世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、シニア世代の将来設計、終活・相続支援・成年後見制度に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q82 霊園管理料の滞納についての記事です。
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【Q82】霊園から毎年管理料の請求が来ていますが、私は収入がないため、管理料まで支払う余裕がなく、毎年、請求書がくるとその都度、支払えない旨を霊園に手紙を書いています。友人に、「そんなことをしていると無縁になってお墓がなくなってしまうぞ」と言われました。本当でしょうか。
【POINT】
① 管理料の意味
② 墓地の使用関係の相手方(霊園)からの解消
③ 改葬の手続
1⃣ 管理料について
① 管理料とは、墓地内の共用部分や共益施設の維持管理、環境整備、墓地全体の運営。事務等に要する費用を填補する料金で、管理の対価として定期的に支払われるものです。
② 通常、墓地使用者は、墓地経営者との間で墓地使用契約を締結して墓地を使用しますが、同契約において管理料を支払う旨を承認した場合、墓地使用者は、この契約に基づき管理料の支払義務を負います。
③ なお、墓地使用契約とは別に管理規則が定められ、管理規則に管理料の支払について定められている場合もあります。この場合、墓地使用契約に「管理規則に従う」といった記載がされていたり、契約に際し管理規則に従うことを合意したりすることによって、管理規則も墓地使用契約の内容になっていると解されます。
④ 地方公共団体が経営する公営墓地の場合、墓地使用者には、墓地使用に関する条例または規則が適用されます。そして、条例または規則で「使用者から条例に定める額の範囲内において、規則で定める額の管理料を徴収する」等の定めがされている場合、墓地使用者は、当該条例または規則に基づき、管理料の支払義務を負います。
⑤ このように、墓地使用者は、契約または条例等に基づき管理料の支払義務を負いますので、これを支払わない場合、支払いを求める民事訴訟等が提起される可能性もあります。
⑥ もっとも、管理料の支払義務を負うことと管理料滞納による改葬とは別の問題であり、墳墓および墓地使用権の性質からして、管理料が滞納されたからといって直ちに改葬できるわけではありません。
2⃣ 墳墓および墓地使用権の性質
① 墳墓は、死者に対する宗教的礼拝の対象となる特殊の財産であり、墓地埋葬法の規定に従い、官庁の許可を受けた墓地内にのみ設置されるもので、容易に移動することができません。
② そのため、墳墓および墳墓を安置する土地の使用権は、固定性という性質を有しています。また、墳墓の所有権は、祖先の祭祀を主催する者に代々相続され、相続人が断絶して無縁とならない限り永続的に承継されるものです。そのため、墳墓および墓地使用権は、永久性という性質も有します。
③ したがって、墳墓や墓地使用権に関する問題が生じた場合には、これらの固定性、永久性という性質に配慮することが不可欠です。
3⃣ 管理料の滞納と墓地使用関係の解消
① 一般的に、民営の霊園墓地の場合、墓地使用契約等において、一定期間の管理料の滞納が墓地使用契約の解除事由になる旨定められています。また、公営墓地の場合は、条例で、一定期間分の管理料の滞納が使用許可の取消事由になる旨定められています。
② そして、墓地使用契約が解除された場合、または使用許可が取り消された場合、墓地使用関係が解消されます。もっとも、墳墓および墓地使用権の固定性、永久性という性質からすると、短期間の管理料の滞納のみによって直ちに使用関係を解消することはできないと考えます。
③ この点、管理料の不払が3年から5年に及んだ場合に「永代使用権を取消す」旨定めている管理規則について、「管理費は、基本的に共同使用部分の維持管理費に充てられる性格のものであり、墓地使用料に比して極めて小額であることから、この債務不履行が3年ないし5年に及んだとしても墓地使用契約の解除権はいまだ発生しないものと解される」との見解があります。(茨城県弁護士会編「墓地の法律と実務」)
④ なお、どれくらいの期間管理料を滞納した場合に使用関係が解消されるかについては判断が分かれるところですので、まずは墓地使用契約や条例等を確認し、管理料の支払について霊園と相談するのがよいでしょう。
4⃣ 墓地使用関係解消後の手続き
① 仮に墓地の使用関係が解消された場合、多くの墓地使用契約のおいては、墓地使用者が現状回復義務を負う旨、すなわち、埋蔵されている焼骨の改葬を行うとともに、墳墓・墓石等を撤去しなければならない旨が定められています。
② 公営墓地の場合も、一定の条件の下に公の施設の使用許可がなされているのですから、原則として、原状回復をしたうえで返還されることが前提となります。したがって、墓地使用者は、使用関係が解消された場合、原状回復義務の履行として、改葬および墳墓・墓石等の撤去を行わなければなりません。
③ 墓地使用者が原状回復しない場合、墓地の管理者が改葬を行うためには、管理者が改葬許可を得なければなりません。改葬には、通常の手続きによるものと無縁墳墓等の手続きによるものとがありますが、ご質問の霊園は、墓地使用者を把握していますので、通常の手続きによる改葬が行われる可能性があります。そして、この場合、墓地の管理者は「墓地使用者等の改葬についての承諾書又はこれに対抗することができる裁判の謄本」を申請書に添付して、改葬の許可を得なければなりません。
④ 管理者が強制的に墳墓・墓石等の撤去を行うためには、墓地使用者に対する民事訴訟において勝訴判決を得ることが必要です。たとえ墓地使用契約等に「墓地使用者が速やかに原状回復を行わない場合、管理者が代わってこれを行う」といった趣旨の規定があったとしても、管理者は当該規定のみを根拠に強制的に墳墓を撤去し、改葬することはできません。
⑤ このように、管理者が改葬および墳墓・墓石等の撤去を行う場合、民事訴訟等の手続きがとられることとなりあます。

