【孤独死をめぐるQ&A】Q10 遺言書の探し方③ 自筆証書遺言の探し方、貸金庫の開扉 

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、銀行手続、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【Q10】遺言書の探し方③ 自筆証書遺言の探し方、貸金庫の開扉

一人暮らしをしていたいとこが孤独死をしました。いとこには相続人がいないのですが、いとこと私は生前仲がよかったので、もしかしたら遺言を書いているかもしれません。
公正証書遺言も法務局に預けた自筆証書遺言もなかったのですが、他にはどのような場所を探せばよいでしょうか。

【A】自筆証書遺言は、金融機関の貸金庫や自宅の金庫に保管されていることもあります。
その他、自宅の貴重品が入っている引き出しの中、仏壇や神棚の周辺、本棚、タンスの中、化粧台などに入っていたこともあるので、遺品整理の際に細かく探してみてください。

【解説】

1 金融機関の貸金庫の場合

(1)相続人の場合

① 金融機関との間の貸金庫契約は、「当該貸金庫の場所(空間)の賃貸借」とされます。
② 賃貸借契約ですので、死亡に因っては当然に終了せず、貸金庫契約上の地位は相続人全員で準共有されているという状態になります。
③ 貸金庫契約上の地位は、相続人全員で準共有している状態ですので、相続人全員の同意があれば、遺産分割未了の間であっても、金融機関は内容物の確認をさせてくれます。
④ 他方で、相続人全員の同意がない場合、内容物の確認が拒否されるというケースもあります。この点、貸金庫内の遺産がどのようなものか判明しなければ、相続をするかしないかの判断ができない場合もあり得るので、相続人の遺産の調査権(民法915条2項)に基づき、一部の相続人からだけであっても、内容物の確認を要求できてもよいとも思えます。
⑤ しかしながら、多くの金融機関では、貸金庫の開扉を認めると内容物を持ち出されてしまうおそれがあることから、全相続人の同意を要求するという内規にしており、一部の相続人のみでの貸金庫内の内容物の確認は拒否されることが多いというのが実情です。
⑥ ただ、相続人の人数が多い、相続人の一部が行方不明などの状況により相続人全員の承諾が直ちにもらえないということもあります。
⑦ そのような場合、相続人に遺産調査権があることを前提に、全相続人の同意を直ちにもらえない事情を金融機関に説明すれば、金融機関職員立ち会い、弁護士の立会い、公証人を立ち会わせて内容物の確認について事実実験公正証書を作成するなど内容物の持ち出しがされないような条件を付けたうえで、一部の相続人の同意のみで貸金庫の内容物の確認を認めてくれることもあります。

(2)相続人ではない場合

① 相続人がいない場合、いとこなどの親族は貸金庫契約者の地位を相続していません。金融機関から見れば貸金庫契約の契約者でもないただの親族であり、貸金庫の内容物を確認させる必要はありません。
② したがって、相続人ではない親族は、原則として内容物の確認はできません。
③ しかし、貸金庫内にもし自筆証書遺言があれば、自身が受遺者になっている可能性もあります。また、相続人がいない場合には相続財産管理人選任申立てをすることになりますが、申立には高額な予納金が必要なことが多いのが実情です。
④ 相続財産管理人を選任してもらい、相続財産管理人が貸金庫を開扉したら自筆証書遺言が見つかったとなると、せっかくの相続財産管理人申立費用も無駄になってしまいます。
⑤ このように貸金庫内の他の内容物は確認できなくてよいので、貸金庫内に自筆証書遺言があるかだけでも知りたいという実情があります。
⑥ 原則として相続人でない親族は、貸金庫内の内容物の確認はできないのですが、諦めずに交渉をした結果、貸金庫内に自筆証書遺言があるかだけは確認させてもらえたというケースはあります。
⑦ 相続人以外の場合、原則としては貸金庫内の内容物の確認は困難ですが、諦めずに金融機関と交渉をした方がよいでしょう。

2 自宅を調べる場合

① 自筆証書遺言が自宅で保管されているか否かは、とにかく故人の自宅内を探してみるしかありません。
② 貴重品が入っている引き出しに一緒に保管されているほか、仏壇や神棚、化粧台なども調べてみてください。また、自宅に金庫があるという方もいます。
③ 自宅金庫の中に自筆証書遺言が保管されている可能性があるので開けたい場合、多くの金庫は暗証番号を入れたり、ダイヤルを回したりする必要があります。
④ 故人が予期せず亡くなった孤独死のケースでは、誰も自宅金庫の開け方を教えてもらっておらず、開け方を控えてもいないので、開けたくても開けられないということも多いかと思います。
⑤ 何度かそのような場面に遭遇したことがありますが、いずれのケースでも鍵業者に依頼し、開扉してもらえました。

【孤独死をめぐるQ&A】Q9 遺言の探し方② 自筆証書遺言保管制度について

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【Q9】遺言の探し方② 自筆証書遺言書保管制度について

一人暮らしをしていたいとこが孤独死をしました。いとこには相続人がいないのですが、いとこと私は生前仲が良かったので、もしかしたら遺言を書いているかもしれません。
公正証書遺言はなかったのですが、生前にいとこは自筆証書遺言を法務局に預けるという制度が始まったということを話しており、その制度を利用しているかもしれません。
自筆証書遺言書が法務局に預けられているか調査する方法を教えて下さい。

【A】法務局に対して、「遺言書保管事実証明書」の請求をすれば、故人が請求者を受遺者に指定している遺言を作成していたか調査することができます。

【解説】

1 自筆証書遺言書保管制度

① 令和2年7月から法務局で自筆証書遺言を預かるという自筆証書遺言書保管制度が始まりました。(遺言書保管法)
② 自筆証書遺言書保管制度を利用すると、
・遺言書の画像情報
・遺言書に記載されている作成の年月日
・遺言者の氏名、生年月日、住所、本籍
・遺言書に受遺者がある場合には受遺者の氏名、住所
・遺言書で遺言執行者を指定している場合は、その者の氏名、住所・遺言書の保管を開始した年月日
・遺言書が保管されている遺言書保管所の名称及び保管番号
などの情報が法務局で記録されることになります。

