【孤独死をめぐるQ&A】Q42 孤立死の防止

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【Q42】一人暮らしの高齢者です。自宅で死ぬ可能性があることはある程度受け入れているのですが、誰にも気づかれずに腐敗してしまうという事態は避けたいです。
いわゆる孤立死を防止するためには、どのような方法があるでしょうか。

【A】一人暮らしである以上、自宅で一人で亡くなってしまうという孤独死を完全に回避することはできないかと思います。
ただ、万一、自宅で亡くなってしまった場合、誰にどのように発見してもらうかを具体的に考えて準備しておくとよいでしょう。
最近では、独居の高齢者同士が知り合いを作りやすい企画が用意されたり、見守りサービスも提供されていたりしますので、検討しても良いでしょう。

【解説】

1 新たな縁を作る
① 一人で生活している以上、居室内で亡くなってしまう可能性を完全に排除するということは不可能と思われます。
② それよりも、異常があった場合にはなるべく早く気付いてもらい、もし居室内で死んでしまったとしても、早い段階で発見してもらえるようにしておくというのが対策だと思います。
③ 人は、生まれてから死ぬまでずっと一人であるということはありません。血縁、地縁、社縁等の縁が必ずあります。ただ、高齢になっていくと、様々な事情からそれらの縁が機能しなくなってしまう方がいるのも事実です。死んでも誰にも気づいてもらえないと不安な方は「結縁」を試みてください。
④ もともと「結縁」は仏教用語なのですが、ある住職さんが新しい縁を作ることによって孤立することを防ぐための活動という意味でつかわれています。
⑤ 「墓友」が遺体を見つけてくれたというケースがあります。納骨堂や合祀墓を事前購入する場合、同じような境遇、つまり一人暮らしで墓の面倒を見てくれる人がいない方々が集まっていることが多く、事業者によっては、そのような方が横のつながりを持てるようなイベント等を開催しています。
⑥ そこで友人になった人が、イベントに参加していない方を不審に思い、自宅迄確認に来てくれて遺体が発見されたという経緯です。
⑦ その他、終活バスツアーなどを企画している旅行会社もあり、高齢者の一人暮らしの方々が新たな縁を作る機会が増えています。

2 見守りサービス
① 親族はいるけど、遠くに住んでいるし、働き盛りで忙しいからなかなか連絡は取れないと不安を抱かれる方もいます。
② そのような不安を解消するために、最近では自治体や企業が高齢者の見守り・安否確認サービスを提供しています。
③ 例えば、郵便局も「みまもり訪問サービス」を提供しています。ガスの利用状況を遠くの家族に配信するというサービスやインターネットにつながっているポットが、離れている家族にポットの利用状況を知らせるサービス等もあります。
④ このようなサービスを利用することで、高齢者の方がもし動けなくなったとしても、すぐに気づいてもらえます。
⑤ また、見守り契約というサービスを提供している会社や士業もあります。見守り契約は行政書士や司法書士等が、任意後見契約などと一緒に提供していることが一般的です。
⑥ 上記のようなITを用いた遠隔確認サービスも万が一の際にその連絡を受ける人がいないのであれば、利用できません。
⑦ そのような場合、連絡を受ける人についても死後事務委任契約を締結している方や、遺言執行者に指名している方などと見守り契約を締結し、連絡の受取先になってもらうのも一つの解決方法でしょう。

【孤独死をめぐるQ&A】Q41 自動車の処分

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【Q41】おじが孤独死をしたのですが、生前に付き合いもなかったので相続放棄をしようと思っています。おじは自動車を所有していたらしく、駐車場の貸主からは自動車の処分をするように言われています。
相続放棄をする予定なのに自動車を処分してしまってもよいものでしょうか。

【A】相続放棄をする予定であれば自動車の処分には関与しない方がよいでしょう。ただし、対象となる自動車に財産的な価値がないのであれば廃棄処分をしたとしても単純承認とはみなされない可能性は高いので、処分に応じてもよいかもしれません。

【解説】

1 自動車の処分
① 自動車も動産であり相続の対象になります。そのため、自動車の所有権は相続人に帰属します。
② 自動車を処分する場合、本来的には、遺産分割手続きにより自動車の名義を相続人名義に変更し、その上で自動車を譲渡したり、廃車手続きをとったりすることになります。

2 相続放棄を予定している場合
① 相続放棄する場合、自動車の名義変更をして譲渡してしまうと「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」に当たり、単純承認をしたものとみなされる可能性があります。
② そのため、基本的には、相続放棄を予定している場合には、自動車の処分は自ら行わない方がよいと言えます。
③ 駐車場が賃貸の場合、遺品整理の場合と同様、賃貸人に法的手続きをとってもらい賃貸人に処分してもらうことになります。駐車場が被相続人の所有地であれば、自動車をそのまま置いておくことになります。
④ なお、自動車のローンが完済しておらず、所有権が販売会社やローン会社のままであれば、販売会社やローン会社に連絡をして、自動車を引き揚げてもらうという方法も考えられます。

