【終活・遺言・相続相談】相談例3 高齢の夫婦二人暮らしの方々の相談

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【終活・遺言・相続相談】相談例3 高齢の夫婦二人暮らしの方々の相談ついての記事です。

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【相談内容】
相談者夫婦(夫85歳、妻80歳)から、「今のところ自宅で二人暮らしをしているが、週刊誌やTVを見ると終活などが必要と言われて、今後のことが気になったきた。何から準備すればよいのか」との相談。

【検討すべき点】
高齢者世帯のうち、夫婦二人暮らしの世帯数は800万を超え、その人数は1600万人おられる計算になります。高齢の夫婦そろっての相談というのはあまり多くはないのですが、このことはご夫婦がお互いを気遣いサポートし、生活も安定していると考えても良いのではないでしょうか。しかし、そのようなご夫婦が相談に来られたということは、何らかの動機があり、必要に迫られていると考えた方がよいでしょう。

【回答・解説】

【1】生活・健康に関するお悩み

① 多く見られるのは、夫婦どちらか一人の健康が損なわれ、二人で暮らすことが困難になり、どうすればよいかと心配する生活自立のお悩みです。高齢の夫婦がお互いを支え合い何とか生活しているところ、片方が健康を害すると、途端にその生活が成り立たなくなることがあります。

② そのようなお悩みに関する相談であれば、地域包括支援センターの存在を紹介し、そちらへの相談や支援の要請をお勧めすることが大切になります。ちなみに地域包括支援センターは各自治体で別の呼称の場合もあり、世田谷区では「あんしんすこやかセンター」と呼称されます。

③ また、介護保険サービスの概要、施設入所、任意財産管理契約、成年後見制度などの説明も必要になろうかと思います。また、配偶者名義の家に配偶者死亡後にも住めるのかという相談も良くみられますが、条件はありますが、民法改正により創設された、「配偶者居住権」の説明も必要になります。

【2】子供のいない夫婦の相続に関するお悩み

① 高齢の夫婦が揃っての相談でよく聞かれることの一つに、「自分が先に亡くなった場合、配偶者はどうなるのか」というものがあります。特に子供がいない夫婦の場合にはこのお悩みは多く聞かれます。

② また、この相談をされる方の多くの方に、「自分が亡くなった後の遺産は全て配偶者が相続するから、お金の心配はない」という危険な思い違いをされている方が見受けられますので、注意が必要です。

③ 子供のいない夫婦のどちらかが亡くなられれば、先に死亡した配偶者の兄弟姉妹(又は甥・姪の場合もある)が相続人として登場することになります。仮に亡くなった配偶者の直系尊属(親・祖父母)が存命であれば、その直系尊属が相続人になります。

④ 夫婦二人暮らしの方々が、それぞれの兄弟姉妹や甥姪と親戚付き合いをしていればまだしも、疎遠であることが多く見受けられるので、残された配偶者は遺産分割協議で苦労することになります。したがって、残される配偶者に遺産の全てを相続させ、疎遠な親戚との遺産分割協議を回避するには、遺言を残すべきです。

【3】子供がいる夫婦に関するお悩み

① 子供がいる夫婦の場合、子供への相続に関するお悩みが多くなります。子供と遺産の扱いに関して意見に隔たりがある(老親は自宅に住み続けたいが、子供は売却して現金で相続したいなど)場合や、そもそも残された配偶者と子供に血縁関係がない(前妻・前夫の子や養子縁組した子)場合などです。

② 相続人である配偶者に認知症がみられる場合や、子供が複数いる場合で子供の間で遺産を巡る意見の相違がみられる場合なども、相続が争族(争いのある相続)状態になる可能性があります。

③ このような事情の有無をよく聞き取り、まずは、被相続人となる先に亡くなるであろう方の意向を確認して、それに沿った形で推定相続人間での話し合いや、遺言書の作成を勧めることになります。また、認知症や怪我や病気で判断能力が欠ける状態への備えとして、任意後見契約や家族信託の検討も必要になるかもしれません。

【4】夫婦そろっての遺言

① 夫婦間に年齢差がある場合は特にそうですが、統計的に男性の寿命の方が短いので、夫が亡くなった場合についてのみを検討され、夫のみ遺言を作成されるケースが多く見受けられます。しかし、どちらが先に亡くなるかは分かりませんので、夫婦そろっての遺言書作成をお勧めします。