2 自筆証書遺言書保管の調査

① 故人が自筆証書遺言書保管制度を利用して自筆証書遺言を法務局に預けていたかについて、相続人や受遺者、遺言執行者などの立場にある人(相続人等といいます。)は、全国の遺言書保管所(法務局)で調査をすることが可能です。
② 遺言書が存在した場合、相続人等は、遺言書の内容の証明書の交付を請求したり、遺言書の原本の閲覧、遺言書のモニターによる閲覧をすることができます。
③ なお、遺言書保管官は、遺言書情報証明書を交付し又は相続人等に遺言書の閲覧をさせたときは、速やかに、当該遺言書を保管している旨を遺言者の相続人、受遺者及び遺言執行者に通知することになっています。

3 遺言書保管事実証明書

① 遺言者が死亡した後であれば、誰でも、法務局に対して「遺言書保管事実証明書」の請求をすることにより、故人が自筆証書遺言を保管しているか否かの確認をすることができます。
② この制度により自分が受遺者になっているかもしれないという程度の利害関係でも、自分に関係がある自筆証書遺言が保管されているか否かを確認することができます。
③ いとこでありもしかしたら受遺者に指定されているかもしれないという場合、遺言書保管事実証明書の申請をすれば、自身に関係がある自筆証書遺言が保管されているか否かが明らかになります。
④ 自身に関係がある自筆証書遺言が保管されていなければ、「(あなたに関係のある遺言書は)保管されていない」という証明書が発行されます。
⑤ なお、遺言書保管事実証明では遺言書の内容を知ることはできません。遺言書保管情報証明書を請求し自筆証書遺言が保管されていることが判明したら、次は遺言書情報証明書の交付請求や遺言書の閲覧請求を行い、遺言書の内容を確認する必要があります。

4 請求先

① 遺言書保管事実証明書は、実際に遺言書を保管している遺言書保管所に限らず、どの遺言書保管所に請求しても構いません。
② 窓口で請求する場合には、免許証などの写真付きの公的身分証明証が必要になるので、忘れずにお持ちください。
③ なお、窓口の請求ではなく、郵送による請求をすることも可能です。

【孤独死をめぐるQ&A】Q8 遺言の探し方① 公正証書遺言の探し方

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【Q8】遺言の探し方① 公正証書遺言の探し方

一人暮らしをしていたいとこが孤独死をしました。いとこには相続人がいないのですが、いとこと私は生前仲が良かったので、もしかしたら遺言を書いているかもしれません。
亡くなった人が、公正証書遺言を作っていたかを調べる方法があれば教えてください。

【A】遺言には大きく分けて公正証書遺言と自筆証書遺言があります。
公正証書遺言の原本は公証役場で保管されています。
自筆証書遺言については、法務局で保管されている場合と、自宅や金融機関の貸金庫等法務局以外で保管されている場合があります。それぞれ探し方が異なります。
公正証書の場合、公証役場で遺言の有無を調査可能ですが、調査をしてもらうには利害関係人であることが必要になります。いとこであるという程度だと利害関係が認められず、調査の受付をしてもらえない可能性があります。

【解説】

1 遺言検索システム

① 平成元年以降に作成された公正証書遺言であれば、全国の公証人が利用できる「遺言検索システム」により調べることができます。
② 遺言検索システムを利用するには、公証役場に用意されている申請用紙で申請を行います。遺言検索はどこの公証役場でも申請することができ、遺言検索だけであれば手数料はいりません。
③ 遺言者の存命中は、遺言者本人以外は遺言の存否を確認することはできません。
④ 昭和63年以前に作成された公正証書遺言を探したい場合、故人の自宅周辺の公証役場に個々に問い合わせをする必要があります。

2 利害関係人とは

① 遺言者が亡くなった後であれば、相続人、受遺者、遺言執行者、相続財産管理人などの利害関係人が公正証書遺言の検索をすることができます。
② 利害関係人が遺言検索をするには、遺言者の死亡を証する除籍謄本のほか、申請者と遺言者の関係を証する資料、免許証などの本人確認書類、印鑑が必要になります。
③ 利害関係を示す資料としては、相続人であれば戸籍の全部事項証明書などで相続人であることを示すことになります。
④ 受遺者や遺言執行者の場合、どのような書類であれば利害関係を認めてくれるかは、公証役場の判断になるので、公証役場に事前に確認してください。
⑤ たとえば、先に書いた自筆証書遺言があり、それで自己が受遺者や遺言執行者になっているのであれば、その遺言書の写しを持参することになります。また、遺言者からの手紙に受遺者にしたなどと記載されていればその手紙を持参することになります。

3 公正証書遺言があった場合

① 遺言検索により公正証書遺言が存在した場合、保管場所となっている公証役場、遺言の作成年、証書番号を教えてもらえます。
② 公正証書遺言が保管されている公証役場に対して、遺言者の謄本の交付を請求すれば遺言を手に入れることができます。
③ 公証役場が遠方の場合、平成31年4月1日から郵送で取得することも可能になりました。

4 利害関係人による遺言検索システム利用の困難さ

① 受遺者が遺言検索システムを利用するには、自分が受遺者であることを推定されるような資料が必要となります。自身が受遺者になっていると思われるという程度では利用できません。
② 本事例のように、ただ、「いとこ」である程度の利害関係では、遺言検索システムを利用できる利害関係人には当たらないと判断される可能性が高いです。
③ 仮に、故人が生前、自分が亡くなったら財産はいとこにあげると言っていたなどの事情があれば、それを陳述書にして公証役場に提出して、公証役場の判断を仰ぐことになります。

5 遺言検索システムが利用できない場合

① 故人に相続人がおらず、遺言検索システムを利用しようとしたが公証役場が利害関係があると認めてくれないという場合、それでも公正証書遺言の有無を調査するのであれば、相続財産管理人選任申立てを検討することになります。
② 相続財産管理人に選任されれば、相続財産管理人が公正証書遺言の有無を調査してくれます。

【孤独死をめぐるQ&A】Q7 相続人の一人が認知症の場合(成年後見)

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【Q7】相続人の一人が認知症の場合(成年後見)