3 どうしても自動車を処分したい場合
① 事情によっては、相続放棄をする予定であるがどうしても処分したいということもあるかもしれません。そのような場合、対象となる自動車に財産的価値がないのであれば処分は可能です。
② 一般的経済価値のない物の廃棄については、単純承認事由たる「処分」に当たらないという裁判例があります。
③ そのため、自動車に財産的価値がないのであれば、廃棄したとしても「処分」に当たらないと言えます。自動車の価値については、普通自動車(新車)の減価償却期間は6年ですので、減価償却期間が経過しているかが一つの参考になります。
④ 自動車を廃棄する場合、リサイクル業者に引き渡して解体処分をしてもらい、その上で管轄の運輸支局において永久抹消手続きを行うことになります。
⑤ 相続した自動車を永久抹消する場合は、財産の処分行為ではないため名義を変更せず故人名義のまま、相続人の代表者が単独で申請を行うことができるとされています。
⑥ 車検残存期間が1ヶ月以上の場合は、自動車重量税の還付を受けることができますが、自動車重量税の還付を受ける権利も相続財産ですので、相続放棄をするのであれば還付は受けない方がよいでしょう。
⑦ なお、軽自動車の場合には、軽自動車検査協会において手続きを行うことになります。

【孤独死をめぐるQ&A】Q40 居室内での孤独死の損害賠償

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【孤独死をめぐるQ&A】Q40 居室内での孤独死の損害賠償についての記事です。

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【Q40】一人暮らしの高齢者に賃貸物件を貸していたところ、貸室内で孤独死し、死体が腐敗して居室内が損傷しました。
その様な場合、相続人や連帯保証人に対し、損害賠償請求はできるのでしょうか。また、居室内で死亡した場合、次の賃貸人に対して、その旨を告知する必要があるのでしょうか。

【A】死因が自殺の場合の多くは、損害賠償が認められます。他方で、自殺以外の死因であった場合には、裁判所の判断が分かれる可能性はあります。
単に死亡しただけであれば告知する必要はないと考えますが、死体が腐敗して屍臭などが周囲に漏れていたような場合には告知義務が生じると考えます。

【解説】

1 死亡の原因が自殺の場合

① 賃貸借契約の賃借人は、居室の引渡しを受けてからこれを返還するまでの間、居室を善良な管理者の注意義務をもって使用収益する義務を負います。
② そして、上記善管注意義務には、本件居室を物理的に損傷しないことのみならず、同居室において自殺などの事故を起こさないことも含まれると解されています(東京地判平成29年4月14日)
③ したがって、入居者が自殺した場合には、債務不履行になり、損害賠償義務を負います。
④ その損害賠償義務は連帯保証の範囲内となりますので、賃貸人は連帯保証人に損害賠償請求することができます。また、損害賠償義務も相続されますので、賃貸人は相続人に対しても損害賠償請求できます。
⑤ 損害の範囲は、修繕費用の他、自殺した物件については心理的瑕疵がある物件となってしまい、自殺後相当期間成約できなかったり、賃料を大幅に減額しないと借り手がつかないという状況が続くこととなりますので、その逸失利益も損害賠償が認められます。(東京地判平成23年1月27日)

2 死亡の原因が自殺以外の場合

Ⅰ 否定例
① 東京地判平成19年3月9日は、建物の賃貸人が、当該建物を社宅として使用していた賃借人に対し、賃借人の従業員が当該建物内で脳溢血により死亡したことについて、当該従業員に履行補助者としての過失があるなどとして、主位的に債務不履行、予備的に不法行為に基づく損害賠償として建物の価値下落の損害等を請求した事案です。
② 同判決は、「住居内において事故などで死亡したりすることは、経験則上ある程度の割合で発生し得ることである。失火などは居住者の過失があるといえるとしても、人間の生活の本拠である以上、死が発生しうることは、当然に予想されるところである。したがって老衰や病気などによる借家での自然死について、当然に借家人に債務不履行責任や不法行為責任を問うことはできない」と判示。
③ そして、居室内で死亡したことについて、何らの過失や落ち度も認められないから、仮に、本件建物内において居住者が死亡したことにより、事実上本件建物の価値が減価したとしても、損害の賠償を請求することはできないとしました。
④ また、原状回復義務についても、借主側の故意過失による経年変化とは言えない損傷が発生していることは立証されていないとして借主の原状回復義務も否定しました。
⑤ この判決の判断の枠組みに従えば、賃貸建物で賃借人が自然死した場合には、自然史は義務違反や過失があるとは言えないので、損害賠償責任は発生せず、賃貸借契約の終了に当たっても、一般的な原状回復義務は生じるものの、死亡によって汚損した部分の修理やリフォームは含まないということになります。

Ⅱ 肯定例
① 東京地判昭和58年6月27日。同判決は、建物部分内において死亡し、死体が同室内に放置され腐乱死体となり、同死体から本件建物部分の床面に流失した悪臭に満ちた汚物・体液が床コンクリートまで浸み込み、屍臭が室内の天井・畳・建具その他に浸透すると同時に、同室に隣接する建物部分にまで悪臭が漂ったとして、相続人に対し、原状回復の不履行を理由とした損害賠償請求を求めた事案です。
② 居室内の修繕費について、単なる清掃にとどまらず、天井板、壁板、床板、ふすま等を取り換える必要がある、浴槽、便器などの住宅機器等も次の借主に対して嫌悪感を与えないために交換する必要があるとし、その費用を損害と認めました。
③ 賃料相当額について、悪臭のため使用できなかった期間の賃料相当額についても、損害と認めました。
④ 居室以外の原状回復費用について、原状回復の範囲は居室内に限られ、それ以外の部分には及ばないとし、居住していた部屋以外の修理の費用は認められませんでした。

