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【葬儀・墓地のトラブルQ&A】Q86 散骨と法律についての記事です。
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【Q86】夫が亡くなり、間もなく四十九日になります。夫は自然が好きでしたので、遺骨は狭い墓石の下に納めたくありません。夫が好きだった海に散骨しようと思いますが、どのような点に注意すればよいでしょうか。
【POINT】
① 散骨とは
② 散骨の法律上の問題点
③ 散骨の仕方
1⃣ 散骨とは
① 散骨とは、遺骨を粉にして山野や海に撒く葬法です。散骨は、自然葬と呼ばれることがありますが、自然葬は散骨より広い概念で、風葬なども含みます。
② 散骨は我が国でも古くから行われていました(万葉集にも散骨の風習が見られます)が、近年注目を集めている散骨は、古代からの伝統を引き継ぐものではなく、墓地用地の乱開発による地球環境の破壊を防止するとともに、自己の死後に関する自己決定権を実現するものとして主張されています。
③ 散骨には、「山野での散骨」、船で散骨地点まで移動して行う「海での散骨」、セスナやヘリコプターで海上を飛び、空から遺灰を撒く「空での散骨」等があります。
④ 散骨は業者や市民団体が行っている場合もありますが、個人的に実施しているケースも多いようです。
2⃣ 墓地埋葬法上の問題点
① 散骨という葬法は、⑴遺体の火葬、⑵遺骨の粉砕、⑶山や海などに遺骨(骨灰)を撒く、という手順で行われます。⑴の遺体の火葬は墓地埋葬法による規制の対象となり、市町村長の許可を受けなければなりませんし、また、火葬場以外で火葬することはできません。
② ⑵の遺骨の粉砕は、次に述べる刑法上の問題が生じますが、墓地埋葬法上は何ら問題はありません。⑶の遺骨を撒く行為は、墓地埋葬法で禁止されている墓地以外の区域での焼骨の埋蔵に該当せず、墓地埋葬法に抵触しません。ただ、近年、陸地での散骨の場合、撒いた焼骨の上に土や落ち葉などをかけているケースがみられるようですが、これは、焼骨の埋蔵に該当する可能性があります。
③ また、すでに墓に納められている遺骨を取り出して散骨する場合は、他の墳墓又は納骨堂に移すわけではないため、改葬には該当しません。したがってこの場合は、市町村長の許可を得る必要がないということになります。しかいs、この点は立法論としては議論の余地があります。
3⃣ 刑法上の問題点
① 次に、散骨は、刑法190条の遺骨損壊罪に該当するのではないかが問題となります。比較的早い時期に散骨を実施した市民団体も、この点を懸念して法務省刑事局に問い合わせています。
② かつて散骨は遺骨遺棄罪に当たるとの見解もありましたが、今日では、散骨が節度をもって行われる限り遺骨遺棄罪にあたらないと一般に解されています。
③ 刑法190条の遺棄とは、習俗上の埋葬等とは認められない方法で放棄することであると一般に解されているのですから、葬送のため祭祀として節度をもって遺骨を撒く行為は遺棄にあたらず、遺骨遺棄罪は成立しないと解されます。
④ ただ、刑法190条(死体損壊等の罪)は、死者に対する社会的風俗としての宗教感情を保護しようとするー個人的法益ではなく、社会的法益に対する罪の範疇に属するーものですので、遺骨を灰にして投棄する場合はともかく遺骨をそのまま海中等に投棄する行為は、たとえそれが死者の意思に沿ったものであったとしても遺骨遺棄罪になると一般に解されています。
⑤ したがって、散骨推進の市民団体が東京都の水源地(都有林)で行ったような、部位が推定できる程の大きさの人骨を撒く行為は、遺骨遺棄罪(刑法190条)になる可能性があります。
4⃣ 民法上の問題点
① さらに、散骨がなされた当該土地所有者・近隣住民などの権利・利益侵害の問題があります。散骨が増加するにつれて、散骨を実施した者と人骨を撒かれた側との間でトラブルが起きるようになってきました。
② 散骨によって自己の所有権等を侵害された場合、地表の土を入れ替えるなどして妨害物の除去が可能であれば、所有権等に基づく妨害排除請求をすることができます。
③ また、不法行為による損害賠償を請求することもできます。ただ、物権的請求権では侵害者の故意または過失を要しませんが、不法行為を理由とする請求では相手方に故意または過失が必要です。
④ 現在、散骨業者は全国で70~80社に上り、中には自治体が知らないうちに散骨を行い、観光地のイメージをそこなったり、その土地にない植物を植えて生態系を傷つけたりする例も出ていると言われております。そのため、散骨を規制する条例を制定している自治体も少なくありません。
5⃣ 散骨の仕方
① 散骨そのものは、法律で禁止されているものではありませんが、散骨を法に触れないように実施するためには、次の点に注意する必要があります。
⑴散骨防止条例:散骨を規制する条例を制定している自治体も少なくありませんので、散骨する際は、散骨予定地での散骨が可能であるか否か事前に確認する必要があります。埼玉県秩父市、北海道岩見沢市、北海道長沼町、長野県諏訪市、静岡県御殿場市などの自治体で散骨を規制する条例を制定しています。
⑵方法:方法については、・遺骨を人骨だとわからないくらいにまで細かく砕くこと、・個人を追悼するにふさわしい方法で遺骨を撒くこと、・焼骨の埋蔵に該当するような散骨の仕方は避けること、・自然環境を害するような方法はとらないことなどの点に留意する必要があります。
⑶場所:場所については、他人の権利を侵害するような場所(例:承諾を得ていない他人の土地、漁場、養殖場、生活用水として利用している川など)は避け、近隣住民の住環境、自然環境に十分配慮することが必要です。
6⃣ 残された問題
① 以上みてきた問題のほかに、散骨にはまだ詰めなければならない問題が残されています。第1に個人の生前の意思確認の問題です。
② 現代の散骨は、自己の死後を自らの意思によって決定するという自己決定権を実現するものとして主張されていますが、本人(故人)の生前の意思を誰がどのように確認するのか、また、これまで確認してきたのか。また、本人の意思表示はエンディングノート等の書面によることを要するのか。さらに、本人が葬法について意思を表明しておらず、かつ、推測される本人の意思が考えられない場合に、遺族の独自の判断で散骨という特別な葬法を行うことができるのか、等。
③ 第2に、これは法律上の問題ではありませんが、散骨の場合には墓がないという問題です。墓がないため、お参りする対象がない、散骨は遺骨を捨てるようで抵抗がある、等の理由で散骨を敬遠する人も多く、散骨は知名度が高い割にはそれほど増えていないようです。新しい葬法の中でも、墓をまったくつくらない散骨よりも、たとえ樹木であっても墓標のある樹木葬を志向する動きも見られます。
上記の問題点を考えると、ご質問の海での散骨の場合、散骨業者から散骨した場所の緯度・経度を記入した散骨証明書などを交付してもらうとよいでしょう。また、自然に還ることができ、かつ、樹木であっても墓標のある樹木葬も選択肢に加えられたらいかがでしょう。

