【終活・遺言・相続相談】相談例49 遺産の調査

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【終活・遺言・相続相談】相談例49 遺産の調査についての記事です。

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【相談内容】
相談者(61歳女性)から「1か月前に施設に入っていた母(89歳)が他界した。施設に入る前に母と同居していた弟(58歳)からは何の報告もない。弟に知られずに、母の遺産を知る方法はないだろうか」と相談された。

【検討すべき点】
相続が開始した場合、被相続人と同居していなかった相続人から、「同居していた相続人が明らかにしてくれない遺産を調査したい」と相談されることはよくあります。相談者自身でできる遺産調査方法を説明しますが、できれば、同居の相続人から任意に開示してもらうよう勧めます。

【1】不動産の調査

① 被相続人名義の不動産については、相談者も存在を把握している可能性が高いでしょう。その場合には、その不動産の全部事項証明書や固定資産税評価証明書を入手し、さらに非課税の不動産を含めて漏れがないよう非課税込みで名寄帳を取り寄せるよう勧めます。
② 被相続人から他の相続人に対して自宅購入資金を提供した可能性がある場合(特別受益)には、被相続人がその不動産の共有持分を持っている可能性がありますので、その不動産の全部事項証明書も入手します。
③ 土地の評価については、固定資産税の評価額のほかに、国税庁の路線価図・評価倍率表で路線価を確認します。固定資産税評価額は実勢価格の7割、路線価は実勢価格の8割とされているので、固定資産税評価額を0.7で、路線価を0.8で割り戻せば、おおよその実勢価格が把握できます。
④ 遺産分割では不動産の評価が問題になるので、固定資産税評価額、路線価、おおよその実勢価格を早めに把握することには意味があります。

【2】預貯金の調査

① 預貯金・株式・投資信託等については、思い当る金融機関に出向き、除籍謄本や戸籍謄本によって相続人であることを証明し、相続開始時の残高証明書と現在までの取引履歴(通常は10年間の履歴、解約済み口座を含む)を取得します(株式等については、株式会社証券保管振替機構に対して必要書類を郵送して照会します)。
② 金融機関への照会の際には、名寄せや全店検索も要請します。これらの作業は相続人本人に行なっていただくほうが簡便ですが、二度手間にならないように、行政書士や弁護士等が代理人として、調査した方がよいかもしれません。
③ 開示された銀行口座の取引履歴に、電気・ガス・水道・電話・NHK・保険料・介護施設利用料・固定資産税・住民税等の引落や、年金の受給履歴がない場合は、ほかに口座がある可能性が高いので、被相続人の生活圏にある別の金融機関に調査の範囲を広げます。
④ 特に、高齢者は郵便貯金や農協を利用していることが多いので、ゆうちょ銀行とJAバンクへの照会は必須です。ただし、ネット銀行・ネット証券・暗号資産(仮想通貨)等の遺産は、被相続人のスマートフォンやパソコンを調べないと判明しないことがあります。
⑤  このような方法で得られた取引履歴の中で、母がかくしゃくとしていた頃に、多額の出金があった場合には、他の相続人への生前贈与(特別受益)の可能性があります。また、母が自分の財産を管理できなくなってから以降に、ATMで数度に分けて不自然な出金があれば、不正出金(使途不明金)の可能性があります。
⑥ なお、相続開始直前の出金も、それが葬儀費用等として通常予想される額を超えていれば、同様に、遺産性が問題になることがあります。

【3】名義預金・現金・動産等の調査

① 現金(預金口座から出金されたもの)、動産(貴金属・時計や高価な服飾品など)、名義預金(被相続人が管理していた親族名義の預貯金口座)は、通例、士業による調査でも判明しません。ただし、自宅の金庫や貸金庫に、現金、金等のインゴット、証券、預金証書、親族名義の通帳などが保管されていることがありますので、それらの開扉の際には必ず立ち会うべきです。
② なお、弁護士や士業に依頼したり、遺産分割調停を申立てれば(家庭裁判所に頼めば)、隠された遺産が明らかになるはずだと期待される方がいますが、その可能性はほぼありませんので、調査には限界があります。

【4】相続債務の調査

① 被相続人が負担している相続債務については、残されたクレジットカードや請求書から判明しますが、非同居の相続人にはわかりません。そこで、不動産に抵当権が設定されていないかを確認し、信用情報の開示請求を行って債務を確認します。
② 信用情報機関への情報開示請求は、除籍謄本や被相続人との関係を証明する戸籍謄本等を揃えて郵送にて申請します。信用情報機関は「JICC」「CIC」「KSC」がありますので、それぞれに情報開示請求を行います。

【5】任意開示

① これらの方法でも、遺産の全てを把握するのは困難ですから、被相続人と同居し、手元に預金通帳等の資料があると思われる相続人に任意に遺産を開示してもらうのが、最も効率的です。
② 相談例では、まだ相続開始後1か月であり、弟は遺産を調査中なのかもしれません。そうだとすれば、いきなり、「遺産を開示しろ」というのでは非常に失礼であり、話がこじれます。
③ そこで、同居の相続人に対しては、「介護費・治療費や葬儀費用は払えたのか、一部負担した方がいいのではないか」、「準確定申告の期限(相続開始後4か月以内)が迫っているが大丈夫か」、「相続税の支払い(相続開始後10か月以内)は大丈夫だろうか」、「負債が多いなら相続放棄(相続開始後3ヶ月以内)を検討した方がいいのか」といったことを婉曲に伝え、同居の相続人が自然に遺産を開示するような流れを作ることをお勧めします。その反応を見てから、遺産の調査にかかっても遅くはありません。

【6】その他の方法

① 相続人全員が同一の税理士に相続税申告を依頼した場合、その税理士からの報告によって遺産の内容が判明することがあります。厳密には遺産ではありませんが、相続開始前3年間の生前贈与や生命保険などは相続税の課税対象ですから(相続税法19条)、それが明らかになることもあります。
② 遺言によって指名された遺言執行者からの相続財産目録の交付(民法1011条1項)によって遺産の内容を把握できることもあります。ただし、遺言執行者による相続財産目録は遺言執行の対象財産に限られますので、過度に期待することはできません。
③ 行政書士や弁護士等士業に遺産調査を依頼すれば、行政書士や士業は相続人に代わって上記の手続を行えますし、不動産や遺留分等の評価も調べられます。ただし、行政書士や弁護士等であっても、基本的に相続人の権限以上のことはできませんので、士業による調査でも全容が解明できない可能性があることにご留意ください。