【任意後見制度】任意後見契約の手続 任意後見監督人とは1

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今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見契約の手続 任意後見人監督人とは1について考えてみたいと思います。

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【1】任意後見監督人の役割

(1)家庭裁判所と任意後見監督人・任意後見人との関係

ア 法定後見制度では、家庭裁判所が成年後見人等を直接監督しているのに対し、任意後見制度では、任意後見監督人が任意後見人を直接的に監督します。

家庭裁判所による監督は、任意後見監督人からの報告等を通じた間接的な監督をするにとどまることになります。
任意後見監督人は任意後見人の事務遂行を直接的に監督し事務遂行につき報告を求めることができますが、家庭裁判所は、直接、任意後見人に事務の報告を求める事はありません。

イ 家庭裁判所と任意後見人との関係

家庭裁判所が直接任意後見人を監督したり、指導したりすることはなく、自らが選任した任意後見監督人の業務に対して、監督・指導することになります。
しかしながら、任意後見監督人の報告等に基づき任意後見人を解任することができます(任意後見契約法8条)。

ただし、家庭裁判所は、職権で任意後見人を解任することはできませんので、任意後見監督人からの定期的な報告等によって解任事由があることが把握できた場合は、任意後見監督人が解任請求の申立てを検討することになります。

ウ 家庭裁判所と任意後見監督人との関係

家庭裁判所は、任意後見監督人から任意後見人の事務に関し、定期的に報告を受けるとともに、必要があると認めるときは、任意後見監督人に対し、任意後見人の事務の報告を求め、任意後見人の事務若しくは本人の財産の状況の調査を命じ、その他任意後見監督人の職務について必要な処分を命ずることができます(任意後見契約法7条3項)。

このように家庭裁判所は、任意後見監督人からの定期報告によって、任意後見人の仕事ぶりをチェックしますが、定期報告だけではよく分からなければ、いつでも任意後見監督人に報告を求め、あるいは調査を命じることができます。
また、監督の事務について必要な処分を命じることができます。ただし、家庭裁判所が直接任意後見人から事情を聴取したり任意後見人に命令を出すようなことはありません。

また、家庭裁判所には、任意後見人の解任の場合と異なり、職権による任意後見監督人の解任が認められています。家庭裁判所調査官は、任意後見監督人に不正な行為、著しい不行跡その他監督の任務に適しない事由があると判断するときは、その旨を家庭裁判所に報告する義務があり、家庭裁判所の監督機能を強化しています。

【任意後見制度】任意後見契約の手続 任意後見人の職務と義務3

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【4】任意後見事務の報告

(1)報告時期

本人につき、認知症等の症状が現れ、任意後見が開始されたときは、任意後見監督人が選任されます(任意後見契約法4条1項)。その場合、任意後見人は、その事務内容を、家庭裁判所ではなく任意後見監督人に対して報告しなければなりません(任意後見契約法7条2項)。

報告時期は、任意後見契約書には、「任意後見人は、任意後見監督人に対し、〇か月ごとに、本件後見事務に関する次の事項について書面で報告する。」などのように記載されます。通常は3ヶ月に1回くらいの頻度で報告すると規定されているのが一般的です。

しかしながら、報告時期の間隔は自由に定めることができますし、また、例えば6か月ごとの報告と規定された場合でも、任意後見監督人はいつでも、任意後見人に対し任意後見の事務の報告を求め、任意後見人の事務、本人の財産の状況を調査することができるとされています(任意後見契約法7条2項)。

そのため任意後見人は、規定された報告時期以外であっても、任意後見監督人の指示に従って報告や調査に応じ、帳簿や預金通帳の提示などに協力する必要があります。

ちなみに、任意後見監督人は、家庭裁判所に対し、任意後見人の事務に関し定期的に報告する(任意後見契約法7条1項2号)必要がありますが、実務上は、毎年1回任意後見監督人選任審判が確定した月に報告を求められることが多いようです。

(2)報告内容

任意後見人は、身上監護及び財産管理に関する任意後見事務につき行なった内容を報告することになりますが、具体的には次のようなものが考えられます。なお、任意後見監督人の家庭裁判所への報告書や法定後見人の家庭裁判所への報告書の内容が参考になるでしょう。

ア 定期的に報告をする必要がある事項

① 本人の財産の管理状況(処分したり取得した財産内容)
例えば、不動産・有価証券等重要な財産を処分または取得をした場合はその処分または取得の時期・理由・相手方等を報告することになります。
② 本人を代理して受け取った金銭及び支払った金銭の状況
金銭の状況を会計帳簿等に記帳しておくことが必要でしょう。
③ 本人の身上監護について行なった措置
④ 後見事務を処理するために必要とした費用の支出及び使用状況
費用を支出した時期・理由・相手方などその使用状況を会計帳簿等に記帳しておくことが必要でしょう。
⑤ 財産目録及び収支状況報告書
実務は、任意後見監督人選任申立時、任意後見監督人選任時、任意後見監督人が選任されてから1年ごと、任意後見の終了時に作成するのが通例です。

