【自筆証書遺言の方式】

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■ 自筆証書遺言

・自分一人で比較的簡便に作成可能。法定方式を守らないと無効

自筆証書の法定方式遺言者が全文、日付、氏名を自書し、押印で完成

●全文自書

→自分で書くこと。パソコンや代筆は無効

※【法改正】相続財産目録について自書の要件が緩和
→相続財産目録はパソコンや代筆も認められた。不動産登記事項証明や預金通帳の写し等を添付することもできる
注:毎葉(すべてのページ)に署名、押印が必要

●日付の自書

→遺言作成時の遺言能力の有無や、複数の遺言がある場合の先後を判断するのに必要。年月日を明確に書く。〇年○月吉日は無効となる

●氏名の自書

→遺言者と同一性を確認することができれば、雅号などもよいが、争いの元となるので戸籍上の氏名を書く方がよい

●押印

→実印でなくてもよい。指印でも認められた判例もある。花押やサインは無効。遺言者の意思を明確に表すには実印で押印し、印鑑証明を一緒にしておいた方がよい。(外国人の場合でサインが認められた判例もある)

■ 遺言書の表現

●「相続させる」「遺贈する」の違い

・推定相続人へ財産を与える場合→文末は「相続させる」と表記

・推定相続人以外の者へ財産を与える場合→「遺贈する」と表記

→「任せる」「託す」では、財産の分け方や財産の受取人を決めることを依頼したとも読めてしまう。
→「差し上げる」「譲る」では「相続させる」のか「遺贈する」のか解釈が分かれ、結果的に手続きが異なってくる。

●推定相続人は、氏名・生年月日・戸籍に記載どおりの続柄で特定

●遺贈する場合は、相手の氏名(法人名と代表者名)・住所(所在地)で特定

→氏名の表記は戸籍のとおり(旧字体の場合は旧字体で書く)

●財産の表記は、その財産が特定できるよう表記
(自分で理解できても、登記官や金融機関の担当者等の第三者が特定できる必要がある)

・預貯金→通帳や残高証明書の記載のとおりに表記

第○条 遺言者は、遺言者名義の下記預金債権を、妻A(昭和○年○月○日生)に相続させる。
 記
① ○○銀行 ××支店 普通預金
  口座番号12345678

・ゆうちょ銀行の貯金債権を相続させる場合

第○条 遺言者は、ゆうちょ銀行の遺言者名義の下記債権を、長男B(平成〇年○月○日生)に相続させる。
 記
① 通常貯金
  記号 10050
  番号 789123456

・投資信託受益権を相続させる場合(残高証明書のとおり表記)
第○条 遺言者は、遺言者の有する下記投資信託受益権を、遺言者の長女C(平成○年〇月○日生)に相続させる。
 記
口座開設金融機関 ○○信託銀行 ○○支店 お取引番号12345
銘柄(銘柄コード):○○欧州債券オープン累投
口数:○○○○口

・振替株式(電子化された株)を相続させる場合(残高証明書のとおり表記)
第○条 遺言者は、遺言者の有する下記株式を、次女D(平成○年〇月〇日生)に相続させる。
 記
口座開設者 東京都世田谷区○○1丁目2番3号
加入者   ○○ ○○
口座番号  ○○証券株式会社○○支店○○
コード番号 12345
数量    1000株   

・不動産→登記事項証明書の記載のとおりに表記

第○条 遺言者は、遺言者の下記の不動産(自宅土地建物)を、妻A(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。
 記
① 土地
  所在 世田谷区○○一丁目
  地番 ○○番地○○
  地目 宅地
  地積 ○○平方メートル
② 建物
  所在 世田谷区○○一丁目○○番地○○
  家屋番号 ○○番地○○
  種類 居宅
  構造 木造瓦葺2階建
  床面積 1階 ○○.○○平方メートル
      2階 ○○.○○平方メートル

区分建物(敷地権登記有)の場合(登記事項証明書の記載のとおりに表記)
第○条 遺言者は、遺言者の下記の区分建物を、妻A(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。
 記
(一棟の建物の表示)
  所在 世田谷区○○一丁目
  建物の名称 世田谷○○○○マンション
(専有部分の建物の表示)
  家屋番号 ○○番地○○
  建物の名称 301
  種類 居宅
  構造 鉄筋コンクリート造1階建
  床面積 ○階部分 ○○.○○平方メートル
(敷地権の表示)
  所在及び地番 世田谷区○○一丁目○○番○○
  地目 宅地
  地積 ○○○○.○○平方メートル
  敷地権の種類 所有権
  敷地権の割合 ○○○○○分の○○○

●訂正の仕方法定の様式
・変更場所を指示し、変更した旨を付記して署名。変更箇所に押印

●筆記具
・自筆証書遺言の場合、消せるボールペンや鉛筆は避ける(改ざん防止)

●遺言書は共同作成は禁止

・一通の遺言書に夫婦連名で署名・押印がある場合無効

●封筒に入れ封印がされた遺言書

・遺言書を封筒に入れ封印をする義務はない
・しかし、封印された遺言は、家庭裁判所の検認時に、裁判所職員が開封。
・検認以前の開封は禁止。開封した場合、5万円以下の過料が課せられる

遺言書の記載【法的に効力のあること・法的効果はないが役立つこと】

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◆遺言書に記載して【法的効果のあること】

推定相続人の廃除とその取消し(廃除とは相続権をはく奪する事)

相続分の指定(誰に何割財産を与えるか)

遺産分割の指定または禁止(誰に何を与えるか、または一定期間分割を禁止)

包括遺贈・特定遺贈(財産の遺贈は遺言のみ)

特別受益の持戻し免除(遺産分割時に特別受益がなかったことにする)

遺言執行者の指定(遺言執行の権限と義務を与え、遺言実現を確実にする)

遺言の撤回(先にした遺言を撤回することができる)

遺言認知・未成年後見人の指定・未成年後見監督人の指定

祭祀承継者の指定(墓や仏壇・遺骨・位牌等を祭る主宰者を指定)

保険金受取人の変更・一般財団法人設立・信託の設定

◆遺言書に記載しても【法的効果はないが、役に立つこと】

家族や知人への感謝の言葉、「仲良く暮らして欲しい」などの希望

遺言書の内容の理由

遺贈する場合の寄付をしたい理由

遺言執行者を選んだ理由

お葬式の要望など(注:死後事務委任契約を締結することで法的に実現できます)

