【孤独死をめぐるQ&A】Q38 遺品整理について

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【Q38】一人暮らしのおじが亡くなりました。おじは賃貸物件に住んでおり、大家さんから遺品整理をして居室を開け渡すように言われています。
おじは大した遺産を持っていないので相続放棄をする予定ですが、遺品整理をしてもよいものでしょうか。

【A】相続放棄をする予定の場合、遺品整理は断ってしまった方が無難です。もし、やむを得ず遺品整理をする場合であっても、単純承認とみなされないように注意が必要です。

【解説】

1 遺品の処理方法

① 遺品も動産、つまり財産になります。相続は被相続人のすべての財産を一括して承継する包括承継であり、動産もすべて相続の対象になります。
② そのため、本来的には遺品も遺産分割の対象になり、相続人による合意がない限りは遺品の処理はできません。
③ もっとも、実務上は遺産分割調停や審判において、遺品が遺産分割の対象になることは極めてまれです。というのも、遺産分割調停、審判の対象とするには動産を特定する必要があります。
④ 雑多な遺品については特定性を欠くので遺産分割調停、審判の対象にはできないことが多いのです。
⑤ また、家財道具や生活道具については、財産的な価値に乏しく、かえって処分費用がかかってしまうことが通常です。そのため、骨とう品や宝飾品はともかくとして、それ以外の遺品については、遺産分割の対象とはせずに、形見分けをした後、廃棄してしまうということが一般的かと思います。
⑥ 遺品整理や処分を自身で行うことが大変という場合、遺品整理業者に依頼するという方法もあります。そのことの是非はともかくとして、遺品整理業者の多くは、相続人からの依頼であれば、遺産分割終了前後を問わず、依頼を受けてくれます。

2 遺品整理と相続放棄

① 上述のとおり、遺品は相続財産となります。相続放棄を考えている場合、相続人が遺品整理によって遺品を処分したら、「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」(民法921条1号)に当たり、単純承認をしたものとみなされるとも思えます。
② この点について、大判昭和3年7月3日は、被相続人の衣類ではあっても一般に経済的価値を有しているものを形見分けをした時には、それが古来の習慣に基づく近親者に対する形見分けであっても単純承認とみなすとしていました。
③ しかし、東京地方裁判所平成21年9月30日判決は、「民法921条1号の規定にいう「処分」とは、一般的経済価額のある相続財産の法律上又は事実上の現状・性質を変ずる行為のことであり、一般的経済価額のない物の廃棄はもとより、経済的に重要性を欠く形見分けのような行為は、同号の「処分」には当たらないと解するのが相当」と判示したうえで、ノートパソコン、ブラウン管テレビについて、「廃棄したり、あるいは形見分けのような趣旨で自らこれを取得したり第三者に譲渡したりしたとしても、その行為が民法921条1号の「処分」に当たるとまでは認めるに足りない」としました。
④ 他方、東地判平成12年3月21日は、単純承認とみなされる事由の一つである民法921条3号の「隠匿」について「同条3号の規定する相続財産の「隠匿」とは、相続人が被相続人の債権者等にとって相続財産の全部又は一部について、その所在を不明にする行為をいうと解されるところ、相続人間で故人を偲ぶよすがとなる遺品を分配するいわゆる形見分けは含まれないものと解すべきである」としました。
⑤ しかし、毛皮のコート3着とカシミア製のコート3着を含む遺品の全てを持ち帰ったことについて、持ち帰った遺品は「一定の財産的価値を有して」おり、「その持ち帰りの遺品の範囲と量からすると、客観的にみて、いわゆる形見分けを超えるものといわざるを得ない」と判断し、単純承認したとみなしています。
⑥ このことからすれば、一般的経済的な価値がない物を廃棄すること、経済的に重要性を欠く物について形見分けをすること程度であれば、単純承認とはみなされませんが、全ての財産的価値がある動産を持ち帰るようなものは、形見分けの範囲を超えて単純承認とみなされてしまうといえます。

3 遺品整理業者に依頼する際の注意点

① 遺品整理業者に対する支払いを遺産からしてしまうと、故人の遺産を費消したとして単純承認とみなされてしまう可能性があります。そのため、相続放棄をする予定の場合、遺品整理費用は、遺族が負担した方がよいでしょう。
② また、遺品整理業者の多くは、遺品の整理業務や室内の清掃業務とともに古物買取をサービスに組み合わせています。遺品を売却すればその分遺品整理費用が安くなるので、通常は遺族にとってメリットなのですが、相続放棄を予定している場合には注意が必要です。
③ 遺品整理業者に遺品を売却してしまうということは、故人が有していた経済的価値のある動産全てを売却してしまうことになるので、単純承認とみなされてしまう可能性があります。
④ したがって、相続放棄をするつもりなのであれば、廃棄物の処分にとどめ、経済的価値がある動産については処分をせずに保管しておいた方がよいでしょう。
⑤ それでも遺品は整理して欲しいと言われたら、遺品の整理をせざるを得ないでしょう。早期に部屋を引き渡せば、その分賃料も押さえられますので、相続財産の減少を防ぐというメリットもあります。
⑥ 単に廃棄処分するよりも売却可能な動産を適正価格で換価し、その換価金を遺産として取っておく、又は、遺品整理費用に充当し、次順位の相続人又は相続財産管理人に引き継ぐ方が相続財産が保持されます。
⑦ 遺品整理の過程で単なる家財道具や生活用品に処分価値が付いてしまったのであれば、遺品整理の際に売却し換価金を分別管理しておき、債権者からの問い合わせがあった場合には隠匿せずにその旨回答する、相続人が確定したらその相続人に引継ぎ、相続財産管理人が選任された場合には相続財産管理人に遺品の処分内容を報告して換価金を引き継ぐという対応をしている限り、単純承認に当たるとして紛争になる可能性は低いのではと考えられます。