イ 定期的な報告以外のもので報告すべき事項

① 本人や任意後見人の生活環境に変化があった場合
本人が入院した場合や本人の住所が移転した場合など、本人の生活環境に変化が起こった場合には定期報告以外であっても、任意後見人は報告をする必要があるでしょう。
また、任意後見人の住所が移転した場合も後見事務を行うに当たって本人にも影響を与える可能性もありますので、報告をした方がよいでしょう。
② 任意後見人が事故や病気で事務が行なえない場合
③ 任意後見人と本人との利益が相反する行為を行う必要がある場合
例えば、任意後見人または任意後見人が代表する会社などと本人との間で遺産分割協議や売買を行うような場合は、任意後見人と本人との双方の利益が相反しますので、任意後見監督人が本人を代表します(任意後見契約法7条1項4号)。したがって、そのような行為を行う必要がある場合は、任意後見監督人に報告しなければなりません。

ウ 報告事項についての留意事項

親族や友人が任意後見人になる場合、任意後見制度や任意後見人の事務について、必ずしも十二分には理解できていないことが多いので、定期的な報告を含め、報告を適切に行うことに苦慮したり不安に陥ることもあるかと考えられます。

そうしたことを避けるためにも、任意後見監督人が選任された際には、任意後見人は委ねられた事務遂行の権限の範囲やその責任を確認するとともに、金銭出納帳の記帳方法や領収書の整理方法を含めて報告すべき内容などについて、任意後見監督人との話し合いを行うことが望まれます。

(3)任意後見監督人以外の第三者機関などに報告する例
任意後見人(受任者)がリーガルサポート、権利擁護センターぱあとなあ、コスモス成年後見サポートセンター、成年後見支援センターヒルフェの登録会員の場合には、それらの団体に対して定期的に事務処理状況を報告し、必要な場合には、その組織・団体から指導・助言を受けることができることになっていて、契約条項中に、報告することについて本人が同意する旨の規定が置かれている場合があります。

もとより、契約当事者になっていない者に事務処理状況を報告することは、本人の秘密を開示することになりますので、秘密の開示につき、本人に対し、そのような報告する趣旨を十分に説明してその同意を得ることが必要です。

【任意後見制度】任意後見契約の手続 任意後見人の職務と義務2

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【3】任意後見人の義務

任意後見人は後見事務を行なうに当たっては、次のような義務を負います。
(1)善良な管理者としての注意義務(民法644条)
(2)委任事務の状況を報告する義務(民法645条、任意後見契約法7条2項)
(3)本人の意思尊重義務と身上配慮義務(任意後見契約法6条)

(1)善良な管理者としての義務

① 任意後見契約も民法の委任契約の一類型ですから、その性質に反しない限り、民法の委任の規定の適用を受けます。任意後見人は、その事務を行なうに当たっては受任者としての善管注意義務を負うことになります(民法644条、民法869条)。

この注意義務は、職業上や社会通念上、客観的に期待される程度の注意義務で、「自己同一注意義務」よりも重い義務とされています。この注意義務を怠って何らかの損害や損失を与えた場合は賠償責任を負うことになります。

② 預貯金管理と善管注意義務

預貯金口座についても、善管注意義務をもって管理しなければなりません。したがって、例えば、本人の預貯金口座から他の口座に送金する場合に、ATMを利用してキャッシュカードで送金する場合の手数料が、窓口を利用して通帳で送金する場合の手数料よりも安価であれば、金融機関に対して、本人名義の預貯金口座について任意後見人が利用できるキャッシュカード(代理人キャッシュカード)を発行するように請求する必要性が生じると言えるでしょう。

③ 受任者が適切に任意後見監督人の選任請求をする義務について

任意後見を受任した人は、任意後見契約を締結した時点から、善管注意義務の一環として、本人の状況を適宜把握し、適切に任意後見監督人の選任請求をする義務を負っていると解することができますが、そのことは法律に規定されていません。

日本弁護士会連合会からは、実務で普通行なわれている「移行型」の場合における任意代理人の不正行為の防止をし、任意後見制度の趣旨を活かした運用が行われるようにするためにも、任意後見受任者には、本人の判断能力が不十分となったときは適切な時期に任意後見監督人の選任請求をする義務があることを法律に明文で規定する必要がある旨の提言がなされています。

なお、公証実務上は「移行型」の委任契約においては、受任者に本人の日常生活の見守り義務を課す、いわゆる見守り条項を設けることを原則とするように配意されています。「将来型」の場合には、この見守り契約を別途に締結することで、認知症等の病状が始まった時点で速やかに任意後見がスタートするようにすることが適切でしょう。

