【任意後見制度】高齢社会を取り巻く制度 任意後見制度と併用する法的な仕組み3

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【任意後見制度】に関して、高齢社会を取り巻く制度 任意後見制度と併用する法的な仕組み3について考えてみたいと思います。

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【3】遺言の併用

(1)遺言とは

遺言とは、自分の死後の法律関係を定める最終の意思表示です。民法の定める法定相続とは別に、自分が生涯かけて築き、かつ守ってきた大切な財産を、最も有効かつ有意義に活用してもらうために行なう意思表示であり、人生の集大成ともいうべきものです。

遺言をするのは、自分の家族に争いや不満を遺さないようにするということが考えられます。遺言がないために、相続をめぐり親族間で争いの起こることが少なくありません。今まで仲の良かった人たちが、相続財産を巡って骨肉の争いを起こすことほど悲しいことはありません。

遺言はこのような悲劇を防止するため、遺言者自らが、自分の残した財産の帰属を決め、相続を巡る争いを防止しようとすることに主たる目的があります。
その他にも、個々の相続人にそれぞれ必要な財産を相続させたい、特定の子に事業を承継させたい、介護の必要な子のために財産を遺したい、同居している子に建物を遺したい、老後の世話をしてくれた人に報いたい、相続人以外の人に財産を分けたい、慈善団体に財産を遺し社会に役立てて欲しい、葬儀や埋葬方法等を定めておきたい等々が考えられます。このような様々な願いや想いを形にするのが遺言です。

(2)遺言と同時に任意後見契約を結ぶ

遺言によって、死後の財産管理・財産処分等を行うとして、生前中の財産管理等は自分で行うにしても、認知症等の精神上の障害によって判断能力が欠けた場合には、自己の財産管理等ができないこととなります。そのような場合に備え、自分の最も信頼できる人に対して財産管理や身上監護等を委ねる契約をするのが任意後見制度です。

遺言と任意後見制度とは、まったく異なる制度ですが、ともに自己決定権を最大限に尊重したものであり、民法の私的自治の原則に適う制度ということができます。自分の死後における財産の管理、処分、承継については遺言によって決定することができますが、自分の認知症等により判断能力を失ってしまった場合の財産の管理、処分をどうするのか、という点に関心を払うことは当然に必要なことです。

(3)典型例

任意後見人は、任意後見契約において定められた事務を処理する義務があり、任意後見契約の契約条項に定めがなくとも、善管注意義務(任意後見契約法7条4項、民法644条)や任意後見契約法6条に規定する配慮義務があります。

移行型任意後見契約の場合、本人の世話をする任意後見人(受任者)になる人は、親族がもっとも多く、しかもかなりの人たちが無償で引き受けているのが現状です。
親族が任意後見人(受任者)を引き受けている場合は、本人の財産管理、身辺配慮、さらには任意後見監督人への報告などの法律や契約で定められた事務のほか、現実には、身の回りの世話など、親子や親族の情に基づいて無償の奉仕をすることが多いわけですから、世話をしてもらう立場の本人が、自分の老後の世話をしてくれたその親族(任意後見人・受任者)に対し、自分の遺産のすべて又は一部を遺したいという気持ちは、自然の情愛といえます。そのためか、移行型任意後見契約の締結と遺言書の作成を公証役場で同一の機会に行なうという例が多いといえます。

さらに親しい友人や近隣住人に任意後見人(受任者)になってもらい、そのお礼に財産の一部又は全部を遺すという遺言も少なくありません。
そのような場合であっても、遺言内容は、通常の遺言と変わらないのが普通です。
遺言それ自体は、正確性・明確性を期するために、味気ない文言になってしまいます。そこで、任意後見人(受任者)になってもらった親族(相続人・受遺者)に感謝の意を表するために、遺言には、それぞれの生の言葉で、「お礼の言葉」を付言事項として付け加えるのがよいかと思います。

任意後見受任者は、重要書類の一つとして本人の遺言書も管理することも多いと思われます。ところが、遺言内容を受任者に知られると受任事務のやる気を低下させるおそれがあり、あるいは、世話をしてもらう本人との間が気まずくなる可能性がある場合もあるかと思われます。

その場合は、遺言の内容を知られないよう、秘密証書遺言(民法970条)によることもできます。
秘密証書遺言は、自筆でなくともよいので、司法書士や行政書士が代筆する例も少なくありません。

