【任意後見制度】任意後見制度の特徴

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見制度の特徴について考えてみたいと思います。

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【1】従来の生活スタイルの維持・・・自分自身で決めることができる

任意後見制度には、これを利用することで得られる様々なメリットがあります。任意後見制度を利用することにより、本人の判断能力低下後においても、従前からの生活スタイルを維持できるという点です。

判断能力が低下したとき、どのような財産管理や療養・介護施設との契約などを望むのか、またそれを誰にお願いしたいのか、といったようなことについて、本人がこの任意後見契約によって自由に内容を決めておくことができます。

 

【2】代理行為が容易・・・任される人もやりやすい

任意後見制度を利用することにより、代理行為を容易にすることができます。親族が任意後見人として擁護する場合には、その親族にとってもこの任意後見制度は便利な制度と言えます。

もしも、本人が任意後見契約を結ばずに認知症等で判断能力が低下した場合、親族が本人のために銀行預金を引き出したり、介護施設との契約を締結したりしようとすると、その権限が本当にあるのかどうか、銀行や各施設から多数の書類提出を求められたり、そのたびごとに委任状を作成する必要に迫られたりすることがあります。

このような面倒な手続きが続くと、判断能力の低下した本人の日常生活を維持するため、本人の預金から一定額を引き出すことも難しくなってきます。

この点、任意後見契約を結んでおけば、任意後見登記により、これらの証明が容易になります。

 

【3】受任者の権限が明確・・・任される人が疑われない

任意後見制度を利用すれば、任意後見人(受任者)に対する周囲からの誤解や疑いを防止することができます。

任意後見契約をせず、同居している親族に銀行預金や不動産の管理などを依頼すると、思わぬところでその親族が疑われることもあります。例えば、本人が亡くなり、その親族が相続人の1人となった場合、他の相続人から、お金を勝手に使っていたのではという疑いをもたれることもあります。

任意後見契約を締結しておけば、本人からの委任を受けていること、また、委任された事項も明確にすることができます。

 

【4】任意後見監督人等によるチェックが可能・・・安心のチェック体制

任意後見制度の優れた特色として、任意後見監督人ないしは家庭裁判所による監視の目が期待できるという点が挙げられます。

任意後見は任意後見監督人が家庭裁判所によって選任されてから開始しますので、任意後見人の事務がしっかりと果たされているかどうか、任意後見監督人がチェックする仕組みになっています。したがって、任意後見人が他から疑いをもたれる可能性は低く抑えることができると言えます。

【任意後見制度】任意後見契約の中身

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【1】受任者・・・支援・擁護する人

任意後見契約は、財産管理や療養看護等に関する事務を自分の信頼できる人にお願いし、これを引き受けてもらう契約ですが、この契約の受任者の資格に制限はなく、また、委任契約ですので、法人が受任者となることもでき、複数の受任者と委任契約をすることも可能です。

しかし、家庭裁判所による、任意後見監督人選任の審判の段階において、任意後見契約の受任者に不正な行為その他任意後見人として不適切な事由があれば、家庭裁判所は、任意後見監督人選任の申立てを却下します。

申立てが却下されると、受任者は任意後見人にはなれませんので、この手続きによって、任意後見人の適格性が公的に審査されることになります。

 

【2】委任事務の内容・・・食事や介護をしてもらえるのか

成年後見制度とは、精神上の障害により判断能力が不十分であるため、物品の購入や医療契約、施設入居契約、銀行取引等の法律行為を行なうことが困難な人の判断能力を補う制度ですから、その制度趣旨から、任意後見契約により委任される事務は法律行為に限られます。

したがって、買い物をする、食事を作る、掃除をするなどの、いわゆる事実行為のみを委任し、代理権を付与しない内容の契約(準委任契約)は、この任意後見契約には当たらないこととなります。そのため、任意後見契約の一部(条文)として、法律行為についての代理権の付与とともに事実行為についても委任事項に含めると、法律問題を生じるおそれがあります。

同一の公正証書であっても、事実行為については別途の準委任契約として結んでおくとよいでしょう。

 

【3】代理権の範囲・・・何をやってもらえるのか

任意後見契約により代理権が与えられる対象となる法律行為は、預貯金の管理・払戻し、不動産その他の重要な財産の処分、遺産分割、賃貸借契約の締結・解除等財産権に関する法律行為だけでなく、介護契約、施設入所契約、医療契約等の締結(身上監護に関する法律行為)を含みます。

また、これらの法律行為に関連する登記・供託の申請、要介護認定の申請等の公法上の行為も代理権の対象となり得るものと解されています。また、これらの事務に関して生ずる紛争について、弁護士に訴訟を委任することも可能であると解されます。

なお、委任者(本人)が任意後見契約によって受任者(支援・擁護者)にしてもらえるのは、法律行為だけと言いましたが、厳密には、その代理のために必要な事実行為は、常識の範囲内であれば権限に含まれます。

例えば、医療契約の前提となる本人の病状や病歴告知の補助・代行や、銀行などから払戻しを受けた現金の保管などの事実行為は代理権の範囲内と解されます。

さらに、身上監護事務としての法律行為に付随する事実行為は、広く代理権の範囲に含まれます。例えば、見守りのための定期的訪問時での生活状況の把握のための活動や意思確認のための語らいなどがこれにあたります。

 