(2)委任事務の状況を報告する義務

任意後見人は受任者として、本人の請求があるときには、委任事務の状況を報告する義務や受任事務を処理する上で受け取った金銭その他の物を本人に引き渡す義務があります。委任契約を締結した人の当然の義務と言えます。
任意後見監督人に対する報告は別途説明します。

(3)本人の意思尊重義務と身上配慮義務

① 民法858条は「成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。」と規定していますが、任意後見契約法6条においても、同じように「任意後見人は、任意後見人の事務を行うに当たっては、本人の意思を尊重し、かつ心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。」と規定しています。
これは「身上配慮義務」といわれています。

この身上配慮義務を任意後見契約の中の特約により加重することはできますが、特約により免除したり軽減することは法の趣旨に反しますのでできません。

② 身上監護に関する事務と身上配慮義務

身上配慮義務は、任意後見人が本人の身上面について負うべき「善管注意義務」の内容を具体化し明確にしたものとされています。さらにこの義務は、本人の身上面に対する配慮を任意後見事務の指導理念とすることによって、身上面の保護に関する任意後見人の職務の実効性を確保しようとするものです。

そのため、身上配慮義務を行うに当たっては、本人の意向を十分配慮し、本人をよく見守る具体的な活動が必要になります。そのためには、認知症等によって判断能力が低下する前、すなわち移行前の財産管理契約において、ライフプランあるいは指示書などによって本人の意向をあらかじめ把握しておくことも必要と思われます。

ちなみに、任意後見人が身上監護に関する法律行為についての代理権を適正に行使するためには、本人、ヘルパーなどの日常生活援助者、主治医その他医療関係者などとの接触を密にして、本人の身上に関する情報を的確に把握することが不可欠の前提といえます。

公証実務上は、次のような任意後見人の身上配慮の責務規定を定めて、本人の生活状況及び健康状態の把握に努めるものとするとされています。

③ 財産管理に関する法律行為と本人の意思尊重義務及び身上配慮義務

身上配慮義務は、身上監護の面だけでなく、財産管理にも及びます(任意後見契約法6条)。
任意後見人は、本人の生活や療養看護の事務を行うほか、本人の財産を本人の利益のために管理しなければなりません。

任意後見契約やそれに関連するライフプランや指示書によって定められた財産管理方法があれば、それに従うことになりますし、管理方法が定められていない場合には、本人の身上に配慮した安全確実な方法でも管理が求められます。

しかし、支出を最小限にすることを原則とする「財産保全型管理」ではなく、本人の幸福追求や福祉及び生活の質の向上のために財産を積極的に消費することも許容した「財産活用型管理」の方法を選択する場合には、リスクも伴いますので、「移行型」の任意後見契約を結び、認知症等で判断能力が低下する前の財産管理契約において、そのような管理を判断能力が低下する前後を問わず、受任者に委託する旨の契約文言上明らかにしておくことが必要です。

【任意後見制度】任意後見契約の手続 任意後見人の職務と義務1

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【1】総論

任意後見受任者は、任意後見監督人が選任されると「任意後見人」として職務を行なうことになり、任意後見契約時に結んだ契約内容に基づき、任意後見事務を行なうことになります。

事務の内容については、個々の事案ごとに異なりますが、大きく分けて、財産管理に関する法律行為と身上監護に関する法律行為の二つが挙げられます。

そして、任意後見人には、善良な管理者としての注意義務が課せられる(民法644条)とともに、本人の意思を尊重し、かつ、本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら、委託された任意後見事務を行なう必要(本人の意思を尊重する義務及び身上に配慮する義務)があります(任意後見契約法6条)。

また、その事務内容を任意後見監督人に対して報告しなければなりません。

【2】任意後見人の職務

(1)財産管理に関する法律行為と財産目録の作成

財産管理に関する法律行為とは、例えば、預貯金の管理、払戻し、不動産などの重要な財産の処分、遺産分割協議、賃貸借契約の締結や解除などが挙げられます。

財産管理に関する法律行為を行なうにあたっては、まず本人名義の財産を調査し、財産目録を作成する必要があります。この財産目録が今後、財産管理を行なう上で最低限必須となりますし、作成した財産目録を任意後見監督人に提出する必要があります。

任意後見人は任意後見監督人の求めに応じて、財産管理状況など後見事務を報告することになります。したがって、任意後見人は本人の現状や財産及び収支の状況について、日頃から把握し、領収書や取引に関する書類をきちんと保管する必要があります。

(2)身上監護に関する法律行為

身上監護に関する法律行為とは、例えば、介護契約、施設入所契約、医療契約の締結や解除などです。これらの法律行為に関連する要介護認定の申請、要介護認定に対する異議申し立てなども任意後見人に代理してもらうことができます。

身体介護や看護などを希望する場合は、任意後見人と別途準委任契約を結ぶか、あるいは任意後見人が本人の代理人として要介護認定の申請や介護サービス業者などと契約を締結し、身の回りの世話はそのサービス業者が行なうことになります。

