【改正民法債権編】催告による解除

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回は、【改正民法債権編】に関して、催告による解除について考えてみたいと思います。

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催告による解除

軽微な不履行による解除はできないことを明文化

 

◆催告による解除の要件
法定解除にあたっては、債務者に履行のチャンスを与えるために、債権者が履行を催告し、それでも履行されない場合に、初めて解除権が発生するのが原則です。これを「催告による解除」といいます。

催告による解除の要件は以下のとおりです。
①債務者が債務を履行しないこと
②債権者が相当の期間を定めて履行を催告したこと
③期間内に債務が履行されないこと
④債権者が債務者に対し解除の意思表示を行なったこと

このうち①の債務不履行には、履行遅滞・履行不能・不完全履行の3種類があることには触れました。ただし、、履行不能の場合には、無催告解除が可能なので、ここで問題になるのは履行遅滞と不完全履行になります。

 

◆軽微な不履行による解除ができないことの明文化
実際に債務を履行していなければ、契約を解除されても仕方がないかもしれません。しかし、たとえば、製品の部品として1万個の商品を納入しなければならない場合に、仮に納品した商品が1個不足していたとしても、契約の解除を甘受しなければならないのでしょうか。
これまでの判例では、次のような場合には、催告による解除を認めないと解釈してきました。
①不履行の程度が軽微である場合(たとえば、不履行の部分が数量的にわずかである場合)
②付随的な債務の不履行にとどまる場合(たとえば、土地の売買契約において、買主が、所有権移転登記までの固定資産税を負担する旨の義務を履行しない場合)
新法では、この点を明文化し、旧法541条に、ただし書として「債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるとき」には、解除することができないと加え、軽微な不履行による解除はできないことを明確にしました。

不履行の内容が軽微かどうかは、契約と取引上の社会通念に照らして個別的に判断されます。そのため、客観的には軽微な不履行であっても、契約の目的達成のために重要な債務であれば、その不履行が軽微ではないと判断される可能性があります。
たとえば、先ほどの製品の部品の例で、部品の数が1個足りないとしても、その1個が製品のために極めて重要な場合もあり得ます。
このようなときは、契約や取引上の社会通念に照らして軽微ではないとして、催告による解除が認められることになります。

 

◆「軽微な不履行」と「目的を達成できないとき」との関係
無催告解除が可能な場合の要件として、「契約の目的を達することができないとき」が挙げられています。
つまり、同じ債務不履行に基づく解除について、催告による解除は「債務不履行が軽微か否か」、無催告解除は「契約の目的を達成できるか否か」で、解除の可否が変わってくることになります。

不履行の重大性(軽微、軽微ではない、目的達成不能)と解除の可否については以下のとおりです。
催告解除の可否
軽微=できない:軽微ではない=できる:目的達成不能=できる
無催告解除の可否
軽微=できない:軽微ではない=できない:目的達成不能=できる

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