【孤独死をめぐるQ&A】Q37 無縁墓の撤去

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【Q37】檀家が孤独死をしたのですが、墓を継ぐ者がいません。継ぐ人がいなくなった墓を撤去する場合、どのようにすればよいのでしょうか。

【A】一定の場合、無縁墓として改葬することができます。

【解説】

1 無縁墓の撤去のための手続き

① 無縁墓の改葬手続きについては、墓地埋葬法施行規則に定められています。
② 死亡者の縁故者がない墳墓又は納骨堂を無縁墳墓等といい、これを改葬するためには、⑴無縁墳墓等の写真及び位置図、⑵死亡者の本籍及び氏名並びに墓地使用者等、死亡者の縁故者及び無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し1年以内に申し出るべき旨を、官報に掲載し、かつ、無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に1年間掲示して公告し、その期間中にその申出がなかった旨を記載した書面、⑶⑵に規定する官報の写し及び立札の写真、⑷その他市町村長が特に必要と認める書類を添付し墓地のある市町村役場に改葬許可申請をする必要があります。
③ 縁故者の確認としては、墓碑の調査をし、遺骨ごとに死亡者の本籍、住所、氏名、性別、死亡年月日などを調査します。その調査をもとに戸籍やお寺の過去帳などを調査して縁故者の有無を確認します。
④ それでも縁故者がいないという場合、死亡者の本籍、氏名等を官報に掲載し、墓地使用者等・死亡者の縁故者・無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し、1年以内に申し出るべき旨を官報公告します。
⑤ また、併せて、死亡者の本籍・氏名を無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に1年間掲示して、墓地使用者等・死亡者の縁故者・無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し、申し出るべき旨を公告する必要があります。
⑥ それでも、申し出る者がいない場合には、ようやく縁故者がいないということになります。同じ墓地内で合葬墓や人気のない他の区域、納骨堂に移すなど、同じ墓所同士でも改葬許可は必要となります。

2 墓地埋葬法の手続は改葬の手続

① 「墓地、埋葬等に関する法律の施行に関する件」(昭和23年9月13日通知)では、墓地埋葬法施行規則3条の手続きは改葬に必要な手続きを示しているだけであり、墳墓の所有権、地上権等の私法上の物権等の処置に関するものではないとしています。
② そのため、無縁墳墓と認定され改葬が認められたとしても、墓地の使用権、墓石の所有権など民法上の権利変更については、別の対応が必要になります。
③ 高松高判平成26年2月27日は、「被控訴人は、法や規則の手続に従ったなどと主張するが、改葬を行おうとする場合には、法や規則の定める手続を実施しなければならないというにすぎず、これらの手続を履践したからというだけで、永代使用権の消滅には墓地埋葬法上の手続とは別の法律行為が必要である旨判示しています。

【孤独死をめぐるQ&A】Q36 お墓の承継

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【Q36】遠縁の親族が亡くなりました。私はお墓を持っていないので、その親族の遺体を引取り葬儀を挙げるのであれば、お墓も承継しようと思っています。遠縁であってもお墓は承継できるものでしょうか。
また、私はそのお墓を管理している寺院の宗派と異なるのですが、宗派が異なってもお墓に入れるのでしょうか。

【A】お墓は祭祀財産なので、祭祀承継者であればお墓の承継は可能です。ただし、管理規則で承継できる人の範囲が限定されていることもありますので、お墓の管理者に確認をしてみてください。
また、宗派が異なることだけを理由に寺院墓地への埋蔵を拒否することはできないとされていますので、宗派が異なってもお墓に入ることは可能です。ただし、埋蔵の時の典礼をどのようにするかについては、争いになってしまう可能性があります。

【解説】

1 お墓は祭祀財産になる
① お墓は祭祀に関する財産であり、相続とは関係なく、祭祀承継者が承継することになります。そのため、墓の承継をする者は、自身が祭祀承継者であることを示して承継手続をすることになります。
② 都立霊園のケースで言うと、遺言により祭祀承継者が指定されている場合には遺言書、指定されていない場合には、祭祀を主宰していることが確認できる書類(使用者の葬儀一式費用の領収書、法事の施行証明(寺社等公印付)等)、協議により定めた場合には協議書などを添付して、承継を申請することになります。
③ 寺院墓地の場合には、寺院規則などで定めている手続によることになります。墓地の管理規約によりお墓を承継できる範囲を定めていることもあります。遠縁の方がお墓の承継を考えている場合、事前に墓地の管理者に確認を取ることをお勧めします。