遺言書作成を考える

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【遺言制度】に関して、「遺言書作成を考える」と題した説明資料のご提供です。

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今、終活という言葉が広く世間に知れ渡るようになり、併せて法的効果のある「遺言制度」に関するお問い合わせが非常に増えております。

弊所では初回相談を1時間無料で対応しておりますが、遺言制度に関するご相談をいただく場合、遺言制度の説明に時間を要してしまうのが実状です。

そこで、「遺言書作成を考える」と題して説明資料を作成いたしました。下記のリンクからPDFの資料を読むことができます。

相談の予約をする前に、一読すると遺言制度の全体像がご理解いただけるものと思いますので、お時間あるときにお試しください。

遺言セミナーPDF

自筆証書遺言の保管制度開始

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回は、【自筆証書遺言の保管制度開始】についてご案内したいと思います。

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自筆証書遺言保管制度

平成30年7月6日に成立した、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が令和2年7月10日施行されました。

この法律により、今までは作成した自筆証書遺言は自分で保管するか信頼できる人に預けるしか方法がなかったのですが、指定された法務局で保管してくれることになりました。これにより、自筆証書遺言の改ざんや破棄の恐れはなくなります。

くわえて、相続開始後に、相続人が自筆証書遺言の検索を法務局に照会できるので便利になります。

さらに、この制度により保管された自筆証書遺言は、相続開始後に家庭裁判所での検認手続きが不要となるのです。

 

制度の詳細は、【法務省のHP】でご確認いただけます。

 

ただし、この保管制度を利用するにはいくつかの注意点があります。
①自筆証書遺言を作成した本人が必ず法務局に預けに行かなければならない
②写真付き身分証明書が必ず必要(本人確認を行なうため)
③預ける際に費用がかかる。(3900円)
④申請書と併せて、本籍記載の住民票が必要
⑤預けるのは予約が必要
⑥法務局では形式(全文、日付、署名の自筆と押印)の確認のみで、内容の相談は一切受け付けてくれない
⑦保管してくれる自筆証書遺言の様式が定められている

この制度を利用した方が亡くなられた場合、相続人や遺言執行者が法務局に遺言書情報証明書の交付を請求します。

この遺言書情報証明書は、保管されている遺言書の内容を証明するものです。この証明書で銀行の手続きや不動産の登記などの手続きを行ないます。

申請の際、遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍と相続人全員の戸籍と住民票が必要になります。この交付も予約制です。

相続人の1人がこの証明書の交付を申請した際には、他の相続人等へ法務局より通知がなされます。

この制度により自筆証書遺言が以前に比べて便利なものになりますが、手続きを細かく見ていくと、預けるのも、相続開始後証明書を請求するのも、かなり手間がかかる仕組みであることも事実です。

なにより、法務局は自筆証書遺言を預かってくれるのみで、その有効性や内容の保証はしてくれません。手間をかけて預け証明書を交付してもらうのであれば、そもそもの自筆証書遺言の有効性に疑いがないように、また内容が法的に効力を発揮するように作成することが大切です。

当事務所では、自筆証書遺言の作成のサポートを行なっております。遺言書を作成しようか悩んでいた方、いい機会ですので、今一度検討してみてはいかがでしょうか。

ご質問やご相談は初回相談無料の
行政書士長谷川憲司事務所【090-2793-1947】
まで、お気軽にお電話して下さい。

 

【相続・遺言Q&A】

東京都世田谷区砧の車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

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相続・遺言Q&Aについての記事をまとめました。
以下のタイトルよりお選びください。

 

・相続人と相続分

1相続人の範囲

2様々なケースにおける相続人該当性

3相続人とならないケース

4法定相続分(相続の割合)

5養子・非嫡出子・相続放棄の場合の相続分

6相続放棄

・遺産の範囲と評価

7相続財産①(預貯金)

8相続財産②(生命保険)

9相続財産③(死亡退職金など)

10相続財産④(借地・借家の場合)

11相続財産⑤(債務の場合)

12遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲

13不動産評価と基準時

14遺産の評価方法

・特別受益と寄与分

15特別受益がある場合の相続分

16特別受益者

17不動産の無償使用と特別受益

18寄与分の認められる範囲

19寄与分を主張できる者の範囲

20寄与分の決定

21相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

・遺言の方式と遺言事項

22遺言書の作成

23遺言書の書き直し

24遺言能力

25自筆証書遺言

26公正証書遺言

27秘密証書遺言

28財産の信託

29遺言の記載と効力

30遺言による認知・保険金受取人変更の可否

31遺言書の書き方

・遺言の執行

32遺言の開封、遺言執行者

33遺言執行者を指定していなかった場合の手続きの流れ

34問題のある遺言

・遺留分

35遺留分制度の概説

36遺留分侵害額請求権者

37遺留分侵害額請求の相手方

38遺留分侵害額請求権行使の時期的制限

39遺留分侵害額請求権行使の方法

40遺留分侵害額請求権に関する紛争解決手段

41遺留分侵害額請求の効果

42遺留分侵害額の算定(総論)

43遺留分侵害額の算定(各論)

44遺留分侵害額の負担

45事業承継に関する制度

・遺産分割手続

46共同相続における権利の承継の対抗要件

47遺言がある場合の分割手続き

48遺言がない場合

49未成年者・認知症の方などへの遺産分割

50協議中の遺産の管理

51遺産分割協議書の作成

・配偶者居住権

52配偶者の居住権を短期的に保護するための方策

53配偶者の居住権を長期的に保護するための方策

・相続税

54相続税の申告と期限

55被相続人の所得税の申告と納税

56相続税が課税される財産

57相続税の基礎控除額

58贈与税と相続税

59相続時精算課税制度

【相続法改正について】

東京都世田谷区砧の車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

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相続法改正についての記事をまとめました。
以下のタイトルよりお選びください。

 

【遺産分割等に関する相続法改正:特別受益の持戻し免除の意思表示推定】

【遺産分割等に関する相続法改正:遺産分割前の払戻し制度創設等】

【遺産分割等に関する相続法改正:相続開始後の共同相続人による財産処分について】

【遺留分制度に関する相続法改正について】

【相続の効力等に関する相続法改正について】

【相続人以外の者の貢献を考慮する方策についての相続法改正について】

【配偶者の居住権保護に関する相続法改正について(配偶者短期居住権)】

【配偶者の居住権保護に関する相続法改正について(配偶者居住権)】

公正証書遺言作成プラン

公正証書遺言作成プランのご案内です

遺言書作成をお考えの方、まずは無料相談電話を。
【090-2793-1947】又は【03-3416-7250】
行政書士長谷川憲司事務所までお気軽に。


公正証書遺言作成プラン

セットプラン
165,000円+戸籍謄本等取得実費
(別途公証役場手数料がかかります)

シンプルプラン
110,000円~
(別途公証役場手数料がかかります)


【公正証書遺言作成セットプランのサービス内容】

遺言内容の相談

戸籍謄本等の取得、相続関係説明図作成

不動産登記簿謄本、固定資産評価証明取得、財産目録作成

遺言書原案作成、内容の相談

公正証書遺言作成のための公証人との交渉、調整

公正証書遺言の内容に法的不備がないかチェック

公正証書遺言作成時の証人2名手配

公正証書遺言作成当日の立会い


【公正証書遺言作成セットプランの手続きの流れ】

◆1.電話又はHPお問い合わせよりメールで相談の予約
自分は遺言書を作成した方がよいか
公正証書遺言を作るにはどれ程の費用が掛かるのか
遺言書を作るのにどのような準備が必要か

◆2.無料相談
お客様の事情や希望をお伺いし、公正証書遺言についてご説明
公正証書遺言の作成手続きや必要書類や費用についてご説明
ご納得いただけましたら正式にご依頼ください

◆3.対象となる相続人や相続財産の調査
遺言書に記載する相続財産を特定する必要があります
不動産の調査、金融商品についてのヒアリングや調査
推定相続人の調査をして遺言書作成の基礎資料とします

◆4.遺言書の文案作成
お客様のご要望を伺いながら、公正証書遺言の原案を作成
作成後お客様にご確認いただいた上で、公証役場と調整
その後、公正証書遺言の文案の最終調整、公証役場への訪問日程の調整

