【終活・遺言・相続相談】相談例41 自筆証書遺言書保管制度

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【相談内容】
相談者(81歳男性)から、「自筆証書遺言を役所で保管してもらえる制度ができたと聞いたので利用してみたいが、どのようなメリット・デメリットがあるのか」と相談された。

【検討すべき点】
自筆要所遺言書保管制度は、令和2年7月10日からスタートした制度で、自筆証書遺言の原本を法務局(遺言書保管所)で預かる方法です。費用が安価で、公証役場との打ち合わせや検認手続きがいらない等のメリットがありますが、公正証書遺言を選択した方がよい場合もあります。

【1】遺言書保安制度の概要

① 遺言書保管制度は、法務局における遺言書の保管等に関する法律によって創設されました。詳細な手続の説明は法務省や法務局のホームページをご覧ください。
② 大まかにいえば、作成した自筆証書遺言を封入しないまま遺言書保管所(法務局)に持参し、本人にまちがいないことを証明し、手数料3,900円を払って、これを預ける制度です。
③ 遺言者が亡くなった場合には、相続人らは、法務局に対して遺言書の有無を照会し、その結果については遺言書保管事実証明書の交付を受け、さらに、遺言書が保管されていた場合には、その内容を確認できる遺言書情報証明書の交付を受けます。
④ 遺言による不動産の相続登記や預貯金の解約手続きは、この遺言書情報証明書で行うことができます。

【2】他の遺言方法との比較

① 保管制度を利用しない自筆証書遺言の場合、証人は不要、形式・内容の確認はなされず、作成費用は無料、保管方法は遺言者自身の保管、紛失・隠匿・偽造のリスクはあり、発見できないケースがあり、検認手続きは必要で、相続人や受遺者への通知制度はありません。
② 保管制度を利用した自筆証書遺言の場合、証人は不要、形式の確認がなされ、手数料は3900円要し、遺言書保管所(法務局)が保管、紛失・隠匿・偽造のリスクはなく、遺言書の検索が可能、検認手続きは不要、相続人・受遺者への通知制度があります。
③ 公正証書遺言の場合、証人は2人必要、形式・内容の確認がなされ、公証人手数料が発生、公証役場で保管、紛失・隠匿・偽造のリスクはなく、遺言書の検索が可能、検認手続きh亜不要、相続人・受遺者への通知制度はありません。
④ 保管所保管の自筆証書遺言と公正証書を比べてみると、前者の方が作成は簡単で費用も安く済みますが、遺言書保管所の保管官は自筆証書遺言の形式要件を確認するだけで、その内容の適否には立ち入りません。したがって、遺言の内容が複雑な場合や、相続人間に厳しい対立があり、遺言無効などが予想されるような場合や、遺言書保管所へ自ら出向き、本人が手続きをすることができない場合は、公正証書遺言をお勧めします(公証人は遺言者の居所に出張してくれる)。

【3】相続人等への通知

① 特定財産承継遺言によって相続登記の名義変更手続きを行う場合、保管制度を利用しない自筆証書遺言では検認手続きが必要で、相続人全員に検認の審判期日を知らせる通知が送られます。
② 保管制度を利用した自筆証書遺言でも、相続人、遺言書に記載されている受遺者、遺言執行者等(これらを合わせて「関係相続人等」といいます)に対する関係遺言書保管通知や、あらかじめ指定された関係相続人等の1名に対する死亡時の通知によって、相続人全員に遺言があることが明らかになります。
③ これに対して、公正証書遺言で特定財産承継遺言を行い、かつ、遺言執行者を指定しなかった場合は、遺言執行者から相続人に対する遺言内容の通知や財産目録の交付の手続がないので、他の相続人が被相続人の死亡や遺言の存在を知らないうちに、受遺者たる相続人によって相続手続きが行われることがあります。

[終活・遺言・相続相談]相談例40 公正証書遺言

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【相談内容】
遺言をしたいという相談者に公正証書遺言の方法を勧めたところ、「では、公証役場に行って相談すればいいんですね」と言われた。

【検討すべき点】
公正証書遺言をお勧めすると、まっすぐ公証役場に行けばいいんだと勘違いされる方がいます。もちろん公証役場でも簡単な相談には応じるでしょうが、認証機関ですから手取り足取りとはいきません。相談者が希望を明らかにし、士業が様々な要因を検討して遺言書の案文を作成し、公証人が確認するという三段階で遺言書を作成すべきことをうまく説明する必要があります。

【1】遺言の重要性

① 世間では遺言書は簡単に作成できると考えられています。自筆証書遺言が認められているのですから、あながち間違いではありません。
② しかし、遺言書は数千万円から数億円にも及ぶ遺産の最終処分を決める文書ですし、長期間経過後にはじめて発効し、その処分に対して大きな利害関係を持つ複数の相続人がいて、遺言書に不備や不都合があった場合には、血で血を洗う親族間の紛争になります。
③ したがって「遺言書は簡単作れるが、良い遺言書を作ることは難しい」ことを、相談者に理解していただくことが肝要です。