⑤ 東京地判平成29年2月10日。同判決は死後1ヶ月経ち、遺体に由来する体液が貸室の木製フローリングの床板の広範囲にわたり、また、同床板の裏側の建材にまで浸み込んでおり、本件貸室には同体液によるとみられる強い異臭が生じており、腐敗物に起因するとみられる強い臭気が存在し、貸室内には多数の蠅や蛆虫が見られるという事案です。
⑥ 同事案について、本件貸室の汚損状況が通常の使用に伴い生じた損耗の程度を超えると言えることに照らすと、本件賃貸借契約に基づき、これを現状に回復すべき義務を負うというべきと判示。
⑦ 損害賠償として、汚損や臭気発生原因が残存していないかを確認する必要があるとして、居室を解体しスケルトンとした工事費用やオゾン脱臭費用を損害と認めました。
⑧ また、工事期間のみならず、新入居者が入居に至るには工事終了後1年はかかるとして、その期間の逸失利益も損害と認め総額790万円超の損害賠償を認めています。

⑨ 以上のように、下級審の判断は分かれているのですが、死体の腐乱が進んでいる事案では、自然死であっても損害賠償が認められる可能性は十分にあると言えます。

3 告知義務について

① 居室内で孤独死した場合、心理的瑕疵がある物件として、重要事項説明において告知義務があるのでしょうか。
② この点については、令和3年10月8日国土交通省から「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」が公表されました。
③ ガイドラインでは、他殺、自死、事故死その他原因が明らかでない死亡については告知対象とする一方で、老衰、持病による病死等、いわゆる自然死については、そのような死は当然に予想されるものであるから告知対象にする必要はないとされています。
④ もっとも、自然死であっても、長期間にわたって人知れず放置されたことに伴い、室内外に臭気・害虫等が発生して特殊清掃等が行われたような場合は、告知対象になるとしています。
⑤ また、告知期間については、特段の事情がない限り、事案の発生から概ね3年間という目安も定められています。
⑥ 孤独死の全てが告知事項になってしまうと、居室内で死亡するリスクの高い高齢者に対して居室を貸そうとする人が少なくなってしまいます。
⑦ そのため告知事項についてガイドラインが設けられ告知対象や告知期間が明確になることは、単身高齢者が住宅を借りやすくなることにつながると言えます。

【孤独死をめぐるQ&A】Q37 無縁墓の撤去

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【Q37】檀家が孤独死をしたのですが、墓を継ぐ者がいません。継ぐ人がいなくなった墓を撤去する場合、どのようにすればよいのでしょうか。

【A】一定の場合、無縁墓として改葬することができます。

【解説】

1 無縁墓の撤去のための手続き

① 無縁墓の改葬手続きについては、墓地埋葬法施行規則に定められています。
② 死亡者の縁故者がない墳墓又は納骨堂を無縁墳墓等といい、これを改葬するためには、⑴無縁墳墓等の写真及び位置図、⑵死亡者の本籍及び氏名並びに墓地使用者等、死亡者の縁故者及び無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し1年以内に申し出るべき旨を、官報に掲載し、かつ、無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に1年間掲示して公告し、その期間中にその申出がなかった旨を記載した書面、⑶⑵に規定する官報の写し及び立札の写真、⑷その他市町村長が特に必要と認める書類を添付し墓地のある市町村役場に改葬許可申請をする必要があります。
③ 縁故者の確認としては、墓碑の調査をし、遺骨ごとに死亡者の本籍、住所、氏名、性別、死亡年月日などを調査します。その調査をもとに戸籍やお寺の過去帳などを調査して縁故者の有無を確認します。
④ それでも縁故者がいないという場合、死亡者の本籍、氏名等を官報に掲載し、墓地使用者等・死亡者の縁故者・無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し、1年以内に申し出るべき旨を官報公告します。
⑤ また、併せて、死亡者の本籍・氏名を無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に1年間掲示して、墓地使用者等・死亡者の縁故者・無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し、申し出るべき旨を公告する必要があります。
⑥ それでも、申し出る者がいない場合には、ようやく縁故者がいないということになります。同じ墓地内で合葬墓や人気のない他の区域、納骨堂に移すなど、同じ墓所同士でも改葬許可は必要となります。

2 墓地埋葬法の手続は改葬の手続

① 「墓地、埋葬等に関する法律の施行に関する件」(昭和23年9月13日通知)では、墓地埋葬法施行規則3条の手続きは改葬に必要な手続きを示しているだけであり、墳墓の所有権、地上権等の私法上の物権等の処置に関するものではないとしています。
② そのため、無縁墳墓と認定され改葬が認められたとしても、墓地の使用権、墓石の所有権など民法上の権利変更については、別の対応が必要になります。
③ 高松高判平成26年2月27日は、「被控訴人は、法や規則の手続に従ったなどと主張するが、改葬を行おうとする場合には、法や規則の定める手続を実施しなければならないというにすぎず、これらの手続を履践したからというだけで、永代使用権の消滅には墓地埋葬法上の手続とは別の法律行為が必要である旨判示しています。