上記のような法的効果のないことですが、遺言者の意思を伝えることができる重要なもの付言事項といいます。

注:恨みごとや一部の人を悪く書くのは、争族の元、望ましくありません。

【遺言書があると役立つ場合】

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実際どのような場合、遺言書があると役立つのでしょうか。

子供のいないご夫婦やおひとり様
(相続人が亡くなられた方の配偶者だけではなく、親や兄弟姉妹、場合によって甥姪になる)

内縁のご夫婦、事実婚、パートナー同士
(法律婚でない場合、相続は認められず、遺贈するしか方法はない)

離婚経験がある方で、前婚時に子供のいる方
(現在の配偶者と子と前婚時の子、その前婚時の子が未成年の場合離婚した前配偶者と遺産分割協議をすることになる)

推定相続人の間があまり仲が良くない場合
(いつまでも遺産分割協議が成立しない。一人でも反対すると協議は成立しないため)

推定相続人に、障害のある方や認知症の方、未成年者がいる場合
(遺産分割協議をする前に家庭裁判所で手続きをして、成年後見人や未成年者代理人を選任してもらう必要があり、時間も費用もかかる)

慈善団体や医療・福祉の団体などに寄付をしたい方相続人以外で、お世話になった方に財産を贈りたい方(相続人以外へ財産を渡すことを遺贈といい、遺言書でしか認められない)

事情があって認知していない子供の認知をする場合
(死後認知は遺言でしか行えない)

●これらの事情がある場合に「縁起が悪い」「めんどうだ」と遺言書を作成することを後回しにしていると、いざというときに遺言書を書く体力がなくて、困ってしまうことになります。

【終活・遺言・相続相談】相談例23 相続税対策一般

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【終活・遺言・相続相談】相談例23 相続税対策一般についての記事です。

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【相談内容】
相談者(55歳男性)から「父(84歳)が亡くなったときの相続税の話が聞きたくて、市役所の法律相談へ行ったが、税理士に聞いてくれの一点張りで役に立たなかった。どんな相続税対策があるのか教えて欲しい」と相談された。

【検討すべき点】
そもそも税務に関する相談は税理士法により、税理士のみがおこなえると定められています。そこで、行政書士や弁護士などが相談会などで出来る範囲が問題となりますが、相続税の計算方法や各種制度の一般的な内容(国税庁のホームページに記載されている説明程度)を解答することが限度であると考えられます。具体的な相続税額を計算することは、税理士法に抵触する危険があるので注意が必要です。
そこで計算方法の説明(表にしてわかりやすく説明することは問題ないと思われます)、各種相続税額の軽減制度の概要の説明を行うことになると思います。

【1】相談者に対する基本的な対応

① 相談者は往々にして全財産を開示せずに、特定のケースや節税方法についてのみ尋ねることが多くみられます。そして曖昧な知識のまま答えると「専門家(行政書士等)が言った」と利用されかねません。
② そのような場合、「行政書士は頻繁に変更される財産評価基本通達に精通しているわけではなく、税理士法の定めにより、一般的な説明を差し上げるのみで、最終的な責任は負えない」ことを事前説明して、「わかる範囲で説明します。最終的には必ず、税理士に確認するようにしてください」と念を押すことが必要です。

【2】相続税の計算と対応する節税方法

① 相続人の財産がどの程度あるのかを伺い、現時点で相続が発生した場合の相続税を計算してもらいます(行政書士はあくまで計算方式を示し、電卓などで計算するのは相談者にしてもらいます)。
② 相続税の計算方式は次の通りです。
A: 相続人それぞれの相続財産額を計算(みなし相続財産、債務、税金、葬儀費用を含める)し、その総額を計算する。
B: 基礎控除額を控除する。
C: 相続人が法定相続分どおりに相続したと仮定して、各相続人の取得財産を計算する。
D: 相続人毎に相続税率を乗じて仮の相続税額を算出し、それを合計する(=相続税の総額)。
E: 遺言や遺産分割などにより実際に分けられた財産(具体的相続分)の割合に応じて、各相続人に相続税の負担額を割り付ける(=各人の相続税額)。
F: 個別の事情により税額の軽減又は控除を行う(配偶者控除、未成年者控除、税額加算など)。
③ 次に、このAからFの各段階の応じた節税方法は次の通りです。
A1: 相続財産中の不動産の評価を下げる=小規模宅地の特例・土地活用・タワマン節税
A2: 相続財産中の金融資産を減らす=評価が逓減する資産の購入(不動産、貴金属の購入など)・生前贈与(暦年贈与、おしどり贈与、教育資金贈与)
A3: 相続財産の膨張を抑制する=生命保険金・相続時精算課税制度
B1: 相続債務を増やす=建築資金の借入・土地活用・タワマン節税
B2: 基礎控除額を増やす=養子縁組
D1: 具体的相続分を減らす=養子縁組
F1: 税額軽減=配偶者税額軽減・未成年者控除

【3】節税対策の基本方針

① 一般に、節税方法として頻繁に利用されるのは、暦年贈与、小規模宅地の特例、配偶者税額軽減の適用、生命保険だと思います。
② このうち、小規模宅地の特例と配偶者税額軽減は、本来、相続開始後の処理(遺産分割の問題)ですから、相続税の申告を依頼する税理士に任せるのが基本ですが、遺言書作成や遺産分割協議でも、事前にその要件を確認しておく必要があります。
③ なお、小規模宅地の特例、配偶者税額軽減の適用を受けるためには、相続税がかからない場合でも、相続税の申告が義務ですので注意が必要です。
④ 10ヶ月以内に相続税の申告を行わなければなりませんが、申告ができない場合は、とりあえず未分割(法定相続分)で申告(相続税法55条)し、それから3年以内に遺産分割をすれば、更正の支給により、これらの制度を適用してもらえます。その後も、やむを得ない事情があれば適用の可能性があるので、慌てる必要はありません。
⑤ 未分割の申告をせず、あるいは、いったん遺産分割協議を成立させたのちで、小規模宅地の特例や配偶者控除を使うため、改めて遺産分割のやり直しをした場合には、贈与税や所得税が課税される可能性があるので、やり直しはきかないと考えて下さい。
⑥ それ以外の節税対策(暦年贈与・生命保険・養子縁組)は、相続人間の不平等を招くことが心配の種です。相続税対策と争族対策は別物ですが、円満な笑顔相続こそ最高の節税対策とも言えます。

