【孤独死をめぐるQ&A】Q3 相続人の調査① 相続人による戸籍の調査

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【Q3】相続人の調査① 相続人による戸籍の調査

子のいないおじ夫婦が相次いで亡くなりました。私はおじの相続人になるようなのですが、何の付き合いもなかったのでおば側の相続人が誰かが全く見当もつきません。
相続人が誰か調べるにはどのようにすればよいですか。

【A】故人の戸籍を遡り、相続人を調査することになります。

【解説】

1 相続人の範囲

① Q2で解説したとおり、法定相続人の範囲は、配偶者、子(直系卑属)、親(直系尊属)、兄弟姉妹、甥・姪までとなっています。
② そして、配偶者は必ず相続人になり、子、親、兄弟姉妹は順位がつけられています。
③ このことから、故人の戸籍をたどり、配偶者がいるか、子がいる(いた)か、親が存命か、兄弟姉妹や甥・姪がいるか、という点について調査をしていくことになります。

(1)故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得する

① 故人の本籍地の役場において、故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得します。
② 本籍地が分からない場合には、住民票の除票を本籍地の記載ありで取得すると本籍地が判明します。
③ 故人の戸籍謄本を取得すると、故人に存命の配偶者がいるか子がいる(いた)かどうかが分かります。配偶者がいる場合、配偶者が相続人になります。

(2)故人に子がいる(いた)場合

① 故人に子がいた場合、子が存命であることを確認できる戸籍謄本を取得します。子が存命であれば、子が相続人になります。
② また、子が亡くなっている場合、出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得して、孫がいれば孫が存命であることのわかる戸籍謄本を取得します。
③ 子や孫などの直系卑属が存命していない場合、第1順位の相続人はいないことになります。

(3)故人に子がいない場合

① 故人に子がいない場合、故人の父母や祖父母の戸籍を遡って調査します。故人の父母や、祖父母が存命であれば父母や祖父母が相続人になります。
② 故人の父母や祖父母が亡くなっている場合、兄弟姉妹や甥・姪の有無を調査することになります。
③ 故人の両親の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取り寄せ、兄弟姉妹の有無を調査します。兄弟姉妹がいる場合は、兄弟姉妹が存命であることが分かる戸籍謄本を取得します。
④ もし、兄弟姉妹が死亡している場合、出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得して子(故人にとっては甥・姪)がいるかを調べます。
⑤ 兄弟姉妹が死亡しても甥・姪がいる場合、甥・姪が存命中であることがわかる戸籍謄本を取得します。これで相続人の調査は終了です。

2 具体的な戸籍の取得方法

(1)戸籍謄本等を取得することができる人

① 戸籍は個人情報の塊であり、戸籍を取得することができる人の範囲には制限があります。本人、本人と同一戸籍、直系尊属(父母や祖父母)、直系卑属(子や孫)についての戸籍は特に制限なく取得することが可能です(戸籍法10条1項)。
② 本人、本人と同一戸籍、直系尊属、直系卑属以外の戸籍を取得する場合には、戸籍を取得する必要性を説明する必要があります。
③ 例えば、兄弟姉妹やおじおばが亡くなり相続人を調査する必要がある場合、自己が相続人であることを示すために、その人との関係が分かる書類(その人とのつながりが分かる戸籍など)の提出が求められることがあります。
④ 本事例のようにおじの配偶者の相続人の調査や、数次相続などにより遠縁である場合、相続に必要ではあるので、自身が相続人であることを示して戸籍を請求することはできるのですが、縁が遠すぎて役所で断られてしまったと、相談に来られることもあります。

(2)戸籍の取得方法

① 戸籍は、本籍地の役場で取得します。本籍地が転籍や婚姻などを理由に変更されている場合、従前の本籍地での戸籍は、従前の本籍地の役場で取得する必要があります。

ア 窓口での取得
1. 戸籍は、窓口で請求することができます。故人の本籍地が請求者の近くの自治体であれば窓口に行くのが便利です。
2. 窓口において相続人調査である旨を伝えれば、必要な戸籍のうち、その役所にある分は全て出してもらえます。
3. 窓口で請求する場合、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)が必要ですので持参してください。