② ただし、夫婦そろっての遺言と言っても、「共同遺言」(同じ遺言書に夫婦連名で作成した遺言)は無効とされているので、注意が必要です。

③ 遺言で配偶者にすべての財産を相続させるとしても、その配偶者が先に死亡してしまっているケースも考えねばなりません。この場合亡くなった配偶者に相続させるとした遺産は宙に浮く形となり、相続人間で遺産分割協議が必要になってきます。

④ 配偶者が死亡した時点で、遺言を書き換えることも考えられますが、その時点で遺言能力を喪失している危険性を考えると、遺言作成時に、相続させるとした配偶者が死亡した場合を想定した、予備的遺言にしておくことをお勧めします。
具体的には、宙に浮くことになる遺産の行先を考えておくということです。兄弟姉妹などの他の相続人でも、どこかの団体への遺贈(寄付)も考えられます。その場合、遺言執行者を定めることや、遺贈先の了解を取り付けることが必要となってきます。

【終活・遺言・相続相談】相談例2 独身の子と2人で暮らす高齢者の相談

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【終活・遺言・相続相談】相談例2 独身の子と2人で暮らす高齢者の相談についての記事です。

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【相談内容】
80代女性の相談者から、「15年前に夫が他界した後、ずっと独身で無職の長男(50代)と2人で暮らしている。今はなんとかやっていけているが、この先の備えを考えると不安で、どうすればいいのか」と相談された。

【検討すべき点】
50年も一緒に暮らしているのであれば、普通の場合、相談者と長男はお互い気心も知れて、毎日の生活は安定していると思われます。しかし、時間の経過とともに加齢により現在の関係は壊れていきます。相談者の死後一人で暮らすことになる長男のことを考えれば、問題の先送りはもうできず、何らかの対策を行う必要があります。

【回答・解説】

【1】8050問題

① 親一人子一人と聞けば、親と幼い子が肩を寄せ合って生活しているのをイメージされる方が多いと思います。しかし、子が中高年と聞けば、なぜ自立しないのかと批判的に受け止める方が多いでしょう。

② 「8050問題」とは、若いころからの子のひきこもりが常態化し、50代の子と80代の親が同居しているケースのことで、最近では、孤立死、無理心中、親の死体遺棄、親の年金・生活保護費の不正受給などの原因としてとらえられることが多くなっています。

③ ちなみに、平成30年の内閣府の調査によれば、中高年(40歳~64歳)の引きこもりは約60万人で、そのほとんどが、高齢の親との同居と考えられています。そうすると高齢者とこの同居世帯(約1000万世帯)のうち6%程度(60万世帯)がこの問題を抱えているのです。また「8050問題」は時間の経過とともに、「9060問題」へと移行していくと危惧されます。

④ 多くの場合、8050問題やひきこもりの背景には、精神疾患や事故の後遺症など、そうならざるを得ない深刻な事情が存在することが多くみられます。しかし、根本的な解決方法は、子の就労による自立(またはそれに代わる社会参加)しかありません。相談者の死後に長男が生活していけるかを危惧しているのであれば、なおさらです。

⑤ このような問題があると思われるケースは、都道府県や市区町村のひきこもり地域支援センターや自立相談支援機関窓口への相談を勧めます。
東京都のひきこもり地域支援センターは「東京都ひきこもりサポートネット」になります。

【2】共依存の問題

① 一つ注意したいのは共依存の問題です。「共依存」とは自分と特定の相手の関係性に過剰に依存し、その人間関係に囚われている関係への嗜癖を意味します。

② たとえば、親が子の世話をすることによって、子から依存されることに自己の存在価値を見出し、子をコントロールして自分の望む行動をとらせて親自身の心の平穏を保とうとすることを言います(親子が逆の場合や夫婦間でも起こり得ます。)。

③ 相談例でも、相談者が長男と共依存の関係なら、相談者は長男の自立を願っていると言いながら、それを阻害する裏腹な行動をとっているかもしれません。特に「息子は私がいないとだめなんです」「私がいないと何もできない子なんです」といった発言が頻繁に出るようであれば要注意です。窓口を紹介しても、「外に出たがらないんです」など様々な口実を設けて、アドバイスを拒絶してきます。したがって相談者の気持ちに配慮しながらも、ひきこもり地域支援センター等への相談を促すなど、うまく誘導する必要が出てきます。