一人暮らしをしていたおじが亡くなり、私が相続人になります。相続人調査の結果、私以外にも相続人がいることが分かりましたが、その相続人が認知症であることが判明しました。相続人の一部が認知症になっていた場合、遺産分割はどのようにすればよいですか。

【A】認知症により「事理を弁識する能力を欠く常況にある」場合には、成年後見人を選任してもらい、成年後見人を交えて遺産分割協議をする必要があります。

【解説】

1 老々相続

① 孤独死の場合、配偶者や子はおらず、既に両親が亡くなっていることから、兄弟姉妹が相続人になることが多くなります。
② そして、故人が高齢により亡くなっている場合、その相続人となる兄弟姉妹も高齢者であることが多く、相続人が認知症で判断能力がないということもまま生じます。

2 後見人の選任

① 認知症により判断能力がないという場合、遺産分割協議に応じることができないので、後見開始の申立てをし、成年後見人に就任してもらい、成年後見人を交えて遺産分割協議をすることになります。
② 後見開始申立ては、本人、配偶者、四親等内の親族などが行うことができることになっています。
③ 四親等内の親族が申立て可能ですので、相続人同士であれば後見開始申立ては可能です。
④ ただ、本人の財産目録や診断書を提出する必要があり、特に診断書は本人と同居していない者が取得するのは事実上困難です。
⑤ そのため、認知症になっている相続人の配偶者や子などに後見開始申立てをするように依頼してみるというのが通常です。

3 親族の協力がない

① もっとも後見申立てをするように依頼しても、親族の協力が得られず、申立てがされない場合もあります。
② 成年後見人が選任されてしまうと、被後見人の財産管理に家族以外の第三者が関与することになり財産管理に不都合を感じていない親族からすれば成年後見人の選任に協力するメリットがありません。
③ また、親族以外の第三者が成年後見人に選任された場合、成年後見人の報酬も発生するため、ゆくゆくは親族が相続するであろう被後見人の財産も目減りしてしまいます。
④ そのため必ずしも親族が後見申立てに協力してくれるとは限らないのです。
⑤ その場合、任意での協議ではなく、特別代理人を選任し、遺産分割調停や遺産分割審判で遺産分割を求めていくことになります。

【孤独死をめぐるQ&A】Q6 相続人が生死不明の場合(失踪宣告)

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【Q6】相続人が生死不明の場合(失踪宣告)

おじXが亡くなり、甥であるYが相続人調査をしました。戸籍調査によるとおじには兄Aがいることになっているのですが、Aの存在など聞いたことがなく、Aの戸籍上の年齢は122歳なので、おそらくすでに亡くなっているのに死亡届が出ていないのだと思います。
Xには他に相続人はなく、Aにも相続人になるような親族はY以外にいません。
このように相続人の一部がすでに亡くなっているはずなのに戸籍上は亡くなったことになっていない場合、どのような手続きをすればよいでしょうか。

【A】生死不明から7年以上経過していれば失踪宣告を申立てることになります。

【解説】

1 失踪宣告とは

① 失踪宣告とは、一定期間以上行方不明になっており、生きているのか死んでいるのか分からない状況の人に対して、法律上死亡したものとみなす効果を生じさせる制度のことです。
② 生死が7年間以上明らかでない場合(普通失踪)、戦争、船舶の沈没、震災等の死亡の原因となる危難に遭遇し、その危難が去った後、生死が1年間以上明らかでない場合(危難失踪)に申し立てることができます。

2 失踪宣告の手続

(1)管轄

① 失踪宣告の申立ては不在者の従来の住所地又は居所地の家庭裁判所に対して行います。
② 従来の住所地も居所地も分からない場合は、東京家庭裁判所に申し立てを行うことになります。

(2)申立権者

① 失踪宣告を申立てることができるのは利害関係人に限られます。
② ここでいう利害関係人は、事実上の利害関係では足りず、配偶者、父母、相続人などの法律上の利害関係があることが必要です。

(3)失踪宣告手続

① 失踪宣告の申立てがされると、多くの場合、家庭裁判所調査官による調査が行われます。
② その後、裁判所が定める期間(普通失踪の場合は3カ月以上)に、不在者の生存を知っている人はその届出をするように官報や裁判所の掲示板で催告します。
③ その期間内に届出などがなかったときに失踪の宣告がされます。

3 失踪宣告の効果

① 普通失踪の場合、失踪期間7年間が満了した時に死亡したものとみなされます。
② 失踪宣告の審判が出て確定した場合、申立人は、10日以内に失踪宣告審判書謄本、確定証明書を添付して不在者の本籍地又は申立人の住所地の役場に対して失踪届を出さなければなりません。
③ 失踪届が出されると戸籍に失踪宣告が反映されますので、それを取得して相続手続きをすることになります。

4 失踪宣告の申立例

(1)失踪日の重要性

① 普通失踪の場合、失踪した日から失踪期間である7年間が満了した時に死亡したとみなされます。
② そのため、失踪した日を特定する必要があります。失踪者が死亡したとみなされる日によっては失踪者の相続関係が変動する可能性もあり、失踪者がいつ失踪したかは重要な問題になります。

(2)一切の交流がなく失踪した日が分からない場合

① 孤独死の場合、故人との交流が一切なく、失踪した他の相続人についても一切の事情が分からないということもあります。
② 存在そのものを知らず、戸籍上のみ存命していることになっているというケースの失踪宣告もあります。
③ 失踪者について一切の事情が分からないので、形式的なものに依拠するほかなく、戸籍上の身分事項の最後の記載がある日や戸籍の附票上の住所が職権で消除された日を失踪日と申立てその旨で審判が出されたケースもあります。

(3)失踪していることの説明

① 失踪していることの説明として、失踪者と連絡が取れず、失踪者の行方を知っている親族がいないことの他、失踪者が平均寿命を超える年齢であること、高齢であれば介護保険や健康保険を利用するはずですが住民登録がされていないので介護保険や健康保険が使えないことを補充的に説明しています。