◆5.公正証書遺言の完成
お客様と小職、証人が公証役場へ赴き、公正証書遺言を作成

◆6.公正証書遺言のチェック
年に1回、お客様に遺言内容について事情の変更やご希望がないかご確認します


【公正証書遺言作成に必要な書類】

1.戸籍謄本《相続人に相続させる場合》
遺言者と相続人の関係が分かる戸籍

2.受遺者の住民票《相続人以外に遺贈する場合》

3.登記簿謄本《遺言書に不動産を記載する場合》
公証役場の手数料を計算するのに必要になります

4.不動産登記簿謄本《遺言書に不動産を記載する場合》
遺言書に正確な不動産情報を記載するために必要になります

5.遺言者の印鑑登録証明書と実印
遺言者の本人確認に使用します(発行から3ヶ月以内)

6.通帳のコピー《各1通》
遺言書に正確な預貯金口座を特定して記載するために必要になります
公証役場の手数料を計算するのに必要になります

7.有価証券の証券コピー
遺言書に正確な有価証券を特定して記載するために必要になります

8.生命保険証券
遺言で生命保険の受取人を変更する際に必要になります

9.その他
証人2名の住所、氏名、生年月日、職業を書いたメモと身分証明書
遺言執行者の住所、氏名、生年月日、職業を書いたメモ
遺言者本人の身分証明書


公正証書遺言作成プラン料金説明

◎セットプラン
165,000円+戸籍等取得実費+公証役場手数料

上記サービスがすべて含まれております。

◎シンプルプラン
110,000円~+公証役場手数料

シンプルプランは、遺言書原案作成、公証人との調整、証人2名をご提供するプランです。
相続人調査、財産調査、戸籍や登記簿謄本等の証明書取得をお客様ご自身で行っていただくプランです。
・お客様で行っていただく範囲がある分、料金が抑えられております


《参考》公証役場手数料一覧

100万円以下・・・5,000円
100万円を超えて200万円以下・・・7,000円
200万円を超えて500万円以下・・・11,000円
500万円を超えて1,000万円以下・・・17,000円
1,000万円を超えて3,000万円以下・・・23,000円
3,000万円を超えて5,000万円以下・・・29,000円
5,000万円を超えて1億円以下・・・34,000円
1億円を超えて3億円以下・・・43,000円に超過額5,000万円ごとに13,000円を加算した額

【相続・遺言について】遺言がある場合の分割手続

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回は、【相続・遺言】に関して、遺言がある場合の分割手続について考えてみたいと思います。

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【Q】遺言がある場合には、遺言と異なる遺産分割をすることはできないのでしょうか?

 

【A】◆1.遺言がある場合の遺産分割の原則
遺言がある場合は、原則としてその遺言に沿って遺産が分割されます。我が国のような私有財産制の国においては、自分の財産の処分は自分の意思をもって自由に決定することが認められています。

遺言は、被相続人の最後の意思表示ですから、遺言でもってその人は、自分の財産を誰にどれだけ譲るかを自由に決定できるのです。そして、被相続人の最終意思は尊重されなければなりません。

例えば、「自宅の土地建物は妻に、預金は長男に、株式は長女に」というような遺産分割方法を指定した遺言があった場合、それぞれの遺産は遺言の趣旨に沿って、相続開始と同時に当該相続人に直接帰属することになります。

また、「遺産の2分の1は長男に、残りの2分の1は3人の姉妹で分けるように」というように、相続する割合(これを相続分といいます)のみを指定した遺言もあります。こうした場合は、遺言の趣旨に沿って、具体的に誰がどれを相続するかについて、遺産分割協議を行う必要があります。

 

◆2.遺言と異なる遺産分割をする方法
一方、遺言により利益を得た相続人や受遺者も自分の財産を処分する自由がありますから、遺言により得た利益や遺贈を放棄することが認められています。また、遺言の内容そのものが年月の経過等により実行不可能となっていたり、遺言の実現が経済情勢や相続人の生活状況の変化により妥当性を失っていたりしている場合もありますので、遺言の内容に従うことが常に合理性があるとは限りません。

そこで、遺言がある場合でも相続人全員(受遺者がいる場合には受遺者も含みます)の同意があれば、遺言と異なる遺産分割をすることができます。例えば、「自宅の土地建物は妻に、預金は長男に、株式は長女に」という遺言があった場合、相続人3人全員の同意があれば、「自宅の土地建物は長男に、預金は長女に、株式は妻に」というように、遺言の内容を変更して遺産分割することができることになります。