【3】相続開始後に想定される事態

① 相談者が他界すれば、長男は一人取り残されます。相談者と長男の関係があまりに歪であると、他に相続人がいたとしても、関わり合いをおそれて実家に近づかないかもしれません。しかしそれは争族(相続争い)が起きないことを意味するものではありません。したがって長男以外に子がいる場合は相談者に遺言書を作成するように勧めます。なお、相談者の相続人が長男だけでしたら、「おひとり様の問題」が生じることになります。

② 「今はなんとかやっていけている」とのことですので、収入源は相談者の年金だと考えられます。そうだとすると、相談者の死亡によって年金はなくなりますので、長男は相談者の遺産を取り崩して生活するか、それが底をつけば、生活保護を受給することになる可能性があります。また、長男に障害がある場合は親なき後問題が生じます。


【終活・遺言・相続相談】相談例1 終活等の漠然とした不安に関する質問

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【終活・遺言・相続相談】相談例1 終活等の漠然とした不安に関する質問についての記事です。

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【相談内容】
夫が他界してから、長男一家と同居している。今のところ生活に支障はないが、終活や相続について雑誌やテレビを見ると、先のことが心配になる。

【検討すべき点】
相談内容が具体的ではないことは、ままあるケースです。法的な問題ではないことも多くみられます。しかし、相談されるということは、何か問題や悩み事を抱えておられるかもしれませんので、事情を伺っていくことになります。

【回答・解説】

【1】追加で伺うべき点

① まずは相談者本人の氏名、年齢、性別、家族関係を今少し伺うことが必要になります。同居されているのが長男一家ということですから、他にもお子様がいることが考えられます。

② 生活の状況もお聞きする必要があります。二世帯住宅で、生活は別になっているのか、完全な同居生活か、生活費の収支、貯えの額、預貯金の管理者(本人か家族か)など。

③ 相談者の健康状態も、伺うべき点です。年齢、持病、入院歴、介護認定など。健康に関する話題は特に高齢者との会話の接点となることが多く、介護認定や財産管理の状況は、任意財産管理、任意後見や家族信託の検討の有無にかかわってきます。

④ 日常生活のスケジュールも伺います。これにより生活ぶりが想像でき、問題点やお悩み事を把握しやすくなります。

⑤ 相談に来られたきっかけを伺います。告知の媒体もそうですが、何に興味を感じてこられたかがわかることで、問題点やお悩み事を把握しやすくなります。

【2】同居家族との関係

① お話を伺い、把握できた相談者の抱える問題やお悩み事や又はその可能性を考えます。長男一家と同居しているとのことでしたが、なぜ一人で相談に来られたのか、生活に支障がないとお話しされていますが、同居している長男家族に言えない悩みがあるのではと考えられます。

② 長男一家との関係がうまくいっているのであれば、迷惑をかけないため、又はお世話になっているお礼をしたいと終活のご相談に来られるケースがあります。相談者自身に介護が必要になった場合や、将来に備えて遺言を用意する必要があるのではと、考えられることが多く見受けられます。

③ 長男一家との関係がうまくいっていないので、そっと一人で相談に来られたのかもしれません。長男一家が冷たい、恩着せがましい、嫁には財産を渡したくない、孫の教育について不満がある等。これらの場合、愚痴を聞いてほしいだけのケースも多々見受けられます。

【3】遺言・相続

① 長男以外の子供など、推定相続人がいる場合、長男と他の子供との関係が悪いとか、同居していない子供にも財産を遺したいとか、遺言・相続の問題を抱えているケースも見られます。

② 一般的に同居の子供と、非同居の子供の間で争族状態になるケースは多くみられます。同居の子供は親の面倒を見ているという意識が働き、非同居の子供は同居の子供が居住費を浮かせている等、同居により得をしていると考えやすいものです。同居者と非同居者がだんだんと疎遠となると、相談者の死後その配偶者を巻き込んでの遺産の争いとなることが考えられます。

