【改正民法債権編】詐害行為取消権の行使方法

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言が得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。

今回は、【改正民法債権編】に関して、詐害行為取消権の行使方法について考えてみたいと思います。

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詐害行為取消権の行使方法

裁判において被告になる者、具体的な行使方法等を規定

 

◆裁判における相手方
(1)「被告」になる者
裁判において訴える者を「原告」、訴えられた者を「被告」といいます。詐害行為取消権は、裁判所において行使する必要があるため、債権者は「原告」となって訴訟提起します。

このとき訴えられる者、つまり「被告」になるのは、受益者に対して詐害行為取消権を行使する場合は「受益者」、転得者に対して詐害行為取消権を行使する場合は「転得者」です(新法424条の7第1項)。
債権者は、受益者または転得者を被告として訴えるのであって、債務者は被告になりません。

(2)債務者に対する訴訟告知
詐害行為取消権を行使する裁判において、債務者は「被告」にはなりませんが、債権者は、債務者に対して「訴訟告知」をしなくてはなりません(新法424条の7第2項)。
訴訟告知を受けた債務者は、「原告」である債権者と、「被告」である受益者または転得者との裁判に参加することができ、債務者自身の主張等を行なうことができます。

 

◆詐害行為取消権の行使方法
(1)受益者に対する詐害行為取消権の行使
受益者に対して詐害行為取消権を行使する場合、債権者は、債権者が「原告」となり、受益者を「被告」として、裁判所に対し、次のことを求めることができます(新法424条の6第1項)。
①債務者が行なった詐害行為の取消し
②詐害行為によって受益者に移転した財産の返還

②の財産の返還は、実際に受益者に移転した財産そのものの返還(現物返還といいます)が原則です。
しかし、現物返還が困難な場合には、移転した財産の価額の償還(価額償還といいます)を求めることができます。

(2)転得者に対して詐害行為取消権を行使する場合、債権者は、債権者が「原告」となり、転得者を「被告」として、裁判所に対し、次のことを求めることができます(新法424条の6第2項)。
①債務者が行なった詐害行為の取消し
②転得者が転得した財産の返還
②の財産の返還は、受益者に対する詐害行為取消権の行使の場合と同様、現物返還が原則ですが、現物返還が困難な場合には、価額償還を求めることができます。

 

◆債権者への支払いまたは引渡し
債権者は、受益者または転得者に対して求める現物返還の内容が、金銭の支払いまたは動産の引渡しであるときは、自己(債権者)に対して直接、支払いまたは引渡しを求めることができます。受益者または転得者は、債権者に対して支払うか、または引渡した場合には、債務者への返還義務を免れます(新法424条の9)。
また、債権者が、受益者または転得者に対して現物返還ではなく、価額償還を求める場合でも、自己(債権者)への直接の支払を請求することができます。

 

◆取消しを請求できる範囲
詐害行為の内容が可分(たとえば、金銭の支払い)である場合には、債権者は、被保全債権の債権額の限度においてのみ、詐害行為の取消しを請求することができます(新法424条の8)。

また、債権者が、現物返還ではなく、価額償還を求める場合も、債権者は、被保全債権の債権額の限度においてのみ、詐害行為の取消しを請求することができます。
他方、詐害行為の内容が、不可分である場合には、債権者は、被保全債権の債権額にかかわらず、詐害行為全部の取消しを求めることができます。

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