2 宗派が異なる場合でも埋葬できるか
① 墓地埋葬法13条は「墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けたときは、正当の理由がなければこれを拒んではならない。」としています。
② それでは宗派が異なる場合、埋葬の拒否をする正当な理由になるのでしょうか。この点、厚生省は「墓地、埋葬等に関する法律第13条の解釈について」において内閣法制局の解釈を通知しています。
③ 「宗教団体がその経営者である場合に、その経営する墓地に他の宗教団体の信者が埋葬又は埋蔵を求めたときに、依頼者が他の宗教団体の信者であることのみを理由としてこの求めを拒むことは「正当の理由」によるものとはとうてい認められないだろう」とされています。このことからも、宗派が異なるという理由だけで埋葬を拒否することはできません。
④ もっとも同通達は続けて、「法第13条はあくまでも、埋葬又は埋蔵行為自体について依頼者の求めを一般に拒んではならない旨を規定したにとどまり、埋葬又は埋蔵の施行に関する典礼の方式についてまでも、依頼者の一方的な要求に応ずべき旨を定めたものと解すべきではない。いいかえれば、このような典礼の方式は、本条の直接関知しないところであつて、もつぱら当該土地について、権原を有する者としての資格における墓地の経営者と依頼者との間の同意によつて決定すべきことがらである。」
⑤ 「したがつて、宗教団体が墓地を経営する場合に、当該宗教団体がその経営者である墓地の管理者が、埋葬又は埋蔵の方式について当該宗派の典礼によるべき旨を定めることはもちろん許されようから、他の宗教団体の信者たる依頼者が、自己の属する宗派の典礼によるべきことを固執しても、こういう場合の墓地の管理者は、典礼方式に関する限り、依頼者の要求に応ずる義務はないといわなければならない。そして、両者が典礼方式に関する自己の主張を譲らない場合には、結局依頼者としては、いつたん行つた埋葬又は埋蔵の求めを撤回することを余儀なくされよう」としています。
⑥ つまり、宗派が異なるという理由での埋葬の拒否ではなく、当該寺院において埋葬をする以上は当該寺院の宗派の典礼によって埋葬するということは可能であり、埋葬を希望する者がそれを拒否しているのであれば、結局は埋葬は出来ないということになります。
⑦ 改宗離壇したものからの埋葬蔵の依頼を拒むことができるか争われた訴訟においても、原則としては埋蔵の依頼を拒み得ないとしつつも、埋蔵を無典礼で行うという依頼は寺院の定める典礼の施行を容認しない趣旨のものであるので、このような依頼に対しては、「自派の定める典礼の施行権が害されることを理由にして原告の本件埋蔵依頼を拒むことができるのであつて、このような理由による拒絶は墓地法第13条の正当な理由ある場合にあたると解すべき」と判示し、埋葬の拒否を認めました。
⑧ 上記裁判例は埋蔵を無典礼で行うという依頼の拒否を認めていますが、この点については、近時、埋蔵を無典礼で行うという依頼は拒否できないという判例もあります。
⑨ これは寺院規則での定めがなかった事案ですが、寺院の定める典礼の方式に従い墓地を使用するとの黙示の合意の成立を認めつつも、「墓地使用権を承継した者が異なる宗派となった場合にまで上記の黙示の合意の拘束力が及ぶかどうかについて、これを定めた墓地使用規則はなく、また、その場合にも被告の典礼方式に従うとの慣例があったことを認めることもできない。」とし、自宗派と異なる宗派の典礼の方式を行うことは拒絶できますが、無典礼の方式での遺骨の埋蔵は拒否できないと判示しています。
⑩ このように宗派が異なる場合でも埋葬できるものの、埋蔵時の典礼については自由に選べない可能性があります。宗派が異なる場合には、事前に、寺院に宗派が異なる場合の埋蔵時の典礼について相談しておくことをお勧めします。

【孤独死をめぐるQ&A】Q35 海洋散骨について

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【孤独死をめぐるQ&A】Q35 海洋散骨についての記事です。

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【Q35】孤独死をした親戚の遺骨を引き取りました。お墓を持っていないですし、海洋散骨をすることにしようと思うのですが、海洋散骨はしてもよいのでしょうか。

【A】海洋散骨についてはグレーな行為と言われることがありますが、一律に違法となるわけではありません。
ただし、トラブルになる可能性もあるため、適切な態様での散骨をする必要があります。

【解説】

1 遺骨遺棄罪との関係

① 海洋散骨はグレーな行為と言われることがありますが、散骨が「グレーな行為」と指摘される背景には、遺骨を廃棄することを禁止した遺骨遺棄罪という犯罪があることが挙げられます。
② 刑法190条は、「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。」と規定しており、遺骨を遺棄することは犯罪となります。
③ 散骨は、文字通り遺骨を地面や海面に撒く行為です。遺骨をお墓や納骨堂に入れずに撒くという行為は、一見すると遺骨を遺棄しているようにも見えてしまいます。
④ そこで、海洋散骨は遺骨遺棄罪に該当するのではないかという指摘がされていました。もっとも、そもそも、刑法190条の保護法益は死者に対する社会的風俗としての宗教的感情と言われています。
⑤ そうであれば、もし遺骨を海に撒くという行為をしていたとしても、それが死者に対する礼節を欠くような態様ではなく、死者を弔う一環として行われているのであれば、わざわざ犯罪とする必要がありません。
⑥ そこから、遺骨遺棄罪における「遺棄」とは「社会通念上埋葬と認められない態様で放棄すること」と理解されています。すなわち、「社会通念上埋葬と認められる態様」であれば、遺骨を撒いたとしても直ちに遺骨遺棄罪にはならないのです。
⑦ そして、海洋散骨が「社会通念上埋葬と認められない態様」であるかについては、平成2年に法務省刑事局が「刑法第190条の規定は社会的習俗としての宗教的感情などを保護するのが目的だから、葬送のための祭祀で節度を持って行われる限り問題ない」という見解を述べたとされています。
⑧ このような見解を述べたか否かについては意見が分かれており、見解が述べられたという確認は取れておりません。
⑨ しかし、その後の海洋散骨の状況を見る限り、「節度を持って」散骨をしている限り、いきなりそれが刑事罰の対象になるという事態は考えづらいと言えます。