また例えば、「遺産の2分の1は長男に、残りの2分の1は3人の姉妹で分けるように」という遺言があった場合でも、相続人全員の同意があれば、遺産分割の協議の中で「全員が4分の1ずつ等分に取得する」というように、遺言の内容を変更して遺産分割することができます。

 

◆3.遺言執行者がいる場合
ただし、遺言執行者がいる場合には問題があります。遺言執行者は遺言内容に従って執行することが本来の職務ですから、相続人全員の同意により遺言の内容と異なる財産処分を求められても、遺言に基づいた執行をすることができます。その反面、遺言執行者がいる場合には、相続人は相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができないことになっており、相続人がこれに反してなした行為は無効とされています。

そこで、遺言執行者がいる場合に相続人全員が遺言と異なる遺産分割を望んだとき、遺言執行者はそのような分割に同意することができるかという問題があります。

遺言執行者としては、例えば、遺留分を侵害する遺言において遺留分侵害額請求権が行使された場合などのように、相続人間の争いを調整するために、事実上遺言を一部訂正したうえで執行せざるを得ない場合があります。したがって、相続人全員の同意があれば、遺言執行者はそのような分割に同意をすることができると考えることができます。

この点について、遺言執行者の同意のもとに、利害関係人全員の同意のうえでなされた相続財産の処分行為を有効とした裁判例があります。

いずれにしても、実務上では、遺言執行者がいる場合において、遺言内容と異なる遺産分割協議を行うときには、遺言執行者を加えたうえで成立させる必要があるといえます。

そもそも遺言執行者がその職に就職する以前に、遺言執行者就職を辞退してもらうように交渉することも一つの方法と言えます。

【相続・遺言について】共同相続における権利の承継の対抗要件

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回は、【相続・遺言】に関して、共同相続における権利の承継の対抗要件について考えてみたいと思います。

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【Q】①父は、その所有する土地甲を私に相続させる旨の遺言をして亡くなりました。私は手続きがよくわからず、忙しかったこともあり、父の遺言に基づいて土地甲の登記を私に変更することなく放置していました。そうしたところ、父の相続人である弟が土地甲の登記を自分の名義として第三者に売却してしまいました。このような場合、私はその第三者に土地甲の権利を主張できるのでしょうか?

②父は、私の相続分を3分の2、弟の相続分を3分の1とする旨遺言をして亡くなりました。私は、手続きがよくわからず、忙しかったこともあり、父の遺言に基づいて土地甲の登記を変更することなく放置してしまいました。そうしたところ、弟が土地甲の登記を自分の名義として第三者に売却してしまいました。
このような場合、私はその第三者に土地甲につき3分の2の権利があることを主張できるのでしょうか?

③父は全ての財産を私に相続させる旨の遺言書を遺して亡くなりました。相続人は私と弟の2人です。父の遺産には1000万円の預貯金があります。預貯金の払い戻しを受けるにはどのような手続きが必要でしょうか?

 

【A】◆1.Q①について
お父さんの遺言によれば、弟さんは土地甲の権利を持っていませんから、当然土地甲を誰かに売却することはできないはずです。ですが、今回、弟さんは土地甲の登記を自分の名義にして第三者に売却してしまいました。土地のような不動産は、登記をしていないと第三者に対して権利を主張できなくなってしまうのではないかという問題です。

特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言は、遺贈であることが明らかな場合などを除き、原則として遺産分割の方法を指定したものと考えられます。そのため今回の遺言の内容は、土地甲をお兄さんに相続させるという遺産分割方法の指定がされているといえます。

ところで、相続による権利の承継は、法定相続分を超える部分については、登記などの対抗要件を備えなければ第三者に対抗できません。そしてこれは土地のような特定の財産を承継させる遺言の場合にも当てはまります。

お父さんの相続人が兄弟2人のみの場合、その法定相続分は各2分の1となります。そうすると、土地甲については、お兄さんの名義の登記をしていない以上、土地甲を購入した第三者に対して主張することはできません。
本問では、あなたの法定相続分である2分の1に限り、土地甲の権利を主張することができることになります。

 