【孤独死をめぐるQ&A】Q36 お墓の承継

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【Q36】遠縁の親族が亡くなりました。私はお墓を持っていないので、その親族の遺体を引取り葬儀を挙げるのであれば、お墓も承継しようと思っています。遠縁であってもお墓は承継できるものでしょうか。
また、私はそのお墓を管理している寺院の宗派と異なるのですが、宗派が異なってもお墓に入れるのでしょうか。

【A】お墓は祭祀財産なので、祭祀承継者であればお墓の承継は可能です。ただし、管理規則で承継できる人の範囲が限定されていることもありますので、お墓の管理者に確認をしてみてください。
また、宗派が異なることだけを理由に寺院墓地への埋蔵を拒否することはできないとされていますので、宗派が異なってもお墓に入ることは可能です。ただし、埋蔵の時の典礼をどのようにするかについては、争いになってしまう可能性があります。

【解説】

1 お墓は祭祀財産になる
① お墓は祭祀に関する財産であり、相続とは関係なく、祭祀承継者が承継することになります。そのため、墓の承継をする者は、自身が祭祀承継者であることを示して承継手続をすることになります。
② 都立霊園のケースで言うと、遺言により祭祀承継者が指定されている場合には遺言書、指定されていない場合には、祭祀を主宰していることが確認できる書類(使用者の葬儀一式費用の領収書、法事の施行証明(寺社等公印付)等)、協議により定めた場合には協議書などを添付して、承継を申請することになります。
③ 寺院墓地の場合には、寺院規則などで定めている手続によることになります。墓地の管理規約によりお墓を承継できる範囲を定めていることもあります。遠縁の方がお墓の承継を考えている場合、事前に墓地の管理者に確認を取ることをお勧めします。

2 宗派が異なる場合でも埋葬できるか
① 墓地埋葬法13条は「墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けたときは、正当の理由がなければこれを拒んではならない。」としています。
② それでは宗派が異なる場合、埋葬の拒否をする正当な理由になるのでしょうか。この点、厚生省は「墓地、埋葬等に関する法律第13条の解釈について」において内閣法制局の解釈を通知しています。
③ 「宗教団体がその経営者である場合に、その経営する墓地に他の宗教団体の信者が埋葬又は埋蔵を求めたときに、依頼者が他の宗教団体の信者であることのみを理由としてこの求めを拒むことは「正当の理由」によるものとはとうてい認められないだろう」とされています。このことからも、宗派が異なるという理由だけで埋葬を拒否することはできません。
④ もっとも同通達は続けて、「法第13条はあくまでも、埋葬又は埋蔵行為自体について依頼者の求めを一般に拒んではならない旨を規定したにとどまり、埋葬又は埋蔵の施行に関する典礼の方式についてまでも、依頼者の一方的な要求に応ずべき旨を定めたものと解すべきではない。いいかえれば、このような典礼の方式は、本条の直接関知しないところであつて、もつぱら当該土地について、権原を有する者としての資格における墓地の経営者と依頼者との間の同意によつて決定すべきことがらである。」
⑤ 「したがつて、宗教団体が墓地を経営する場合に、当該宗教団体がその経営者である墓地の管理者が、埋葬又は埋蔵の方式について当該宗派の典礼によるべき旨を定めることはもちろん許されようから、他の宗教団体の信者たる依頼者が、自己の属する宗派の典礼によるべきことを固執しても、こういう場合の墓地の管理者は、典礼方式に関する限り、依頼者の要求に応ずる義務はないといわなければならない。そして、両者が典礼方式に関する自己の主張を譲らない場合には、結局依頼者としては、いつたん行つた埋葬又は埋蔵の求めを撤回することを余儀なくされよう」としています。
⑥ つまり、宗派が異なるという理由での埋葬の拒否ではなく、当該寺院において埋葬をする以上は当該寺院の宗派の典礼によって埋葬するということは可能であり、埋葬を希望する者がそれを拒否しているのであれば、結局は埋葬は出来ないということになります。
⑦ 改宗離壇したものからの埋葬蔵の依頼を拒むことができるか争われた訴訟においても、原則としては埋蔵の依頼を拒み得ないとしつつも、埋蔵を無典礼で行うという依頼は寺院の定める典礼の施行を容認しない趣旨のものであるので、このような依頼に対しては、「自派の定める典礼の施行権が害されることを理由にして原告の本件埋蔵依頼を拒むことができるのであつて、このような理由による拒絶は墓地法第13条の正当な理由ある場合にあたると解すべき」と判示し、埋葬の拒否を認めました。
⑧ 上記裁判例は埋蔵を無典礼で行うという依頼の拒否を認めていますが、この点については、近時、埋蔵を無典礼で行うという依頼は拒否できないという判例もあります。
⑨ これは寺院規則での定めがなかった事案ですが、寺院の定める典礼の方式に従い墓地を使用するとの黙示の合意の成立を認めつつも、「墓地使用権を承継した者が異なる宗派となった場合にまで上記の黙示の合意の拘束力が及ぶかどうかについて、これを定めた墓地使用規則はなく、また、その場合にも被告の典礼方式に従うとの慣例があったことを認めることもできない。」とし、自宗派と異なる宗派の典礼の方式を行うことは拒絶できますが、無典礼の方式での遺骨の埋蔵は拒否できないと判示しています。
⑩ このように宗派が異なる場合でも埋葬できるものの、埋蔵時の典礼については自由に選べない可能性があります。宗派が異なる場合には、事前に、寺院に宗派が異なる場合の埋蔵時の典礼について相談しておくことをお勧めします。