2 墓地埋葬法との関係

① また、海洋散骨は墓地埋葬法に記載がないことも、グレーな行為だといわれる理由でもあります。
② 墓地や埋葬方法については、墓地埋葬法に定めがあります。確かに、墓地埋葬法4条1項は「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。」とするのみで、埋葬と焼骨の埋蔵しか規制の対象にしておらず、散骨に関する記述は一切ありません。
③ もっとも墓地埋葬法は規制をするための法律ですので、墓地埋葬法に散骨に関する記述がないということは、散骨は墓地埋葬法で規制をしていないということであり、規制がされていない以上は禁止されていません。
④ この点、散骨が墓地埋葬法の規制の対象か否かについては、厚生省の生活衛生局が平成10年6月に発表した「これからの墓地等の在り方を考える懇談会報告書」という報告書から読み解くことができます。
⑤ 報告書においては、「散骨は、墓地埋葬法の立法当時、社会的事実がなかったためにあえて規定しなかったものと考えられる。」としたうえで、「散骨が公衆衛生上の問題を生じたり、社会通念上国民の宗教的感情を損なうような形で行われるのでなければ、現行法上特に規制の対象とする必要がないというのが現在の行政の考え方であり、これは是認できるものである。」としています。
⑥ 「墓地、埋葬等に関する法律の疑義について」(平成26年6月3日健衛発0603第1号回答)は、ご遺族が故人の意志を尊重し、公衆衛生その他の公共の福祉に問題を生じないように節度を持ってご遺骨を自然に撒くことは、墓地埋葬法において、直接禁止させるものではないとしています。
⑦ これらのことからしても、厚生労働省も、散骨は原則として規制の対象になっていないと考えていることが伺い知れます。
⑧ 地方自治体によっては、海洋散骨のために改葬許可証を発行してくれるところもあります。その場合、改葬場所の欄に「散骨する海域」を、改葬理由として「散骨」という記載をしてくれます。
⑨ 改葬許可証は、地方自治体が発行する公的な文書です。公的な文書である改葬許可証に「散骨」の記載をしてくれる自治体があることからしても、海洋散骨がグレーな行為ではなく、実務上適法な行為として扱われていることが分かります。

3 ガイドラインの公表

① 令和3年3月31日、厚生労働省のホームページにおいて、「散骨に関するガイドライン(散骨業者向け)」が公表されました。
② 厚生労働省が散骨に関するガイドラインを公表したことにより、散骨が違法か適法かという議論には終止符が打たれたといえるでしょう。
③ この「散骨に関するガイドライン」は近年、葬送の在り方に関する国民の意識の変化に伴い、新たな葬送として散骨が広がりつつあるところ、このような状況を踏まえ、令和2年度厚生労働省労働科学特別研究事業「墓地埋葬をめぐる現状と課題の調査研究」において、散骨に関する調査研究が実施され、同調査研究において、取りまとめられたとされています。

【孤独死をめぐるQ&A】Q34 遺骨を火葬場に置いてくることができるか

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【Q34】遠縁の親戚が孤独死したらしく、やむを得ず遺体を引取りました。これから遺体を火葬に付すのですが、遺骨を引き取ると廃棄もできませんし、自宅に置いておくのも不吉ですし、供養すればお金がかかってしまいます。火葬場に遺骨を置いてきてしまってよいものでしょうか。

【A】火葬後に遺骨を全量置いてきて良いかは、斎場の利用規約によります。利用する斎場に事前に確認してみてください。

【解説】

1 火葬場への遺骨の残置

① 遺体を引取り火葬まではする、しかし、納骨には費用がかかるのでそこまではしたくないが、自宅で保管するのも不吉だから斎場に焼骨を置いてきたい、ということを考える方もいます。
② 遠縁の方の孤独死の場合、そこまで費用を負担したくないというのは、やむを得ない心情かと思います。
③ このように焼骨を斎場に置いてくることは、宗教学者である島田裕巳氏は「0(ゼロ)葬」と表現しています。