③ そのような心配があるので、一人で相談に来られるケースも多くみられます。子供達のいさかいを何とか取り持つ方法を知りたい場合、法律的な相談ではなく、他の方法を考えるしかないのですが、相談者の死後の争族を防止するために遺言を用意する等の相談となっていきます。

④ 一方で、同居している不動産の名義が相談者の場合、同居している子どもに生前贈与や遺言で相続させたいという希望をお持ちの方もいらっしゃいます。しかし、このようなケースで多いのは、遺言を書けば問題が起こらないと遺言の効力を過信している方です。

⑤ すべての財産を、すべての推定相続人に分配する内容であればまだしも、同居している子どものみに対して、同居している不動産のみを相続させるという内容で、他の財産や他の推定相続人に全く触れていない遺言でも、遺言書を書けば問題がなくなると、思い違いをされている方がまま見受けられます。非常に危険な遺言内容となることが想像できます。

【4】親(相談者)自身の言動

① 加齢に伴い心細くなった高齢の親は、多かれ少なかれ、子に対して愚痴をこぼすことがあります。他の子に対する愚痴をこぼし、自分の寂しさを理解してもらいたいという心情からですが、子供達が皆別居しているなど、一定の距離にあればいいのですが、同居の子供と非同居の子供がいる場合、この言動が大きな問題を引き起こすことになります。

② 認知症等の影響や寂しさから、自分に関心を持ってもらいたいと、同居の子供に対する不満や、食事をさせてもらっていない、預貯金を取り上げられた、財産を狙われている等の事実ではないことを、非同居の子供に対して言う場合があります。これは自分を大事にして欲しいという気持ちからの、他愛もない話という意識かもしれませんが、非同居の子供にしてみれば、看過できない重大な事案です。

③ 一方同居の子供に対しては、非同居の子供が頼りにならない、顔も見せず情けが薄い等の不満を漏らし、自分の面倒を見てくれるお前に、すべての財産を譲りたいなどと話すケースが多くみられます。このような言動は罪の意識はないのでしょうが、兄弟姉妹で争え、憎しみあえと言っているようなものです。
このような事例をお話しして、相談者には自重していただくように諭すことも大事な点になります。

④ 仮に相談者が自分の財産の管理を巡って、同居の子供と非同居の子供に争いが起きるのを防止したいという意向があるのであれば、同居の子供と、任意財産管理契約と任意後見契約を締結し、相談者名義の預貯金の異動等財産の状況を明らかにしておき、非同居の子供に開示することで相互の不信感を解消するという方法もあります。

【任意後見制度】高齢社会を取り巻く制度 任意後見制度と併用する法的な仕組み3

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【任意後見制度】に関して、高齢社会を取り巻く制度 任意後見制度と併用する法的な仕組み3について考えてみたいと思います。

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【3】遺言の併用

(1)遺言とは

遺言とは、自分の死後の法律関係を定める最終の意思表示です。民法の定める法定相続とは別に、自分が生涯かけて築き、かつ守ってきた大切な財産を、最も有効かつ有意義に活用してもらうために行なう意思表示であり、人生の集大成ともいうべきものです。

遺言をするのは、自分の家族に争いや不満を遺さないようにするということが考えられます。遺言がないために、相続をめぐり親族間で争いの起こることが少なくありません。今まで仲の良かった人たちが、相続財産を巡って骨肉の争いを起こすことほど悲しいことはありません。

遺言はこのような悲劇を防止するため、遺言者自らが、自分の残した財産の帰属を決め、相続を巡る争いを防止しようとすることに主たる目的があります。
その他にも、個々の相続人にそれぞれ必要な財産を相続させたい、特定の子に事業を承継させたい、介護の必要な子のために財産を遺したい、同居している子に建物を遺したい、老後の世話をしてくれた人に報いたい、相続人以外の人に財産を分けたい、慈善団体に財産を遺し社会に役立てて欲しい、葬儀や埋葬方法等を定めておきたい等々が考えられます。このような様々な願いや想いを形にするのが遺言です。

(2)遺言と同時に任意後見契約を結ぶ

遺言によって、死後の財産管理・財産処分等を行うとして、生前中の財産管理等は自分で行うにしても、認知症等の精神上の障害によって判断能力が欠けた場合には、自己の財産管理等ができないこととなります。そのような場合に備え、自分の最も信頼できる人に対して財産管理や身上監護等を委ねる契約をするのが任意後見制度です。