なお、本人の身上監護に関する法律行為を行なった場合には、その契約書等のコピーなどの控えを取っておくことが必要です。

【任意後見制度】任意後見契約の手続 任意後見の開始2

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【3】任意後見監督人選任の申立ての手続
(1)必要な書類(申立書、添付書類)

申立書、戸籍謄本及び住民票(申立人・本人・任意後見受任者・任意後見監督人候補者分)、登記事項証明書(本人・任意後見監督人候補者)、戸籍の附票謄本(本人)、市町村発行の身分証明書(任意後見監督人候補者)などの書類が必要になります。

申立書には、本人の氏名、生年月日、住所及び本籍などを記載するほか、申立ての趣旨(任意後見監督人選任を審判を求める旨)及び申立ての実情(申立人と本人との関係、本人の状況等)などを記載します。

(2)管轄(申立先)

申立先は、本人の住所地の家庭裁判所です。

(3)申立費用(家庭裁判所への申立費用・手数料)

家庭裁判所への申立費用は概ね5000円前後となります。

内訳:申立手数料800円、予納郵便切手3000円程度、登記手数料(収入印紙1400円)
※このほか鑑定料が必要になる場合があります。

【4】家庭裁判所による任意後見監督人選任の審判の手続き

(1)審理手続き

① 本人の精神状況の診断

家庭裁判所は、任意後見監督人を選任するには、本人の精神状況に関する医師の診断の結果その他適当な者の意見を聴かなければならないとされています。つまり、家庭裁判所による本人の判断能力の判定方法は、原則として、医師の診断書等によって判断すれば足りることになっており、法定後見とは異なり、必ずしも鑑定をすることが必要とされていません。なお、家庭裁判所に提出する医師の診断書は、申立てをする家庭裁判所が指定する様式に従った診断書が必要となります。

② 選任に当たって裁判所が考慮する事項

家庭裁判所は、任意後見監督人を選任するには、本人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、任意後見監督人となる者の職業、経歴、本人との利害関係の有無(任意後見監督人となる者が法人であるときは、その事業の種類、内容、その法人及び代表者と本人との利害関係の有無)、本人の意見その他一切の事情を考慮しなければならないとされています(任意後見契約法7条4項、民法843条4項)。

(2)任意後見監督人の選任の実情

任意後見監督人選任事件の通常の審理は、申立ての際に提出された次の申立書類を検討し、本人の調査、本人調査の際に同席した受任者から事情を聞いて行われます。
① 申立事情説明書
② 任意後見受任事情説明書
③ 財産目録等
④ 診断書

しかし、申立人が提出したものをすべて短時間に検討しますので、参加人がいて紛争が激化していればともかくとして、通常の場合は、受任者の適合性について、家庭裁判所の詳しい調査は期待できないようです。

したがって、任意後見人に対する直接の監督機関は任意後見監督人であって、裁判所は間接的に任意後見人に対する監督をすることになっていますから、この制度の適正な運用は、すべて適任者を任意後見監督人に選任するところにあるでしょう。

ちなみに、任意後見監督人については、候補者をあらかじめ決めておくこともできますし、申立て時に家庭裁判所にしかるべき人の選任を依頼することもできます。例えば、任意後見人を親族から選び、任意後見監督人を専門家に依頼するということも可能です。

ただし、家庭裁判所が審査をして最終的な判断をしますので、候補者が不適任と判断される場合もあり、中立的な立場で監督できる人を選ぶよう留意する必要があるでしょう。

なお、任意後見監督人の資格には制限がありませんが、任意後見人が親族の場合には、その配偶者や直系血族及び兄弟姉妹は任意後見監督人に就任することはできません(任意後見契約法5条)。

(3)任意後見監督人が選任されない場合

家庭裁判所は、任意後見受任者に不適任な事由があるときは、任意後見監督人の選任の申立てを却下します。他の任意後見人を家庭裁判所が選ぶことはできませんから、本人が締結した任意後見契約はその効力を生じさせることができないことになります。

参考:任意後見監督人選任審判手続きの流れ

① 申立ての準備
必要書類の準備

② 申立て
準備された書類をすべて、管轄の裁判所に持参または郵送

③ 調査
申立人調査(面接)、任意後見受任者調査(面接)、本人調査(面接)、親族への照会(書面)
※鑑定が必要になる場合もあります。

④ 任意後見監督人選任の審判
本人・任意後見受任者・任意後見監督人となるべき者に審判が告知される

⑤ 審判の確定
この時点で任意後見受任者が任意後見人になります。

⑥ 登記
東京法務局にて任意後見登記がなされます。

【任意後見制度】任意後見契約の手続 任意後見の開始1

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【1】任意後見契約の効力の発生時期

任意後見人の職務は、本人の判断能力が衰えた状態になったときから開始されます。
具体的には、任意後見人になることを引き受けた人(任意後見受任者)や親族などが、本人の同意を得て、家庭裁判所に対し、本人の判断能力が衰え、任意後見事務を開始する必要が生じたので、「任意後見監督人」を選任してほしい旨の申立てをします。

