【相続・遺言について】養子・非嫡出子・相続放棄の場合の相続分

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回は、【相続・遺言】に関して、養子・非嫡出子・相続放棄の場合の相続分について考えてみたいと思います。

世田谷の相続・遺言・成年後見は090-2793-1947までご連絡を

 

【Q】次の場合、法律上相続の割合はどうなるのでしょうか?

1. 養子の場合

2. 非嫡出子(法律上の婚姻関係にない男女間の子)の場合

3. 相続放棄が行われた場合

 

【A】◆1.養子の場合

①父親の死亡後、母親が死亡し、実子2名と養子2名がいある場合

子4名の法定相続分は、それぞれ1/4となります。

養子の法定相続分(相続の割合)は、実子と同じです。

 

②普通養子が配偶者も子もなく死亡し、実母と養父母がいる場合

実母と養父と養母の法定相続分は、それぞれ1/3となります。

普通養子縁組(一般的な養子縁組)の場合、養親と親子関係が生じますが、実親との親子関係が消滅する訳ではありません。

 

③特別養子が配偶者も子もなく死亡し、実母と養父母がいる場合

養父と養母の法定相続分は、それぞれ1/2となります。

特別養子縁組をすると、実親との親子関係が終了します。従って、特別養子縁組の場合、実母は相続人ではありません。

 

◆税金の知識

相続税の基礎控除額、生命保険金の非課税限度額、死亡退職金の非課税限度額、相続税の総額の計算を行う場合、法定相続人の数を基に計算を行いますが、この相続人の数に含める養子の数は次の通り制限されます。

①被相続人に実子がいる場合・・・含まれる養子は一人まで。

②被相続人に実子がいない場合・・・含まれる養子は二人まで。

但し、特別養子、配偶者の実子で養子縁組した子、及び、配偶者の特別養子で養子縁組した子の場合は、上記計算では実子と扱われます。

 

◆2.非嫡出子(法律上の婚姻関係にない男女間の子)の場合

①母親の次に父親が死亡して、嫡出子2人、非嫡出子1人がいる場合

ア 父親が平成25年9月5日以降に死亡した場合、法定相続分は、それぞれ1/3になります。

イ 非嫡出子の相続分は、嫡出子の相続分の1/2と規定されていました(民法900条4号但書前段)。しかし平成25年9月4日に最高裁判所は、この民法の規定について不平等で憲法に違反すると判断しました。これを受けて、同年12月5日に民法の一部を改正する法律が成立し、この規定が削除され、嫡出子と被嫡出子の相続分は同等となりました。改正後の規定は、平成25年9月5日以降に開始した相続に適用することとされました。

ウ ただ、上記最高裁判所の判断においては、上記民法の規定が遅くとも平成13年7月当時には憲法違反であったとしつつも、この最高裁判所の判断は、同月から平成25年9月4日までの間に開始された相続について、遺産分割の審判などにより確定的なものとなった法律関係には影響を及ぼさないとしています。

他方、平成13年7月1日から平成25年9月4日までの間に開始した相続について、同月5日以後に遺産の分割をする場合には、最高裁判所の憲法違反の判断に従い、嫡出子と非嫡出子の相続分は同等のものとして扱われることになります。

② 非嫡出子が配偶者も子もなく死亡し、実父母がいる場合

実父、実母の法定相続分は、それぞれ1/2となります。

非嫡出子であることは影響しません。

 

◆3.相続放棄が行われた場合

相続を放棄すると、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます。

なお、相続放棄は、相続開始前の死亡ではありませんので、放棄をした人の子には代襲相続は生じません。

配偶者と子と子の代襲相続人の全員が相続放棄をした場合、直系尊属が相続人となります。

次に直系尊属が相続放棄をすると、兄弟姉妹が相続人となります。

次に兄弟姉妹が相続放棄をすると、相続人不存在となります。

相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人とされ、利害関係人の請求によって家庭裁判所が相続財産管理人を選任します。

 

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