◆2.Q②について
この問いでは、遺言でお兄さんの相続分を3分の2、弟を3分1とするという相続分の指定がされています。この場合も、上記Q①の場合と同様に、相続による権利の承継は、法定相続分を超える部分については、登記などの対抗要件を備えなければ第三者に対抗できませんから、土地甲についてお兄さん名義の登記をしていない以上、第三者にあなたの法定相続分である2分の1を超える3分の2の権利があることを主張することはできません。

 

◆3.Q③について
相続人が兄弟2人である場合、法定相続分はそれぞれ2分の1となります。すべての財産をお兄さんに相続させる旨の遺言の内容は、Q①やQ②と同様、法定相続分を超える権利の承継となり、第三者に対して権利を主張するためには、対抗要件を備える必要があります。ここでいう「第三者」には、債務者も含まれます。
預貯金の払い戻しを受ける権利は債権です。預貯金の払い戻しを行う債務を負う債務者である銀行に対して、お兄さんは債権の対抗要件を備える必要があります。債権の対抗要件は、債務者への通知又は債務者の承諾であり、債務者以外の第三者に対抗するためには、確定日付のある証書によって行う必要があります。

本問で、あなたが銀行から1000万円の預貯金の払い戻しを受けるためには、共同相続人である兄弟が銀行に通知するか、銀行が承諾することが必要になります。それにより、あなたは預貯金の払い戻しを請求できるようになります。

ところで、共同相続人間で感情的対立などがあり、他の共同相続人の協力が得られず、通知ができない場合が考えられます。このような場合は、法定相続分を超えて債権を承継した共同相続人が当該債権に係る遺言の内容を明らかにして債務者に承継の通知をすることで、共同相続人の全員が債務者に通知をしたものとみなされます。

本問では、法定相続分を超えて債権を承継したあなたが、債務者である銀行に遺言の内容を明らかにして通知をすることで、銀行に対して預貯金の払い戻しを請求できることになります。
ここでいう遺言の内容を明らかにする方法としては、遺言書を交付することが考えられますが、それに限らず、客観的に遺言の有無やその内容を判断できるような方法で良いとされています。例えば、相続人が遺言の原本を提示し、債務者の求めに応じて債権の承継の記載部分の写しを交付するという方法も考えられます。

【相続・遺言について】事業承継に関する制度

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回は、【相続・遺言】に関して、事業承継に関する制度について考えてみたいと思います。

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【Q】中小企業ですが、株式会社の社長をしております。今後長男を後継者にと考えており、仕事を引き継がせたいと指導中です。私には長男の他に嫁いだ娘が2人います。
①私の死後、会社をうまく長男に引き継がせるためには、民法上どのような制度が利用できますか?
②遺留分に関する特例とはどういったものですか?
③もし、長男を後継者にできなければ、娘たちには会社は引き継がせられません。同業他社に引き継いでもらえるならそれもよいかと思っています。会社法上どのような制度が利用できますか?

 

【A】◆1.事業承継に関する民法上の諸制度
あなたの死後、長男が会社を引き継ぐための民法上の制度としては、生前贈与や遺言と言った制度が利用できます。

円滑な事業承継を行い、承継後の経営を安定させるためには、後継者(長男)に自社株式や事業用資産を集中させることが重要です。あなたが生前に何の対策もしないまま死亡した場合、あなたの所有している自社株式や事業用資産は他の相続人に分散してしまいます。

このような事態を防ぐためには、生前にあなたが所有している自社株式や事業用資産を徐々に長男に贈与したり(生前贈与)、自社株式や事業用資産を長男に相続させる旨の遺言書を作成することが必要です。

しかし、あなたの相続財産の大半が自社株式や事業用資産である場合、長男への生前贈与や遺言は他の相続人の遺留分を侵害する可能性があります。その場合、他の相続人から長男に対する遺留分侵害差額請求がされた結果、遺産相続が紛争化してしまうおそれがあります。

特に自社株式の生前贈与を行った場合、死亡する10年以内になされた生前贈与は特別受益として遺留分算定の基礎財産に加えられることになります。さらに遺留分算定の基礎財産に加えられる金額は、贈与された時点での自社株式の時価ではなく、相続開始時点での時価額となるため、贈与を受けてから相続開始時までの間に評価額が上昇していれば、上昇後の評価額が贈与額として基礎財産に算入されてしまいます。

