【孤独死をめぐるQ&A】Q10 遺言書の探し方③ 自筆証書遺言の探し方、貸金庫の開扉 

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【Q10】遺言書の探し方③ 自筆証書遺言の探し方、貸金庫の開扉

一人暮らしをしていたいとこが孤独死をしました。いとこには相続人がいないのですが、いとこと私は生前仲がよかったので、もしかしたら遺言を書いているかもしれません。
公正証書遺言も法務局に預けた自筆証書遺言もなかったのですが、他にはどのような場所を探せばよいでしょうか。

【A】自筆証書遺言は、金融機関の貸金庫や自宅の金庫に保管されていることもあります。
その他、自宅の貴重品が入っている引き出しの中、仏壇や神棚の周辺、本棚、タンスの中、化粧台などに入っていたこともあるので、遺品整理の際に細かく探してみてください。

【解説】

1 金融機関の貸金庫の場合

(1)相続人の場合

① 金融機関との間の貸金庫契約は、「当該貸金庫の場所(空間)の賃貸借」とされます。
② 賃貸借契約ですので、死亡に因っては当然に終了せず、貸金庫契約上の地位は相続人全員で準共有されているという状態になります。
③ 貸金庫契約上の地位は、相続人全員で準共有している状態ですので、相続人全員の同意があれば、遺産分割未了の間であっても、金融機関は内容物の確認をさせてくれます。
④ 他方で、相続人全員の同意がない場合、内容物の確認が拒否されるというケースもあります。この点、貸金庫内の遺産がどのようなものか判明しなければ、相続をするかしないかの判断ができない場合もあり得るので、相続人の遺産の調査権(民法915条2項)に基づき、一部の相続人からだけであっても、内容物の確認を要求できてもよいとも思えます。
⑤ しかしながら、多くの金融機関では、貸金庫の開扉を認めると内容物を持ち出されてしまうおそれがあることから、全相続人の同意を要求するという内規にしており、一部の相続人のみでの貸金庫内の内容物の確認は拒否されることが多いというのが実情です。
⑥ ただ、相続人の人数が多い、相続人の一部が行方不明などの状況により相続人全員の承諾が直ちにもらえないということもあります。
⑦ そのような場合、相続人に遺産調査権があることを前提に、全相続人の同意を直ちにもらえない事情を金融機関に説明すれば、金融機関職員立ち会い、弁護士の立会い、公証人を立ち会わせて内容物の確認について事実実験公正証書を作成するなど内容物の持ち出しがされないような条件を付けたうえで、一部の相続人の同意のみで貸金庫の内容物の確認を認めてくれることもあります。

(2)相続人ではない場合

① 相続人がいない場合、いとこなどの親族は貸金庫契約者の地位を相続していません。金融機関から見れば貸金庫契約の契約者でもないただの親族であり、貸金庫の内容物を確認させる必要はありません。
② したがって、相続人ではない親族は、原則として内容物の確認はできません。
③ しかし、貸金庫内にもし自筆証書遺言があれば、自身が受遺者になっている可能性もあります。また、相続人がいない場合には相続財産管理人選任申立てをすることになりますが、申立には高額な予納金が必要なことが多いのが実情です。
④ 相続財産管理人を選任してもらい、相続財産管理人が貸金庫を開扉したら自筆証書遺言が見つかったとなると、せっかくの相続財産管理人申立費用も無駄になってしまいます。
⑤ このように貸金庫内の他の内容物は確認できなくてよいので、貸金庫内に自筆証書遺言があるかだけでも知りたいという実情があります。
⑥ 原則として相続人でない親族は、貸金庫内の内容物の確認はできないのですが、諦めずに交渉をした結果、貸金庫内に自筆証書遺言があるかだけは確認させてもらえたというケースはあります。
⑦ 相続人以外の場合、原則としては貸金庫内の内容物の確認は困難ですが、諦めずに金融機関と交渉をした方がよいでしょう。

2 自宅を調べる場合

① 自筆証書遺言が自宅で保管されているか否かは、とにかく故人の自宅内を探してみるしかありません。
② 貴重品が入っている引き出しに一緒に保管されているほか、仏壇や神棚、化粧台なども調べてみてください。また、自宅に金庫があるという方もいます。
③ 自宅金庫の中に自筆証書遺言が保管されている可能性があるので開けたい場合、多くの金庫は暗証番号を入れたり、ダイヤルを回したりする必要があります。
④ 故人が予期せず亡くなった孤独死のケースでは、誰も自宅金庫の開け方を教えてもらっておらず、開け方を控えてもいないので、開けたくても開けられないということも多いかと思います。
⑤ 何度かそのような場面に遭遇したことがありますが、いずれのケースでも鍵業者に依頼し、開扉してもらえました。