【墓地・葬儀のトラブルQ&A】Q89 自宅の庭での墓地の建造

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【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q89 自宅の庭での墓地の建造についての記事です。

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【Q89】先日、最愛の父が亡くなりました。父は生前、亡くなった際には、骨を自宅の庭に埋めてくれと常々言ってました。そこで、父の生前の意思を尊重してお墓を自宅の庭に作って父の遺骨を納めたいと思うのですが、法的に問題はないでしょうか。

【POINT】
① 墓地埋葬法10条の趣旨
② 墓地経営の開設主体

1⃣ 墓地開設には行政の許可が必要
① 墓地埋葬法4条1項では、「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない」と定めています。ご質問者は、お父様の遺骨を自宅の庭に作ったお墓に納めたいとのことですので、これは、「焼骨の埋蔵」にあたります。
② 「焼骨の埋蔵」は「墓地」以外の区域に行ってはならないとのことですがでは、「墓地」とはどのようなものでしょうか。同法2条5項は、「墓地」について、「墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事……の許可を受けた区域」と定義しています。
③ そして、同法10条は、「墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない」と定めています。
④ 以上のように、墓地開設には、行政の許可が必要となります。これは、公衆衛生の確保と国民の宗教的感情の尊重を図るためです。行政の許可を得ずに墓地を開設した場合、6カ月以下の懲役または1万円以上2万円以下の罰金に処せられることになります。
⑤ ご質問者の場合は、墓地開設の許可を行政から得ていないと思われますので、自宅の庭に作ったお墓にお父様の遺骨を納めることはできないでしょう。
⑥ なお、自宅の庭に自家用の墓地を設けるご質問のような場合には、墓地の「経営」は行っておらず、行政の許可は不要ではないかと考えられますが、行政解釈では、個人墓地を新設する場合であっても、墓地埋葬法10条の許可を受けなければならないとしています(昭和27年10月25日付衛発第1025号)。

2⃣ 現状では困難な個人墓地に対する開設許可
① 墓地の経営について、永続性と非営利性が確保されなければならないという趣旨から、墓地の経営主体は、原則として市町村等の地方公共団体でなければならず、これにより難い事情があったとしても宗教法人、公益法人等に限るものとされています(昭和43年4月5日付環衛第8058号)。
② このように、個人墓地の開設は、現在のところ、原則として認められていません。ただ、通達では、山間へき地等人里離れた場所で周りに墓地が全くないなど、墓地を新設しなければならないような特段の事情がある場合は、個人墓地の開設を認めてもよいとしています(昭和21年9月3日発警台85号)が、交通機関が発達し、開発が進んだ現代において、そのような事情がある場合は極めて稀でしょう。
③ したがって、ご質問者が個人墓地について行政に開設許可を求めたとしても、許可が下りる可能性はほとんどないでしょう。

3⃣ 結論
① 以上のように、現状では、墓地開設許可が地方公共団体若しくは宗教法人等にしか認められていませんので、ご質問者が庭にお墓を作って、お父様の遺骨を納めることはできません。
② もっとも「墳墓」とは、「死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設」ですから、慰霊碑をつくり、その中にお父様の遺髪や爪、写真やゆかりの品など死体や焼骨とは関係のない物を納めるのは自由です。