【終活・遺言・相続相談】相談例22 老後の生活資金

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【終活・遺言・相続相談】相談例22 老後の生活資金についての記事です。

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【相談内容】
相談者(67歳男性)から、「持ち家に一人で暮らしており、年金は月額16万円である。退職金で多少の蓄えがあったが、子への援助や投資の失敗ですっかり減ってしまった。長生きするほどお金が足りなくなると心配になる」と相談された。

【検討すべき点】
高齢者にとって、老後の生活資金が足りるかどうかは切実な問題ですが、その不安をあおるような終活ビジネスもあります。また、裕福な高齢者ばかりではなく、生活に不安を抱える方も少なくありません。

【1】老後2000万円問題

① 高齢者世帯の平均所得は308万円(月額約25万円)とされますが、その中央値は244万円(月額約20万円)です。ちなみに所得の内訳は、公的年金や恩給が65%、稼働所得は21%、その他の収入が14%です。
② これに対して、高齢者世帯の月額の支出は平均27万円とされ、平成29年の調査では高齢者の54.2%が生活が苦しいと回答しています。
③ 仮に月額所得が22万円で、支出が27万円とすると、毎月5万円が不足します。すると、たとえば定年後20年間では毎月5万円×12か月×20年=1200万円の補填が必要になり、定年後30年では1800万円の資金が必要になります。
④ そこで、金融庁金融審議会「市場ワーキング・グループ」は老後に備えるには、年金以外に、約2000万円必要になるという報告書を出しました。これが老後2000万円問題として、高齢者の間で老後資金に対する不安が広がっています。

【2】老後の生活設計

① 相談者がまだ40代や50代で、収入に余裕があるなら、資産の効率的な運用をファイナンシャルプランナーに相談する事を勧めます。
② しかし、相談者は67歳。自宅以外にさしたる資産がなく、収入を年金に頼らざるを得ない場合には選択肢が限られます。家計簿をつけ、無駄な支出を見直しながら、年金の範囲で暮らせるように節約してもらうしかありません。
③ 相談者の場合の平均余命は18年ですが、その間に不測の出費も考えられますから、現在残っている蓄えには手を付けないよう心掛けて頂きたいところです。

【3】高齢者雇用

① 年金以外にも稼働収入や不動産収入があれば、生活はぐっと楽になります。平成25年に改正された高年齢者(55歳以上の者のことを指す)等の雇用の安定等に関する法律で、定年の撤廃・延長・再雇用や高年齢者の雇用を確保する措置、シルバー人材センターの設置等が定められました。
② 令和3年4月1日に改正された同法では、70歳までの定年引上げや継続雇用制度の導入、定年制の撤廃などの努力義務が定められました。
③ しかし、実際に仕事がなければどうしようもありませんし、再雇用では賃金が下がり、高齢になればなるほど就業は困難になります。

【4】リバースモーゲージ(不動産担保型生活資金貸付制度)

① リバースモーゲージとは、自ら所有する自宅に抵当権を設定して生活資金の融資を受け、利息のみを支払いながら、死亡時の不動産処分で元本を一括返済するという制度です。
② 自宅はあるが、生活するための現金がないという高齢者のために有益とされ、社会福祉協議会等でも相談を受け付けています。
③ しかし、自宅がマンションの場合は適用外とか、推定相続人全員の承諾が必要とされるなど、厳しい条件がありますし、これを利用できたとしても、思いのほか長生きして自宅を失うとか、金利上昇に伴って利息が上がるというリスクがあると指摘されています。
④ 次にリースバックとは、セール&リースバックの略で、自宅を売却すると同時に新所有者から自宅を借り直し、賃料を支払いながら住み続けるという方法です。(定期借家契約になることが多いです。)この方法でも、自宅売却時にまとまった生活資金が得られますが、賃料支払いが滞れば、退去明渡しを求められますので、慎重に判断する必要があるでしょう。

【5】儲け話の落とし穴

① これだけ平均寿命が延びれば、高齢者も自分が何歳まで生きれるか見当がつきません。よって、多少の蓄財があったとしても、なお不安に感じておられます。
② その不安につけ込んで、利殖や儲け話を持ちかけ、虎の子の預貯金をだまし取るという事例が多発しています。「うまい儲け話が向こうから転がり込んでくる」ことはあり得ませんので、リスクを適切に判断し、できるだけ現有資産の範囲内で慎ましく生活するように勧めます。
③ また、それなりに資産があっても、高額な有料老人ホームに入居したり、墓地・霊園に多額の資金を投じたり、子や孫の求めに応じて散在していれば、同じことになります。

【6】生活保護

① 生活資金に窮した高齢者のセーフティネットは、生活保護です。生活保護を受けるための条件は、収入が最低生活費を下回っていること、活用できる資産(預貯金や不動産)がないこと、親族などから援助を受けられないことなどですが、これらの条件を満たしていると思われる場合でも、生活保護は思うほど利用されていません。
② その理由ですが、生活保護法4条2項は、「民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行なわれるものとする」とし、同条3項は「前二項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない」と規定します。
③ つまり、扶助できる親族(直系血族及び同居の親族、民法730条)がいるなら生活保護を受けられない可能性があるので、生活保護の申請を受けた市役所等は、扶養義務者に対して義務履行の可能性を照会します。
④ しかし、たとえば独居の高齢者の中には、直系卑属や兄弟姉妹と絶縁しているケースも多く、(兄弟姉妹に対しては特に)自分が生活保護を受けようとしていることを知られることを望みません。よって、生活保護受給の要件を満たしているにもかかわらず、その申請を思いとどまり、あるいは撤回するケースが多いのです。
⑤ そこで、令和3年3月以降、本人が扶養義務者に借金を重ねている、扶養義務者と相続を巡って対立している等の事情がある、扶養義務者と縁を切っている(10年程度の音信不通)など、著しい関係不良があると認められる場合には、扶養義務者による扶養義務の履行が期待できないとして扶養義務者に対する照会は不要とされ、同年3月26日付の厚生労働大臣からの通知(事務連絡の改正)でも、この点が確認されました。
⑥ しかし、現実の市区町村の窓口では、旧態依然と扶養義務者への照会を行わないと申請を受け付けないという問題があるようです。
⑦ 法テラスの事業として、弁護士が生活保護申請等を援助する制度を用意しています。この制度によれば、生活保護の申請手続の相談や代理交渉が原則として無料で行えます。

