【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q88 土葬を受け入れる墓地がない理由

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【Q88】私の祖母は「火葬されるのは熱いからいやだ」と言って亡くなりました。祖母の想いをくんで土葬したいと思います。ところが、土葬を認めてもらえる墓地が見つかりません。どうすればよいでしょうか。

【POINT】
① 墓地埋葬法の趣旨
② 土葬が事実上禁止されている趣旨

1⃣ 葬送の方法ー墓地埋葬法の趣旨
① 我が国の法律に置いて認められている葬送の方法は、以下の三つです。
⑴ 埋葬(土葬)
・墓地埋葬法は「この法律で「埋葬」とは、死体を土中に葬ることをいう」「埋葬は……を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長……の許可を受けなければならない」と定め、いわゆる土葬を認めています。
⑵ 火葬および埋蔵
・墓地埋葬法は「この法律で「火葬」とは、死体を葬るために、これを焼くことをいう」、「……焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない」、「……火葬……を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長……の許可を受けなければならない」と定め、火葬および火葬による焼骨の埋蔵を認めています。
⑶ 水葬
・船員法は、日本船籍の船で、船舶の航行中に船内の人間が死亡した時に、船長の権限で水葬を行えると定めていますが、詳細な条件を満たす必要があります。

2⃣ 土葬(埋葬)が可能な地域
⑴ 条例の制定状況
・都道府県における墓地(の経営許可)に関する条例・規則において、原則として土葬が禁止されているのはごく一部です。半数近くが、土葬時の埋葬のための穴の深さの指定や土葬禁止地域の指定を行っています。
⑵ 事実上の禁止
・上記のように条例や規則の中では明記されていませんが、埋葬を行うために行政から許可を受けようとする場合、その審査や手続きの中で「行政指導」を受け、土葬が禁止されてしまうことが多いようです。
・すなわち、墓地の許可基準において、土葬を認めないという運用がなされており、土葬することが事実上禁止されているのが現状です。
・墓地埋葬法1条の規定に基づき、行政側は、①現在は火葬がほぼ100%になっていること、②市街化が進んでいること、③「生の遺体」を埋葬することへの抵抗感などを「国民の宗教的感情」に照らして総合考慮した結果、土葬を行うことには支障があると判断して事実上禁止しているのだと考えられます。
⑶ 運営の実態
① 物理的な問題
・現在の墳墓は、その下にカロート(焼骨をおさめるスペース)を設けることが通常です。そうすると、土葬をすることは、墳墓の構造から生ずる物理的な問題もあると言わざるを得ません。
② 報告義務からの解放
・また、墓地埋葬法17条で、土葬「埋葬」を行う場合には、焼骨を埋蔵する場合とは異なって、毎月その状況を報告する必要があります。
・半面、土葬「埋葬」を行わず、焼骨を「埋蔵」することに限定すれば、図らずも、上記のような報告や、それを受けた後の適正な処理、管理に努める手間から解放されることにつながります。
・このような運営上の観点から、土葬を行わないことによるメリットが大きく、そのことも相まって土葬が可能な墓地は少なくなっているのです。

3⃣ 結論
① 以上のように、現在の日本においては、墓地埋葬法の趣旨から考えてみても、土葬が認められている場所は限りなく少ないと言わざるを得ません。
② 祖母の想いには応えられないかもしれませんが、時代も変わり、国民の意識も変化してきていることを受け入れなければならないでしょう。