【孤独死をめぐるQ&A】Q35 海洋散骨について

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【孤独死をめぐるQ&A】Q35 海洋散骨についての記事です。

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【Q35】孤独死をした親戚の遺骨を引き取りました。お墓を持っていないですし、海洋散骨をすることにしようと思うのですが、海洋散骨はしてもよいのでしょうか。

【A】海洋散骨についてはグレーな行為と言われることがありますが、一律に違法となるわけではありません。
ただし、トラブルになる可能性もあるため、適切な態様での散骨をする必要があります。

【解説】

1 遺骨遺棄罪との関係

① 海洋散骨はグレーな行為と言われることがありますが、散骨が「グレーな行為」と指摘される背景には、遺骨を廃棄することを禁止した遺骨遺棄罪という犯罪があることが挙げられます。
② 刑法190条は、「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。」と規定しており、遺骨を遺棄することは犯罪となります。
③ 散骨は、文字通り遺骨を地面や海面に撒く行為です。遺骨をお墓や納骨堂に入れずに撒くという行為は、一見すると遺骨を遺棄しているようにも見えてしまいます。
④ そこで、海洋散骨は遺骨遺棄罪に該当するのではないかという指摘がされていました。もっとも、そもそも、刑法190条の保護法益は死者に対する社会的風俗としての宗教的感情と言われています。
⑤ そうであれば、もし遺骨を海に撒くという行為をしていたとしても、それが死者に対する礼節を欠くような態様ではなく、死者を弔う一環として行われているのであれば、わざわざ犯罪とする必要がありません。
⑥ そこから、遺骨遺棄罪における「遺棄」とは「社会通念上埋葬と認められない態様で放棄すること」と理解されています。すなわち、「社会通念上埋葬と認められる態様」であれば、遺骨を撒いたとしても直ちに遺骨遺棄罪にはならないのです。
⑦ そして、海洋散骨が「社会通念上埋葬と認められない態様」であるかについては、平成2年に法務省刑事局が「刑法第190条の規定は社会的習俗としての宗教的感情などを保護するのが目的だから、葬送のための祭祀で節度を持って行われる限り問題ない」という見解を述べたとされています。
⑧ このような見解を述べたか否かについては意見が分かれており、見解が述べられたという確認は取れておりません。
⑨ しかし、その後の海洋散骨の状況を見る限り、「節度を持って」散骨をしている限り、いきなりそれが刑事罰の対象になるという事態は考えづらいと言えます。

2 墓地埋葬法との関係

① また、海洋散骨は墓地埋葬法に記載がないことも、グレーな行為だといわれる理由でもあります。
② 墓地や埋葬方法については、墓地埋葬法に定めがあります。確かに、墓地埋葬法4条1項は「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。」とするのみで、埋葬と焼骨の埋蔵しか規制の対象にしておらず、散骨に関する記述は一切ありません。
③ もっとも墓地埋葬法は規制をするための法律ですので、墓地埋葬法に散骨に関する記述がないということは、散骨は墓地埋葬法で規制をしていないということであり、規制がされていない以上は禁止されていません。
④ この点、散骨が墓地埋葬法の規制の対象か否かについては、厚生省の生活衛生局が平成10年6月に発表した「これからの墓地等の在り方を考える懇談会報告書」という報告書から読み解くことができます。
⑤ 報告書においては、「散骨は、墓地埋葬法の立法当時、社会的事実がなかったためにあえて規定しなかったものと考えられる。」としたうえで、「散骨が公衆衛生上の問題を生じたり、社会通念上国民の宗教的感情を損なうような形で行われるのでなければ、現行法上特に規制の対象とする必要がないというのが現在の行政の考え方であり、これは是認できるものである。」としています。
⑥ 「墓地、埋葬等に関する法律の疑義について」(平成26年6月3日健衛発0603第1号回答)は、ご遺族が故人の意志を尊重し、公衆衛生その他の公共の福祉に問題を生じないように節度を持ってご遺骨を自然に撒くことは、墓地埋葬法において、直接禁止させるものではないとしています。
⑦ これらのことからしても、厚生労働省も、散骨は原則として規制の対象になっていないと考えていることが伺い知れます。
⑧ 地方自治体によっては、海洋散骨のために改葬許可証を発行してくれるところもあります。その場合、改葬場所の欄に「散骨する海域」を、改葬理由として「散骨」という記載をしてくれます。
⑨ 改葬許可証は、地方自治体が発行する公的な文書です。公的な文書である改葬許可証に「散骨」の記載をしてくれる自治体があることからしても、海洋散骨がグレーな行為ではなく、実務上適法な行為として扱われていることが分かります。