【終活・遺言・相続相談】相談例21 生前整理

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【終活・遺言・相続相談】相談例21 生前整理についての記事です。

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【相談内容】
相談者(75歳男性)から、「1週間前の検査でガンの転移が見つかった。既に遺言書は書いているが、妻子に迷惑をかけないよう、他にやっておいた方がよいことを教えて欲しい」と相談された。

【検討すべき点】
遺産の処理については遺言書で対応できますが、それ以外にも相続開始後に遺族が難題に直面することがあります。いざというときに遺族や周囲の方が困らないよう、相続財産を明らかにし、身の回りのものを整理し、利用しない不動産・動産や海外資産などは処分し、これまで放置してきた問題を片付けるように勧めます。相談者本人がショックを受けているようであれば、説明には気遣いが必要です。

【1】財産の特定

① 一般に、高齢者は、推定相続人に対して自分の財産の内容を明らかにしない傾向があります。子供たちが財産を狙っているのではないか、財産が少なければ、ぞんざいに扱われるのではないかという不安が先立つからです(逆に現金を見せびらかして、関心を引こうとする場合もあります)。
② そのまま相続が開始すると相続人らは遺産の調査に手間取り、準確定申告や相続税申告が滞ったり、ほかの共同相続人(兄弟姉妹など)が被相続人の財産を隠している(あるいは生前贈与を受けた)のではないかと、疑い出すこともあります。
③ それは相続紛争の種になりますので、相続人に遺産の内容が分かるようにすることが望まれます。遺産は遺言書に明示しておくことが基本ですが、エンディングノートや手帳などに遺産の詳細を記載する方法もあります。

【2】エンディングノート

① 「エンディングノート」は、やがて迎える死に備える自身の希望などを書き留めておくもので、各種のエンディングノートが書店で販売されています。終活セミナーや社会福祉協議会や地域の高齢者の集いなどで配布されることもあります。
② エンディングノートに書き留める項目としては、財産の内容、葬儀の希望やその際の連絡先、自分史、感謝の気持ちなどが代表的です。
③ しかし、一人でエンディングノートを書いていると、つい、遺言めいた内容(たとえば、自社の株式は長男に譲りたいなど)を記してしまいがちです。そうなると、これは自筆証書遺言として有効か無効かという問題が生じますし、他に有効な遺言がある場合、その文言が不明確な場合には遺言内容の解釈指針として用いられる可能性があります。
④ また、相続人に対する不満や愚痴を書けば、争族の種になることもあるでしょう。したがって、エンディングノートを利用する場合には、そのようなリスクがあることを説明します。

【3】身の回りの動産の整理

① 高齢になるほど身の回りの整理が上手く出来なくなり、不要な物が増えます。ゴミ屋敷のような状態になる前に不要なものを整理しておくべきでしょう。
② 特に80歳を超えると自分で物を捨てることが困難になってきますが、相談者はまだ75歳と若いので、自分でできるはずです。年賀状の打ち切りの挨拶や、利用していない契約の解約処理なども検討すべき点です。ペットの世話については、負担付遺贈やペット信託といった方法もあります。

【4】不動産の生前整理

① 郷里に先祖伝来の実家や田畑があるが、しばらく帰っておらず、現状が分からないといったこともよくあります。しかし、放置しておくと、遺産分割では相続人が郷里の不動産の取得を嫌がり、その不動産の押し付け合いになります。
② 郷里の実家が倒壊等の危険のある特定空き家等となった場合には、市町村が立入調査し、指導、勧告、命令等の経過を経て強制的に解体を代執行されるという手段が用意されています(空家等対策の推進に関する特別措置法)、令和3年民法改正により、管理不全土地管理命令や管理不全建物管理命令の制度が用意されましたが、手間がかかることには違いありません。
③ 先々代、先代の相続で土地の所有権移転登記手続をしていなかったというケースもあります。これに対しては、登記名義人の死後長期間に渡り相続登記されていない土地につき、登記官が法定相続人を探索し、職権で長期間相続登記未了である旨を登記に付記して法定相続人の登記手続を促す等の措置が講じられました(所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法等)。
④ 令和3年民法改正により、所有者不明土地管理命令及び所有者不明建物管理命令が創設され、相続登記や住所変更登記も義務化され(不動産登記法改正)、相続土地国庫帰属法により、条件次第で相続土地を国庫に帰属させる道も用意されましたが、いずれも相当手間がかかります。
⑤ 共有不動産の処理、私道・里道・水路敷の処理、筆界特定なども将来問題になります。したがって以上のことに心当たりがあるのであれば、使用されていない建物は解体し、土地は先代の相続を原因とする所有権移転登記を経て、郷里の不動産を隣家などに譲渡又は贈与するなどして、身軽になることをお勧めします。

【5】祭祀承継

① 郷里に相談者の父母や祖父母の眠るお墓がある場合、相談者もそこに入るのか、入るのならその祭祀承継はどうするのかも考えておく必要があります。
② 相談者は郷里のお墓に思い入れがあったとしても、子どもたちは都会に住んでいて里帰りすることもないし、村落共同墓地の場合そこの掃除も期待できないなら、いっそ墓じまいして、子どもたちが訪問しやすい場所で永代供養しておくことが望ましいかもしれません。

【6】デジタル遺産に関する生前整理

① 比較的新しい問題ですが、デジタル遺産があるのであれば、その対応も必要です。オンラインのデジタル遺産には、SNSアカウント、ブログアカウント、暗号資産(仮想通貨)、メールアカウント、アフィリエイトアカウント、FX取引アカウント、蓄積データなどが挙げられます。これらには所有権や著作権を観念できませんし、債権というわけでもありませんが、それに経済的価値があれば相続財産に含まれます。
② しかし、相続人がデジタル遺産の存在に気づかない可能性がありますし、パソコンやスマホ等の端末のパスワードやアプローチの方法が分からなければ、デジタル遺産を捕捉し、現金化できません。
③ したがって、生前整理としては、あらかじめ金融資産化するか、相続人に対してデジタル遺産の存在を知らせ、パスワード等と共に現金化や名義変更の具体的な方法を指示するように勧めます。
④ オンライン上のデータの消去や処分を希望する場合には、エンディングノート、死後事務委任契約などにより必要な情報を添えてデータ処分(抹消)を依頼すべきですが、それも生前に行なっておく方が確実です。