【2】公証役場の性格

① 公証役場は、公正証書の作成、私文書の認証、確定日付の付与等を行う役場(認証機関)であり、全国約300か所に設置されています。
② 公証人は、独立採算制で、公証人法によって任命され、証明や認証の業務に当たります。もっとも、公証人には、刑事畑の元裁判官や元検察官も多く、必ずしも、家庭裁判所で相続関連の事件を扱っていたという経験があるわけではありません。
③ これに対して、遺言・相続を専門としている弁護士や行政書士は、日常的に遺言・相続に関する相談を受けて経験を積んでいます。ですので、相談者の意思の確実な実現とリスクヘッジを両立させる内容の遺言書を作成するためには最も適しているはずです。

【3】士業に遺言書作成を依頼する意味

① 公正証書遺言は公証役場に相談して作ってもらえれば足りるはずだという相談者の考えは、遺言書は自分でも作成できるのだから大して難しい作業ではない、公証役場の公証人が遺言書案を考えてくれるのなら手間も省ける、公証人(お上)が作るので安全だという感覚によるものと思われます。
② しかし、公正証書遺言を作成する場合でも、公証人が遺言能力を認定するわけではないので、遺言無効となる場合もありますし、公証人は特別受益等の事情も確認しませんので、相続開始後に遺留分侵害額請求を受けるといったリスクは考慮されません。
③ したがって、漠然と公正証書遺言なら安全だと考えるのは早計ですし、公証人自身が遺言書案を起案する立場でもないことを説明して、士業に遺言書作成を任せるように勧めます。

【4】遺言書作成費用

① 士業を経由せず、公証役場に相談しようという相談者には、士業の費用は高いはずだし、払いたくないという気持ちがあります。
② 弁護士にお願いする費用は各事務所で提示する金額になります。しかしほとんどの弁護士事務所では、旧日本弁護士連合会報酬等基準によっているところが多いのが実態です。それによれば、定型の遺言書の場合、10万円から20万円、非定型の場合、経済的利益の額によって金額が異なり、例えば、遺産総額が4000万円の場合の非定型遺言書案作成弁護士費用は、53万円になります。
③ 一方行政書士事務所では、遺産額にかかわらず、定額でご提示するケースが多く、その金額も10万円から20万円の間がほとんどです。
④ 銀行等の「遺言信託」という公正証書遺言書案作成と公証役場との調整、及び遺言執行者就任のサービスを提供する商品の場合、基本価格が50万円以上で遺言執行費用は財産額に応じてとするケースがほとんどです。
⑤ 公正証書作成費用も必要になります。こちらは公証人手数料令で定められており、遺産と法律行為の数に応じて金額が決まるようになっております。日本公証人連合会のHPに金額積算根拠が明示されています。

【5】公正証書遺言作成の方法

① 遺言者から相続関係者の構成、遺産の内容、遺言者の希望を聞き取り、遺言書案を作成します。この時点で遺言者及び関係者の戸籍・住民票・不動産登記事項証明、固定資産評価証明等を取り寄せ、預貯金通帳等により、遺産の額を確認します。
② 遺言書案が固まれば、戸籍、不動産登記事項証明、固定資産評価証明書などとともに、公証人に送付し意見を求めます。登記手続きに不安がある場合は司法書士にも確認します。
③ 公証人と遺言書原案を基に内容を検討し、遺言書の内容を固め、遺言者の了承を取り付けます。
④ 公証人と日程調整をして、遺言者と証人とともに公証役場に出頭する日時を決めます(公証人に出張していただく場合もあります)。
⑤ 約束の日に、遺言者、証人とともに公証役場に出頭します。公証役場では印鑑証明書と実印などを使用して本人確認が行われます。
⑥ 遺言者から遺言内容の口授を受け、公証人が遺言書の読み合わせをして、内容に間違いがないかを確認します。
⑦ 間違いがなければ、公正証書遺言の原本に遺言者と証人が署名捺印をし、公証人が署名捺印した上で、正本と謄本を受け取ります。その場で公証人手数料を支払います。

【終活・遺言・相続相談】相談例39 自筆証書遺言

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【相談内容】
相談者(77歳男性)から、便箋に鉛筆で書いた自筆証書遺言の案を見せられ、「市販の指南書を手掛かりに、このとおり遺言書を書いてみた。これでよければ清書するが、問題があれば教えて欲しい」と相談された。

【検討すべき点】
このようなケースの相談も良く見受けられます。相談者の中には自信満々の方もいらっしゃり、どこから指摘するか迷う程の場合もありますが、遺言の方法に関しては、自筆証書遺言の短所を説明して、公正証書遺言を勧め、自筆証書遺言に固執されるなら、自筆証書遺言書保管制度を利用するように勧めます。短時間ですべてを説明することは難しいので、遺言内容は要点のみを指摘し、失礼の無いように再考を促します。