そして、家庭裁判所が、任意後見人を監督すべき「任意後見監督人」を選任しますと、そのときから、任意後見受任者は「任意後見人」として、契約に定められた仕事を開始することになります。
つまり、任意後見契約は、任意後見監督人を選任することによって初めて効力を生じる契約です。

普通一般に行われている移行型任意後見契約について説明しますと、契約締結以後、委任者(本人)が「事理弁識能力が不十分な状態」になった後において、本人を見守っていた受任者(申立て権者)の請求により、家庭裁判所が任意後見監督人を選任することによって、その効力が発生します。そのときから、任意後見受任者は、それまでの「財産管理契約上の受任者」ではなくなり、「任意後見人」として、契約に定められた仕事を開始することになります。

任意後見開始時には、本人の判断能力がすでに衰えていますので、財産管理及び身上監護の事務は直ちに開始されます。開始時期を遅らせることは許されません。

【参考】任意後見の開始(任意後見人の仕事の開始)

①本人と任意後見受任者との話し合いで、委任内容を決定

②公証役場で本人と任意後見受任者が、公正証書を作成

③東京法務局民事行政部後見登録課で
 公証人からの嘱託により任意後見契約の登記

④本人の判断能力が不十分になる

⑤任意後見受任者や親族により、任意後見監督人選任の審判申立て

⑥家庭裁判所で任意後見監督人の選任の審判・確定

⑦東京法務局民事行政部後見登録課で
 家庭裁判所からの嘱託により任意後見監督人の登記

⑧任意後見スタート

【2】任意後見監督人選任の手続き

(1)任意後見監督人選任申立ての要件

①任意後見契約を締結した本人の判断能力が不十分な状況にあり、その前提として、当然のことですが、②任意後見契約が締結(登記)されている必要があります。

また、任意後見監督人の選任には、本人の申立て又は、同意が要件とされています(任意後見契約4条3項)。
したがって、本人の意思に反して任意後見契約が効力を生ずることはありませんが、本人が同意の意思表示をすることができないとき(意思能力を喪失した状態にあるとき)はその同意は不要とされています(任意後見契約法4条3項ただし書)。

なお、「本人の同意」とは、任意後見監督人を選任して任意後見契約の効力を発生させることについての事前の同意を意味し、どのような者を任意後見監督人に選任するかについての同意ではありません。
ア、本人の判断能力が不十分な状況にあること
「精神上の障害により本人の事理を弁識する能力が不十分な状況にあるとき」とは、法定後見における「補助」と同程度かそれよりもさらに判断能力が低下したときになります。

イ、任意後見契約が登記されていること
単に任意後見契約が締結されているだけでは足りず、「任意後見契約が登記されている」ことが必要です(任意後見契約法4条1項)。

(2)任意後見監督人の申立権者

ア、申立人(申立権者):本人、配偶者、四親等内の親族又は任意後見受任者
本人が自分自身ですることができるほか、配偶者又は四親等内の親族もすることができます。
また、任意後見受任者も、任意後見監督人の選任の請求権が与えられていますので、自ら任意後見契約の効力を生じさせることができます(任意後見契約法4条1項)。

イ、市町村長には申立権限はありません。
身寄りのない本人が自分自身で申立てを行なうことが困難な状況にある場合でも、市町村長には、任意後見監督人の選任の請求権は付与されていません。

任意後見手続は、あくまで私的な後見であり、また、任意後見受任者が適切に申立てを行なうことが期待できますので、法定後見の場合とは異なり、検察官や市町村長には申立て権限はありません。

【任意後見制度】任意後見契約の手続 費用や報酬はどうする2

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【3】任意後見人の費用(任意後見人の職務遂行に要する費用)

(1)任意後見事務の処理に必要な費用

任意後見人が職務遂行に要する費用、任意後見人が任意後見事務を処理するために必要とする費用は、任意後見人が管理している本人の財産から出すことになります。

なお、事務処理に要する費用は、任意後見人の請求があれば、前払いでもって支払わなければなりません(民法649条)。
また、事務処理に要する費用を立て替えた場合には、本人から、その費用を支出日以降の利息も含めて償還することができることになっています(民法650条1項)。

ちなみに、法定後見制度においては、後見人、保佐人又は補助人が事務処理を行なうために必要な費用は、被後見人、被保佐人又は被補助人の財産の中から支弁すると規定されましたが(民法861条2項、876条の5第2項、876条の10第1項)、任意後見契約法には、この点についての規定は設けられませんでした。
しかし、委任事務処理費用に関する民法650条が適用ないし準用されるため、任意後見人(受任者)が本人(委任者)財産を管理している場合に、当事者の合意により、任意後見人が、後見事務の処理に必要な費用を直接その管理する本人の財産から支出することができるとすることは許されるでしょう(民法885条1項の相続財産に関する費用の規定参照)。