【7】海外資産

① 相談者が海外資産を所有しているときも、その内容を明らかにしておく必要があります。本来相続については被相続人の本国法によりますが(法の適用に関する通則法)、遺産たる不動産には所在地法が適用されることもあります(英米・中国法など)。
② その場合は現地の裁判所で検認裁判を受ける必要があり(プロベート手続き)、当地在住の弁護士に依頼するなど複雑な手続きが必要です。よってこのような海外資産もあらかじめ処分することをお勧めします。

【8】特別受益の整理

① 相続では、頻繁に特別受益が問題になりますが、数十年も前の贈与では、遺言者もはっきり覚えていないことが多いでしょう。そこで、いつ、だれに、何のために、いくら贈与したのか、持戻し免除するのか否かについて、整理して記録を残すように相談者にお勧めします。

【9】債務の整理

① 相続開始時に債務が残っていると、その負担を巡って相続人がもめるリスクがあります。ですから、できるだけ繰上弁済しておくべきです。例えば、その借入金がアパートなどを建築する費用に使われたなら、遺言で建物を取得する相続人に負担させるのが合理的です。
② 借入金返済が厳しいなら、自己破産、任意整理などの方法により債務整理しておくことをお勧めします。相続開始時に債務が上回るのなら、迅速に相続放棄できるよう相続人に知らせておきます。

【終活・遺言・相続相談】相談例20 もめない相続

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【相談内容】
2年前に妻を亡くしたという一人暮らしの相談者(79歳男性)から、「4人の子(長女(53歳)、次女(52歳)、三女(47歳)、長男(39歳))はそれぞれに仲が悪い。遺言書を書いておけば、自分の他界後、4人がもめないようにできるのか」と相談された。

【検討すべき点】
高齢者の心配の一つは、子どもたちによる相続争いです。遺言書がそれを防ぐ方法として有効であることは確かですが、遺言書さえ書いておけば足りるというものではありません。これまでの経緯、財産の内容、妻の相続時の遺産分割の状況などをよく伺った上で、問題点を指摘し、相談者と一緒に対策を考える必要があります。

【1】遺言の限界

① 遺言があれば、基本的に相続人が相続内容を争うことはできません。しかし例外もあります。
② 遺言が無効とされる可能性です。これを防止するためには、遺言書作成時における遺言者の遺言能力を疑われないように証拠(診断書や作成の様子を録画する等)を残す必要があります。
③ 自筆証書遺言では「これは父の筆跡ではない。父がこんな遺言をするはずがない」などと遺言内容に不満を持った者から訴えられることがありますので、公正証書遺言を勧めます。
④ 遺言が有効でも、「4人の子に4分の1ずつの遺産を相続させる」という内容(相続分の指定)なら、誰が何を取るかを決めるために、遺産分割協議が必要になり、争いが生じる可能性があります。遺産の一部の処分だけを決め、処分を決めていない遺産がある場合(一部遺言)も同様です。
⑤ 遺言内容が一義的に明らかでなく、遺言者の意思解釈が必要になる場合には、解釈を巡って争いが起きる可能性もあります。
⑥ このようなリスクを排除するには、士業に遺言書を起案してもらうか、文面をチェックしてもらうべきであると説明します。
⑦ 各相続人の遺留分を侵害する遺言だと、遺留分侵害額請求の問題が生じます。特定財産承継遺言を多用する場合でも、流動資産以外の遺産についてはその評価が問題になる場合があります。
⑧ 具体的相続分の修正要素である特別受益や寄与分でも揉めることもあれば、相続債務の承継、葬儀費用の負担、固定資産税の負担、祭祀承継問題などで揉めることもあります。
⑨ 遺言が効果を持つのは相続開始後です。すなわち遺言者が亡くなる将来の話ですので、その時点までに現在と財産や推定相続人の状況も変わっている可能性があります。よって、将来の状況を仮定して遺言をすることになるので、遺言を残せば相続紛争が起きないという保証はありません。

【2】家庭の事情の聞き取り

① 遺言書を作成するだけでなく、そもそも4人の子が争わないように気を配る必要があります。そのためには、4人の子の仲が悪い理由など相談者の家庭の事情を伺わなければなりません。しかし、このような話になると、相談者の口が重くなったり、逆に延々と昔話や愚痴を話し始める方もおられます。
② このような場合、伺った情報から推測を立てて、相談者に質問をする形で話を伺います。例えば、相談例では長女と次女は1歳違いですので、受験、就職、結婚などで事あるごとに比較されて長年反目していたのではとか、三女はそれを見て育ったので、二人と距離を置くようになったとか、長男は相談者40歳の子なので溺愛され、姉たちから嫉妬されていたのではないかなどを推定して質問を進めます。
③ 子にとって親の愛情は絶対的で、幼少期や思春期の心の傷はなかなか拭えませんが、それができるのは親である相談者だけですので、心当たりがあれば、配慮が足りなかったと素直に謝罪をするなど、今できることをすべきです。
④ 次に妻が亡くなった際のことと、その後2年間の起きたことを伺います。妻の遺産分割の結果が偏ったものであるならば、相談者の相続発生時に合わせて考えて公平でなければ、子は納得しません。どの子が最後まで母の看病や介護をしたのかなどの情報も必要です。
⑤ 他の事情も伺います。例えば、多額の自宅購入資金を出してもらった子はいるか、事業に失敗した際の援助や、なかなか実家に帰ってこない子や、長男は後継ぎなのに実家に寄り付かない(相談者側の視点)などの様々な事情を伺いアドバイスをすることになります。

【3】実質的な公平

① 遺言による財産の分け方について、相続で揉めないことを第一にするのであれば、法定相続分を基調としながら事情に応じて各相続人の取得分に若干の差をつける程度にとどめる方が賢明です。4人の子が「これなら仕方ない」と思える遺言であれば、相続紛争の危険は限りなく小さくなります。
② 遺留分を侵害しないためにも、生前贈与(特別受益)は必ず確認して考慮すべき点です。
③ 相続開始後、遺言者は当然にこの世にいません。相続人は遺言者に直接文句を言えませんので、悔しさや憎しみは他の相続人に向かうことになります。防止するためにも、相談者の言動次第でこの誤解を解いたり、関係を修復できるのであれば、是非試みてもらうように説明します。
④ 逆に、親が目の前の子に媚びたり、他の子に対する不平や不満を口にしていたのでは、揉めない相続を実現するなど到底望めません。
⑤ 相談者は一人暮らしですが、将来この誰かに面倒を見てもらう考えかもしれません。親の介護の有無は相続紛争の大きな問題になりますので、当然今後の生活の希望についても伺う事項になります。