【1】自筆証書遺言の形式的要件の確認

① 民法968条による自筆証書遺言の形式的要件(全文自書・日付・署名・捺印)や相続財産目録の添付方法や加除等の変更について説明し、持参された遺言書案が無効にならないかを確認します。
② なお、指南書を手掛かりに遺言書を書くほどの方ならば、遺言能力は問題ないでしょう。

【2】自筆証書遺言の短所の説明

① 自分一人で作成するため、形式的要件を誤解したり、書き損じると、遺言が無効になってしまう。
② 内容についてもチェックしてくれる人がいないので、必要なことを書き漏らしたり、矛盾する内容だったり、意味が明確でない遺言書となったりすると、思い通りの効果を得られない。
③ いったん書いた遺言書を誰かに偽造、変造、隠匿される危険性がある。
④ ③の危険性を避けようと思えば、隠して保管する必要があるが、そうすると相続開始後に発見されない(あるいは発見が遅れる)可能性がある。
⑤ 検認手続きに1~2か月の時間を要する。特に、封印した遺言書は検認まで内容を知ることができないので(民法1004条3項)、相続手続きの初動が遅れる。

【3】自筆証書遺言が好まれる理由

① 後期高齢者(75歳以上)を対象にした平成29年度の法務省調査によれば、「遺言書を作成したことがある」と答えた方(11.4%)のうち、自筆証書遺言は6.4%、公正証書遺言は5.0%でした。
② また、同じ調査で、「作成したい」と回答した方(38%)のうち、自筆証書遺言を選ぶ方が25.3%、公正証書遺言を選ぶ方が12.7%でした。
③ つまり、現実には、公正証書遺言より自筆証書遺言を選択したいと考えている方が多いわけで、この事情を踏まえて、自筆証書遺言保管制度が創設されました。
④ 自筆証書遺言に根強い人気があるのは、自分だけで手軽に作成できる、費用がかからない、極めて私的なことなので誰かにとやかくいわれたくない、家族にも知られずに作成できるといったことが理由と思われます。最近では、指南書の類が多く出版されていることも一役買っているのでしょう。
⑤ したがって、「自分で書いてみた」という自筆証書遺言案を持ち込まれる方に対しては、無理に公正証書遺言を勧めるのではなく、自筆証書遺言保管制度の利用を紹介した方がよいと思われます。

【4】遺言の指南書

① 一般向けの遺言の指南書としては、遺言書キットやエンディングノートがあります。
② 遺言書キットは、自筆証書遺言の書き方を指南した冊子と、遺言用便箋、封筒、台紙をセットにしたもので(書籍と文具の双方の性格を持つようです)、今では、多くの会社から類似の商品が販売されております。
③ 指南の内容は典型的な数例を挙げているだけですので、一般の方が、これを参考にして、個別の事案にカスタマイズすることは容易ではありません。
④ 上記の特徴からすると、これらの指南書を利用して「書いてみた」という遺言書案については、相談者の意図や想いが正確に反映されていない可能性があります。

【5】内容に関するチェックポイント

① 相談者が持参された遺言書案については、形式的要件のほか、以下の点を確認します。
1. 遺言者の意思は明確になっているか(遺言者の意思解釈が問題にならないか)
2. 「相続させる」「遺贈する」「取得させる」等の使い方は適切か
3. 特定財産承継遺言(民法1041条2項)なら、その財産は特定されているか
4. 相続分の指定になっていないか。なっていれば遺産分割協議を容認する趣旨か
5. 一部遺言ではないか、包括条項が記載されているか
6. 将来の変化に対応した予備的遺言(条件付遺言)は必要ないか
7. 遺言執行者の指定と権限の内容
8. 相続債務や葬儀費用等について配慮されているか
9. 遺留分権利者の遺留分を侵害する可能性はあるか
10. 相続人の気持ちを逆なでする記載がないか
② もっとも、法律相談で問題を発見してもそのすべてを正確に説明する時間はないでしょうし、相談者の方も、短時間での指南を咀嚼して理解することは困難です。
③ 相談を受ける士業としては、「ここも違う」「この表現は問題になる」など、粗さがしのようになり安い場面ですが、相談者の気持ちを損ねないよう配慮しながら、的確に問題点を指摘するにとどめ、それでも迷うようであれば、有料の相談で時間を十分に取りお越しいただくように勧めるべきです。

【終活・遺言・相続相談】相談例38 遺言書を書かせたい相談

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【相談内容】
相談者(55歳男性)から「弟(53歳)と仲が悪いので、将来、相続でもめることは避けられない。今のうちに父(80歳)に遺言書を書かせたいのだが、なかなか書いてくれない。頑固な父に何とか遺言書を書かせる方法はないか」と相談された。