5 高齢者消除との関係

① 100歳を超えて所在不明の方について、市町村長が法務局長の許可を得て、戸籍を消除することが認められています。これを高齢者消除といいます。
② この高齢者消除は戸籍の整理にすぎないので、その人が死亡したことにはなりません。家庭裁判所の審判で、「単に戸籍行政上の便宜にもとづくものであつて、失踪宣告の如き法的効果を生ずるものでない」としています。相続手続からその人を除くには、やはり失踪宣告を申立てる必要があります。
③ 戸籍の高齢者消除がされている場合、失踪届を出した後、消除の取消しをした後で戸籍に反映されるため、通常より戸籍取得に時間がかかる点に注意が必要です。

5 失踪宣告と不在者財産管理人の選択

① 行方不明者が7年間生死不明であっても、失踪宣告を申立てず、行方が分からないという理由で不在者財産管理人を選任し、遺産分割協議をすることは可能です。
② では、7年間生死不明の行方不明者がいるばあい、失踪宣告と不在者財産管理人選任申立てとどちらを選べばよいのでしょうか。
③ 考えるポイントはスピードと相続分です。
④ 不在者財産管理人選任申立てと失踪宣告では、不在者財産管理人選任申立ての方が解決のスピードが速いと思われます。失踪宣告は、家庭裁判所調査官による調査、3か月以上の催告期間が必要ですが、不在者財産管理人選任の場合、催告期間は必要ありません。
⑤ 次に相続分です。不在者財産管理人が選任された場合、不在者の不利になるような遺産分割は許可されません。そのため、不在者の法定相続分は確保されることになります。
⑥ 他方で、失踪宣告の場合、失踪者は法律上死亡したものとみなされます。失踪者に相続人がいれば、その相続人がXの遺産分割協議に参加することになるので、失踪者の相続分は、失踪者の相続人が相続することになります。
⑦ しかし本事例のように失踪者にY以外の相続人がいないのであれば、遺産分割協議に参加する人数が減る結果、その分Yの相続分が増えることになります。そうなると自身の相続分が増えるので、時間がかかっても失踪宣告を利用する方が経済的メリットがあるということになります。

【孤独死をめぐるQ&A】Q5 相続人が行方不明の場合 不在者財産管理人

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【孤独死をめぐるQ&A】Q5 相続人が行方不明の場合 不在者財産管理人ついての記事です。

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【Q5】相続人が行方不明の場合 不在者財産管理人

一人暮らしをしていたおじが亡くなり、私が相続人になります。
相続人調査の結果、私以外にも相続人がいることが分かりましたが、住所を調べても行方が分かりません。相続人の一部が行方不明の場合、どうすればよいですか。

【A】生死不明で7年間経過している場合には、家庭裁判所に失踪宣告を申立てます。特定の外国に住んでいるらしいが住所が分からないという場合には、当該国の総領事館に所在確認をしてみます。それ以外の場合には、不在者財産管理人の選任申立てを行い、不在者財産管理人が行方不明の相続人の代理人となって遺産分割手続きを進めていきます。

【解説】

1遺産分割協議は全ての相続人が参加する必要がある

① 遺産分割協議は一部の相続人だけで行うことはできず、相続人全員で行う必要があります。
② 相続人が行方不明の場合、相続人探し出す、行方不明の相続人を死亡したことにして相続手続から除外する、行方不明の相続人の代理人を立ててその者と遺産分割協議をするなどの方法をとる必要があります。

2孤独死の方の相続の特徴

① 配偶者や子がいる方の孤独死もありますが、やはり多いのは配偶者も子も親もいないという方かと思います。
② そのような場合、兄弟姉妹がいれば兄弟姉妹が相続人になります。高齢な故人の兄弟姉妹が相続人になる場合、兄弟姉妹も高齢です。兄弟姉妹が高齢だと認知症を患っており、既に意思能力がないという問題が生じることもあります。
③ また、高齢者の方は、兄弟姉妹の人数が多いという方も多いかと思います。そして、兄弟姉妹が先に亡くなっている場合、甥・姪が相続人になります。
④ もともと、兄弟姉妹が多いところにその甥・姪まで相続人になるので、相続人が多くなることもあります。相続人の人数が多くなれば、行方不明の方がいることもあるのです。
⑤ 相続人が行方不明ということなどあるのかと思われるかもしれませんが、典型的なのは相続人の一人が海外に行ってしまったというケースです。外国には日本のように住民票という制度がない国もあります。
⑥ 国外に転出した際には最初は住所を伝えていたが、その後、外国内で引越しをしたらしく、郵便物が届かず、どこに住んでいるのか分からないということがままあるものです。

3国外に住んでいる住所不明な相続人がいる場合

① 国外に転出した場合、転出先の国が住民票の除票に記載されます。転出先の国は分かりますが、外国には日本のような住民票がない国があり、国外に転出した方のその後の住所が分からないことがあります。
② また、一度転出した後で、また他の国に引越しをしていた場合、もう住民票では追えなくなります。そのような場合、滞在している外国の日本領事館に所在確認の手続き(外務省が実施する「所在調査」)を依頼することができます。
③ この所在調査は滞在している国が判明している場合のみ利用可能で、不明な場合は調査することができません。所在調査は三親等内の親族のみ利用が可能で、所在調査申込書を記入して依頼します。
④ 本事例でいえば、行方不明者が他のおじ、おばであれば三親等ですので、所在調査を利用できます。しかし、いとこの場合は四親等になるので、所在調査は利用できません。
⑤ アメリカ合衆国限定ですが、居住者データベースサイトも存在し、全員が登録されているわけではありませんが、行方不明者の探索の端緒になる可能性はあります。

4行方不明の方が生死不明の場合

① 行方不明となった相続人が生死不明であり、生死不明になった時から7年間経過している場合、家庭裁判所に「失踪宣告」の申立てをすれば死亡したものとみなされます。
② この場合は、行方不明者以外の相続人で手続きを進めていくことができます。行方不明の者に子がいた場合は、代襲相続して子が相続人となります。
③ なお、生死不明になった時から7年間経過していても、失踪宣告を申立てずに不在者財産管理人選任を申立てることも可能です。

5行方不明の方が生死不明ではない又は生死不明になってから7年間経過していない場合

① 住民票や戸籍の附票を取りよせても所在が確認できず、又は生死不明な状態から7年間は経過していないという場合、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任申立てを行い、管理人に行方不明者の相続人の代理人となってもらって相続手続きを進めていくことになります。