2 斎場の規約による

① それでは、この方法は法的に許されるのでしょうか。結論から言えば、これは、斎場の利用規約によります。
② 斎場によっては、「斎場を使用した者は、焼骨を引き取らなければならない。」のように焼骨の引取りを義務としています。そのように遺骨の引取りが義務付けられているにもかかわらず、斎場の承諾を得ずに遺骨を置いてきた場合には、遺骨遺棄罪に該当すると判断されるケースもあり得ます。
③ 他方で、関西ではもともと焼骨の3分の1程度のみを骨壺に収骨し、残骨は置いてくるという部分収骨の習慣です。
④ もともと遺骨は斎場に置いてくることが想定されていますので、部分収骨をせずに全量を置いてくるということも比較的認められやすいようです。
⑤ ただし、上記は一般論であり、遺骨の引取りを求められたが斎場にお願いをすることで置いてくることができたという例もあります。また、全量を置いてくるには事前申請が必要な例もあるようです。
⑥ 遺骨を全て火葬場に置いてきたいのであれば、事前に可能かを確認するようにしてください。

【孤独死をめぐるQ&A】Q33 自治体で保管され引き取られない遺骨の扱い

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【Q33】孤独死した方の遺体を誰も引き取らないため自治体の費用で火葬をし、その焼骨を自治体で預かっています。遺骨を預かるに当たり、どのような点に気をつければよいでしょうか。

【A】引取手のいない遺骨の扱いを定める基準はありません。内規を設けるなどして適切な対応をすることが望まれます。

【解説】

1 遺骨の廃棄は出来ないと考えられる

① Q32で解説したとおり、遺骨を廃棄すると遺骨遺棄罪に当たります。そのため、自治体と言えども、骨壺に入った遺骨を廃棄してしまっては、遺骨遺棄罪に抵触する可能性があるのではないかと考えます。
② 大審院判決明治43年10月4日は、遺骨遺棄罪における「遺骨」は祭祀のための祈念すべき遺骨とし、火葬場に置いていった残骨は、刑法190条の対象ではないとしています。このことからも火葬場に残る残骨灰と骨壺に入れて火葬場より持ち帰り、いったんは自治体で保管されている遺骨とは当然扱いが異なると考えます。

2 引き取られない遺骨の行方

① 平成31年1月26日付の産経新聞の報道によれば、大阪市では平成30年中に2366柱の遺骨が無縁墓に合祀されており、死亡者の12人に1人が無縁遺骨になっているとのことです。また、千葉県市原市では、生活保護受給者や身元が分からない人の遺骨57柱が庁舎内のロッカーに保管されていたと報じられました。
② この点、身元不明者や独り身で死体の埋・火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、墓地埋葬法に基づき死亡地の市区町村が埋・火葬を行うことが定められていますが、火葬した後の焼骨の埋蔵については、法律で規定されていません。
③ 自治体によっては、焼骨について保管期間や保管場所について内規などで定めているところもあります。例えば、神戸市行旅病人及行旅死亡人取扱法施行細則では、遺骨の一時保管場所、保管方法、保管期限、保管期限後の扱いについて、詳しく定めています。
④ しかしながら、全ての自治体がそのような規程を設けているわけではありません。
⑤ この点、国会では、自治体が管理している焼骨の行方について、質問主意書が出されています。「生活保護受給者等の遺骨が庁舎内に長期間保管されていたことに関する質問主意書」では、引取手がいない遺骨について、国として一定の考えを示したり、自治体に対して内規を設けるように求めたりするかと質問されています。
⑥ これに対して、政府としては、市町村において埋・火葬が行なわれるので国としては対応しないという回答をしています。
⑦ ただ、遺骨が長期間庁舎内のロッカーで保管されるということは望ましいことではなく、また故人の尊厳にも関わります。各自治体においては、引取手のいない遺骨についての一時保管場所、保管方法、保管期限の扱いなどを内規で定めるなど、適切な対応をされることが望ましいでしょう。

【孤独死をめぐるQ&A】Q32 引き取った遺骨の扱いー遺骨遺棄罪、送骨・散骨

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【Q32】遠縁の親族が孤独死したらしく、自治体から遺骨を引き取ってほしいという連絡が来ました。
生前の交流はありませんでしたが一応親族だからと遺骨は引き取ったものの、骨壺が家にあるのも悩ましいです。
遺骨をゴミ収集日に出してしまってよいのでしょうか。出してはいけない場合、どうにか遺骨を手放すことはできないでしょうか。

【A】遺骨を捨てると遺骨遺棄罪となり刑事罰の対象になります。また、一度引き取った遺骨の所有権を放棄することはできません。
ただ、遺骨をお墓や納骨堂に納骨する義務まではありません。最近は安価な供養方法がありますので、それを選択することをお勧めします。

【解説】

1 遺骨遺棄罪

① 刑法190条は「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。」と定めています。
② 遺骨を遺棄した場合、刑法190条の遺骨遺棄罪に問われる可能性があります。令和2年1月22日の報道でも、遺骨を男子トイレの個室に置いてきた人が遺骨遺棄罪で逮捕されたということがありました。これ以外にも、度々遺骨遺棄での逮捕の報道はされています。
③ どのような理由であっても、遺骨を遺棄しては犯罪になってしまいます。例えば、自宅で保管するにしても少量の遺骨でよいので、残りは廃棄したいと考えても、一度自宅に持ち帰った遺骨は祭祀のための祈念すべき遺骨にあたると考えられますので、供養に必要ない遺骨と考えたからといって廃棄することは許されないと考えられます。