3 ガイドラインの公表

① 令和3年3月31日、厚生労働省のホームページにおいて、「散骨に関するガイドライン(散骨業者向け)」が公表されました。
② 厚生労働省が散骨に関するガイドラインを公表したことにより、散骨が違法か適法かという議論には終止符が打たれたといえるでしょう。
③ この「散骨に関するガイドライン」は近年、葬送の在り方に関する国民の意識の変化に伴い、新たな葬送として散骨が広がりつつあるところ、このような状況を踏まえ、令和2年度厚生労働省労働科学特別研究事業「墓地埋葬をめぐる現状と課題の調査研究」において、散骨に関する調査研究が実施され、同調査研究において、取りまとめられたとされています。

【孤独死をめぐるQ&A】Q34 遺骨を火葬場に置いてくることができるか

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【Q34】遠縁の親戚が孤独死したらしく、やむを得ず遺体を引取りました。これから遺体を火葬に付すのですが、遺骨を引き取ると廃棄もできませんし、自宅に置いておくのも不吉ですし、供養すればお金がかかってしまいます。火葬場に遺骨を置いてきてしまってよいものでしょうか。

【A】火葬後に遺骨を全量置いてきて良いかは、斎場の利用規約によります。利用する斎場に事前に確認してみてください。

【解説】

1 火葬場への遺骨の残置

① 遺体を引取り火葬まではする、しかし、納骨には費用がかかるのでそこまではしたくないが、自宅で保管するのも不吉だから斎場に焼骨を置いてきたい、ということを考える方もいます。
② 遠縁の方の孤独死の場合、そこまで費用を負担したくないというのは、やむを得ない心情かと思います。
③ このように焼骨を斎場に置いてくることは、宗教学者である島田裕巳氏は「0(ゼロ)葬」と表現しています。

2 斎場の規約による

① それでは、この方法は法的に許されるのでしょうか。結論から言えば、これは、斎場の利用規約によります。
② 斎場によっては、「斎場を使用した者は、焼骨を引き取らなければならない。」のように焼骨の引取りを義務としています。そのように遺骨の引取りが義務付けられているにもかかわらず、斎場の承諾を得ずに遺骨を置いてきた場合には、遺骨遺棄罪に該当すると判断されるケースもあり得ます。
③ 他方で、関西ではもともと焼骨の3分の1程度のみを骨壺に収骨し、残骨は置いてくるという部分収骨の習慣です。
④ もともと遺骨は斎場に置いてくることが想定されていますので、部分収骨をせずに全量を置いてくるということも比較的認められやすいようです。
⑤ ただし、上記は一般論であり、遺骨の引取りを求められたが斎場にお願いをすることで置いてくることができたという例もあります。また、全量を置いてくるには事前申請が必要な例もあるようです。
⑥ 遺骨を全て火葬場に置いてきたいのであれば、事前に可能かを確認するようにしてください。

【孤独死をめぐるQ&A】Q33 自治体で保管され引き取られない遺骨の扱い

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【Q33】孤独死した方の遺体を誰も引き取らないため自治体の費用で火葬をし、その焼骨を自治体で預かっています。遺骨を預かるに当たり、どのような点に気をつければよいでしょうか。

【A】引取手のいない遺骨の扱いを定める基準はありません。内規を設けるなどして適切な対応をすることが望まれます。

【解説】

1 遺骨の廃棄は出来ないと考えられる

① Q32で解説したとおり、遺骨を廃棄すると遺骨遺棄罪に当たります。そのため、自治体と言えども、骨壺に入った遺骨を廃棄してしまっては、遺骨遺棄罪に抵触する可能性があるのではないかと考えます。
② 大審院判決明治43年10月4日は、遺骨遺棄罪における「遺骨」は祭祀のための祈念すべき遺骨とし、火葬場に置いていった残骨は、刑法190条の対象ではないとしています。このことからも火葬場に残る残骨灰と骨壺に入れて火葬場より持ち帰り、いったんは自治体で保管されている遺骨とは当然扱いが異なると考えます。

2 引き取られない遺骨の行方

① 平成31年1月26日付の産経新聞の報道によれば、大阪市では平成30年中に2366柱の遺骨が無縁墓に合祀されており、死亡者の12人に1人が無縁遺骨になっているとのことです。また、千葉県市原市では、生活保護受給者や身元が分からない人の遺骨57柱が庁舎内のロッカーに保管されていたと報じられました。
② この点、身元不明者や独り身で死体の埋・火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、墓地埋葬法に基づき死亡地の市区町村が埋・火葬を行うことが定められていますが、火葬した後の焼骨の埋蔵については、法律で規定されていません。
③ 自治体によっては、焼骨について保管期間や保管場所について内規などで定めているところもあります。例えば、神戸市行旅病人及行旅死亡人取扱法施行細則では、遺骨の一時保管場所、保管方法、保管期限、保管期限後の扱いについて、詳しく定めています。
④ しかしながら、全ての自治体がそのような規程を設けているわけではありません。
⑤ この点、国会では、自治体が管理している焼骨の行方について、質問主意書が出されています。「生活保護受給者等の遺骨が庁舎内に長期間保管されていたことに関する質問主意書」では、引取手がいない遺骨について、国として一定の考えを示したり、自治体に対して内規を設けるように求めたりするかと質問されています。
⑥ これに対して、政府としては、市町村において埋・火葬が行なわれるので国としては対応しないという回答をしています。
⑦ ただ、遺骨が長期間庁舎内のロッカーで保管されるということは望ましいことではなく、また故人の尊厳にも関わります。各自治体においては、引取手のいない遺骨についての一時保管場所、保管方法、保管期限の扱いなどを内規で定めるなど、適切な対応をされることが望ましいでしょう。