1)不在者財産管理人とは

① 不在者財産管理人とは、従来の住所又は居所を去り容易に戻る見込みのない者(不在者)の財産を管理する人をいいます。
② 遺産分割において行方不明となっている相続人がいる場合、裁判所に行方不明の相続人の不在者財産管理人を選任してもらい、不在者財産管理人を交えて遺産分割協議を行うことになります。
③ 不在者財産管理人選任の申立ては、不在者の従来の住所地又は居所地の家庭裁判所に対して行います。不在者財産管理人の申立ては、利害関係人(不在者の配偶者、相続人に当たる者、債権者など)と検察官が行なうことができます。
④ 本ケースのように遺産分割の相手方が行方不明という場合には、他の相続人は利害関係人として不在者あ財産管理人選任の申立てができます。

2)不在者財産管理人選任の手続き

① 家庭裁判所は、申立書や所在不明となった事実を裏付ける資料を確認した上で、申立人から事情を聴いたり。不在者の親族に照会したりして、所在不明かを判断します。
② 所在不明であり、不在者財産管理人を選任する必要があると判断した場合、不在者財産管理人選任の審判をします。
③ 不在者財産管理人は、不在者財産管理人選任申立書に申立人が候補者を推薦することは可能です。しかし、申立人が推薦した候補者が必ず選任されるわけではありません。不在者との関係や利害関係の有無などを考慮して、適格性が判断され、場合によっては、弁護士、司法書士などの専門職が選ばれます。

3)不在者財産管理人との遺産分割協議

① 遺産分割協議のために不在者財産管理人を選任してもらうのですが、不在者財産管理人は不在者の財産を管理する権限しかないので、遺産分割協議により財産を取得するには、権限外行為許可を得る必要があります。
② この点、不在者の不利になるような遺産分割協議をすることは許可されませんので、不在者の法定相続分を確保した遺産分割協議を行う必要があります。

4)不在者財産管理人選任申立ての管轄について

① 不在者財産管理人選任の申立ては、原則として不在者の従来の住所地を管轄する家庭裁判所になります。
② しかし、不在者財産管理人を交えて遺産分割調停を行うことが必要なケースもあります。現に遺産分割協議が遠方の家庭裁判所で行われているような場合、不在者の住所地の家庭裁判所管内で不在者財産管理人が選任されると、遺産分割調停の出席のために遠方の家庭裁判所に出かけるなどして交通費などがかかってしまうこともあります。
③ そのような場合、遺産分割調停が行なわれている家庭裁判所に管轄外申立てをすることを検討しても良いかもしれません。
④ 裁判所によっては、遺産分割調停が係属しているような紛争性が高い案件ついては、申立人が推薦する候補者を選任しない運用をしているところもあるようです。
⑤ そのような場合、不在者の従来の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てても、家庭裁判所から、管轄内での不在者財産管理人選任は不都合なので、遺産分割調停が係属している家庭裁判所に移送申立てをするように促されることもあります。

【孤独死をめぐるQ&A】Q4 相続人の調査② 第三者による戸籍の調査

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【孤独死をめぐるQ&A】Q4 相続人の調査② 第三者による戸籍の調査ついての記事です。

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【Q4】相続人の調査② 第三者による戸籍の調査

賃貸アパートを高齢者に貸していたのですが、入居者が部屋で孤独死してしまいました。
相続人に死亡後の賃料や原状回復費を請求したいのですが、亡くなった人の相続人が誰かわかりません。
親族でない第三者が契約の相手方の相続人を調査することもできるのでしょうか。

【A】第三者が戸籍を取得して相続人の調査をすることはできますが、戸籍を取得する必要があるということを説明する必要があります。

【解説】

1第三者による戸籍の取得

① Q3のとおり、戸籍は個人情報の塊ですので、戸籍を取得することができる場合は制限されています。
② 本事例のように、孤独死した方が入居していた住居の賃貸人など、相続人以外が故人の相続人を調査する必要がある場合があります。
③ 戸籍を取得できるのは以下の場合に限定されます。
・自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために必要がある場合
・国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある場合
・戸籍の記載事項を利用する正当な理由がある場合
④ 戸籍を請求しようとする者は、自身が上記の事由に該当することを資料の提出などにより明らかにする必要があります。
⑤ 本事例のように孤独死した方が入居していた住居の賃貸人であれば、賃料請求権や原状回復請求権という賃貸人の権利行使のために必要があると言えます。
⑥ 例えばですが、故人との間の賃貸借契約書を添付した上で、賃借人が死亡したので賃料や原状回復を相続人に請求する必要があるなどと記載して、自己の権利を行使するために必要であることを示して戸籍を請求することになります。

2 相続人の住所調査

① 相続人が判明したら、次は相続人に連絡を取るために住所を調査することになります。相続人の住所を調べるには、戸籍の附票を取り寄せます。
② 戸籍の附票とは、住民基本台帳法に基づき市町村と特別区で作成される該当市区町村に本籍がある者の住所履歴に関する記録を言います。戸籍の附票を取ると、対象者の住所履歴が分かります。
③ まれに戸籍の附票に住所地が記載されていなかったり、戸籍の附票が取れなかったりするケースもあります。その場合、住所を調べるのは難しいということになってしまいます。
④ また、住民登録をしている住所が判明しても、実際にはその場所に住んでいないという方もいます。そのような場合、現地調査をして、近隣の方に事情を聞いてみたりすることもありますが、住民登録をしている住所に住んでおらず、郵便物を送っても届かないという場合には、実際に居住している住所を調べるのは難しいのが実情です。
⑤ 住所調査をしても相続人の調査ができず、相続人が生死不明、行方不明という場合には、不在者財産管理人、失踪宣告などを検討することになります。

3 専門家への依頼

① 戸籍を遡り相続人を調査する場合、自分で戸籍を調査してみても、身分関係が複雑であったりして相続人の範囲が確認できなかったり、大量の戸籍を調査する必要があり手間がかかったりすることがあります。
② 子のいないおば夫婦が順次亡くなり相続手続未了のような場合には、おばの配偶者の甥が遺産分割の相手方となり、縁が遠すぎて自治体から戸籍の取得を拒否されてしまうケースもあります。
③ そのような場合、弁護士、司法書士、行政書士、税理士などの専門家に相続人の調査を依頼することも可能です。
④ それらの専門家は、職務上必要がある場合には戸籍謄本を取得することが認められています。