(2)本人の財産から支出されることになる費用

任意後見事務を行なうに際して必要な費用(交通費、通信費等の実費)や本人に代わって支払われた税金や医療費、介護サービスの利用料は、当然に本人の負担となり、本人の財産から支出されることになります。

また、任意後見契約で任意後見人の報酬を定めをした場合には、費用のほかに、報酬も本人の財産の中から支出されることになります。
なお、任意後見監督人には、必ず報酬を支払う必要がありますし、任意後見監督人が職務を遂行するにあたって要する費用についても本人の財産の中から支出されることになります。
ちなみに、本人の財産の中からの支出が適正になされているか否かについては、任意後見監督人が監督します。

【4】任意後見監督人の報酬及び任意後見監督人の職務遂行に要する費用

任意後見監督人には、必ず報酬を支払う必要があります。
任意後見監督人の報酬については、後見監督人に関する民法852条の規定と同様、民法の後見人の報酬・費用及び辞任・解任の手続きに関する規定が準用されていますので(任意後見契約法7条4項、民法862条)、後見監督人と同様の規制に従うことになり、その報酬額は、家庭裁判所が事案に応じて審判により決定します。

報酬額は、一般的に月額1万円~3万円程度の事例が多いようですが、本人の財産の額、当該監督事務の内容(後見事務の難易・繁閑など)、任意後見人の報酬額その他の諸事情を総合して、無理のない額が決定されています。
ちなみに、最近の東京家庭裁判所が専門職団体向けに公表した報酬額の目安によれば、任意後見監督人の報酬が、法定後見の場合の成年後見監督人の報酬と同様であり、管理財産額が5000万円以下であれば、月額1~2万円、管理財産額が5000万円を超える場合は月額2万5千円~3万円とされているようです。

なお、決定された報酬は、任意後見人が管理する本人の財産の中から支出されます(任意後見契約法7条4項、民法861条2項)。
また、任意後見監督人の職務遂行に要する費用に関しては、任意後見人と同様に、任意後見監督人は本人に対し請求することができます。

【任意後見制度】任意後見契約の手続 費用や報酬はどうする1

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今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見契約の手続 費用や報酬はどうする1について考えてみたいと思います。

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【1】費用と報酬の種類

任意後見契約に基づき後見事務を処理するために必要となる費用・報酬としては、次のようなものがあります。

①任意後見人に対する報酬
②任意後見人の費用(任意後見人の職務遂行に要する費用)
③任意後見監督人の報酬
④任意後見監督人の費用(任意後見監督人の職務遂行に要する費用)

【2】任意後見人の報酬

(1)報酬の決定

任意後見契約は、民法の委任契約の一種であり、任意後見人の報酬については、任意後見契約において特約のない限り、民法の委任規定に準じることとなります。
民法上、受任者が報酬を受けるには、その旨の特約が必要であると規定していますので(民法648条1項)、任意後見契約に特約がなければ無報酬となり、任意後見人は無報酬で事務を行なわなければならないこととなります。

したがって、任意後見人に報酬を支払うか否かは、本人と任意後見人になることを引き受けた者との話し合いで決めることになります。
また、任意後見人に対する報酬の支払いは、任意後見契約の効力が生じたとき(任意後見監督人が選任されたとき)から任意後見人による任意後見事務が開始されますので、そのときから費用を支払うことになります。

(2)報酬の実情

① 受任者が親族の場合
親族の方が受任者となる場合は無報酬とされるのが一般的です。なお、任意後見人の労苦に報いるために、遺言を作成して他の相続人よりも多くの財産を相続させるような一定の配慮をすることもなされています。

また、報酬が社会通念に照らして著しく高額なときは、特別受益(民法903条)と認定され、あるいは公序良俗違反(民法90条)と判断される可能性もあります。

② 弁護士や司法書士、行政書士、社会福祉士などの専門家が受任者の場合の報酬

本人が有する財産や管理事務の内容程度に応じて相当な報酬を毎月定額で支払う約束をすることになります。
司法書士が任意後見人になる場合の報酬は、日常の通常行為における定額報酬額(継続的管理業務に関する報酬)が月3万円前後が相場のようです(司法書士の設立した団体公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートの会員として任意後見を受任していますが、その他業務の報酬「継続的管理業務以外の各種手続き報酬等」についても、当該法人の「報酬基準」で定められています。)。

また、各地域にある社会福祉協議会が法人として任意後見事務を引き受けているところがありますが、その報酬額は一般的に低額のようです(品川区社会福祉協議会の場合、月5000円から3万円の報酬)。