【孤独死をめぐるQ&A】Q32 引き取った遺骨の扱いー遺骨遺棄罪、送骨・散骨

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【Q32】遠縁の親族が孤独死したらしく、自治体から遺骨を引き取ってほしいという連絡が来ました。
生前の交流はありませんでしたが一応親族だからと遺骨は引き取ったものの、骨壺が家にあるのも悩ましいです。
遺骨をゴミ収集日に出してしまってよいのでしょうか。出してはいけない場合、どうにか遺骨を手放すことはできないでしょうか。

【A】遺骨を捨てると遺骨遺棄罪となり刑事罰の対象になります。また、一度引き取った遺骨の所有権を放棄することはできません。
ただ、遺骨をお墓や納骨堂に納骨する義務まではありません。最近は安価な供養方法がありますので、それを選択することをお勧めします。

【解説】

1 遺骨遺棄罪

① 刑法190条は「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。」と定めています。
② 遺骨を遺棄した場合、刑法190条の遺骨遺棄罪に問われる可能性があります。令和2年1月22日の報道でも、遺骨を男子トイレの個室に置いてきた人が遺骨遺棄罪で逮捕されたということがありました。これ以外にも、度々遺骨遺棄での逮捕の報道はされています。
③ どのような理由であっても、遺骨を遺棄しては犯罪になってしまいます。例えば、自宅で保管するにしても少量の遺骨でよいので、残りは廃棄したいと考えても、一度自宅に持ち帰った遺骨は祭祀のための祈念すべき遺骨にあたると考えられますので、供養に必要ない遺骨と考えたからといって廃棄することは許されないと考えられます。

2 納骨義務はあるか

① 遺骨を引き取ったからといって、お墓や納骨堂に納骨をする義務まで負うわけではありません。捨てるわけではなく、骨壺のまま、自宅に保管していれば、それが法に触れることはありません。
② 自宅に保管しておけば特に供養をしなければいけない法的な義務はありませんので、遺骨を引き取ってしまったが、特に費用をかけて供養はしたくないという場合は、単に自宅に保管することになります。
③ 最近では、供養をする目的で自宅に骨壺を保管している人もいます。自宅供養を前提としたスタイリッシュな仏壇も用意されていますので、もし自宅で保管したい方は調べてみるとよいかと思います。
④ なお、自宅に保管しておけば法には触れませんので、特に供養をすることなく倉庫にしまっておいても問題ありません。ただし、自宅の庭であっても埋めると焼骨の埋蔵(墓地埋葬法4条1項)になってしまいますので、埋めないようにしてください。

3 遺骨が自宅にあると不吉だという場合

① 遺骨を自宅に持ち帰ったが、自宅に遺骨があることを疎ましいと思う方もいます。現に、遺骨遺棄罪についてのニュースでも、遺骨を捨てた動機として、女性と同棲することになり遺骨が邪魔になったからと報じられていました。
② このように自宅に遺骨はおいておきたくはないが、お金をかけてまで納骨はしたくないという場合には、どのような対応をとればよいのでしょうか。

⑴ 送骨
ⅰ まず考えられるのは「送骨」という方法です。送骨は、お寺に遺骨を送るとお寺で合葬してくれるというものです。知る限りでは、安価でかつ宗教的に供養してもらう方法としては送骨が一番良い手段だと思います。
ⅱ なお、お寺に送る際には、日本郵便のゆうパックを用いることになります。代表的な宅配業者であるヤマト運輸や佐川急便などは「紛失時の責任が取れない」として遺骨の配送は受けていません。
ⅲ 墓地埋葬法14条は、「墓地の管理者は、第8条の規定による埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋蔵又は焼骨の埋蔵をさせてはならない。」とあるため、お寺に送骨する際は、遺骨だけでなく火葬許可書(火葬済印があるもの)を同封します。

