【相続・遺言について】遺留分侵害額請求権に関する紛争解決手続

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回は、【相続・遺言】に関して、遺留分侵害額請求権に関する紛争解決手続について考えてみたいと思います。

世田谷の相続・遺言・成年後見は090-2793-1947までご連絡を

 

【Q】遺留分侵害額請求に関する紛争を解決する手段にはどのようなものがあるのでしょうか?また、各手続でのポイント、注意点など教えてください。

 

【A】◆1.紛争が生じた場合
相続人の遺留分が侵害されて遺留分侵害額請求に関する紛争が生じた場合の解決手段としては、①家事調停の申立て、②民事調停の申立て、③遺留分侵害額請求訴訟を提起することが考えられます。

 

◆2.家事調停の申立て
遺留分侵害額請求は、被相続人の相続をめぐる紛争ですから、原則として「家庭に関する事件」として調停前置主義が適用されます。このため遺留分侵害額請求に関する紛争の解決手段としては、まず家庭裁判所に遺留分侵害額請求調停の申立てをすることになります。
家事調停の申立てには、当事者及び法定代理人のほか、申立ての趣旨及び理由等を記載した申立書を家庭裁判所に提出して行います。
管轄裁判所は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で決める家庭裁判所となります。

申立書には、被相続人の死亡による相続の開始、遺留分の侵害となる被相続人の遺贈又は贈与の存在、申立人と相手方(受遺者・受贈者)との関係、被相続人の遺産(負債も含む)の内容と評価額、遺留分侵害額請求の意思表示の存在などを可能な限り特定して記載する必要があります。
遺留分侵害額請求は、一般調停事項となりますので、調停が不成立となった場合は、別途民事訴訟を提起して、解決を求める事が必要になります。

遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が相続の開始又は遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知ったときから1年が経過した場合や、相続開始から10年経過した場合は、消滅し行使できなくなります。このため遺留分侵害額請求の意思表示をした事実を証拠として残しておく必要があります。
調停の申立書は、民事訴訟の場合の訴状と違って、裁判所から相手方に対して、送付の事実を証明する方法では送られませんので、消滅時効にかけないために、申立書の記載とは別に、遺留分侵害額請求の意思表示を内容証明郵便でしておくことが重要です。

なお今回の民法改正によって遺留分侵害額請求権は金銭債権が発生する仕組みとなりました。このため、遺留分侵害額請求権行使のときから5年(改正債権法施行までは10年)が経過した場合には、この債権は時効により消滅しますので、ご注意ください。

 

◆3.民事調停
遺言により財産が相続人以外の第三者に贈与されるなどして、相続人と第三者との間で紛争が生じた場合、民事に関する紛争として、民事調停の申立てをすることも考えられます。しかし、家庭裁判所は、遺留分侵害をめぐる紛争について蓄積があり、相続人以外の第三者に対する調停の場合でも、一般的には家事調停が利用されます。

 

◆4.遺留分侵害額請求訴訟
調停が不成立となった場合は、民事訴訟を提起することになります。
管轄裁判所は、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所のほか、相続開始時における被相続人の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所にも管轄権があります。
遺留分侵害額請求訴訟では、原告は被告に対して、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することになります。
被告が不動産を取得していた場合など、直ちに金銭を準備できない場合もあります。このような場合を考慮して、裁判所は、被告の請求により、遺留分侵害額債務の全部又は一部の支払いにつき相当の期間を許与(猶予)することができるという規定が今回の民法改正で新設されました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です