このような遺留分についての問題が生じることを防ぐため、あなたが生きているうちに、長男以外の相続人に遺留分を放棄してもらう制度があります。
この場合には、長男以外の相続人全員が、家庭裁判所に申し立てを行い、許可を受ける必要があります。
家庭裁判所は、事前放棄を申し立てた相続人が十分な見返りとなるものを受け取っているかなどを確認します。場合によると許可をしないこともあります。
また、申し立てをする相続人にしてみれば、何らのメリットもなく、家庭裁判所での手続きをするという負担を被ることになります。

 

◆2.遺留分に関する民法の特例
このように事業承継における遺留分の問題については、民法上の制度だけでは対応することが困難でした。そのため平成20年5月に中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(経営承継円滑化法)が成立し、遺留分に関する民法の特例が出来ました。

この特例では、現経営者の遺留分を有する推定相続人全員において、現経営者から後継者に生前贈与や遺贈等された自社株式等について、遺留分算定基礎財産に算入しない旨の合意をすることができます(除外特例)。
また、現経営者から後継者に生前贈与等された自社株式等について、遺留分算定の基礎財産に算入する際の価額を当該合意時の価額に固定する旨の合意をすることもできます(固定合意)。
なお、除外特例と固定特例は併用することもできます。例えば、後継者が現経営者から贈与等により取得した1000株のうち、500株を除外特例の対象とし、残りの500株を固定合意の対象とすることもできます。

これらの特例を利用するためには、
①会社が中小企業であり、3年以上継続して事業を行っている非上場会社であること
②現経営者が過去又は合意時点において会社の代表であること
③後継者が合意時点で会社の代表者であること
④現経営者からの贈与等によって株式を取得したことにより会社の議決権の過半数を保有していること
⑤現経営者の遺留分を有する推定相続人全員の合意があること
といった要件を満たす必要があります。

そして、上記要件を満たしている場合に遺留分を有する相続人間全員で合意書を作成し、経済産業大臣の確認、家庭裁判所の許可を受けることで初めて当該合意は効力を生じます。

合意書には、
①合意が会社の経営の承継の円滑化を図ることを目的とすること。
②後継者が現経営者からの贈与等により取得した自社株式についての除外合意または固定合意(もしくはその両方)。
③後継者が合意した対象の株式を処分した場合や現経営者の生存中に後継者が会社代表でなくなった場合に非後継者が取ることができる措置の定め(例えば、非後継者は他の非後継者と共同して当該合意を解除できる等)
が必ず記載されていなければなりません(必要的記載事項)。

また、後継者が現経営者からの贈与等により取得した事業用資産などの自社株式以外の財産や非後継者が現経営者からの贈与等により取得した財産を遺留分算定の基礎財産から除外する旨の合意や推定相続人間の公平を図るための措置(後継者は非後継者に一定の金銭を支払う等)について記載することもできます(任意的記載事項)。

そして合意書の作成から1ヶ月以内に、経済産業大臣の確認を申請しなければならず、経済産業大臣の確認を受けてから1ヶ月以内に家庭裁判所の許可の申立てをしなければなりません。

 

◆3.会社法上の諸制度の利用
同業他社にあなたの会社の事業を引き継いでもらう方法としては、M&A(企業の合併や買収)により会社そのものを売却するなどして経営を引き継いでもらうことが可能です。M&Aでは、合併、株式交換、株式移転、会社分割、株式譲渡、事業譲渡といった会社法上の制度が利用されています。

①合併
合併とは、会社の全資産・負債・従業員等を丸ごと他の会社に承継する手法です。実務上は2つの会社の一方が解散し、その資産や負債・人材・技術などの経営資源をもう一方の存続会社が吸収して引き継ぐ形の合併(吸収合併)がなされることがほとんどです。

②株式交換
株式交換とは、株主総会の特別決議によってあなたの会社の全株式と他社株式等を交換することです。この場合、あなたの会社は交換先会社の100%子会社(完全子会社)になり、あなたが保有していた自社株式が交換先会社の株式や現金に変わります。

③株式移転
株式移転とは、事業承継する会社が完全親会社となる持ち株会社を設立し、事業承継する会社もあなたの会社も新設された持ち株会社の完全子会社となる方法です。

④会社分割
会社分割とは、あなたの会社の事業部門のうちの一部門を切り出して、他の会社に承継する方法です。事業譲渡との違いは、買い手企業側は事業承継の対価として現金ではなく株式を利用できるということにあります。