イ 郵送での取得
1. 戸籍を請求したい自治体が遠いなどの場合には、郵送で戸籍を取得することができます。戸籍の取り寄せに必要な請求書は各自治体のホームページなどで取得可能です。
2. 手数料は一通につき戸籍謄本が450円程度、除籍謄本が750円程度です。手数料は定額小為替という方法で支払うことが多いですが、普通為替、現金書留での支払ができる自治体もあります。なお、定額小為替はゆうちょ銀行で購入できます。
3. 本人等以外の戸籍を取得する場合、事前に当該自治体に連絡をし、自身が戸籍を取得できる事由に該当することを示すためにどのような書類を添付すればよいか確認をしておいた方がよいでしょう。
4. ある役所に申請をしても故人の戸籍がどのくらい種類があるのかは事前にわかりません。そのような場合、請求書に「○○(亡くなられた方)について、出生(又は婚姻)から死亡までの連続した戸籍をすべて各△通ずつ必要」などと記入すると必要な戸籍を送ってもらえます。
5. また、戸籍取得のための手数料についても、ある程度まとまった定額小為替を入れておくと精算をして戻してもらえます。
6. 自治体によっては、事前に金額や定額小為替の内訳を指定されたりもしますので、先に自治体に問合せをして、相続人調査であることについてどのような文言で記載すればよいか、また定額小為替をいくら入れて送ればよいか確認しておくとよいでしょう。

3 戸籍の遡り方

(1)故人の本籍地で戸籍を取得する

① まず故人の本籍地で故人の戸籍を取得します。本籍地が分からない場合には、住民票の除票を本籍地の記載ありで取得すると本籍地が判明します。
② 戸籍を請求する場合、相続人調査であることを示して対象者の連続した戸籍を請求すれば、その役所にある故人の連続した戸籍全部を取得できます。
③ 戸籍が届いたら、対象者の入籍日と従前本籍地を確認します。
④ 従前本籍地は、コンピュータ化された戸籍の場合、身分事項欄の【従前戸籍】という欄に記載があります。
⑤ コンピュータ化される前の戸籍の場合、戸籍事項欄の「転籍届出」という記載や身分事項欄の「××から入籍」などの記載から確認をします。
⑥ なお、戸籍事項欄に戸籍改製との記載がある場合、同一本籍地に改製原戸籍があるので、もし手元になければ改製原戸籍も取得する必要があります。

(2)従前の本籍地に従前戸籍を請求する

① 従前本籍地がある場合、従前本籍地に従前戸籍を請求します。従前本籍地の地方自治体が合併などにより消滅している場合、現在はどの自治体となっているかを調査する必要があります。
② 従前戸籍が届いたら除籍日と次の戸籍の入籍日が一致しているか確認します。除籍日は、対象者の身分事項欄に記載されています。

(3)戸籍の遡りの終了

① 従前戸籍がなくなり、出生による入籍までたどれば戸籍の調査は終了になります。それ以上戸籍が遡れないかは、
・戸籍が編製された日が対象者の出生による入籍日よりも前
・戸籍が編製された日と対象者の出生による入籍日が同じ
になっているかにより判断します。
② なお、昭和22年に家・戸主制度が廃止される前の戸籍は、現在の戸籍とは記載事項が異なるので注意が必要です。

4 戸籍に入らない相続人について

① 父親が婚外子を認知した場合や配偶者がいる者を養子にした場合など、同一戸籍に入らない相続人もいるので、注意が必要です。
② この場合の婚外子や養子の本籍地は認知や養子にした者の戸籍に記載されます。

5 法定相続情報証明の取得

① 戸籍調査により相続人が判明した場合、相続手続に使用するのであれば、法定相続情報証明を取得しておくと便利です。
② 相続手続では、故人の戸籍除籍謄本等の束を、相続手続を取り扱う各種窓口に何度も提出する必要があります。しかし、法定相続情報証明を利用すれば、その後は法定相続情報一覧図の写しを提出することで戸籍除籍謄本等の束を何度も提出する必要がなくなります。
③ 法務局に相続人の確定に必要な戸籍除籍謄本等を全て提出し、併せて相続関係を一覧に表した図を出すと、登記官がその一覧図に認証文を付した写しを無料で交付してくれます。
④ なお、法定相続情報証明の請求ができる法務局は以下の住所地を管轄する法務局から選ぶことができます。
1. 被相続人の本籍地(死亡時の本籍地)
2. 被相続人の最後の住所地
3. 申出人の住所地
4. 被相続人名義の不動産の所在地