【検討すべき点】
父親に無理に遺言書を書かせるわけにはいきません。どうすれば父がその気になってくれるかです。このような場合には、父親の立場に立って、何が不安で、なぜ遺言書を書こうとしないのか、その理由を考えていくしかありません。「専門家から遺言書を書くように説得してくれ」という依頼を受けることもありますが、遺言書の有効性などを説明することはできますが、説得はしません。

【1】高齢者の立場

① 父親が遺言を書いてくれないという場合、いくつかの原因が考えられます。第一は、父親が認知症等で事理弁識能力がなく、相談者が頼んでいる内容が理解できない場合です。これは遺言能力の問題で、そもそも遺言書の作成は不可能です。
② 第二は、父親に判断能力があり、相談者が遺言書を書いてくれと頼んでいることは理解しているものの、相談者の言いなりに遺言書を作成したのでは、次男に申し訳ないと思い、作成していないケースです。この場合、次男とともに二人で、遺言書を作成するようにお願いすれば、父親が遺言書を書いてくれるかもしれません。
③ 第三は、父親には判断能力があり、相談者が遺言書を書いてくれと頼んでいることは理解しているものの、いったん遺言書を書いてしまうと、子らが言うことを聞かなくなり、施設に放り込まれるのではないか、蔑ろにされるのではないかという不安から遺言書の作成を拒否しているケースです。高齢者からすれば、財産の処分は自分に残された最後のカードであり、それを奪われたくないという気持ちがあるのは自然なことです。

【2】説得の方法

① 父親の内心まではわかりませんが、上記の三つのケースが多いように感じます。そうした場合に高齢者に遺言書を書いてもらうためには、どうしたらいいのでしょうか。
② 相談者からストレートに、「相続紛争のリスクが高いから遺言書を書いて欲しい」という頼み方があります。しかし、それは、相続人の都合であって、父親に何らメリットはありません。
③ 次に「相続紛争になれば、多額の相続税を払うことになる」という理屈も、その時にはこの世にいない父親には響きません。「早く書かないとボケるから」というのは逆効果です。
④ さらに、弟の非をあげつらい、相談者の希望する内容の遺言書を書くように頼んでも、父親は「考えておく」と言った反応でしょう。
⑤ であれば、できるだけ父親の話し相手になって、父親に感謝の気持ちを表し、父親の不安を一つずつ払しょくしていくしかないと思います。
⑥ 例えば、老後の資金は十分だし、いざとなれば自分が助けるとか、介護が必要になった場合はどのように対応するとかいった具体的な生活設計を説明し、対価を求めず、入通院の付き添いや買い物などの世話をしていくうちに、父親も少しずつ心を開いてくれるかもしれません。
⑦ なお、昭和生まれの高齢者は横並びの意識が強いので、統計が助けになるかもしれません。平成30年の公正証書遺言作成件数は110,471件で、令和元年の遺言書検認審判事件の新受件数は18,625件でした。二者を単純に合計して論じるのは適切ではないかもしれませんが、最近では、約15万人以上が遺言書を作成していると言われます。

【3】周囲を翻弄する高齢者

① 一方、遺言書を書くといって推定相続人の子どもたちを呼び集め、御託を並べてはみるものの、結局遺言書を書かないという高齢者もおられます。
② 本人はいたって真面目に「誰に何を相続させるか、大所高所から真剣に考えている。みんなの意見を聴きたい」とおっしゃるのですが、はたから見ていると、高齢者特有の良くあるパフォーマンスにしか見えません。
③ つまり、子どもたちの忠誠心を試し、「最後まで自分を大切にした者を優遇してやる」という行動にしか見えないのです。このような高齢者は、むしろ遺言書の内容を確定したくないので、劇的な変化がなければ、どこまでいっても遺言の内容は確定しません。
④ これも相続紛争のよくある原因ですので、士業が高齢者本人から相談を受けた場合には、やんわりとになりますが、たしなめることになります。
⑤ もっとも相続人の立場では踏み込むことができませんので、原則通り、父親が自発的に遺言書を書こうと思うような、行動をとるしかありません。遠回りのようですが、父親に寄り添い、世話をして、心を開いてもらうしかありません。

【終活・遺言・相続相談】相談例37 遺言能力

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【相談内容】
相談者(55歳女性)から、「母(83歳)は物忘れがあって認知症の診断を受け、昨年から要介護2で施設に入所している。母の相続で弟(50歳)ともめたくないので遺言書を書いて欲しいが、認知症だと遺言書はかけないのだろうか」と相談された。

【検討すべき点】
認知症と言っても様々な程度があり、直ちに遺言能力を失うわけではありません。したがって、相談者の母の状況を詳しく聞いて、遺言が可能かどうか考えます。確定的なことはいえませんし、相続開始後に遺言の効力を争われることもありますから、争われない遺言書を作成するための工夫も必要です。

