【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q37 心付け・追加サービスの支払義務など

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【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q37 心付け・追加サービスの支払義務などについての記事です。

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【Q37】葬儀の実施に当たり、葬儀社から、当初の契約による葬儀社への支払のほか、運転手・火葬場職員・会食の際の配膳人へのチップなどの心付けを支払うよういわれることがあると聞きました。
また、葬儀の際に追加のサービスをしたとして、追加料金の支払を求められる場合もあるようです。これらは支払う義務がありますか。

【POINT】
① 葬儀サービスの場合の寸志・チップなどの支払義務の有無
② 追加サービスの対価の支払義務
③ 不当利得の考え方

1⃣ チップ・心付けとは
① 「チップ」とは「サービスや芸などに対する慰労や感謝の気持ちとして与える少額の金。心付け。祝儀」との意味。「心付け」とは、「世話になる人に感謝の気持ちを示すために与える金銭や品物。祝儀。チップ」といった意味であると国語辞典などでは説明されています。
② いずれにしても、感謝の気持ちを表すために少額の金銭などを渡すものを指しているということで、契約に基づいて提供されるサービスの対価として支払うべき法的な債務ではないということです。
③ 古くから、旅館の仲居さん、冠婚葬祭でお世話をしてくれる人などに、少額の金銭を心付けとして渡す習慣があったことは事実です。
④ 契約社会が浸透してきている現代社会では、契約に基づく対価関係が中心となり、このような習慣もすたれてきているようです。
⑤ 以上のように、心付けやチップというものは、あくまでも感謝の気持ちを表すためのもので、契約に基づいて法的に支払う義務があるものではありません。
⑥ 質問は「支払う義務はあるか」というものです。法的な支払義務はあるのか、つまり支払わないときに裁判に訴えることで支払いを強制できる性格のものか、という意味になろうかと思います。
⑦ このような観点からは、法的な支払義務はないということになります。感謝の気持ちを表すために支払っても良いし、対価を適正に支払っているのだからと支払わなくても構いません。

2⃣ 追加サービス
① 葬儀の実施の際に、葬儀社の判断で、契約では約束していなかったサービス業務などを行う場合が見受けられます。例えば予想以上に会葬者が多く、受付の人員を増員したなどです。
② 契約内容になかったサービスの提供などが必要となった場合、契約者と協議をして、合意に基づいて行うことが基本です。この場合には、追加サービス提供についての契約が締結されているので、消費者は、契約に従って追加の料金を支払う義務を負います。
③ 問題は葬儀社の判断だけで追加サービスを提供し、後日、追加サービスの対価を当然に請求することができるのか、消費者は支払義務を負うのかという問題です。
④ 対価の支払義務は、契約によって生じます。したがって、葬儀社だけの判断で提供したものは、追加サービスの提供に関する契約はないので、契約に基づく対価の支払い義務はないということになります。

3⃣ 不当利得をめぐる問題
① 葬儀社が勝手に行った追加サービスについては、消費者は常に一切支払わなくても良いのでしょうか。実は契約によるものではないからといって、常に一切の支払義務はないとは言えないという難しい問題があります。
② 民法には契約などがないにも関わらず、相手の労務の提供などによって利益を受けた者は、そのために相手に損失を与えている場合に限って、自分が得た利益の限度で返還しなければならないという規定があります。
③ つまり、契約などの法的根拠がないのに、相手の労務の提供などによって結果的に利益を得てしまった場合の清算について定めているわけです。
④ 以上のように、いかなる経緯で葬儀社が契約内容とはなっていない追加のサービスの提供をすることになったのか、追加サービスの内容、それによって消費者が得た経済的利益の有無と金額などによって対処が違ってくることになります。