【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q49 異なる宗教の霊園の墓地購入

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【Q49】私は、キリスト教を信仰しています。「過去の宗旨宗派は問いません」という広告を見て、霊園の墓地を見学しました。その霊園では、霊園を経営する寺院の信者にならなければならないと聞かされました。墓地は公共性が強いものなので、このようなことは許されないと思いますが、いかがでしょうか。

【POINT】
① 墓地の経営母体による違い
➁ 寺院の信教の自由との調和

1⃣ 墓地の種類
① 「墓地」と一口に言っても、現実にはいくつかの形態にわけることができます。例えば、墓地の経営母体に着目して分類すると、まず、⑴国や地方公共団体が経営する「公営墓地」、⑵それ以外の「民営墓地」に分けられます。
➁ そして、民営墓地についてさらに、㋐寺院が経営する「寺院墓地」、㋑その他宗教法人や公益法人が経営する「公益法人墓地」とに分けることができます。
③ 墓地を経営する主体がこれらのうちのどのような団体であるかによって、ご質問のような条件を付すことについての可否は異なります。

2⃣ 公営墓地
① 公営墓地の場合は、宗旨・宗派による制限は一切ありません。経営主体である国や地方公共団体が特定の宗教と結びつくことは、憲法によって禁じられています。
➁ したがって、公営墓地について、墓地使用権者を宗旨・宗派により限定することは、憲法上の問題が生じ、許されません。

3⃣ 寺院墓地
① これに対し、伝統的な寺院墓地では、その寺院の墓地使用権者になるためには、当該寺院の檀徒となることが必要とされているのが一般的です。
➁ その背景として、江戸時代幕府がすべての者をいずれかの寺院に所属させる寺請制度を採用し、宗門人別帳を一種の戸籍のように用いたことから、寺院ではその寺院に帰依する檀信徒のみが埋葬されてきました。その慣行が現在まで存在しているのです。
③ もう一つに、寺院には信教の自由が保障されていることがあります。墓地の使用を、自寺院の檀信徒のみに限定することは、信教の自由すなわち寺院の宗教活動の自由に含まれると考えられます。
④ そこで、寺院が自寺院の檀信徒のみに墓地の使用を認めることについては、法律上何ら問題ありません。ご質問のような条件を付することは違法ではありません。

4⃣ 公益法人墓地
① 伝統的な寺院墓地を除いた寺院経営墓地やその他の公益法人経営墓地(俗に霊園墓地と呼ばれることが多い)では、宗旨・宗派を問わないのが一般的です。
➁ 墓地の経営母体が寺院であっても、自宗派以外の者に対し、墓地の使用を認めることもまた信教の自由、寺院の宗教活動の自由に含まれるからです。その他の公益法人の場合には、特定の宗教団体が母体ではないからです。
③ もちろん、このような霊園墓地においても、霊園使用権者を霊園経営主体の宗旨の信奉者に限るとするものもありますが、墓地購入者を広く募集するという観点から、宗旨・宗派を問わないとする場合が多いように見受けられます。

5⃣ 墓地購入後に改宗した場合
① もっとも、当初、ご質問のような条件に同意して墓地を購入し、当該寺院の信者となったものの、その後、他の宗教を信仰するに至り改宗した場合には、前記寺院墓地といえども、埋葬自体を拒否することはできません。
➁ これは「埋葬拒否」の正当理由の有無という形で争われました。裁判例では、寺院の信教の自由よりも墓地使用権者の信教の自由が優先すると考え、寺院は改宗者の埋葬そのものを拒絶できないとしています。公衆衛生の観点からも埋葬拒否は許されないと考えられます。
③ 一方、埋葬の際に行う典礼に関しては、裁判例は、反対に寺院の信教の自由が優先し、墓地使用権者が他宗派による典礼を望む場合でも、寺院はこれを拒否することができるとしています。