2 納骨義務はあるか

① 遺骨を引き取ったからといって、お墓や納骨堂に納骨をする義務まで負うわけではありません。捨てるわけではなく、骨壺のまま、自宅に保管していれば、それが法に触れることはありません。
② 自宅に保管しておけば特に供養をしなければいけない法的な義務はありませんので、遺骨を引き取ってしまったが、特に費用をかけて供養はしたくないという場合は、単に自宅に保管することになります。
③ 最近では、供養をする目的で自宅に骨壺を保管している人もいます。自宅供養を前提としたスタイリッシュな仏壇も用意されていますので、もし自宅で保管したい方は調べてみるとよいかと思います。
④ なお、自宅に保管しておけば法には触れませんので、特に供養をすることなく倉庫にしまっておいても問題ありません。ただし、自宅の庭であっても埋めると焼骨の埋蔵(墓地埋葬法4条1項)になってしまいますので、埋めないようにしてください。

3 遺骨が自宅にあると不吉だという場合

① 遺骨を自宅に持ち帰ったが、自宅に遺骨があることを疎ましいと思う方もいます。現に、遺骨遺棄罪についてのニュースでも、遺骨を捨てた動機として、女性と同棲することになり遺骨が邪魔になったからと報じられていました。
② このように自宅に遺骨はおいておきたくはないが、お金をかけてまで納骨はしたくないという場合には、どのような対応をとればよいのでしょうか。

⑴ 送骨
ⅰ まず考えられるのは「送骨」という方法です。送骨は、お寺に遺骨を送るとお寺で合葬してくれるというものです。知る限りでは、安価でかつ宗教的に供養してもらう方法としては送骨が一番良い手段だと思います。
ⅱ なお、お寺に送る際には、日本郵便のゆうパックを用いることになります。代表的な宅配業者であるヤマト運輸や佐川急便などは「紛失時の責任が取れない」として遺骨の配送は受けていません。
ⅲ 墓地埋葬法14条は、「墓地の管理者は、第8条の規定による埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋蔵又は焼骨の埋蔵をさせてはならない。」とあるため、お寺に送骨する際は、遺骨だけでなく火葬許可書(火葬済印があるもの)を同封します。

⑵ 遺骨を自身で撒くことができるか
ⅰ 送骨も一定の費用はかかってしまいます。それでは、遺骨を自身で散骨してしまうということは許されるのでしょうか。
ⅱ 私見ですが、山中や森の中に自身で遺骨を撒くことは避けた方がよいのではないかと思います。まず、山中で遺骨を撒き、その上から土や落ち葉をかける行為は、一般的には「焼骨の埋蔵」に当たります。そのため、山中で遺骨を撒き、その上から土や落ち葉をかける行為は行ってはいけません。
ⅲ 焼骨を山中などで散骨した場合、上に土や落ち葉をかけることはできませんので、第三者が遺骨を発見してしまう可能性があります。第三者が発見した場合、第三者からするとその遺骨が廃棄されたのか散骨されたのかの区別はつきません。一般に、焼骨をそのまま山中に散骨するという行為は、社会通念上埋葬と認められる態様での埋葬とはいえませんので、遺骨遺棄罪に該当すると判断される可能性が高いと思われます。
ⅳ また、通常、山であっても森であっても、誰かの所有地になっています。通常は、自身の土地に知らない人の遺骨を撒かれるのは嫌でしょうし、知らない人の遺骨が撒かれている土地ということが分かれば、土地の評価も下がる可能性があります。そのため、土地の所有者の承諾なしに、勝手に遺骨を撒くということは民事上の不法行為に該当する可能性があると考えます。
ⅴ そうなると、山中や森林に散骨をする場合、第三者から見て遺骨と分からない程度に粉末化すること(粉骨)、散骨をした後に、土や落ち葉をかけないこと、土地の所有者の承諾を取ることという条件は最低限満たす必要はあるかと思います。そのような条件を満たすことも難しいので、自身で山中に散骨をするということはあまりお勧めできません。
ⅵ なお、散骨については、葬送方法には強い地域差があることから条例で定めることが適当とされており、現に散骨について、秩父市や長沼町のように条例で禁止している自治体もあります。よって民間が経営している散骨場を利用し、お金がかからないからというような理由で安易に山中に散骨することは避けるべきです。
ⅶ 他方で、海は、土地と違って誰のものでもありません。最高裁の判決で、海は公共用物であり、公法的な支配管理に服するとして、海を所有権の対象とすることを否定していますので、海の所有者はいません。
ⅷ また、海での散骨であれば、遺骨は比重の関係で沈むので、第三者に発見されるという可能性も極めて低いかと思われます。そして、現在のところ海洋散骨は規制されていませんし、海洋散骨をする許可というものは想定されていませんので、海洋散骨業者でないとできないということもありません。したがって、海洋散骨をすること自体は自由かと思います。
ⅸ ただ、海洋散骨を良しとしない方々もいます。とりわけ漁業や観光業の方々とトラブルになる可能性もありますので、可能な限り専門業者に依頼するべきかと思います。もし、個人で行うにしても、粉骨する、人目につかない場所で行う、漁場や海水浴場、ダイビングスポットなどは避けるなどの配慮をすることが望ましいと考えます。

【孤独死をめぐるQ&A】Q31 遺骨引取義務の有無

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【Q31】遠縁の親戚が孤独死し、自治体が火葬をし遺骨を預かっているようです。自治体から私に対して遺骨を引き取ってくれないかという連絡が来ました。
親戚だというだけで遺骨を引き取る義務はあるのでしょうか。

