【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q61 墓地・納骨堂の解約と原状回復費用

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、シニア世代の将来設計、終活・相続支援・成年後見制度に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
パスポート申請、古物商申請、車庫証明申請も多く手掛けております。

【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q61 墓地・納骨堂の解約と原状回復費用についての記事です。

東京都世田谷区の車庫証明はインボイス対応済みの【090-2793-1947】までご連絡を

東京都世田谷区の遺言書は【090-2793-1947】までご連絡を

東京都世田谷区の相続・戸籍収集支援・銀行手続は【090-2793-1947】までご連絡を

東京都世田谷区の成年後見制度・任意後見契約・死後事務委任契約は【090-2793-1947】までご連絡を

東京都世田谷区のパスポート申請は【090-2793-1947】までご連絡を

東京都世田谷区の相続・遺言のご相談は【090-2793-1947】までご連絡を

東京都世田谷区の古物商許可申請は【090-2793-1947】までご連絡を

【Q61】霊園に眠っている母の遺骨を郷里のお寺に移そうと思います。霊園に相談したところ、更地にして明け渡して欲しいと言われました。「霊園の方でお願いします」と言ったら、30万円必要と言われました。こんなに必要なものでしょうか。

【POINT】
① 墓地(納骨堂)使用権の承継者
➁ 墓地(納骨堂)使用契約の解除方法

1⃣ 霊園墓地の権利関係
① 霊園ということなので、「霊園使用規程」とか「霊園管理規約」というような名称の書類(契約書)があると思います。まず、この契約書を確認してください。
➁ 一般的に霊園墓地は、土地の所有権が霊園側にあり、墓地の一区画(墓地と区別して墓所としている霊園もあります)を使用する権利(墓地使用権)を譲渡してもらっているという関係にあります。
③ なお、この場合の譲渡は、大半の霊園では有償であり、永代使用料という名称で支払われています。また、これとは別に、毎年の管理料を霊園に支払うことになります。

2⃣ 祭祀主宰者による承継
① ここにいう墓地使用権は、民法897条に規定する祭祀主宰者が絶えない限り、半永久的に承継されていくものです。
➁ 民法897条によれば、祭祀主宰者の第1順位は被相続人の指定であり、第2順位は慣習となっています。そして被相続人の指定もなく、慣習も明らかでないときは、家庭裁判所が祭祀主宰者を定めるとなっています。
③ 我が国では、被相続人が祭祀主宰者を指定するという行為は、まだまだ一般的ではなく、大阪高裁昭和24年10月29日決定によって、戦前の長男が承継するといった慣習も否定されてしまったため、現在では被相続人の葬儀の喪主を務めた者が祭祀主宰者となるのが一般的と考えられています。

3⃣ 契約の解除と墓地使用料
① ところで、転勤などによって霊園との距離が著しく遠くなってしまい、墓参に不便を来すような場合には、霊園との墓地使用契約を解除して、住居の近くに新たな墓地を構えることも祭祀主宰者の自由です。
➁ 相談者は、祭祀主宰者と思われますので、ご質問は墓地使用契約を解除した後の墓石等の取り扱いに関する問題です。
③ 霊園によっては、未使用の場合に限って、墓地使用料の一部を返還すると契約書に明記しているものもあります。また、使用期間が短い場合にも、その期間に応じて一定の割合の墓地使用料を返還するというものもあります。
④ ただし、短期間であっても、一度墓地を使用すると、墓地使用料は一切返還しないとしている霊園が一般的です。
⑤ また、契約を解除し遺骨等を他の墓地に移動する場合には、「更地にして当初の現状に復すること」としている霊園が大半です。

4⃣ 今後の対処方法
① 平成13年4月1日から消費者契約法が施行されており、消費者にとって一方的に不利な契約は、当初から無効となりました。
➁ たとえば、未使用の場合であっても一切返金しないとか、使用期間が短くこれに対する墓地使用料が極めて高額である場合には、再考の余地があると思われます。
③ なお、霊園から要求された金額が30万円ということですが、これには墓石等の撤去、処分費も含むと思いますので、墓石等の大きさにもよりますが、必ずしも高額過ぎるということはないと思われます。
④ 金額が不満だからと言って民事上の手続き(調停・訴訟)をすることは、費用と時間のことを考えると、決して得策ではありません。
⑤ いずれにしても、お母さんの遺骨を郷里の寺に改葬するわけですから、墓石等の移転をどのようにするのかも含めて、改葬先のお寺の住職からも石材業者を紹介してもらうなどして、見積りを取ったら如何でしょうか。その上で霊園と再度移転費用について交渉してみてください。