(4)増減額の可否

① 無報酬から有償への変更や当初の報酬額を変更することができます。
当初は報酬額を無報酬と定めていても、その後の本人の生活環境の変化に伴い、任意後見人の事務が大幅に増えるなど、将来、無報酬ということが相当でない場合があります。また、特約により有償とした場合であっても、その後の経済情勢の変化や本人の生活環境の変化に伴い、任意後見人の事務が縮減されたり、逆に増加するなどすることによって、当初定めた報酬額が不相当になる場合が考えられます。

そのような場合には、報酬を得るようにしたり、当初定めた報酬額を変更することができます。任意後見契約締結時に報酬額の変更などができる旨の契約条項が規定されているのが一般的です。

② 報酬額の決定及び報酬額の変更に当たっての留意事項

なお、報酬額の決定や報酬額の変更に当たっては、任意後見契約の効力が発生している場合(任意後見監督人が選任されている場合)には、本人だけでなく任意後見監督人を交えた協議により変更などをすることや、本人がその意思を表示することができない場合には、任意後見監督人による書面による同意を要件とするなどして、第三者から見ても適正な報酬額が定められるような契約条項とすることが必要でしょう。

【任意後見制度】任意後見契約の手続 契約書の作成2

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【3】代理人による任意後見契約締結の可否

通常の公正証書による契約は、代理人を介しての作成が可能ですし、任意後見契約法上、代理人による契約締結は認めない旨の規定は設けられておりません。したがって、代理人による任意後見契約締結は、現行法上は可能ですが、公証事務通達第2の3(1)によって、公証人は、任意後見契約の公正証書を作成するにあたっては、原則として本人と面接する必要があるとされており、本人の契約締結の意思確認は、公証人が直接面接して確認しています。

また、入院等の場合は、公証人が出張して本人と面接して確認しています。運用上は、本人の代理人による任意後見契約締結の嘱託はあり得ないものといえましょう。
ちなみに、日本弁護士会連合会は、平成21年7月16日付けの「任意後見制度に関する改善提言」において、「任意後見契約の締結においては、代理人による契約締結は認めない旨の規定を任意後見契約法に設けるべきである」との提言をしています。

【4】任意後見契約に必要な書類と公正証書作成費用

(1)任意後見契約の締結に必要な書類

任意後見契約を結ぶには、次のような書類が必要となります。
①本人(委託者)の印鑑登録証明書、戸籍謄本、住民票
②任意後見人になる人(受任者)の印鑑登録証明書、住民票(法人の場合、印鑑証明書、登記事項証明書)
なお、印鑑登録証明書は発効後3ヶ月以内のものに限ります。また、印鑑登録証明書に代えて、本人確認資料としては、マイナンバーカード、パスポート、運転免許証でも差し支えありません。
ちなみに、本人(委任者)の戸籍謄本が必要となるのは、登記事項として「本籍(国籍)」があるからです。

(2)公正証書作成に要する費用

公正証書作成に要する費用は、1契約につき概ね2万円から2万3千円程度となります。

その内訳は次のとおりです。
①公証役場の手数料 1万1千円
②法務局(登記所)に登記するための手数料 1400円
③法務局(登記所)に納める印紙代 2600円
④郵送料金(書留郵便料) 560円
⑤本人に交付される正本等の作成手数料 1枚につき250円×枚数

なお、公証役場に出向くのが困難な場合は公証人が自宅や病院に出張します。この場合の手数料は50%が加算され、日当(1万円。ただし4時間を超えるときは2万円)及び交通費の実費が必要となります。

また、任意後見契約と併せて、通常の財産管理契約等の委任契約を同時に締結する場合には、その委任契約について、さらに上記の①と⑤が必要になり、委任契約が有償のときは、①の額が増額される場合があります。
そして、受任者が複数になると(共同してのみ権限を行使できる場合は別として)、受任者の数だけ契約の数が増えることになり、その分だけ費用も増えることになります。

なお、任意後見契約の中で、月額の報酬額が明記されていても、任意後見契約の性質上、目的価額は算定不能と考えられていますので、公証役場の手数料は1万1千円となります。

【任意後見制度】任意後見契約の手続 契約書の作成1 

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【1】任意後見契約の方式

(1)公正証書による契約

① 任意後見契約は、必ず公正証書で締結する必要があります。
公正証書とは、公証役場の公証人が作成する証書です。
任意後見契約は、本人の財産の管理や本人の生活や介護の手配をするもので、本人の老後の人生を左右する重要な取り決めですから、契約の締結を慎重にさせ、本人の意思を確認するために公正証書で締結することを、任意後見契約法は要求しています。
したがって、公正証書によらない任意後見契約は無効になります。

公証役場で契約を締結するには、通常は本人と受任者双方が公証役場に行く必要がありますが、健康上の理由などによって本人が公証役場に出向けないときは、公証人に本人の自宅や入所施設等に出張してもらって、公正証書を作成してもらうこともできます。