【終活・遺言・相続相談】相談例19 家族信託

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【相談内容】
相談者(54歳男性)から「先日参加した終活の講演会で、成年後見の問題点と家族信託の利点を教えてもらった。私の母(87歳)も認知症気味なので、家族信託を利用しようと思うが、どうだろう」と相談された。

【検討すべき点】
家族信託は民事信託の一種で、高齢者の認知症対策(成年後見の代替案)の一つとして注目されています。家族信託は、その家庭の事情に応じたオーダーメイドとなるので、信託行為の内容をどのように定めるかは財産管理契約と比べても難しく、専門家によるコンサルティングが不可欠です。相談者には家族信託の内容を説明し、家庭の事情を詳しく聞き取る必要があります。

【1】信託の基礎知識

① 信託とは、委託者が受託者に財産権(所有権など)を移転し、受託者が信託目的に従って受益者のために信託財産を管理・処分する制度です。
② 信託財産の権利が帰属するのは受託者ですが、経済的利益は受益者に帰属し、両者が分離しているところに特徴があります。また、信託目的・信託行為・信託財産・委託者・受託者・受益者が信託の要素とされます。
③ 他の制度との違いとして、以下の点が挙げられます。
●信託は、委託者ではなく受益者にに効果帰属する点と死亡により終了しない点で(財産管理契約などの)委任契約と異なる。
●財産権が受託者に移転する点で寄託契約と異なる。
●事実行為である身上監護を目的としない点で後見と異なる。
●相続開始前に発効する点、相続開始後の定期的給付を定めることができる点(遺言代用信託)、二次的承継を指定できる点(後継ぎ遺贈型受益者連続信託)などで遺言とも異なるとされています。
④ 信託は、商事信託と民事信託に分類されます。商事信託は、信託銀行などの受託者が営利目的で信託報酬(手数料)を得るもので、投資信託、後見制度支援信託、代理出金機能付信託などがこれに当たります。
⑤ 民事信託は信託報酬を目的としない信託で、平成18年の信託法改正により、営利目的でなければ、信託業免許を持たない法人や個人も受託者になれるものとされました。家族信託は営利を目的としない家族が受託者になる民事信託の一種です。
⑥ 信託を設定する方法としては、信託契約・遺言信託・自己信託があります(信託法3条)。ここでいう遺言信託は、金融機関の宣伝している遺言信託とは違い、遺言で信託内容を決める方式のことを差します。

【2】家族信託

【2-1】家族信託とは

① 「家族信託」とは、高齢者が信頼できる家族に財産を預ける信託のことで、民事信託の一種であり、通常、その方式は信託契約です。法令上、家族信託という用語は見当たらず、いわゆる「家族の中で完結する信託」という意味で用いられています。
② 家族信託は、高齢に差し掛かった委託者が、将来の判断能力の衰え(認知症)に備え、家族の生活の安定や相続紛争の防止、相続税対策、事業承継等の目的で、資産を活用する方法だと言えます。
③ それだけに、信託の内容も各家庭の事情により様々で、家族信託に明るい専門家の協力なく実現は困難であると言えます。
④ それゆえに、専門家に対する報酬(初期費用)や受託者の実質的なランニングコストがかさむため、ある程度の資産がある高齢者でなければ、選択肢の一つにはなりえません。

【2-2】家族信託の利点

① 家族信託の利点としては、次のような項目が挙げられます。
●認知症対策としてすぐにスタートできる
●財産管理と財産承継(相続)を同時に行なえる
●他界しても預金の封鎖といえる金融資産の凍結が避けられる
●財産管理に透明性が期待できる
●遺言の代わりになる
●遺言ではできない内容の承継方法を定めることができる
●財産管理を次代に承継できる
●相続税対策を委託者が認知症になった後も行うことができる
●家族以外の物が関与しない場合、管理費がかからない
② 家族信託ならば上記の項目すべての恩恵が受けられるわけではなく、それぞれの事情に応じて、信託契約の内容を検討することになります。

【2-3】

家族信託の問題点

① 家族信託の問題点としては、次のような項目が挙げられます。
●設定行為(信託行為)が専門的かつ複雑になる
●安心して財産を預けられる家族が見当たらない場合家族信託ができず、手数料がかさむ信託銀行などに受託者を任せざるを得ない
●不動産に関して信託登記の費用が発生する
●財産の信託なので、身上監護を盛り込むことができない
●受託者の義務(善管注意義務・忠実義務・計算書類の作成・報告等)が複雑で面倒である(信託法29条以下)
●受託者である推定相続人とそうでない推定相続人間での争いの種になり得る
●意思能力が十分で信託契約ができる程度の高齢者が、形式的な名義変更であっても、財産の名義が移転することを拒絶するなど
② 上記以外の点として、信託終了事由や帰属権利者の確定、税金対策(受益者に課税される)、遺留分対策には注意が必要です。
③ 投資信託はそもそも信託なので、さらに家族信託の信託財産にする体制が、信託銀行や証券会社もそこまでの制度を構築できていません。
④ 受託者の横領、信託形式の悪用(強制執行の回避手段にする)にも注意が必要です。

【3】特殊な信託

家族信託だけでなく、以下のように相続対策として注目されている信託類型があります。

【3-1】遺言代用信託

① 遺言代用信託とは、委託者の死亡により受益権を取得する旨の定めがある信託のことです(信託法90条)。
② 例えば、委託者が生前の信託契約によって受託者(金融機関など)に資産(信託財産)を信託し、委託者が死亡した死亡した場合には認知症の配偶者や障害のある子(親亡き後問題)を受託者として、定期金を与えるという内容が考えられます。
③ 委託者の死後の財産処分につき遺言の代わりになることから、遺言代用信託とよばれます。