【孤独死をめぐるQ&A】Q3 相続人の調査① 相続人による戸籍の調査

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【Q3】相続人の調査① 相続人による戸籍の調査

子のいないおじ夫婦が相次いで亡くなりました。私はおじの相続人になるようなのですが、何の付き合いもなかったのでおば側の相続人が誰かが全く見当もつきません。
相続人が誰か調べるにはどのようにすればよいですか。

【A】故人の戸籍を遡り、相続人を調査することになります。

【解説】

1 相続人の範囲

① Q2で解説したとおり、法定相続人の範囲は、配偶者、子(直系卑属)、親(直系尊属)、兄弟姉妹、甥・姪までとなっています。
② そして、配偶者は必ず相続人になり、子、親、兄弟姉妹は順位がつけられています。
③ このことから、故人の戸籍をたどり、配偶者がいるか、子がいる(いた)か、親が存命か、兄弟姉妹や甥・姪がいるか、という点について調査をしていくことになります。

(1)故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得する

① 故人の本籍地の役場において、故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得します。
② 本籍地が分からない場合には、住民票の除票を本籍地の記載ありで取得すると本籍地が判明します。
③ 故人の戸籍謄本を取得すると、故人に存命の配偶者がいるか子がいる(いた)かどうかが分かります。配偶者がいる場合、配偶者が相続人になります。

(2)故人に子がいる(いた)場合

① 故人に子がいた場合、子が存命であることを確認できる戸籍謄本を取得します。子が存命であれば、子が相続人になります。
② また、子が亡くなっている場合、出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得して、孫がいれば孫が存命であることのわかる戸籍謄本を取得します。
③ 子や孫などの直系卑属が存命していない場合、第1順位の相続人はいないことになります。

(3)故人に子がいない場合

① 故人に子がいない場合、故人の父母や祖父母の戸籍を遡って調査します。故人の父母や、祖父母が存命であれば父母や祖父母が相続人になります。
② 故人の父母や祖父母が亡くなっている場合、兄弟姉妹や甥・姪の有無を調査することになります。
③ 故人の両親の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取り寄せ、兄弟姉妹の有無を調査します。兄弟姉妹がいる場合は、兄弟姉妹が存命であることが分かる戸籍謄本を取得します。
④ もし、兄弟姉妹が死亡している場合、出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得して子(故人にとっては甥・姪)がいるかを調べます。
⑤ 兄弟姉妹が死亡しても甥・姪がいる場合、甥・姪が存命中であることがわかる戸籍謄本を取得します。これで相続人の調査は終了です。

2 具体的な戸籍の取得方法

(1)戸籍謄本等を取得することができる人

① 戸籍は個人情報の塊であり、戸籍を取得することができる人の範囲には制限があります。本人、本人と同一戸籍、直系尊属(父母や祖父母)、直系卑属(子や孫)についての戸籍は特に制限なく取得することが可能です(戸籍法10条1項)。
② 本人、本人と同一戸籍、直系尊属、直系卑属以外の戸籍を取得する場合には、戸籍を取得する必要性を説明する必要があります。
③ 例えば、兄弟姉妹やおじおばが亡くなり相続人を調査する必要がある場合、自己が相続人であることを示すために、その人との関係が分かる書類(その人とのつながりが分かる戸籍など)の提出が求められることがあります。
④ 本事例のようにおじの配偶者の相続人の調査や、数次相続などにより遠縁である場合、相続に必要ではあるので、自身が相続人であることを示して戸籍を請求することはできるのですが、縁が遠すぎて役所で断られてしまったと、相談に来られることもあります。

(2)戸籍の取得方法

① 戸籍は、本籍地の役場で取得します。本籍地が転籍や婚姻などを理由に変更されている場合、従前の本籍地での戸籍は、従前の本籍地の役場で取得する必要があります。

ア 窓口での取得
1. 戸籍は、窓口で請求することができます。故人の本籍地が請求者の近くの自治体であれば窓口に行くのが便利です。
2. 窓口において相続人調査である旨を伝えれば、必要な戸籍のうち、その役所にある分は全て出してもらえます。
3. 窓口で請求する場合、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)が必要ですので持参してください。

イ 郵送での取得
1. 戸籍を請求したい自治体が遠いなどの場合には、郵送で戸籍を取得することができます。戸籍の取り寄せに必要な請求書は各自治体のホームページなどで取得可能です。
2. 手数料は一通につき戸籍謄本が450円程度、除籍謄本が750円程度です。手数料は定額小為替という方法で支払うことが多いですが、普通為替、現金書留での支払ができる自治体もあります。なお、定額小為替はゆうちょ銀行で購入できます。
3. 本人等以外の戸籍を取得する場合、事前に当該自治体に連絡をし、自身が戸籍を取得できる事由に該当することを示すためにどのような書類を添付すればよいか確認をしておいた方がよいでしょう。
4. ある役所に申請をしても故人の戸籍がどのくらい種類があるのかは事前にわかりません。そのような場合、請求書に「○○(亡くなられた方)について、出生(又は婚姻)から死亡までの連続した戸籍をすべて各△通ずつ必要」などと記入すると必要な戸籍を送ってもらえます。
5. また、戸籍取得のための手数料についても、ある程度まとまった定額小為替を入れておくと精算をして戻してもらえます。
6. 自治体によっては、事前に金額や定額小為替の内訳を指定されたりもしますので、先に自治体に問合せをして、相続人調査であることについてどのような文言で記載すればよいか、また定額小為替をいくら入れて送ればよいか確認しておくとよいでしょう。

