【終活・遺言・相続相談】相談例32 終末期医療に関する相談

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【相談内容】
相談者(73歳女性)から「10年前に義母を見送ったが、意識がないまま延命されてかわいそうだった。自分のときには、家族に迷惑をかけたくないが、どうしておけばよいか」と相談を受けた。

【検討すべき点】
終末期にどのような治療を望むか望まないかはその人の自己決定によるべきですが、終末期には意識を消失していることが多く、意思を伝えることができません。そこで、最近では、延命治療についてのリビング・ウィル(生きている間の意思)を公正証書で残しておく方法が勧められています。

【1】延命治療

① 「延命治療」とは病気の根治ではなく、延命を目的とする治療です。今日では医療技術の発達により、患者の意識がなくなっても気管切開、人工呼吸器、胃瘻(いろう)、輸血、輸液などによって延命を図ることができるようになりました。
② たとえば、胃瘻は、嚥下障害などで栄養などの経口摂取が困難な患者に対し、人為的に胃に瘻孔を作ってチューブを留置し、食物や水分や医薬品を投与する医療処置です。ちなみに、約10年前ほどまでは、終末期の認知症や寝たきりの患者にも積極的に胃瘻が造設されていました。
③ しかし、それは患者が望んでいないことではないか、かえって患者を苦しめているのではないか、家族にも迷惑をかける、いったん延命治療を始めると中止できなくなるといった批判がありました。
④ こうして、高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドラインでは、経口摂取の可能性を適切に評価し、胃瘻導入の必要性を確認し、本人の人生にとって何が最善かを追求するといった方針が提言され、この頃から、胃瘻、気管切開、人工呼吸器などの延命装置は徐々に減っています。

【2】安楽死と尊厳死

① 一般に「安楽死」とは、終末期の苦痛から患者を開放するために死期を早めることで、致死性の薬物投与などにより積極的に死期を早める方法(積極的安楽死)と、治療を開始せず、又は治療を中止して死期を早める方法(消極的安楽死)に分類できるとされています。
② 一方「尊厳死」とは、末期がん患者など治癒の見込みのない人々がQOL(生命・人生の質)と尊厳を保ちつつ最後のときを迎えることをいい、治療は麻薬などによる疼痛管理などに限られるとも言われますが、消極的安楽死との違いははっきりしていません。

【3】リビング・ウィル

① 終末期になれば、いずれ延命治療をするか否かの選択を迫られます。しかし、医療機関からすれば、本人や家族の同意のないまま延命治療を見送り、あるいは中止した場合には、後日、遺族から糾弾される可能性があります。
② また、稀ですが、家族の複数(例えば子どものいない夫婦など)が同時に終末期を迎えた場合には、死亡の先後によって法定相続人や相続分ががらりと変わりますから、延命治療を競うようになる場合もあります。
③ そこで、こうした混乱を避けるために、事前に、自分の意思(リビング・ウィル)で、どちらを選択するかはっきり決めておくべきだと言えるのです。
④ もっとも、延命治療の選択は財産管理契約・任意後見契約・見守り契約等の対象ではありませんし、そもそも相続開始前のことですので、遺言の対象にもあたりません。そこで、尊厳死宣言公正証書の作成が勧められています。
⑤ なお、遺言公正証書は遺言者の生前でも手元の正本や謄本で内容を確認できますから、公正証書遺言の中に尊厳死の条項を加えても良いように思えます。しかし、そうすると生前に相続人に遺言内容を知られることになるので、公正証書遺言とは別に尊厳死宣言の公正証書を作成するべきでしょう。