遺言と任意後見制度とは、まったく異なる制度ですが、ともに自己決定権を最大限に尊重したものであり、民法の私的自治の原則に適う制度ということができます。自分の死後における財産の管理、処分、承継については遺言によって決定することができますが、自分の認知症等により判断能力を失ってしまった場合の財産の管理、処分をどうするのか、という点に関心を払うことは当然に必要なことです。

(3)典型例

任意後見人は、任意後見契約において定められた事務を処理する義務があり、任意後見契約の契約条項に定めがなくとも、善管注意義務(任意後見契約法7条4項、民法644条)や任意後見契約法6条に規定する配慮義務があります。

移行型任意後見契約の場合、本人の世話をする任意後見人(受任者)になる人は、親族がもっとも多く、しかもかなりの人たちが無償で引き受けているのが現状です。
親族が任意後見人(受任者)を引き受けている場合は、本人の財産管理、身辺配慮、さらには任意後見監督人への報告などの法律や契約で定められた事務のほか、現実には、身の回りの世話など、親子や親族の情に基づいて無償の奉仕をすることが多いわけですから、世話をしてもらう立場の本人が、自分の老後の世話をしてくれたその親族(任意後見人・受任者)に対し、自分の遺産のすべて又は一部を遺したいという気持ちは、自然の情愛といえます。そのためか、移行型任意後見契約の締結と遺言書の作成を公証役場で同一の機会に行なうという例が多いといえます。

さらに親しい友人や近隣住人に任意後見人(受任者)になってもらい、そのお礼に財産の一部又は全部を遺すという遺言も少なくありません。
そのような場合であっても、遺言内容は、通常の遺言と変わらないのが普通です。
遺言それ自体は、正確性・明確性を期するために、味気ない文言になってしまいます。そこで、任意後見人(受任者)になってもらった親族(相続人・受遺者)に感謝の意を表するために、遺言には、それぞれの生の言葉で、「お礼の言葉」を付言事項として付け加えるのがよいかと思います。

任意後見受任者は、重要書類の一つとして本人の遺言書も管理することも多いと思われます。ところが、遺言内容を受任者に知られると受任事務のやる気を低下させるおそれがあり、あるいは、世話をしてもらう本人との間が気まずくなる可能性がある場合もあるかと思われます。

その場合は、遺言の内容を知られないよう、秘密証書遺言(民法970条)によることもできます。
秘密証書遺言は、自筆でなくともよいので、司法書士や行政書士が代筆する例も少なくありません。

遺言書作成を考える

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今回は、【遺言制度】に関して、「遺言書作成を考える」と題した説明資料のご提供です。

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今、終活という言葉が広く世間に知れ渡るようになり、併せて法的効果のある「遺言制度」に関するお問い合わせが非常に増えております。

弊所では初回相談を1時間無料で対応しておりますが、遺言制度に関するご相談をいただく場合、遺言制度の説明に時間を要してしまうのが実状です。

そこで、「遺言書作成を考える」と題して説明資料を作成いたしました。下記のリンクからPDFの資料を読むことができます。

相談の予約をする前に、一読すると遺言制度の全体像がご理解いただけるものと思いますので、お時間あるときにお試しください。

遺言セミナーPDF

自筆証書遺言の保管制度開始

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回は、【自筆証書遺言の保管制度開始】についてご案内したいと思います。

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自筆証書遺言保管制度

平成30年7月6日に成立した、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が令和2年7月10日施行されました。

この法律により、今までは作成した自筆証書遺言は自分で保管するか信頼できる人に預けるしか方法がなかったのですが、指定された法務局で保管してくれることになりました。これにより、自筆証書遺言の改ざんや破棄の恐れはなくなります。

くわえて、相続開始後に、相続人が自筆証書遺言の検索を法務局に照会できるので便利になります。

さらに、この制度により保管された自筆証書遺言は、相続開始後に家庭裁判所での検認手続きが不要となるのです。

 

制度の詳細は、【法務省のHP】でご確認いただけます。

 