【3-2】後継ぎ遺贈型受益者連続信託

①後継ぎ遺贈型受益者連続信託とは、受益者の死亡により当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託のことです(信託法91条)。
② たとえば、委託者が生前の信託契約や遺言によって受託者に資産を託し、その受益者(例えば配偶者)が死亡した後は、前妻の子である長男に受益権を与える(受益者を変更する)といった場合に利用できます。
③ 最初の信託契約では委託者が受益者になり、委託者が死亡すれば受益者を配偶者に変更し(この部分は遺言代用信託です)、さらに配偶者が死亡した場合には、受益者を子に変更するといった、複数の承継先を決めておくことができます。通常の遺言では、受遺者が死亡した場合の遺産の承継先までは決められないとされており、その点で意味があると言えます。
④ なお、信託契約で、家族信託と同時に、遺言代用信託や後継ぎ遺贈型受益者連続信託を設定することも可能ですが、契約内容が複雑になればなるほど、遺留分侵害、課税関係、信託の終了事由など様々な関係を整理する必要があります。

【3-3】空き家防止信託

① 空き家防止信託とは、高齢の親(委託者)が、信託契約によって実家(信託財産)を子(受託者)に信託し、子は親の認知症が進行した場合には自ら実家を修繕するなどして管理し、親が施設に入所して実家が不要になった場合には実家を処分することができるとするものです(受益者は親です)。
② これも家族信託の一種で、社会問題化している空き家問題の防止に効果があると説かれています。

【4】相談者へのアドバイス

① 任意後見契約や財産管理契約と同様に、家族信託が推奨されていますが、信託契約が複雑であることやコストがかかることから、家族信託にも利用しにくい面があります。
② また、高齢者に十分な事理弁識能力があることが前提ですから、既に本人の認知症が進行しているなら、家族信託を利用することは難しく、成年後見制度の一択となります。本人の健康状態をよく伺ったうえで、各方法の長短を検討していただくべきです。

【終活・遺言・相続相談】相談例18 死後事務委任契約

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【相談内容】
相談者(67歳女性)から、「介護していた知人男性(88歳)から、「自分が死んだら葬儀・埋葬を頼む。息子は呼ばないで欲しい。入院費用を払い、アパートを引き払って、お金が余れば世話になった友人に(75歳)に謝金をあげて欲しい。あなたしか頼る人はいない」と懇願され、断り切れずに現金300万円を預かった。あとで問題にならないだろうか」と相談された。

【検討すべき点】
最後が近づいてきた場合に、信頼できる人に後事を託すのはよくあることです。ただし、善意で引き受けたことを相続人から問題にされることがあります。そのようなトラブルを避けるためには、依頼された内容を死後事務委任契約書の形ではっきりと残すことが必要です。内容によっては認められないこともあるので注意が必要です。

【1】死後事務委任契約の性格

① 「死後事務委任契約」とは、委任者が、受任者に対して、死亡後に生じる事務(葬儀・埋葬・死亡に伴う各種手続き)の代理権を与える委任契約です。家族がいなかったり、家族に負担をかけたくない場合や、家族の世話になりたくない場合に、こうした契約が必要になります。
② 委任者の死亡は委任契約の終了原因(民法653条1項)ですから、相続開始と同時に委任契約が終了するとも考えられますが、委任者の死亡後における事務処理を依頼する旨の委任契約は有効と解されています。
③ その契約は、委任者の死亡によっても契約を終了させない旨の合意を抱合し(最判平成4年9月22日金法1358号55頁)、委任者の地位を承継した相続人は、契約を履行させることが不合理と認められる特段の事情がない限り、委任契約を解除することが許されないと解されます(東京高判平成21年12月21日判時2073号32頁)。

【2】死後事務委任契約で出来る事

① 財産管理契約や任意後見契約は委任者の生存が前提ですので、葬儀・埋葬等の死後事務の処理は対象になりません。また、葬儀・埋葬等は遺言事項ではありません。よって遺言書に記載しても法的効力を持ちません。そこで、任意後見契約や遺言書とは別に死後事務委任契約書を作成する意味があります。
② 平成28年民法改正で、成年後見人に被後見人の死亡後の保存行為や債務弁済の権限が認められたので(民法873条の2第1号、2号)、死後事務委任契約の効力を考えるうえで参考になると思います。
③ ただし、債務弁済については、本来、債務を承継する相続人に任せるべきですから、相続開始直後の事務処理に付随するもの(葬祭費など)は弁済できるとしても、一般的な相続債務の弁済は原則として委任できないと考えるべきでしょう。

【3】相談者へのアドバイス

① 死期が近づいた高齢者が自分の死後について依頼する気持ちはわかりますが、しかし、依頼内容が明確でなければ、後日、相続人との間で問題が起きるリスクがあります。よって、相談者には、至急、知人男性の要望を記録化するようにアドバイスします。(公正証書化するのがベストです。)
② 知人男性の依頼の趣旨が明確であれば、知人男性が亡くなられた場合の葬儀や埋葬についてはその手続きをとることができます。
③ 入院費の支払や、賃借物件の明渡しなどは相続債務ですから、原則は相続人に任せるべきですが、相続人に連絡がつかないといった事情がある場合には、相談者が預かったお金で対応しても良い(違法性・損害・利得などがない)と考えられます。
④ 友人に対する謝金は遺贈(遺言事項)になりますので、相談者がそれを実行すると相続人から損害賠償請求を受けかねないことを説明し、思いとどまっていただき、知人男性に遺言書を作成するように案内すべきです。
⑤ なお、死後事務委任契約受任者には、死亡届を出す権限はありません(戸籍法87条)。この場合、入院先で死亡した場合は、その病院の管理者、賃借物件内で死亡した場合は、管理者が届出人となり、死亡届出の書類自体は、相談者が使者として役所へ提出する形になると思われます。
⑥ また、知人男性は「息子を呼ばないで欲しい」としてますが、相続開始には相続人による対応が必要ですから、どこかの時点では連絡せざるを得ない状況になると思われます。

【終活・遺言・相続相談】相談例17 財産管理契約・見守り契約

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【終活・遺言・相続相談】相談例17 財産管理契約・見守り契約についての記事です。

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【相談内容】
相談者(80歳女性)から、「終活セミナーの講師から、任意後見契約をするなら、財産管理契約や見守り契約を公正証書で作っておけば安心ですよと勧められた。財産管理契約とか見守り契約も、結んでおいた方がよいのでしょうか」と相談された。