3 戸籍の遡り方

(1)故人の本籍地で戸籍を取得する

① まず故人の本籍地で故人の戸籍を取得します。本籍地が分からない場合には、住民票の除票を本籍地の記載ありで取得すると本籍地が判明します。
② 戸籍を請求する場合、相続人調査であることを示して対象者の連続した戸籍を請求すれば、その役所にある故人の連続した戸籍全部を取得できます。
③ 戸籍が届いたら、対象者の入籍日と従前本籍地を確認します。
④ 従前本籍地は、コンピュータ化された戸籍の場合、身分事項欄の【従前戸籍】という欄に記載があります。
⑤ コンピュータ化される前の戸籍の場合、戸籍事項欄の「転籍届出」という記載や身分事項欄の「××から入籍」などの記載から確認をします。
⑥ なお、戸籍事項欄に戸籍改製との記載がある場合、同一本籍地に改製原戸籍があるので、もし手元になければ改製原戸籍も取得する必要があります。

(2)従前の本籍地に従前戸籍を請求する

① 従前本籍地がある場合、従前本籍地に従前戸籍を請求します。従前本籍地の地方自治体が合併などにより消滅している場合、現在はどの自治体となっているかを調査する必要があります。
② 従前戸籍が届いたら除籍日と次の戸籍の入籍日が一致しているか確認します。除籍日は、対象者の身分事項欄に記載されています。

(3)戸籍の遡りの終了

① 従前戸籍がなくなり、出生による入籍までたどれば戸籍の調査は終了になります。それ以上戸籍が遡れないかは、
・戸籍が編製された日が対象者の出生による入籍日よりも前
・戸籍が編製された日と対象者の出生による入籍日が同じ
になっているかにより判断します。
② なお、昭和22年に家・戸主制度が廃止される前の戸籍は、現在の戸籍とは記載事項が異なるので注意が必要です。

4 戸籍に入らない相続人について

① 父親が婚外子を認知した場合や配偶者がいる者を養子にした場合など、同一戸籍に入らない相続人もいるので、注意が必要です。
② この場合の婚外子や養子の本籍地は認知や養子にした者の戸籍に記載されます。

5 法定相続情報証明の取得

① 戸籍調査により相続人が判明した場合、相続手続に使用するのであれば、法定相続情報証明を取得しておくと便利です。
② 相続手続では、故人の戸籍除籍謄本等の束を、相続手続を取り扱う各種窓口に何度も提出する必要があります。しかし、法定相続情報証明を利用すれば、その後は法定相続情報一覧図の写しを提出することで戸籍除籍謄本等の束を何度も提出する必要がなくなります。
③ 法務局に相続人の確定に必要な戸籍除籍謄本等を全て提出し、併せて相続関係を一覧に表した図を出すと、登記官がその一覧図に認証文を付した写しを無料で交付してくれます。
④ なお、法定相続情報証明の請求ができる法務局は以下の住所地を管轄する法務局から選ぶことができます。
1. 被相続人の本籍地(死亡時の本籍地)
2. 被相続人の最後の住所地
3. 申出人の住所地
4. 被相続人名義の不動産の所在地

【孤独死をめぐるQ&A】Q2 相続に関する基礎知識② 法定相続分について

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【Q2】相続に関する基礎知識② 法定相続分について

おじが孤独死しました。おじとは数年に1回くらいは会っていました。
おじには、離婚していないもののずっと会っていない妻がいますが、遺体の確認にも来ず、葬式にも来ませんでした。
このような場合もおじの妻は相続人になるのでしょうか。また、おばの相続分や私の相続分はどのくらいになるのでしょうか。
私の方がまだ会っていたのに、全く会っていないおばの方が多く相続するのは、納得がいきません。

【A】

① Q1のとおり、配偶者であれば相続人となるので、長期間会っていない妻も相続人となります。
② 法定相続人ごとの法定相続分は解説で説明します。
③ 遺言などがない限り、長期間会っていないなどの事情によって法定相続分は変更されません。

【解説】

1 配偶者がいない場合の法定相続分

① 配偶者相続人がいない場合、同一順位の血族相続人が等分に相続します。
② 例えば、配偶者が亡くなっていて子が3人いれば、各人3分の1ずつです。子が亡くなっていたら、その人の子、つまり孫が代襲相続します。孫は子の相続分を孫の人数で割ったのが1人分です。ある兄弟には子(被相続人から見て孫)がたくさんいるからといって、法定相続分が増えるということはありません。

2 配偶者がいる場合の法定相続分

配偶者相続人がいる場合、配偶者以外の相続人がだれかによって、相続分は変わります。

① 配偶者と子が相続人の場合
配偶者が2分の1を相続し、残りの2分の1を子が等分します。

② 配偶者と親が相続人の場合
配偶者は3分の2を相続し、残りの3分の1を父母で等分します。

③ 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
配偶者は4分の3を相続し、残りの4分の1を兄弟姉妹で相続します。

3 生前の事情によって法定相続分は変更されない

① 生前の付き合いの濃淡によって法定相続分が変更されることはありません。本事例では、数十年会っていなくても妻は妻なので法定相続分は4分の3です。たとえ、甥が故人と頻繁に会っていたとしても法定相続分は変わりません。
② 付き合いの濃淡によって相続分を変更させたい場合には、故人が遺言を書いておく(故人に遺言を書いておいてもらう)必要があります。
③ なお、生前の付き合いの濃淡では法定相続分は変更されませんが、生前の付き合いにより、故人の財産に変動があり、その結果不平等な相続になってしまう場合には、その不公平を調整するための制度があります。
④ 一つ目は、特別受益という制度です。これは「被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者」(特別受益者)がいる場合、遺産に特別受益の価額を加えたものを相続財産とみなし、特別受益者の相続分を特別受益の価額に応じて修正するという制度です。
⑤ 二つ目は寄与分という制度です。これは「共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者」(特別寄与者)がいる場合、遺産から特別寄与者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、特別寄与者の相続分を寄与分の額に応じて修正するという制度です。
⑥ ただし、特別受益も寄与分も、特別なものである必要があるので、過度な期待は厳禁です。

【孤独死をめぐるQ&A】Q1 相続に関する基礎知識① 相続人の範囲について

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【Q1】相続に関する基礎知識① 相続人の範囲について

身寄りがなく連絡を取っていなかったおじが亡くなったらしく、警察から連絡がありました。私が相続人になるのでしょうか。
このような場合、誰が法定相続人になるのかを教えてください。