【1】遺言能力

① 「遺言能力」とは、一般に、物事に対する一応の判断力(誰に何を相続させるのか理解していること)を持っている状態で、遺言をするには遺言能力が必要です。
② 言動がしっかりしている場合は遺言能力を意識することはありませんし、意思表示がきわめて困難なら遺言書の作成は無理だと指摘します。
③ しかし、遺言者が認知症でその中間にある場合は、遺言能力がなかったとして遺言無効を争われる可能性があると考えておくべきです。
④ 遺言の有効性が問題になったときは、認知症の程度、遺言書作成時の状況、遺言書作成に至る過程などを総合的に勘案して遺言能力の有無が判断されます。
⑤ その判断はいつも事後的です。そこで、相談者に対しては、認知症の診断を受けている母が遺言書を書く際には、何に注意すべきかを説明することになります。

【2】遺言書作成の準備

① 日常生活では、遺言者の生活や介護の状況をビデオ撮影したり、介護日記などに記録するよう勧めます。
② ちなみに、他の相続人から、「母がこんな遺言書を書くはずがない」などと指摘されることがありますが、ビデオや録音などで遺言者が普段から繰り返して同じ趣旨のことを言っていたことが明らかなら、そうしたトラブルを招くこともありません。
③ かかりつけ医に対しては、遺言者の様子や言動をカルテに記載してもらうよう頼みます。長谷川式簡易知能評価スケール等の検査を実施してもらうことも重要です。
④ そして、かかりつけ医から「遺言は書けると思います」といった言葉がもらえるなら、その旨を記載した診断書を作成してもらうべきでしょう。医師がその診断書を書いても遺言能力があると確定できるわけではないのですが、重要な証拠になります。
⑤ なお、長谷川式簡易知能評価スケールは30点満点で20点以下で認知症の可能性が高いと言われ、10点以下では高度認知症の可能性が高いと言われています。なお、アルツハイマー型認知症でも遺言書作成時にはしっかりしている方もおられ、例外的ですが、長谷川式簡易知能評価スケールで10点以下(4点)でも、看護師との会話などの状況から遺言能力ありとされた判例(京都地判H13.10.10、東京地判H17.3.29)もあります。

【3】遺言書の作成

① 実際に遺言書を作成する場合について、遺言書の種類としては公正証書遺言を勧めます。公正証書遺言は証人2人の同席のもとで公証人が作成しますので、後日、遺言の有効性を争われる可能性が低くなりますし、形式的有効性も担保できます。
② 相談例でみると、要介護2とのことですので、公証役場へ出かけることは出来そうですし、公証役場に行けば、遺言者も気が張って、しっかり受け答えできることもあるでしょう(もちろん公証人に出張してもらうことも可能です)。
③ 次に、遺言の内容についてですが、認知症がある遺言者でも無理なく理解できる程度の簡単なもの(そしてできるだけ全相続人に公平なもの)に留めておくべきでしょう。その意味で複雑な内容を含む、予備的遺言や節税対策を施した上で各相続人や受遺者別に細かく財産を相続(遺贈)させる内容はお薦めできません。
④ そして、公証役場に出発するときの状況や公証役場での様子は、ビデオで撮影することを勧めます。なお、相談例では、介護認定の際の認定調査票や主治医意見書も資料となりますが、これらの資料は遺言能力の判断を目的にしたものではないので、それだけで決定的な意味を持つわけではありません。

【終活・遺言・相続相談】相談例36 遺言の時期

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【終活・遺言・相続相談】相談例36 遺言の時期についての記事です。

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【相談内容】
相談者(61歳女性)から、「先日、親しくしていた友人(63歳)が脳出血で亡くなり、ショックだった。私も万一に備えて、長男(33歳)、次男(27歳)、三男(25歳)に遺産分けをする遺言書を作成しておきたい」と相談された。

【検討すべき点】
高齢になってからの遺言では、遺言能力が疑われ、遺言無効の訴訟を招くこともあります。ですので、「遺言書は早目にかいておくべきだ」と言われますが、若ければ若いほど良いというわけでもありません。と申しますのも、遺言書作成後相続開始までの期間が長すぎると、その間の状況変化に対応するため複雑な条件を付けた予備的遺言が必要となる場合があるからです。

【1】早すぎる遺言

① 相談者(61歳女性)の平均余命は28.25年です。そこで28年後、相談者が89歳で亡くなると仮定すると、その時長男は61歳、次男は55歳、三男は53歳になっています。
② しかしその28年の間に、3人の子は、就職・転職・事業の成功・失敗・結婚・離婚・出産・育児・自宅の購入などのイベントを経験していることでしょう。
③ もしかしたら、どなたかが不慮の事故で早世しているかもしれません。また、相談者も大病を患い、介護が必要となり、遺産が目減りしているかもしれません。
④ 一方、女性の健康寿命は75歳で、認知症も60歳代ではほとんど認められません。したがって、相談例の場合は、大病の前兆があるなどの事情がない限り、遺言を急ぐ必要はないと言ってもよいでしょう。
⑤ しかし、相談者は不安を抱えておられる様子です。遺言書を作成することにより、その不安を取り除けるのであれば、遺言書の作成をためらう必要はありません。
⑥ もっとも、遺言書作成後、相続開始までの間に相当期間が経過するでしょうから、特に相続人や遺産の変化については条件分けが必要になります(予備的遺言)。