【検討すべき点】
任意後見契約と財産管理契約、見守り契約はよくセットでの利用が推奨されています。任意後見契約については前回述べましたので、今回は、財産管理契約と見守り契約について説明します。
財産管理契約にも任意後見契約と同じいくつかの問題点があります。事案に応じてカスタマイズする必要があり、場合によっては見守り契約やホームロイヤーの利用をお勧めします。

【1】財産管理契約

① 財産管理契約(財産管理等委任契約とか任意代理契約ともいわれます)は、文字通り、委任者が受任者に対して委任者の財産の管理を委託する契約です。しかし、自分で財産管理できるなら、それを人に任せる必要はありません。
② したがって、委任者は、現に財産管理できない状態にあるか、その状態が予想される状態にある方で、通常は初期の認知症だったり、介護を必要とする高齢者です。
③ これに対して、受任者は、財産管理を業務として扱う専門職やコンサルタントとなることが多いはずです(親族が受任者となる場合でも、専門職がサポートすることが多くなるでしょう)。
④ そうすると、契約内容に関する委任者の理解が十分でないまま、受任者側が主導して財産管理契約を締結させる可能性がありますから、受任者側による不当な勧誘がないかには注意が必要です。

【2】財産管理契約の問題点
財産管理契約に関する問題点は以下のとおりです。

【2-1】授権の範囲

① 財産管理契約における授権の範囲は広く設定されがちです。たとえば、財産管理契約の公正証書に添付される「代理権目録」のひな型には、「不動産、預貯金、動産等すべての財産の管理、保存、処分」など一切の行為を含む代理権が挙げられていますが、本当にそれが必要なのか疑問です。
② 移行型の財産管理契約締結の際には、「認知症等によって任意後見契約が必要になる前でも、身体が不自由になって動けなくなった場合に備えて、財産管理の事務について代理権を与える契約が必要だ」と説明されるようです。
③ その目的は入通院、介護サービス等を含む日常生活に必要な事項(いわば保存行為)に限られ、全ての財産の処分に関する代理権までは不要ではないでしょうか。

【2-2】財産管理の始期

① そもそも自立している高齢者が誰かに財産管理を任せる必要はありません。であれば、高齢者本人が財産管理できなくなった時点からの財産管理契約が望まれるはずですから、即効型でない限り、どのような状態になったら財産管理契約を発効させるのか始期を明らかにすべきです(将来型)。
② たとえば、委任者が同契約の発効を希望し、かつ、委任者が要介護1又は2の要介護認定を受け、親族の指定者や担当する介護関係者が同意した場合といった具体的な条件を設定するべきでしょう。

【2-3】財産管理契約の終期

① 財産管理契約と任意後見契約を併用する場合(移行型)、多くの財産管理契約では、「任意後見監督人選任の審判が確定したとき」(任意後見契約の発効時)を財産管理契約の終期としてあげます。連続性を確保するために、この規定は合理的です。
② しかし、任意後見契約では、任意後見受任者(財産管理受任者兼任)の任意後見監督人選任の請求については、「判断能力が不十分な状況になったときは、すみやかに任意後見監督人選任の申立てを行うものとします」といった緩やかな規定しか置かれず、適時における任意後見監督人選任の請求が確実に行なわれるとまでは期待できません。また、財産管理の始期のおいて明晰であった委任者も、その終期においては判断能力が低下しているはずですが、これを数値化することはできません。
③ そこで、任意後見契約や財産管理契約の中で、たとえば、3ヶ月に1度はかかりつけ医を受診して長谷川式簡易知能評価スケールを行ってもらい、「同検査の結果が2回連続で20点を下回った場合、又は医師が重要財産の処分に関する意思決定ができないと判断した場合は、1ヶ月以内に家庭裁判所に対して任意後見監督人選任を求める」といった具体的基準を取り入れることが必要ではないかと考えます。
④ もちろん、そうして行なわれた任意後見監督人選任請求が要件を満たさないとして、あるいは、本人の同意を得られない(任意後見契約に関する法律4条3項)として却下される可能性はありますが、それはそれで正常な過程だと思います。

【2-4】財産管理者の義務

① 一般に、財産管理契約のひな型では、財産管理受任者は、定期的に財産目録、会計帳簿、預貯金目録等を作成し、委任者に報告するといった規定が置かれています。しかし、委任者が完全な事理弁識能力を保持しているなら問題はありませんが、そうでなければ委任者は報告を受けても内容が理解できませんし、監督者も不在ですから、この義務が確実に履行されるかは甚だ疑問です。
② せめて代理出金機能付信託のように、委任者以外の第三者(子や親族)への報告義務を課すべきでしょうし、専門家が財産管理の監督者になることも推奨されるべきでしょう。

【3】見守り契約

①「見守り契約」とは、高齢の委任者が、受任者に対して、面会等の適宜の方法による定期的な様子伺いを依頼し、それによって委任者の健康状態(事理弁識能力を含む)や生活ぶりを確認し、必要に応じて委任者の生活に関する相談にのる契約のことです。そして、財産管理契約でカバーしきれない病院、施設、介護事業者との契約の事務処理や保証人への就任などについても対応できるとして、任意後見契約や財産管理契約とセットで推奨されます。
② 見守り契約は高齢者のサポートのために有益だと思いますし、費用面でのハードルはありますが、高齢者も歓迎してくれるはずです。財産管理受任者や任意後見受任者が、同時に見守り契約の受任者を兼ねることが通常です。見守り契約の受任者を別の専門家(弁護士)などにすることも可能です。その場合、先程の財産管理受任者が義務を果たすように、監督機能を持たせる契約にすることができると思います。

【4】相談者へのアドバイス

① 相談者に対しては、財産管理契約、任意後見契約、見守り契約、死後事務委任契約などのセット活用が推奨され、入院・入所時の保証人サービスから、葬儀・埋葬までワンストップで引き受けると謳われるケースがあるけれども、全てを同一人物に頼るワンストップ・サービスでは監督者がいないので、不祥事を防止するには十分ではないことも説明します。
② 相談者から「全部やって欲しい」と頼まれた場合、財産管理契約と任意後見契約、見守り契約と遺言書作成や死後事務委任契約等を複数の専門職が受任する等して、不祥事防止の体制を構築することが大切でしょう。