【任意後見制度】任意後見契約の手続 任意後見人の職務と義務3

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見契約の手続 任意後見人の職務と義務3について考えてみたいと思います。

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【4】任意後見事務の報告

(1)報告時期

本人につき、認知症等の症状が現れ、任意後見が開始されたときは、任意後見監督人が選任されます(任意後見契約法4条1項)。その場合、任意後見人は、その事務内容を、家庭裁判所ではなく任意後見監督人に対して報告しなければなりません(任意後見契約法7条2項)。

報告時期は、任意後見契約書には、「任意後見人は、任意後見監督人に対し、〇か月ごとに、本件後見事務に関する次の事項について書面で報告する。」などのように記載されます。通常は3ヶ月に1回くらいの頻度で報告すると規定されているのが一般的です。

しかしながら、報告時期の間隔は自由に定めることができますし、また、例えば6か月ごとの報告と規定された場合でも、任意後見監督人はいつでも、任意後見人に対し任意後見の事務の報告を求め、任意後見人の事務、本人の財産の状況を調査することができるとされています(任意後見契約法7条2項)。

そのため任意後見人は、規定された報告時期以外であっても、任意後見監督人の指示に従って報告や調査に応じ、帳簿や預金通帳の提示などに協力する必要があります。

ちなみに、任意後見監督人は、家庭裁判所に対し、任意後見人の事務に関し定期的に報告する(任意後見契約法7条1項2号)必要がありますが、実務上は、毎年1回任意後見監督人選任審判が確定した月に報告を求められることが多いようです。

(2)報告内容

任意後見人は、身上監護及び財産管理に関する任意後見事務につき行なった内容を報告することになりますが、具体的には次のようなものが考えられます。なお、任意後見監督人の家庭裁判所への報告書や法定後見人の家庭裁判所への報告書の内容が参考になるでしょう。

ア 定期的に報告をする必要がある事項

① 本人の財産の管理状況(処分したり取得した財産内容)
例えば、不動産・有価証券等重要な財産を処分または取得をした場合はその処分または取得の時期・理由・相手方等を報告することになります。
② 本人を代理して受け取った金銭及び支払った金銭の状況
金銭の状況を会計帳簿等に記帳しておくことが必要でしょう。
③ 本人の身上監護について行なった措置
④ 後見事務を処理するために必要とした費用の支出及び使用状況
費用を支出した時期・理由・相手方などその使用状況を会計帳簿等に記帳しておくことが必要でしょう。
⑤ 財産目録及び収支状況報告書
実務は、任意後見監督人選任申立時、任意後見監督人選任時、任意後見監督人が選任されてから1年ごと、任意後見の終了時に作成するのが通例です。

イ 定期的な報告以外のもので報告すべき事項

① 本人や任意後見人の生活環境に変化があった場合
本人が入院した場合や本人の住所が移転した場合など、本人の生活環境に変化が起こった場合には定期報告以外であっても、任意後見人は報告をする必要があるでしょう。
また、任意後見人の住所が移転した場合も後見事務を行うに当たって本人にも影響を与える可能性もありますので、報告をした方がよいでしょう。
② 任意後見人が事故や病気で事務が行なえない場合
③ 任意後見人と本人との利益が相反する行為を行う必要がある場合
例えば、任意後見人または任意後見人が代表する会社などと本人との間で遺産分割協議や売買を行うような場合は、任意後見人と本人との双方の利益が相反しますので、任意後見監督人が本人を代表します(任意後見契約法7条1項4号)。したがって、そのような行為を行う必要がある場合は、任意後見監督人に報告しなければなりません。

ウ 報告事項についての留意事項

親族や友人が任意後見人になる場合、任意後見制度や任意後見人の事務について、必ずしも十二分には理解できていないことが多いので、定期的な報告を含め、報告を適切に行うことに苦慮したり不安に陥ることもあるかと考えられます。

そうしたことを避けるためにも、任意後見監督人が選任された際には、任意後見人は委ねられた事務遂行の権限の範囲やその責任を確認するとともに、金銭出納帳の記帳方法や領収書の整理方法を含めて報告すべき内容などについて、任意後見監督人との話し合いを行うことが望まれます。

(3)任意後見監督人以外の第三者機関などに報告する例
任意後見人(受任者)がリーガルサポート、権利擁護センターぱあとなあ、コスモス成年後見サポートセンター、成年後見支援センターヒルフェの登録会員の場合には、それらの団体に対して定期的に事務処理状況を報告し、必要な場合には、その組織・団体から指導・助言を受けることができることになっていて、契約条項中に、報告することについて本人が同意する旨の規定が置かれている場合があります。

もとより、契約当事者になっていない者に事務処理状況を報告することは、本人の秘密を開示することになりますので、秘密の開示につき、本人に対し、そのような報告する趣旨を十分に説明してその同意を得ることが必要です。