【2】急ぐべき遺言

① 一方、高齢者の場合には遺言を急ぐ必要があります。見たところお元気そうでも、遺言書の作成をためらったり、内容にこだわりすぎているうちに相談者が他界し、「あの時遺言を作成しておけば」と後悔することがあります。
② また、一命をとりとめたとしても、事故や心疾患、脳血管性疾患の後遺症で、遺言能力を失うこともあります。
③ したがって、高齢者からの遺言の相談では、さりげなく相談者の健康状態を伺い、その危険を判断すべきです。その結果あまり時間がない可能性があると思われるときには、財産の特定や条件分けの検討に時間をかけることなく、遺言書を作成すべきでしょう。
④ このような場合、完璧な遺言書に固執する必要はありませんし、公証人との打ち合わせが待てない場合には、とりあえず自筆証書遺言を書いていただくことを勧めます。
⑤ なお、遺言者が病床にあり、かつ、切迫している場合で、自筆証書遺言の要件を充足できないならば、危急時遺言を検討します。
⑥ 危急時遺言では、3名以上の証人の立会いや遺言の日から20日以内に家庭裁判所による確認が必要になるなどの要件があります(民法976条)。

【終活・遺言・相続相談】相談例35 遺言の要否

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【終活・遺言・相続相談】相談例35 遺言の要否についての記事です。

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【相談内容】
相談者(78歳男性)から、「もし私が死んだら、相続人は「妻(60歳)と、離婚した前妻との間に出来た長男(50歳)の2人になる。2人は仲も良いし、大した財産もないので、大丈夫だと思うが、それでも遺言書を作っておくべきなのか」と相談を受けた。

【検討すべき点】
遺言を残すべきケースと残さなくても良いケースがあります。後妻と前妻の子が共同相続人になる場合は、遺言が必要となる代表例です。両者が表面的に上手くいっているように見える場合でも、遺言書を作成するようお勧めします。

【1】後妻と前妻の子

① 後妻(及びその子)と前妻の子が相続人の場合の遺産分割は高確率でもめます。と申しますのも、多くの場合両者は没交渉で、とても話合いができるような関係にないからです。
② とりわけ後妻が前妻との離婚原因に関与していた場合(不倫、略奪婚)や、被相続人が高齢になってから再婚した場合(財産目的と思われる場合)には、前妻の子は、後妻に対して、極めて厳しい感情を抱きます。
③ そこで、現在の妻とどのようにして結婚に至ったのか、その結婚について長男の同意を得ていたのかといった事情まで相談者にお聞きすることになります。
④ 後妻と前妻の子の間に波風が立ったことがなくても、例えば、相談者がワンマンの会社経営者だったりすれば、2人とも相談者の機嫌を損ねたくないため、表面上は仲良くやっているのかもしれません。しかし、そうであれば相談者がいなくなれば、不仲が表面化するでしょう。
⑤ したがって、後妻と前妻の子の関係は、それ自体がリスク因子ですから、共同相続人のためにも、遺言を勧めます。

【2】大した財産がない

① 相談で遺言を勧めたときに、「私には大した財産がないから」と言われることは多くあります。
② 相談者が謙遜されている可能性もありますが、多くは、はじめての経験に対する警戒や逡巡があるからではないかと思います(大した財産はないと言いながら、数千万円の財産があることがほとんどです)。
③ それに、遺産が数十万円、数百万円でも争族(相続紛争)になることはありますし、そもそも紛争になるかどうかは、遺産の額ではなく、むしろ共同相続人の感情や生活状態によるところが大きいので、遺産が少なければ紛争にならないということにはなりません。
④ 尻込みしている相談者を理屈で説得しようとしても、納得してもらえなければ意味はありません。この相談者は迷っておられるのだなと、考えて、財産額の話は追及しないほうがよいと思います(資産の多寡に関する評価や受け止め方は、個人差が大きい事柄です)。