② 任意後見契約は法務省令で定める様式の公正証書によって作成しなければなりません(任意後見契約法3条)。
任意後見契約に関する公正証書の様式は法務省令で定められており、本人の生年月日及び本籍(外国人にあっては国籍)のほか、任意後見人が代理権を行なうべき事務の範囲を特定して記載しなければならないとされています(様式省)。

そのようにした趣旨は、代理権付与の対象となる法律行為が明確に特定されて公正証書に記載されることにより、登記事項証明書に任意後見人の代理権の範囲(対象行為)が正確に記載されていることを制度として担保するためです。

(2)任意後見契約を公正証書で作成しなければならないとした理由

任意後見契約を公正証書による契約とすることとしたのは、次のような理由からです。

① 公証人の関与によって、本人の真意による適法かつ有効な契約が締結されることが制度として担保されます。また、紛争の予防の観点から、契約の有効性の確実な立証を可能にすることができます。

② 任意後見契約が登記された場合には、法定後見が原則として開始されないという重要な効果を伴いますので、本人の真意を確認するため、公証人の関与による確実な方式によることが必要となります。

③ 公証役場において公正証書の原本を保管することにより、契約証書の改ざん、滅失を防止できます。

④ 公証人の登記所に対する嘱託によって登記を遺漏なく行うことが可能になります。
すなわち、任意後見人の代理権に関する公的証明の必要性などから、任意後見契約を登記することが必要不可欠ですが、公正証書の作成を義務付けることにより、公証人から登記所への嘱託による登記を遺漏なく行なうことが可能となります。

【2】公証人が契約の際に確認する事項

(1)公証人の役割

公証人には、任意後見契約の締結に際して、本人の意思能力(「自分が何をやっているのか」と「その結果としてどうなるのか」ということを認識できる能力、事理弁識能力・判断能力・契約能力)と契約意思(授権意思)を確認する役割を果たすことが求められています。

公証人法では、公証人は、嘱託を受けた任意後見契約に法律違反、無効、無能力による取消しなどの事由があるときは、公正証書を作成することができないものとされています(公証人法26条)。

(2)本人の意思能力に疑義がある場合の公証人の対応

任意後見契約の公正証書を作成する公証人は、本人の意思能力や判断能力と任意後見契約を締結する意思を確認するために、原則として本人と面接を行ないます。

そして、本人の意思能力に疑義があるときは、本人が契約そしてその効果を理解するに足りる能力があることを証明する医師の診断書等の提出を求めるなどして、本人の意思能力を確認するとともに、能力ありと認めて証書を作成したときには、後日の紛争に備えて、作成時の本人の状況などを書面に記録し、証書の原本とともに保存することになっています。

ちなみに、本人に面接したうえで、意思能力の存否、契約意思の確認をし、意思能力に疑義があるときは、本人の権利擁護のためにも、公証人は、後見や保佐などの法定後見の申立てを促すことになるでしょう。

(3)本人の意思能力を確認する具体的な方法

公証人は、依頼者が高齢者の場合、任意後見契約公正証書の作成のほか、例えば遺言や贈与等の公正証書を作成する際にも、本人の意思能力を慎重に確認します。

最初は、さりげなくテレビのニュースや新聞記事、物価の動向などを話題にして外界への関心と理解度を確認し、次に本人確認を兼ねて、生年月日、年齢、出生地、本日の日付や曜日などを詳しく尋ねるという手法が多いようです。

その結果、本人の意思能力に疑問があるときは、医師の意見や診断書を求めます。公証人自らが「改訂長谷川式簡易知能評価スケール」を用いて知能検査を行なっている例も少なくないようです。

意思能力を確認した結果、少なくとも、法定後見制度における「補助」類型程度の判断能力を備えていれば、移行型の任意後見契約の締結は可能とされています。「補助」類型とは、判断能力が不十分なため自分の財産を管理し、処分するには援助が必要な場合があるという程度を指します。

重要な財産の管理や処分を自分でもできるかもしれないが、不安なので本人の利益のために誰かに代わってやってもらった方がよいという程度の高齢者は多いと思われます。その人たちは、「補助」類型に属することから、「移行型」ないし「即効型」の任意後見契約の締結が可能と考えられます。

更に進んで、「保佐」類型まで判断能力が低下しているとみられる人についてはどうでしょうか。
具体的には、日常品などを買う程度は一人でできるが、不動産や自動車の売買、自宅の増改築、金銭の貸付を一人で行う能力はかなり不安という人は、判断能力が著しく不十分なので、「移行型」を選択する余地はありません。

任意後見制度の趣旨・法的効果を理解し、その制度を活用する意思があるのなら、「即効型」を締結するか、その意思すら欠くと認められるときは、法定後見の申立てを促すのが相当と思われます。