払済みの金額から、団体葬儀提携契約による内容に基づいた割引料金にしてもらえないか、差額を返還してもらえないかという趣旨に思われます。
③ 葬儀を実施する際の葬儀社への依頼も、団体と葬儀社の葬儀提携契約もいずれも契約です。そこで、契約問題としてどのように考えるべきかがポイントになります。

2⃣ 基本的な視点
① 消費者は自分で葬儀社との間で葬儀を依頼する契約を締結し、葬儀の実施をしてもらい代金を支払っており、契約関係は終了しています。
② 契約関係が終了した後に、亡くなった父上が所属していた団体が、たまたま今回父上の葬儀の際に利用した当該葬儀社との間で団体員が割引きで葬儀サービスを利用できる内容の葬儀提携契約を締結していたことが判明したわけです。
③ あらかじめ葬儀提携契約の存在を知っていれば葬儀提携契約によって割引料金で葬儀の依頼をすればよかったのに、知らなかったために正規料金で契約をしてしまったので、割引分を返還してもらえないかというものです。
④ 父上が所属していた団体と葬儀社との契約と、消費者が葬儀社と締結した契約は、内容も当事者も違う別々の契約です。別々の契約関係がある場合に、相互の関係はどのように考えるべきでしょうか。
⑤ そこで、団体が葬儀社と締結していた契約の内容はどのようなものだったのか、ということが重要になります。

3⃣ 団体の締結した契約
① まず、父上が生前所属していた団体とその葬儀社との葬儀提携契約の内容を確認する必要があります。
② 「基本葬儀料金1割引、生花一対付き」との規定の適用を受ける葬儀契約の範囲はどのように決められているか、その適用を受けるための要件や手続きなどについて、契約ではどのように定められているのか、その内容を確認します。
③ 葬儀団体契約の契約書などが手元にある場合には、手元の書類で確認します。手元に契約書などの契約内容が記載された書類がない場合には、父上が所属していた団体に控えか写しの発行を求めるか、葬儀社に依頼して契約書の控えか写しを交付してもらって確認してください。
④ その上で、団体に所属している本人の葬儀の際にも適用があることが確認できたら、団体割引で葬儀を依頼する場合の手続きについて確認します。
⑤ 団体員であることを証明するための資料、割引で葬儀をしてもらうための葬儀社への手続きや提出資料など、どのようなものが必要なのかを確認します。さらに葬儀が終わった後でもその手続きが利用できるかも確認します。
⑥ 以上を確認した上で、葬儀完了後であっても手続き的に可能であれば、割引分を返還してもらうことは可能です。また、事情を説明して考慮するように配慮を求めるのも一つの方法です。
⑦ ただ、団体契約による葬儀を利用する場合には、個別の葬儀の契約締結の段階で団体契約による利用であることを明示するなどの一定の手続きが必要とされている場合には、難しい可能性があります。
⑧ 葬儀社のほうであらかじめ亡くなった人が団体契約を締結している団体の所属メンバーだったかどうかなどを、葬儀のたびに調べて利用者に教えるべきだったという義務があるとまでは言えないと思われるからです。

4⃣ トラブルを防ぐために
① 生前葬儀契約の場合のところでも指摘したように、本人が亡くなった時の葬儀の実施については、契約した本人は亡くなっているために、本人に生前契約していたのか、どの葬儀社としていたのか、その内容はどのようなものだったのか、などを本人に直接確かめることができません。
② 亡くなった父上が所属していた団体が葬儀社と葬儀提携契約を締結していたことやその内容なども、亡くなった父上に直接確認することは出来ないことは、生前葬儀契約の場合と同じです。
③ 自分が死亡した後の葬儀に利用することができる制度がある場合には、自分が元気なうちに葬儀を実施することになる家族の方たちと情報を共有しておくことと、詳しい契約内容などのわかる資料をきちんと整理して共有しておくことが重要です。