【3】遺言が必要な類型

① 後妻と前妻の子というパターン以外にも、特に遺言をお勧めする類型があります。第一に、子のいない夫婦の場合、一方配偶者(被相続人)が死亡すると他方配偶者のほかに兄弟姉妹(又は甥・姪)が相続人として舞台に登場します。
② しかし、他方、配偶者と被相続人の兄弟姉妹や甥・姪は、もともと疎遠であることが珍しくなく、ときには面識すらない疎遠な者同士で遺産分割協議することは甚だやりにくいものですから、遺言を残すべきです。
③ 第二に、内縁の夫婦の場合、ほかに一人でも相続人がいれば、内縁の配偶者には何も残りません。したがって、相続開始後の内縁配偶者の生活を守りたいと言うならば、そしてそのために生前贈与を選択しないならば、遺言書は必要不可欠です(配偶者居住権も内縁の配偶者には適用されません)。
④ 第三に、婚外子や半血の兄弟姉妹がいる場合は、相続人の間に信頼関係がないことが多いと思われます。そうすると感情的なもつれが生じやすいので、遺言が必要です。
⑤ 第四に、、養子縁組をしている場合、実子と養子の間でもめることが少なくありません。特に、被相続人が養子縁組をしたことを実子に知らせていないケースでは、「なぜ君がここに座っているのか」というところから話が始まります。
⑥ 第五に、共同相続人の中に、高齢で意思能力に問題があったり、海外在住している者がいたり、音信不通(行方不明)の方がいる場合は、すぐに遺産分割協議が行なえないため、円滑に相続手続きを行うためには遺言書が不可欠ですし、あわせて遺言執行者も指定しておくべきです。
⑦ 第六に、すでに相続人同士が反目している場合や、相続人間で不公平が生じやすい場合には、遺言が必要です。たとえば、相続人の内、一人だけが被相続人を介護している場合(寄与分)、相続税対策によってすでに推定相続人間に不均衡が生じている場合(特別受益)、遺産の評価が問題になったり、遺産を分配しにくい場合(自宅不動産や自社株式など)、賃貸不動産の承継、負債の承継などが絡む場合などは、迅速かつ円満な遺産分割を期待できませんから、遺言が必要でしょう。

【4】遺言が不要なケース

① これに対して、親一人子一人の家族構成ならば、親の財産はそのまま一人の子に相続されるので、基本的に遺言は不要です。両親と子一人の家族構成の場合も、やがては子が両親の財産を承継するので、格別の事情がない限り、遺言は不要です。
② これに対して、子が複数の場合は、争族の可能性はないと言い切れる場合は別ですが、原則として遺言をお勧めします。
③ なお、若くして遺言を作成された場合、その後の人生の状況に変化が生じ、その都度、遺言内容の見直しや場合によっては、新たに作成することが必要になってきます。

【5】相談者に対するアドバイス

① 相談例ですが、家庭の内情は不明ですし、遺言書作成について必ずしも積極的ではありません。ただし、後妻と前妻の子のケースでは遺言書を書いていただくべき典型例ですので、相談者のご家庭の事情をよく伺いながら、これから先に起こるであろうことを一緒に想像し、遺言で何ができるのかを説明することになります。
② 相談者は今のままで何不自由ないかもしれませんが、遺言を残すことは、妻のためにも子のためになもなることを理解してもらえればと思います。また、妻と前妻の子の直接対立を避けるために、遺言執行者の指定を勧めるべきではないでしょうか。

【終活・遺言・相続相談】相談例25 配偶者税額軽減と小規模宅地の特例

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【相談内容】
相談者(75歳女性)から、「夫(87歳)には自宅などの不動産はあるが現預金が少ない。だから、夫が亡くなって多額の相続税がかかることになると払いきれない。配偶者控除や小規模宅地の特例といった方法が使えるのか、教えてもらいたい」と相談された。

【検討すべき点】
配偶者税額軽減(配偶者控除)と小規模宅地の特例は、ともにたいへん効果的な相続税対策です。
両制度の共通点として、遺言又は相続税申告期限までの遺産分割成立が条件であること、相続税申告して初めて適用が受けられること、申告期限までに遺産分割が成立しない場合には未分割申告して、いったん特例の適用を受けない相続税を支払う必要があることが挙げられます。

【1】配偶者税額軽減

① 「配偶者税額軽減」とは、被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈などにより実際に取得した正味の遺産額のうち、1億6,000万円か、配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い方までは、配偶者に相続税はかからないという制度です。ただし、仮装又は隠蔽されていた財産は含まれません。
② 配偶者税額軽減は、遺言があるか、又は遺産分割協議が成立していて、申告期限内に相続税を申告することによって適用されます。
③ 10か月の申告期限内に遺産分割がない場合には、いったん法定相続分通りに相続したものと仮定して未分割の申告を行い、その後3年以内に遺産分割が成立すれば、この制度を利用することができます(修正申告と更正の請求が必要です)。
④ 配偶者税額軽減は相続税申告の際の事後的な方法ですが、遺言書を作成する際にも相続税の負担軽減にために検討しますから、相続税対策の一つといえます。
⑤ 高齢者夫婦の相続に関して言うと、一次相続では配偶者税額軽減を利用できますが、二次相続では(再婚していない限り)利用できません。したがって、一次相続では、「全ての遺産を配偶者に相続させる」といった遺言書を作成して配偶者税額軽減をフル活用したくなるものですが、一次相続で他方配偶者に資産を集中させると二次相続での紛争リスクが高まります。