ただし、この保管制度を利用するにはいくつかの注意点があります。
①自筆証書遺言を作成した本人が必ず法務局に預けに行かなければならない
②写真付き身分証明書が必ず必要(本人確認を行なうため)
③預ける際に費用がかかる。(3900円)
④申請書と併せて、本籍記載の住民票が必要
⑤預けるのは予約が必要
⑥法務局では形式(全文、日付、署名の自筆と押印)の確認のみで、内容の相談は一切受け付けてくれない
⑦保管してくれる自筆証書遺言の様式が定められている

この制度を利用した方が亡くなられた場合、相続人や遺言執行者が法務局に遺言書情報証明書の交付を請求します。

この遺言書情報証明書は、保管されている遺言書の内容を証明するものです。この証明書で銀行の手続きや不動産の登記などの手続きを行ないます。

申請の際、遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍と相続人全員の戸籍と住民票が必要になります。この交付も予約制です。

相続人の1人がこの証明書の交付を申請した際には、他の相続人等へ法務局より通知がなされます。

この制度により自筆証書遺言が以前に比べて便利なものになりますが、手続きを細かく見ていくと、預けるのも、相続開始後証明書を請求するのも、かなり手間がかかる仕組みであることも事実です。

なにより、法務局は自筆証書遺言を預かってくれるのみで、その有効性や内容の保証はしてくれません。手間をかけて預け証明書を交付してもらうのであれば、そもそもの自筆証書遺言の有効性に疑いがないように、また内容が法的に効力を発揮するように作成することが大切です。

当事務所では、自筆証書遺言の作成のサポートを行なっております。遺言書を作成しようか悩んでいた方、いい機会ですので、今一度検討してみてはいかがでしょうか。

ご質問やご相談は初回相談無料の
行政書士長谷川憲司事務所【090-2793-1947】
まで、お気軽にお電話して下さい。

 

【相続・遺言Q&A】

東京都世田谷区砧の車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

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相続・遺言Q&Aについての記事をまとめました。
以下のタイトルよりお選びください。

 

・相続人と相続分

1相続人の範囲

2様々なケースにおける相続人該当性

3相続人とならないケース

4法定相続分(相続の割合)

5養子・非嫡出子・相続放棄の場合の相続分

6相続放棄

・遺産の範囲と評価

7相続財産①(預貯金)

8相続財産②(生命保険)

9相続財産③(死亡退職金など)

10相続財産④(借地・借家の場合)

11相続財産⑤(債務の場合)

12遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲

13不動産評価と基準時

14遺産の評価方法

・特別受益と寄与分

15特別受益がある場合の相続分

16特別受益者

17不動産の無償使用と特別受益

18寄与分の認められる範囲

19寄与分を主張できる者の範囲

20寄与分の決定

21相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

・遺言の方式と遺言事項

22遺言書の作成

23遺言書の書き直し

24遺言能力

25自筆証書遺言

26公正証書遺言

27秘密証書遺言

28財産の信託

29遺言の記載と効力

30遺言による認知・保険金受取人変更の可否

31遺言書の書き方

・遺言の執行

32遺言の開封、遺言執行者

33遺言執行者を指定していなかった場合の手続きの流れ

34問題のある遺言

・遺留分

35遺留分制度の概説

36遺留分侵害額請求権者

37遺留分侵害額請求の相手方

38遺留分侵害額請求権行使の時期的制限

39遺留分侵害額請求権行使の方法

40遺留分侵害額請求権に関する紛争解決手段

41遺留分侵害額請求の効果

42遺留分侵害額の算定(総論)

43遺留分侵害額の算定(各論)

44遺留分侵害額の負担

45事業承継に関する制度

・遺産分割手続

46共同相続における権利の承継の対抗要件

47遺言がある場合の分割手続き

48遺言がない場合

49未成年者・認知症の方などへの遺産分割

50協議中の遺産の管理

51遺産分割協議書の作成

・配偶者居住権

52配偶者の居住権を短期的に保護するための方策

53配偶者の居住権を長期的に保護するための方策

・相続税

54相続税の申告と期限

55被相続人の所得税の申告と納税

56相続税が課税される財産

57相続税の基礎控除額

58贈与税と相続税

59相続時精算課税制度

【相続法改正について】

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相続法改正についての記事をまとめました。
以下のタイトルよりお選びください。

 