⑤株式譲渡
株式譲渡とは、あなたが所有している自社株式を事業譲渡する会社等に売却することです。

⑥事業譲渡
事業譲渡とは、あなたの会社の事業の一部を他の会社に売却することです。事業譲渡の場合、会社分割に比べてより個別の事業単位での売却が可能です。

【相続・遺言について】遺留分侵害額の負担について

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回は、【相続・遺言】に関して、遺留分侵害額の負担について考えてみたいと思います。

世田谷の相続・遺言・成年後見は090-2793-1947までご連絡を

 

【Q】①遺贈等が複数ある場合
遺留分を侵害する遺贈及び贈与が複数存在する場合、遺留分侵害額の負担はどのような順序、割合で行われますか?

②無資力の者がいる場合
遺贈又は贈与を受けた者が複数いる場合において、そのうちの1名が譲り受けた財産を費消してしまって資力がない場合、その分他の者に対して通常よりも多額の遺留分侵害額の請求をすることはできますか?

③遺留分侵害額請求の対象となる範囲
私の父が、1億円の相続財産を遺して死亡し、相続人は子である私とA、B、Cの4名です。父は、1億円の相続財産をAに6000万円、Bに3000万円、Cに1000万円それぞれ遺贈していました。私は誰にいくらの遺留分侵害額の請求をすることができますか?

④相続分の指定がある場合
私の父が死亡し、相続人は子である私とA、Bの3名です。父は相続人3名の相続分について、Aを3分の2、Bを3分の1、私を0と指定する遺言をしていました。私がA及びBに対して遺留分侵害額請求権を行使した場合、私、A、Bの相続分はそれぞれいくらになりますか?

 

【A】◆1.遺贈等が複数ある場合
遺留分侵害額請求権は、受遺者又は受贈者に対して、その遺贈、贈与の価額を限度として遺留分の侵害額を請求する金銭債権です。
複数の受遺者又は受贈者がいる場合は次のようになります。
①受遺者と受贈者がいる場合、受遺者が先に負担します。
②受遺者が複数いる場合又は受贈者が複数いて贈与が同時にされた場合、遺言者が遺言上で別段の意思を示さない限り、目的物の価額に応じて按分して各自が負担します。
死因贈与の場合判例上、受贈者に含まれると解されます。

 

◆2.無資力の者がいる場合
遺贈又は贈与を受けた者が無資力であることにより生じた損失は、遺留分権利者の負担とされています。したがって、遺贈又は贈与を受けた者が無資力であっても、代わりの者に請求することはできません。

 

◆3.遺留分侵害額請求の対象となる範囲
あなたの遺留分割合は8分の1ですので、相続財産のうち1250万円分の遺留分があり、本件ではあなたは一切相続により財産を取得していないので、同額の遺留分侵害額請求をすることができます。
この1250万円について、他に遺贈を受けた者に対して、遺贈を受けた価値の割合に応じて請求することができます。ただし、従前の判例によると、遺贈を受けた者が共同相続人である場合、当該相続人の遺留分は侵害することができません。よって当該相続人の遺留分を超過する価額についてのみ遺留分侵害額請求の対象となります。すなわち、
Aは6000万円-1250万円=4750万円
Bは3000万円-1250万円=1750万円
Cはマイナスになるので、遺留分侵害額請求はできません。

あなたはAとBに対して上記超過額の割合すなわち「19:7」の割合で請求することができます。あなたの請求額は、
Aに対して、1250万円×4750万円÷(4750+1750)万円=913万4615円
Bに対して、1250万円×1750万円÷(4750+1750)万円=336万5385円
になります。(端数は四捨五入)

 

◆4.相続分の指定のある場合
あなたの遺留分は6分の1ですので、遺留分侵害額請求によりあなたの相続分は6分の1になります。
共同相続人に対する遺留分侵害額請求において、各相続人の遺留分を超過する価額についてのみ負担すべきこととなるのは、上記◆3のような遺贈の場合だけでなく相続分指定においても同じであると考えられます。
それぞれの遺留分超過分は
Aは3分の2-6分の1=6分の3
Bは3分の1-6分の1=6分の1となります。

この超過した相続分の割合に応じて按分して負担することになりますので、AとBは3:1で負担します。
Aは2/3-1/8=13/24
Bは1/3-1/24=7/24
となります。