⑵ 遺骨を自身で撒くことができるか
ⅰ 送骨も一定の費用はかかってしまいます。それでは、遺骨を自身で散骨してしまうということは許されるのでしょうか。
ⅱ 私見ですが、山中や森の中に自身で遺骨を撒くことは避けた方がよいのではないかと思います。まず、山中で遺骨を撒き、その上から土や落ち葉をかける行為は、一般的には「焼骨の埋蔵」に当たります。そのため、山中で遺骨を撒き、その上から土や落ち葉をかける行為は行ってはいけません。
ⅲ 焼骨を山中などで散骨した場合、上に土や落ち葉をかけることはできませんので、第三者が遺骨を発見してしまう可能性があります。第三者が発見した場合、第三者からするとその遺骨が廃棄されたのか散骨されたのかの区別はつきません。一般に、焼骨をそのまま山中に散骨するという行為は、社会通念上埋葬と認められる態様での埋葬とはいえませんので、遺骨遺棄罪に該当すると判断される可能性が高いと思われます。
ⅳ また、通常、山であっても森であっても、誰かの所有地になっています。通常は、自身の土地に知らない人の遺骨を撒かれるのは嫌でしょうし、知らない人の遺骨が撒かれている土地ということが分かれば、土地の評価も下がる可能性があります。そのため、土地の所有者の承諾なしに、勝手に遺骨を撒くということは民事上の不法行為に該当する可能性があると考えます。
ⅴ そうなると、山中や森林に散骨をする場合、第三者から見て遺骨と分からない程度に粉末化すること(粉骨)、散骨をした後に、土や落ち葉をかけないこと、土地の所有者の承諾を取ることという条件は最低限満たす必要はあるかと思います。そのような条件を満たすことも難しいので、自身で山中に散骨をするということはあまりお勧めできません。
ⅵ なお、散骨については、葬送方法には強い地域差があることから条例で定めることが適当とされており、現に散骨について、秩父市や長沼町のように条例で禁止している自治体もあります。よって民間が経営している散骨場を利用し、お金がかからないからというような理由で安易に山中に散骨することは避けるべきです。
ⅶ 他方で、海は、土地と違って誰のものでもありません。最高裁の判決で、海は公共用物であり、公法的な支配管理に服するとして、海を所有権の対象とすることを否定していますので、海の所有者はいません。
ⅷ また、海での散骨であれば、遺骨は比重の関係で沈むので、第三者に発見されるという可能性も極めて低いかと思われます。そして、現在のところ海洋散骨は規制されていませんし、海洋散骨をする許可というものは想定されていませんので、海洋散骨業者でないとできないということもありません。したがって、海洋散骨をすること自体は自由かと思います。
ⅸ ただ、海洋散骨を良しとしない方々もいます。とりわけ漁業や観光業の方々とトラブルになる可能性もありますので、可能な限り専門業者に依頼するべきかと思います。もし、個人で行うにしても、粉骨する、人目につかない場所で行う、漁場や海水浴場、ダイビングスポットなどは避けるなどの配慮をすることが望ましいと考えます。

【孤独死をめぐるQ&A】Q31 遺骨引取義務の有無

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【Q31】遠縁の親戚が孤独死し、自治体が火葬をし遺骨を預かっているようです。自治体から私に対して遺骨を引き取ってくれないかという連絡が来ました。
親戚だというだけで遺骨を引き取る義務はあるのでしょうか。

【A】遺骨の引取りを法的に義務付けることは難しいと考えます。

【解説】

1 遺骨は所有権の対象になる

① 遺骨も動産であり、所有権の対象になります。
② 自らに故人の遺骨を引き渡して欲しいと主張する者が、自身が遺骨の所有者であると主張し、遺骨の所有権をめぐって紛争になったという例があり、裁判所は遺骨の所有者が誰になるかという判断をしています。
③ そのような訴訟において、故人の祭祀承継者に当たる者が遺骨の所有権者になると判断されます。
④ 祭祀承継者は、故人による指定、慣習、家庭裁判所による決定で決まります(民法897条)。
⑤ このことからすると、故人の遺骨の所有権者は、祭祀承継者であると言えます。

2 遺骨引取義務を負うか

① 祭祀財産の承継には、相続の承認や放棄の規定は適用されません。祭祀承継者は、祭祀財産を放棄することはできないとされています。
② そうなると祭祀承継者は、遺骨の所有権者となります。
③ 所有権は他人を害する形で一方的に放棄できないとされています。遺骨を自治体が管理するとなるとコストもかかりますので、自治体に迷惑をかけるような形で遺骨の所有権を一方的に放棄することができないと考えれば、自治体は祭祀承継者に対して、その所有物である遺骨を引き取るように請求することも認められそうです。
④ ただ、自治体が故人の親族に対して遺骨を引き取るように請求してみても、実際に祭祀承継者ではないと主張され遺骨の引取りを拒否された場合、自治体が親族に対して、遺骨の引取りをさせることは困難かと思います。
⑤ というのも、遺骨の所有者は祭祀承継者であるところ、祭祀承継者が明らかでない場合には、祭祀承継者を定める審判によりそれを定めることになるからです。
⑥ この祭祀承継者を定める審判の申立権者は、当該祭祀財産の権利承継につき利害関係を持つ親族またはこれに準じる者(例えば内縁の妻、事実上の養子)と解されていることから、他人の遺骨を管理しているにすぎない者から、祭祀承継者を定める審判を申立てられない可能性があり、遺骨の所有者を定めるということは難しいかもしれません。
⑦ そうなると、自治体から遺骨の所有者=祭祀承継者を特定して、遺骨の引取りを求めることは、事実上、難しいのではないかと思います。