【遺産分割等に関する相続法改正:特別受益の持戻し免除の意思表示推定】

【遺産分割等に関する相続法改正:遺産分割前の払戻し制度創設等】

【遺産分割等に関する相続法改正:相続開始後の共同相続人による財産処分について】

【遺留分制度に関する相続法改正について】

【相続の効力等に関する相続法改正について】

【相続人以外の者の貢献を考慮する方策についての相続法改正について】

【配偶者の居住権保護に関する相続法改正について(配偶者短期居住権)】

【配偶者の居住権保護に関する相続法改正について(配偶者居住権)】

公正証書遺言作成プラン

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公正証書遺言作成プラン

セットプラン
165,000円+戸籍謄本等取得実費
(別途公証役場手数料がかかります)

シンプルプラン
110,000円~
(別途公証役場手数料がかかります)


【公正証書遺言作成セットプランのサービス内容】

遺言内容の相談

戸籍謄本等の取得、相続関係説明図作成

不動産登記簿謄本、固定資産評価証明取得、財産目録作成

遺言書原案作成、内容の相談

公正証書遺言作成のための公証人との交渉、調整

公正証書遺言の内容に法的不備がないかチェック

公正証書遺言作成時の証人2名手配

公正証書遺言作成当日の立会い


【公正証書遺言作成セットプランの手続きの流れ】

◆1.電話又はHPお問い合わせよりメールで相談の予約
自分は遺言書を作成した方がよいか
公正証書遺言を作るにはどれ程の費用が掛かるのか
遺言書を作るのにどのような準備が必要か

◆2.無料相談
お客様の事情や希望をお伺いし、公正証書遺言についてご説明
公正証書遺言の作成手続きや必要書類や費用についてご説明
ご納得いただけましたら正式にご依頼ください

◆3.対象となる相続人や相続財産の調査
遺言書に記載する相続財産を特定する必要があります
不動産の調査、金融商品についてのヒアリングや調査
推定相続人の調査をして遺言書作成の基礎資料とします

◆4.遺言書の文案作成
お客様のご要望を伺いながら、公正証書遺言の原案を作成
作成後お客様にご確認いただいた上で、公証役場と調整
その後、公正証書遺言の文案の最終調整、公証役場への訪問日程の調整

◆5.公正証書遺言の完成
お客様と小職、証人が公証役場へ赴き、公正証書遺言を作成

◆6.公正証書遺言のチェック
年に1回、お客様に遺言内容について事情の変更やご希望がないかご確認します


【公正証書遺言作成に必要な書類】

1.戸籍謄本《相続人に相続させる場合》
遺言者と相続人の関係が分かる戸籍

2.受遺者の住民票《相続人以外に遺贈する場合》

3.登記簿謄本《遺言書に不動産を記載する場合》
公証役場の手数料を計算するのに必要になります

4.不動産登記簿謄本《遺言書に不動産を記載する場合》
遺言書に正確な不動産情報を記載するために必要になります

5.遺言者の印鑑登録証明書と実印
遺言者の本人確認に使用します(発行から3ヶ月以内)

6.通帳のコピー《各1通》
遺言書に正確な預貯金口座を特定して記載するために必要になります
公証役場の手数料を計算するのに必要になります

7.有価証券の証券コピー
遺言書に正確な有価証券を特定して記載するために必要になります

8.生命保険証券
遺言で生命保険の受取人を変更する際に必要になります

9.その他
証人2名の住所、氏名、生年月日、職業を書いたメモと身分証明書
遺言執行者の住所、氏名、生年月日、職業を書いたメモ
遺言者本人の身分証明書


公正証書遺言作成プラン料金説明

◎セットプラン
165,000円+戸籍等取得実費+公証役場手数料

上記サービスがすべて含まれております。

◎シンプルプラン
110,000円~+公証役場手数料

シンプルプランは、遺言書原案作成、公証人との調整、証人2名をご提供するプランです。
相続人調査、財産調査、戸籍や登記簿謄本等の証明書取得をお客様ご自身で行っていただくプランです。
・お客様で行っていただく範囲がある分、料金が抑えられております


