【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q52 永代使用権の更新

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【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q52 永代使用権の更新についての記事です。

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【Q52】先日、お寺から、「三十三回忌がきたので、今年4月1日で永代使用期間が切れる」という通知が来ました。更新するか、終了するかを決めるようにとのことです。永代というのに、このようなことがあるのでしょうか。

【POINT】
① 墓地購入の法的性質
② 永代使用と永代供養の違い

1⃣ 「墓地を買う」とは
① 私たちは、日常的に「お墓を買う」とか、「墓地を購入する」という言い方をします。電話で「お墓を買いませんか」などと勧誘を受けたりチラシをご覧になることがあると思います。
② 「永代使用」の意味を理解する前提として、そもそも「お墓を買う」とは法律上どのような意味を持つのでしょうか。
⑴ お墓とは
① お墓に関する事柄を規律する法律である墓地埋葬法には、「墓」という漠然とした概念はなく、「墳墓」「墓地」「納骨堂」と分けて、それぞれ定義規定が置かれています。
② すなわち墳墓とは、死体を埋葬し、または焼骨を埋蔵する施設であり、墓地とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事等の許可を受けた区域をいい、納骨堂とは、他人の委託を受けて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設を指します。
③ 日常用語である「お墓」からイメージするものは、人それぞれ違いがあるかと思いますが、お墓を買うといった場合、その対象は、通常「墓地内の一定の区域区画」を意味します。永代使用という言葉は、一般的には「墓地」について使われますが、「納骨堂」についても永代使用という形式をとる霊園もあります。
⑵ 「買う」とは
① 「買う」という言葉は、通常、その目的物の所有権を取得することを意味します。しかし、お墓の場合には、「指定された区域区画について、墳墓を設けるために排他的、永続的に使用する権利(墓地使用権)を取得すること」を意味するだけであって、決して、その区域区画の所有権を取得することではありません。所有権はあくまでも、霊園・寺院側に残ります。

2⃣ 永代使用とは
① 「永代使用」という言葉は法律上の用語ではなく、祭祀承継者がいる限り期限を定めずに代々承継して使用できるという墓地の一般的な使用権を示す意味で使われているにすぎません。したがって、すべての墓地使用権は永代使用権であるとも言えます。
② しかし、永代使用権であることと、更新手続きが必要であるかどうか、更新料を支払う義務があるかどうかは、別問題です。墓地をめぐる法律関係は、各地の慣習によるところが大きく、一概に論じることはできません。
③ 伝統的な寺院墓地における墓地使用権は、通常、更新という概念もなく、更新料の支払を要しないことが多いでしょう。その代わり、諸法要の際に相当のお布施を納めなければなりませんし、護持会会費や本堂改修費用等を寄付する必要もあるでしょう。
④ これに対し、霊園墓地においては、永代と言っても長期というほどの意味しか持たないのが通常であるといえるでしょう。
⑤ 最初に一時金として永代使用料を支払って墓地使用権を購入し、その後定期的に定額の「管理料」を払い続け、墓地購入契約により定められた一定時期が来るたびに更新することによって、使用権を承継し続けることができるというものです。
⑥ したがって、永代使用の具体的な期間・内容については、霊園との契約に定められた内容によって決まります。長い年月をかけて承継されていく途中で、承継者がいなくなることもありますし、別の埋葬方法を選択することも想定されます。
⑦ そこで実際には、三十三回忌までなどの有期契約とし、期間満了時に契約更新といった方法をとることが多いようです。このような有期使用権は、使用者にとっては、契約時に支払う使用料を軽減できますし、霊園にとっては、更新がない場合の土地の再利用が可能となるなど、双方にメリットがあります。
⑧ そこで、このように、永代と言っても「長期」という程度の意味しかもたない場合がありえるのです。もっとも、近年、「永代」という概念が明確でなく、誤解を招くことから、単に「使用権」という言葉を使う霊園もあります。
⑨ なお、墓地使用権は墓地管理規則等に規定がある場合はもちろんのこと、規定がない場合であっても、永代と称するか否かにかかわらず、第三者に転貸したり、売却することはできません。
⑩ 途中で、墓地を移転したいとか、不要になった等の理由で解約しても、墓地購入代金や永代使用料の払戻しを受けることはできません。祭祀承継者がいなくなり、無縁墓地となれば、墓地使用権は消滅すると考えられます。

3⃣ 永代供養とは
① 「永代使用」と似た言葉に「永代供養」があります。永代供養は、少子化や未婚者の増加、子供のいない夫婦や子供がお墓の承継を望まない場合など、お墓の面倒を見てくれる人がいない場合に、お寺などが代わりに管理・供養してくれるものです。
② この場合にも、三十三回忌などを契機に合祀墓へ合祀する霊園もあるようですが、供養自体は継続して行ってくれますので、「永代」という言葉本来の意味に近いかもしれません。

4⃣ 結論
① ご質問のケースにつきましては、まず、寺院の慣習や霊園との間で交わした墓地使用に関する契約書や関連する書類を確認してください。
② 「永代使用」の具体的内容は、各霊園・寺院との契約内容や慣習によって決まるからです。実際には、祭祀承継者の不存在等を考慮して、三十三回忌までなどの有期契約とし、期間満了時に契約更新という方法がとられていることも多いようですが、寺院墓地では慣習によるところが大きいようです。
③ 有期の墓地使用契約であれば、たとえ「永代」という名称をつけていても、契約に定められた期限が来れば終了し、あとは更新するかどうかの問題となります。
④ あなたが更新を希望するのであれば、寺院・霊園は正当な事由がない限り、更新を拒絶することはできません。寺院・霊園側からいえば、紛争の予防のためには、「墓地使用規則」などのルールを定め、使用者に墓地の使用方法等を理解してもらう必要があります。