【孤独死をめぐるQ&A】Q35 海洋散骨について

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【Q35】孤独死をした親戚の遺骨を引き取りました。お墓を持っていないですし、海洋散骨をすることにしようと思うのですが、海洋散骨はしてもよいのでしょうか。

【A】海洋散骨についてはグレーな行為と言われることがありますが、一律に違法となるわけではありません。
ただし、トラブルになる可能性もあるため、適切な態様での散骨をする必要があります。

【解説】

1 遺骨遺棄罪との関係

① 海洋散骨はグレーな行為と言われることがありますが、散骨が「グレーな行為」と指摘される背景には、遺骨を廃棄することを禁止した遺骨遺棄罪という犯罪があることが挙げられます。
② 刑法190条は、「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。」と規定しており、遺骨を遺棄することは犯罪となります。
③ 散骨は、文字通り遺骨を地面や海面に撒く行為です。遺骨をお墓や納骨堂に入れずに撒くという行為は、一見すると遺骨を遺棄しているようにも見えてしまいます。
④ そこで、海洋散骨は遺骨遺棄罪に該当するのではないかという指摘がされていました。もっとも、そもそも、刑法190条の保護法益は死者に対する社会的風俗としての宗教的感情と言われています。
⑤ そうであれば、もし遺骨を海に撒くという行為をしていたとしても、それが死者に対する礼節を欠くような態様ではなく、死者を弔う一環として行われているのであれば、わざわざ犯罪とする必要がありません。
⑥ そこから、遺骨遺棄罪における「遺棄」とは「社会通念上埋葬と認められない態様で放棄すること」と理解されています。すなわち、「社会通念上埋葬と認められる態様」であれば、遺骨を撒いたとしても直ちに遺骨遺棄罪にはならないのです。
⑦ そして、海洋散骨が「社会通念上埋葬と認められない態様」であるかについては、平成2年に法務省刑事局が「刑法第190条の規定は社会的習俗としての宗教的感情などを保護するのが目的だから、葬送のための祭祀で節度を持って行われる限り問題ない」という見解を述べたとされています。
⑧ このような見解を述べたか否かについては意見が分かれており、見解が述べられたという確認は取れておりません。
⑨ しかし、その後の海洋散骨の状況を見る限り、「節度を持って」散骨をしている限り、いきなりそれが刑事罰の対象になるという事態は考えづらいと言えます。

2 墓地埋葬法との関係

① また、海洋散骨は墓地埋葬法に記載がないことも、グレーな行為だといわれる理由でもあります。
② 墓地や埋葬方法については、墓地埋葬法に定めがあります。確かに、墓地埋葬法4条1項は「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。」とするのみで、埋葬と焼骨の埋蔵しか規制の対象にしておらず、散骨に関する記述は一切ありません。
③ もっとも墓地埋葬法は規制をするための法律ですので、墓地埋葬法に散骨に関する記述がないということは、散骨は墓地埋葬法で規制をしていないということであり、規制がされていない以上は禁止されていません。
④ この点、散骨が墓地埋葬法の規制の対象か否かについては、厚生省の生活衛生局が平成10年6月に発表した「これからの墓地等の在り方を考える懇談会報告書」という報告書から読み解くことができます。
⑤ 報告書においては、「散骨は、墓地埋葬法の立法当時、社会的事実がなかったためにあえて規定しなかったものと考えられる。」としたうえで、「散骨が公衆衛生上の問題を生じたり、社会通念上国民の宗教的感情を損なうような形で行われるのでなければ、現行法上特に規制の対象とする必要がないというのが現在の行政の考え方であり、これは是認できるものである。」としています。
⑥ 「墓地、埋葬等に関する法律の疑義について」(平成26年6月3日健衛発0603第1号回答)は、ご遺族が故人の意志を尊重し、公衆衛生その他の公共の福祉に問題を生じないように節度を持ってご遺骨を自然に撒くことは、墓地埋葬法において、直接禁止させるものではないとしています。
⑦ これらのことからしても、厚生労働省も、散骨は原則として規制の対象になっていないと考えていることが伺い知れます。
⑧ 地方自治体によっては、海洋散骨のために改葬許可証を発行してくれるところもあります。その場合、改葬場所の欄に「散骨する海域」を、改葬理由として「散骨」という記載をしてくれます。
⑨ 改葬許可証は、地方自治体が発行する公的な文書です。公的な文書である改葬許可証に「散骨」の記載をしてくれる自治体があることからしても、海洋散骨がグレーな行為ではなく、実務上適法な行為として扱われていることが分かります。

3 ガイドラインの公表

① 令和3年3月31日、厚生労働省のホームページにおいて、「散骨に関するガイドライン(散骨業者向け)」が公表されました。
② 厚生労働省が散骨に関するガイドラインを公表したことにより、散骨が違法か適法かという議論には終止符が打たれたといえるでしょう。
③ この「散骨に関するガイドライン」は近年、葬送の在り方に関する国民の意識の変化に伴い、新たな葬送として散骨が広がりつつあるところ、このような状況を踏まえ、令和2年度厚生労働省労働科学特別研究事業「墓地埋葬をめぐる現状と課題の調査研究」において、散骨に関する調査研究が実施され、同調査研究において、取りまとめられたとされています。