【2】小規模宅地の特例

① 小規模宅地の特例は、事業又は居住の用に供されていた宅地のうち相続人等の生活基盤維持のため欠くことができないものにつき、通常の評価方法による価額を減額する(土地の評価額を最大8割下げることができる)制度です。
② 小規模宅地の特例の具体例としては、・特定住居用宅地等(被相続人等の居住用の用に供されていた宅地等で330㎡まで80%減)、・特定事業用宅地等・特定同族会社事業用宅地等(事業用の宅地等で400㎡まで80%減)、・貸付事業用宅地等(不動産貸付用の宅地等で200㎡まで50%減)などがあります。
③ 特定住居用宅地等の取得要件について、説明します。被相続人が住んでいた土地なら、配偶者がそれを取得した場合は無条件、居住していた親族なら相続税申告期限まで居住継続・保有継続の両要件を満たすことが条件で、同居していない親族でも、相続開始前3年以内に自己又は配偶者の所有家屋に住んだことのないこと等の条件を満たせば適用されます。
④ 次に被相続人と生計を一にする親族が居住していた場合は、・配偶者なら無条件、親族なら継続居住・保有継続要件を満たすことが必要です。
⑤ その他、要介護の親が介護施設に入っている場合でも、入所前の自宅で賃貸していなければ居住用財産になるなどの細かい条件設定があります。
⑥ これらの要件には例外等もありますので、必ず、税務署・税理士への照会や国税庁のホームページで確認していただく必要があります。
⑦ 小規模宅地の特例を受けるためには、配偶者税額軽減の場合と同じく、遺言か、相続税申告までの遺産分割によってその不動産の取得者を確定させ、かつ相続税申告を行う必要があります(適用の結果相続税額が0円の場合でも申告が必要です)。

【3】相談者への説明

① 相談者に対しては、配偶者税額軽減は利用できるものの、配偶者に遺産を集中させすぎると問題があることを説明し、小規模宅地の特例については、夫が亡くなった場合、誰が自宅等の土地を相続するかによって変わるので、税理士に相談するように勧めます。
② 配偶者税額軽減や小規模宅地の特例も、遺言か遺産分割の成立が条件なので、すんなりと遺産分割が成立しそうにないなら、認知症等が進む前に夫に遺言書を書いてもらうようアドバイスします。

【公正証書遺言の特徴】

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■ 公正証書遺言の【長所

・公証人が作成→法定の方式を誤り無効となることがない

・公証人が遺言者の遺言能力と意思を確認→訴訟の際、証人がいる。

・原本が公証役場に保管→偽造、改ざん、隠匿、紛失の恐れがない

・遺言者の死後、相続人等利害関係者は検索が可能

・家庭裁判所での【検認】手続きが不要

■ 公正証書遺言の【短所

・公証人により作成→遺言の内容を公証人や証人が知ることとなる

・作成手数料が発生

・作成時、公証人に提出する書類を収集する手間

・証人を2人確保する必要

・作成までに公証人との調整などで日数を要する

【公正証書遺言の方式】

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■ 公正証書遺言

●公証人が法律で定める方式に従って作成する遺言。
・公証人→公文書である公正証書を作成する、公証人法で法務大臣に任命される元裁判官や元検察官等の者

■ 公正証書遺言の作成場所
●原則→公証役場で作成
●例外→遺言者が高齢・病気・身体の状態などで公証役場へ行くのが困難な場合、公証人が遺言者の元へ出張して遺言書を作成可能。出張の場合別途費用発生

●公正証書遺言は次の方式に従って作成
①証人2人の立会(証人になれない者→未成年者、推定相続人、受遺者等)
②遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授(口頭で説明すること)
③公証人が、口授を筆記し、遺言者及び証人に読み聞かせ又は閲覧
④遺言者及び証人が、筆記が正確と承認後、各自署名し、押印
⑤公証人が、この証書が法の定める方式に従い作成した旨付記し署名押印

■ 公正証書遺言作成時に必要な書類

①遺言者本人の印鑑登録証明書(運転免許証/マイナンバーカード/パスポートも可)
②遺言者と相続人の続柄がわかる戸籍謄本
③財産を相続人以外の人に遺贈する場合、その人の住民票
④遺産に不動産が含まれる場合、登記事項証明書及び固定資産評価証明
⑤財産内容を記した書類、証人・遺言執行者の氏名・職業・生年月日のメモ

■ 公正証書遺言作成時の公証人手数料【公証人手数料令】で定め。(以下抜粋)

・五百万円を超え一千万円以下:17,000円(1億円以下の場合11,000円加算)
・一千万円を超え三千万円以下:23,000円
・三千万円を超え五千万円以下:29,000円
・五千万円を超え1億円以下 :43,000円
・1億円を超え3億円以下  :43,000円に超過額五千万円毎13,000円加算
(このほかに出張時の日当、病床加算、正本や謄本の用紙代などが必要。)