【A】

① 相続人の範囲ですが、配偶者は必ず相続人になります。そして、配偶者以外の親族には順位がつけられており、第1順位が「子」及びその代襲相続人(孫、ひ孫等)、第2順位が「直系尊属」(両親、それぞれの祖父母等)、第3順位が兄弟姉妹及びその代襲相続人(甥、姪)となります。
② 亡くなったおじに第1順位、第2順位の相続人がおらず、おじの兄弟姉妹、つまり相談者の親も亡くなっている場合には、その遺産を甥・姪が相続するということになります。

【解説】

【1】相続人の範囲

① 亡くなった人のことを「被相続人」といい、亡くなった人の財産を引き継ぐ人を「相続人」と言います。
② また、ある人が亡くなったときに、法律で財産を引き継ぐ権利が認められた人を「法定相続人」といいます。
③ 民法は、法定相続人について、血族相続人と配偶者相続人の2種類を設けています。
④ 血族相続人については第1順位が「子」及びその代襲相続人、第2順位が「直系尊属」、第3順位が兄弟姉妹及びその代襲相続人としています。
⑤ このように血族相続人については順位が付けられており、先順位の相続人がいない場合に次順位の者が相続人になります。
⑥ これに対して、配偶者(夫又は妻)は常に相続人となります。

【2】配偶者

① 相続人となる配偶者は、法律上有効な婚姻、すなわち民法739条の婚姻届出をした配偶者を意味します。
② 相続人になるには日本国籍を有している必要はないので、配偶者が外国籍であっても法律上有効な婚姻をしていれば相続人になります。
③ 批判が多いところではありますが、現在のところ配偶者は民法739条の婚姻届出をした配偶者に限られているので、内縁の配偶者には相続権が認められません。
④ 配偶者が常に相続人になる根拠の一つとして、配偶者が生前被相続人の財産形成に寄与をしているということが挙げられることが多いですが、配偶者が相続人になるには配偶者でさえあればよく、同居の有無や生前の被相続人との関与の度合いは関係ありません。
⑤ 孤独死の場合、配偶者がいないかというとそうではありません。例えば、妻はいて法律上は離婚していなくても、ずっと別居しておりもう40年以上会っていないというようなケースもあります。
⑥ このような場合、夫の財産形成に一切寄与していないと言えますが、法律上の婚姻が継続している限り妻は相続人になります。
⑦ また、離婚調停中であっても、離婚成立前に相続が発生すれば配偶者は相続人になります。

【3】第1順位の相続人は子

① 子(及びその代襲相続人)は第1順位の相続人となります。子が数人いるときは、同順位で相続することになります。長男が優先ということはありません。
② 子が先に亡くなっていた場合、孫(直系卑属)がいれば、孫が相続人になります。子も孫も亡くなっている場合には、ひ孫がいれば、ひ孫が相続人になります。これを「代襲相続」と言います。
③ 子であればよく、男女の別、戸籍を同一とするか、実子・養子の別、嫡出子か嫡出でない子かなどは、相続人となるかどうかに影響はありません。
④ 自分の戸籍に入っていないのだから、相続人にはならないと勘違いする方もいるのですが、離婚した前の配偶者との子で、子が前の配偶者の戸籍に入っているときでも、その子は法定相続人になります。戸籍が一緒かは、相続とは無関係です。
⑤ 他方、再婚した相手の連れ子は、法律上は子ではありません。長期間一緒に住んでいたとしても法定相続人にはなりません。再婚相手の連れ子と養子縁組をしていた場合は、養子として法定相続人になります。
⑥ 孤独死をするような人だと子がいないのではないかと思われるかもしれませんが、実はいたというケースがあります。比較的多いのは、若い頃に結婚してすぐに離婚しており、子がいるが何十年と会っていないし、連絡先も知らないというケースです。周りの人も誰も故人に子がいたことを知らず、戸籍調査で初めて判明したということもあります。
⑦ 相続人になるかどうかは戸籍が同一か実際に交流があるかは関係がありませんので、仮に一度も会ったことがなくても、子は相続人になります。

【4】第2順位の相続人は親

① 第2順位の相続人は、直系尊属となります。直系尊属が相続人になるのは第1順位の相続人である子及びその代襲相続人(孫など)がいない場合(相続放棄や欠格の場合を含みます)です。
② まれに、「(被相続人の)親なのだから自分も相続できるはずだ」という相談者もいますが、親に相続権が認められるのは、被相続人に子(直系卑属)がいない場合だけです。
③ 直系尊属の中では親等が近い者が優先になります。父母のどちらかがいる場合には祖父母は相続人となりません。
④ 親であれば実親か養親かの区別はありませんが、直系尊属は親族に限られるので、姻族、俗にいう義理の父母は含みません。
⑤ 直系尊属に代襲相続はないので、両親のうち父が死亡していれば、母のみが相続人となり父方の祖父母は相続人にはなりません。

【5】第3順位の相続人は兄弟姉妹

① 第1順位の相続人である子及びその代襲相続人も第2順位の直系尊属もいない場合(相続放棄や欠格も含みます)、兄弟姉妹が相続人になります。
② 兄弟姉妹が数人あるときは全て同順位となります。兄弟姉妹には父母の一方を同じく兄弟姉妹(いわゆる半血の兄弟姉妹)も含みますし、養父母を同じくする兄弟姉妹も含みます。
③ 兄弟姉妹が先に亡くなっている場合には、その子である甥・姪が代襲相続人になります。兄弟姉妹の場合代襲相続は甥・姪で終わり、その子は相続人ではなく、甥・姪がいなければ法定相続人はいないことになります。

【6】相続人がいない場合

① これまで解説した通り、法定相続人は、血族相続人と配偶者相続人の2種類であり、血族相続人は第1順位が子及び代襲相続人、第2順位が直系尊属、第3順位が兄弟姉妹(及び代襲相続人として甥・姪)であり、それ以外の親族は法定相続人にはなりません。
② どれだけ仲がよくでも、いとこは法定相続人になれません。
③ 相続人がいない場合、相続財産は国庫に帰属します。ただ、1.被相続人と生計を同じくしていた者、2.被相続人の療養看護に努めた者、3.1.ないし2.に準じて「特別の縁故があった」人などは、特別縁故者として、その申立てにより一定程度遺産が分与される可能性があります。