【任意後見制度】任意後見契約の注意点 認知症になったとき、確実に後見が始まるか(2)

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見契約の注意点 認知症になったとき、確実に後見が始まるか(2)について考えてみたいと思います。

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【3】受任者が任意後見監督人の選任請求をしないのは違法

任意後見契約を結んだケースのうち、任意後見監督人が選任され任意後見が開始した件数は全体の5%程度と言われています。この数字をどう評価するかですが、任意後見を開始する前に本人が認知症などにならずに亡くなるという場合もあります。

一方本人の判断能力が低下しても任意後見契約をスタートさせることなく財産管理契約を依然として継続させている例がかなりあるのではないかという推測もなされています。

その理由としては、任意後見契約に移行しなくても財産管理契約を継続していくことで、受任者の仕事は変わらず特に困ることもないということと、むしろ任意後見監督人に監督されるので煩わしいということ、任意後見監督人の選任手続きをとることがめんどうで、さらに任意後見監督人に対する報酬で費用がかかること、任意後見制度をよく理解していないこと、といった原因が考えられます。

代理権の消滅する場合を定めた民法111条と委任の終了する場合を定めた民法653条は、本人の意思能力の喪失を代理権の消滅及び委任契約の終了の事由としていないので、本人が意思能力を喪失しても委任は終了せず、代理権も消滅しないというのが通説です。

しかしながら、判断能力が不十分となったら、本人(委任者)の保護のため任意後見契約をスタートさせるという内容の任意後見契約を結んでおきながら、本人が実際そうなってしまってからも、受任者が財産管理契約をそのまま継続しているような状態は明らかに違法であり、受任者を監督する者が事実上誰もいない状態となって、結局、受任者による不正、代理権の濫用を防ぐことができないといったことになりかねません。

【4】本人の判断能力が低下してきたとき

財産管理契約からスムーズに任意後見契約に移行する対策として次のような事項が考えられます。
①財産管理契約の条項中に「本人が精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状況になったときは、受任者は、家庭裁判所に、任意後見監督人の選任を請求する。」とする一文を入れて、監督人の選任請求義務を明記する。
②継続的見守り契約を結ぶ
③受任者を監督する者をおき、受任者をチェックするとともに指導する。

公益社団法人リーガルサポート(司法書士会)や権利擁護センターぱあとなあ(社会福祉士会)、公益社団法人成年後見支援センターヒルフェ(東京都行政書士会)などはこのようなシステムを取り入れていますが、監督人として信頼できる者を配置することでも同様な役割は果たせると思われます。

その他に、監督者としないまでも、受任者を複数として相互にけん制させる形態によって、判断能力低下後において放置されることを防止することは可能と思われます。

また、契約を締結する公証役場の現場でも、公証人が単に契約内容を当事者に読み聞かせるだけでなく、特に、受任者に対して、制度の趣旨並びに任意後見監督人の選任請求義務の条項についてよく砕いて説明し、本人の判断能力が低下してきたと感じたら、スムーズに任意後見に移行する手続きをとることを理解してもらう必要があります。