【A】遺骨の引取りを法的に義務付けることは難しいと考えます。

【解説】

1 遺骨は所有権の対象になる

① 遺骨も動産であり、所有権の対象になります。
② 自らに故人の遺骨を引き渡して欲しいと主張する者が、自身が遺骨の所有者であると主張し、遺骨の所有権をめぐって紛争になったという例があり、裁判所は遺骨の所有者が誰になるかという判断をしています。
③ そのような訴訟において、故人の祭祀承継者に当たる者が遺骨の所有権者になると判断されます。
④ 祭祀承継者は、故人による指定、慣習、家庭裁判所による決定で決まります(民法897条)。
⑤ このことからすると、故人の遺骨の所有権者は、祭祀承継者であると言えます。

2 遺骨引取義務を負うか

① 祭祀財産の承継には、相続の承認や放棄の規定は適用されません。祭祀承継者は、祭祀財産を放棄することはできないとされています。
② そうなると祭祀承継者は、遺骨の所有権者となります。
③ 所有権は他人を害する形で一方的に放棄できないとされています。遺骨を自治体が管理するとなるとコストもかかりますので、自治体に迷惑をかけるような形で遺骨の所有権を一方的に放棄することができないと考えれば、自治体は祭祀承継者に対して、その所有物である遺骨を引き取るように請求することも認められそうです。
④ ただ、自治体が故人の親族に対して遺骨を引き取るように請求してみても、実際に祭祀承継者ではないと主張され遺骨の引取りを拒否された場合、自治体が親族に対して、遺骨の引取りをさせることは困難かと思います。
⑤ というのも、遺骨の所有者は祭祀承継者であるところ、祭祀承継者が明らかでない場合には、祭祀承継者を定める審判によりそれを定めることになるからです。
⑥ この祭祀承継者を定める審判の申立権者は、当該祭祀財産の権利承継につき利害関係を持つ親族またはこれに準じる者(例えば内縁の妻、事実上の養子)と解されていることから、他人の遺骨を管理しているにすぎない者から、祭祀承継者を定める審判を申立てられない可能性があり、遺骨の所有者を定めるということは難しいかもしれません。
⑦ そうなると、自治体から遺骨の所有者=祭祀承継者を特定して、遺骨の引取りを求めることは、事実上、難しいのではないかと思います。

【孤独死をめぐるQ&A】Q30 葬儀費用の負担者、葬儀費用不払への対応(葬儀費用の先取特権)

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【Q30】孤独死した方の遺体を親族が引き取り、当社に葬儀を依頼しました。故人に相続人はなく、生前に交流はありませんでしたが警察に言われてやむなく遠縁の親族が遺体を引取り、葬儀を依頼することになったようです。
葬儀が終わり、葬儀費用を請求したところ、「故人の預金があるのだから、そこから回収して欲しい。私は相続人でもないし葬儀費用は支払いたくない」と支払いを拒否されてしまいました。葬儀費用は誰が負担するものなのでしょうか。また、相続財産から回収することはできないものでしょうか。

【A】葬儀費用は原則として喪主が支払います。そのため、葬儀社としては喪主に葬儀費用を請求することになります。喪主は、相続人でないなどという理由で支払いを拒否することはできません。
とはいえ、複数の葬儀社の顧問弁護士に聞くと、葬儀費用不払対応をしていると同案件では、縁が遠い方が期せずして葬儀をしなければならなくなった例が多いと感じるそうです。
本事例のように喪主から葬儀費用の支払いを拒否されているが故人に財産があることが分かっている場合、葬儀費用の先取特権を用いて回収できる可能性があるため、その方法を検討しても良いかもしれません。

【解説】

1 葬儀契約の主体は喪主

① 葬儀契約は、何か特殊な契約というわけではなく、葬儀という儀礼を行うことや葬儀のために必要な業者を手配・取り次いでもらうことを依頼する準委任契約にすぎません。
② したがって、葬儀契約の主体は、喪主と葬儀社であり、葬儀社は契約の主体である喪主にしか葬儀費用を請求することはできません。
③ この点、喪主が負担した葬儀費用を相続人間でどのように分担するかについては喪主負担説や相続財産負担説など諸説ありますが、葬儀社が誰に請求できるかというとそれは契約主体である喪主にしか請求できないということになります。
④ なお、葬儀社によっては、宗教的な葬儀の主宰者である「喪主」と契約主体として葬儀費用を負担する「施主」と表現を使い分けていることがあります。そのような場合、契約主体は「施主」と認定されるのではないかと思います。