《参考》公証役場手数料一覧

100万円以下・・・5,000円
100万円を超えて200万円以下・・・7,000円
200万円を超えて500万円以下・・・11,000円
500万円を超えて1,000万円以下・・・17,000円
1,000万円を超えて3,000万円以下・・・23,000円
3,000万円を超えて5,000万円以下・・・29,000円
5,000万円を超えて1億円以下・・・34,000円
1億円を超えて3億円以下・・・43,000円に超過額5,000万円ごとに13,000円を加算した額

【相続・遺言について】遺言がある場合の分割手続

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回は、【相続・遺言】に関して、遺言がある場合の分割手続について考えてみたいと思います。

世田谷の相続・遺言・成年後見は090-2793-1947までご連絡を

 

【Q】遺言がある場合には、遺言と異なる遺産分割をすることはできないのでしょうか?

 

【A】◆1.遺言がある場合の遺産分割の原則
遺言がある場合は、原則としてその遺言に沿って遺産が分割されます。我が国のような私有財産制の国においては、自分の財産の処分は自分の意思をもって自由に決定することが認められています。

遺言は、被相続人の最後の意思表示ですから、遺言でもってその人は、自分の財産を誰にどれだけ譲るかを自由に決定できるのです。そして、被相続人の最終意思は尊重されなければなりません。

例えば、「自宅の土地建物は妻に、預金は長男に、株式は長女に」というような遺産分割方法を指定した遺言があった場合、それぞれの遺産は遺言の趣旨に沿って、相続開始と同時に当該相続人に直接帰属することになります。

また、「遺産の2分の1は長男に、残りの2分の1は3人の姉妹で分けるように」というように、相続する割合(これを相続分といいます)のみを指定した遺言もあります。こうした場合は、遺言の趣旨に沿って、具体的に誰がどれを相続するかについて、遺産分割協議を行う必要があります。

 

◆2.遺言と異なる遺産分割をする方法
一方、遺言により利益を得た相続人や受遺者も自分の財産を処分する自由がありますから、遺言により得た利益や遺贈を放棄することが認められています。また、遺言の内容そのものが年月の経過等により実行不可能となっていたり、遺言の実現が経済情勢や相続人の生活状況の変化により妥当性を失っていたりしている場合もありますので、遺言の内容に従うことが常に合理性があるとは限りません。

そこで、遺言がある場合でも相続人全員(受遺者がいる場合には受遺者も含みます)の同意があれば、遺言と異なる遺産分割をすることができます。例えば、「自宅の土地建物は妻に、預金は長男に、株式は長女に」という遺言があった場合、相続人3人全員の同意があれば、「自宅の土地建物は長男に、預金は長女に、株式は妻に」というように、遺言の内容を変更して遺産分割することができることになります。

また例えば、「遺産の2分の1は長男に、残りの2分の1は3人の姉妹で分けるように」という遺言があった場合でも、相続人全員の同意があれば、遺産分割の協議の中で「全員が4分の1ずつ等分に取得する」というように、遺言の内容を変更して遺産分割することができます。

 

◆3.遺言執行者がいる場合
ただし、遺言執行者がいる場合には問題があります。遺言執行者は遺言内容に従って執行することが本来の職務ですから、相続人全員の同意により遺言の内容と異なる財産処分を求められても、遺言に基づいた執行をすることができます。その反面、遺言執行者がいる場合には、相続人は相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができないことになっており、相続人がこれに反してなした行為は無効とされています。

そこで、遺言執行者がいる場合に相続人全員が遺言と異なる遺産分割を望んだとき、遺言執行者はそのような分割に同意することができるかという問題があります。

遺言執行者としては、例えば、遺留分を侵害する遺言において遺留分侵害額請求権が行使された場合などのように、相続人間の争いを調整するために、事実上遺言を一部訂正したうえで執行せざるを得ない場合があります。したがって、相続人全員の同意があれば、遺言執行者はそのような分割に同意をすることができると考えることができます。

この点について、遺言執行者の同意のもとに、利害関係人全員の同意のうえでなされた相続財産の処分行為を有効とした裁判例があります。

いずれにしても、実務上では、遺言執行者がいる場合において、遺言内容と異なる遺産分割協議を行うときには、遺言執行者を加えたうえで成立させる必要があるといえます。

そもそも遺言執行者がその職に就職する以前に、遺言執行者就職を辞退してもらうように交渉することも一つの方法と言えます。