2 先取特権

① 葬儀によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有します(民法306条3号)。
② 葬式費用が先取特権とされた趣旨は、「葬式の際に…相手方がいちいち債権実現の可能性を検討したり、担保を徴したりする余裕はないのが通常であるから、債権者のために債権実現を保障することにより債務者が葬式をあげることを容易にする」ことにあるとされています(加藤一郎・林良平編「担保法大系第2巻」347項金融財政事情研究会1985)。葬儀は亡くなってすぐに行われなければなりませんので、葬儀社としては、喪主に資力も故人の資力も分からないままに受注せざるを得ません。そのため、葬儀費用債権には特別の保護が与えられています。
③ この点、東京高決平成21年10月20日は、民法309条1項の「債務者」とは死者自身を指すべきものと解されており、葬式費用の債権者は本来的には葬儀社であって、「債務者」の総財産である遺産の上に相当額について先取特権を有することになると判示しています。
④ 本事例では、葬儀社は葬儀によって生じた債権を有する者に当たりますし、債務者は死者自身を指すので、故人の預金は債務者の財産に当たります。
⑤ そのため、葬儀費用先取特権により、預貯金を差し押さえて回収をすることが可能と考えます。債務者は死者自身を指すと解されていますが、死者自身は当事者にはなりませんので、債務者は相続財産法人となります(民法951条)。
⑥ そして、相続財産管理人が選任されておらず相続財産法人に代表者がいないため、民事訴訟法35条の準用により特別代理人を選任して、手続きを進めます。本事例と異なり、相続人がいる場合は、亡き誰々相続人○○が債務者になります。
⑦ なお、不動産に対する先取特権の行使の場合には、民法335条1項により不動産以外の財産から弁済が受けられないことが必要になります。
⑧ 葬儀費用の先取特権は、葬儀費用全額ではなく、債務者のためにされた葬式の費用のうち相当な額のみだけが対象になります(民法309条1項)。そのため、葬儀費用が相当額の範囲内であることを資料を添付して明らかにする必要があります。

【孤独死をめぐるQ&A】Q29 身元は判明しているが遺体の引取手がいない場合の葬儀

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【Q29】孤独死した方の遺体を警察が引き取りました。判明した遺族に連絡をしましたが、生前に関わりがないのに遺体は引き取りたくないといって、遺体の引取りを拒否しています。
その様な場合、葬はどのようになるのでしょうか。

【A】身元が判明している遺体が引き取られない場合も、死亡地の地方自治体が火葬することになります。

【解説】

1 墓地埋葬法の定め

① 身元が判明していない場合には、行旅死亡人とみなされ、行旅病人及行旅死亡人取扱法により死亡地の地方自治体が火葬することになります。
② 本事例のように、身元が判明している場合、遺体の引取手がいなくても、行旅死亡人とはみなされないので、行旅病人及行旅死亡人取扱法は適用されません。
③ この点、墓地埋葬法9条1項には、「死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。」との定めがあります。
④ 遺体の引取手がいないということは、死体の埋・火葬を行う者がいないということですので、引取手がいない遺体については、死亡地の市町村長が、火葬・埋葬をすることになります。
⑤ なお、「死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないとき」とは、親族である必要はなく、現実に埋葬、火葬を行う人がいないことを指します。
⑥ 親族が遺体の引取りをしないから親族に代わって友人や地域の人が引き取るので、埋・火葬の費用だけ地方自治体に負担して欲しいと考えても、友人や地域の人が葬儀を挙げてくれる場合は、死体の埋葬火葬を行う者がいない場合には当たりませんので、墓地埋葬法9条1項は適用されません。

2 遺体の引取手がいない場合の埋葬・火葬費用の負担

① 墓地埋葬違法9条2項は「前項の規定により埋葬又は火葬を行ったときは、その費用に関しては、行旅病人及び行旅死亡人取扱法の規定を準用する」と規定しています。
② 結果としては、遺体の引取手がいない場合も、行旅死亡人の場合と同様の処理になります。
③ すなわち、行旅死亡人の遺留品に現金や有価証券があれば、それを費用に充てることになります。それで足りなければいったん死亡地の市町村が費用を立て替えます。
④ その後、相続人が判明した場合には、相続人に対して弁償請求をすることになります。相続人がいない、また相続人による弁償がされない場合、死亡人の扶養義務を果たすべき人に弁償を請求することになります。
⑤ それでも弁償がされない場合、当該市町村は、遺留品を売却して得た代金を費用に充てることができます。それでも足りない場合、死亡地の都道府県がその費用を弁償することになります。

3 遺体の引取りの説得

① このように親族が遺体の引取りを拒否しても、葬儀費用を負担した地方自治体は相続人や故人に対して扶養義務を負っていた者に対して、葬儀費用の弁償請求をする余地はあります。
② そのため、地方自治体側として遺体の引取拒否事案に直面した場合、遺体の引取拒否の理由が葬儀費用の負担を避けるためであるのであれば、遺体引取りを拒否しても結局は葬儀費用が求償され費用の支出を余儀なくされる可能性があること、葬儀費用については埋葬費や葬祭扶助の対象になり得ることなどを説明して、応じるように説得を試みても良いかもしれません。
③ 他方で、遺体引取拒否の理由が費用面の問題ではなく、心情的な理由である場合もあります。例えば、幼い頃に離婚をきっかけにそれ以来会っていないとか、親が多額の借金をしたまま夜逃げをして残った家族は苦労していたなどの状況で遺体の引取要請が来て、拒否したという場合が考えられます。
④ そのような心情的な理由の場合、費用的なことを説明しても引取りは拒否されてしまう可能性も高いかと思います。
⑤ このような場合、遺体を引取り火葬する義務というものはないと考えられますので、心情的な理由から拒否する場合には、やむを得ず墓地埋葬法、行旅病人及行旅死亡人取扱法に従って処理を進め、相続人や扶養義務を負う者への弁償請求を試みることになるでしょう。