【4】任意後見契約公正証書・・・必ず公正証書を作る

任意後見契約は、適法かつ有効な契約が結ばれることを確実にするなどの観点から、公証人の作成する公正証書によってしなければならないとされています(任意後見契約法3条)。

公証人が本人の判断能力(意思能力)と意思とを確認します。任意後見契約の公正証書が作成されると、公証人の登記所に対する嘱託により、任意後見の登記がされます。

なお、契約を解除する場合には、公証人の認証のある書面によることとされています。

【任意後見制度】任意後見制度のあらまし

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【1】自己選択権を尊重する

任意後見制度を利用するかどうかは、本人の選択にまかされています。心安らかな老後を送るため、また、最後の最後まで自分らしく生きるためにどうすべきか、まさに自分の将来は自分で決めるということです。
そのようなことから、任意後見制度は自己決定権を最大限に尊重したものであるということができます。

したがって、この任意後見制度は、その性質上、原則として任意後見制度が法定後見制度に優先して適用され、本人が任意後見制度を利用しない場合又は任意後見制度では本人の権利や利益を擁護することが困難な場合に法定後見制度が適用されることとなります。

 

【2】公的監督をしっかり行う

任意後見契約を結ぶと時は、本人の判断能力が備わっていても、実際に後見を受ける時点では、本人の判断能力が不十分な状況にあるというのが、この制度の特徴です。

そこで、この任意後見制度では、本人に代わって任意後見監督人が任意後見人の監督をすることによって、任意後見人が委任された権限を超えて事務を行なうというようなことを防止します。

この契約は、家庭裁判所が任意後見監督人を選任することによって、はじめて効力を生ずることと任意後見契約法に定められており、これによって、本人の保護を図ることを可能とする仕組みになっています。

 

【3】一般の委任契約との違い

任意後見契約は、委任者(擁護される本人)が受任者(擁護する人)に対し、将来、認知症等により判断能力が不十分な状況になった場合において、自分の生活や、財産管理あるいは療養看護に関する事務の全部ないしは一部を委託し、その委託に関する事務について代理権(本人に代わって事務を行なう権限)を与えるという委任契約です。

この任意後見制度が創設されるまでも、判断能力が不十分な状況になった場合に備えて、受任者に後見事務を委任する民法上の契約を結ぶことはできるものと考えられていました。

しかしながら、委任契約を結んでも、実際に委任者が判断能力の不十分な状況になって受任者が後見事務を行なう場面では、委任者が受任者の事務処理を監視するなどして、必要に応じて委任契約の解除等の措置を取ることは事実上困難となります。

そこで、このような場合に家庭裁判所により選任された監督人が受任者の事務処理を監督する仕組みがあれば安心してこのような契約を結ぶことができることとなるとして、この任意後見制度が創設されたのです。

【任意後見制度】任意後見制度の目指すところ

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【1】認知症患者等の財産管理と療養看護

人は、年を取ると誰もが体力的に衰えてきますし、多くは、物事を判断する能力も次第に衰えてきます。これが進行していくと認知症と言われるような状態となることもあります。

認知症になり、判断能力が低下してきますと、例えば、不動産や預貯金等の財産を自分で管理することが難しくなります。また、病院等で医師の診断・治療を受けようとしても、病院等と医療契約を結ぶこともできませんし、入院のための契約も結べなくなり、身の回りの世話のためのサービスを受ける契約を結ぶことも難しくなります。

さらには、自分に不利益な契約であっても良く判断できずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害に遭うおそれもあり、このような問題への対処が極めて重要になってきます。

 

【2】信頼できる人への委任

認知症等により自分の判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめそういう状態になったときに、自分に代わって、財産を管理してもらったり、医療や介護その他の必要な契約を結んでもらったりすること等を、信頼できる人に頼んでおくということが考えられます。

このような、将来判断能力が低下した場合における財産管理や医療や介護に関する契約等を信頼できる人にお願いし、これを引き受けてもらう契約を任意後見契約といいます。

この任意後見契約には、「即効型」「移行型」「将来型」という3つの類型があり、もっとも多く利用されているのが、「移行型」といわれるものです。

自分の判断能力がしっかりしていても、足が不自由になるとか寝たきりになるとかの、身体的に日常生活等が難しいなどの状況になる場合があります。

そのような場合には、信頼できる人との間で、財産管理や医療や介護に関する契約などを、代わって行ってもらうための一般の契約を結んでおき、それらの事務を行なってもらいます。

そして、将来、判断能力が低下してからは、あらかじめ結んである、任意後見契約に移行して、任意後見監督人の下で、これらの事務を継続して行ってもらうことになります。

 

【3】任意後見契約は「老い支度」

高齢化の進行により、老後はますます長くなります。心にゆとりをもって老後の生活を送りたいものですが、この任意後見契約を結んでおけば、財産管理や療養看護などについて、安心して老後を迎えることができるといえます。

そのようなことから、任意後見契約は、将来の老いの不安に備えた「老い支度」ないしは、「老後の安心設計」であるといわれております。

認知症等により判断能力が低下する前に、自分の財産や収入を有効に活用する手段を用意しておくことが大切なことであり、まさに自己責任で、将来困らないように備えておくことが、極めて重要なことの一つといえます。

なお、任意後見契約法は「精神上の障害」により判断能力が不十分となった状態に対応するものであって、必ずしもお年寄りだけを対象とする制度ではありません。しかし、現実には老後に認知症となったときに備えて、利用する例が大多数ではあります。

【任意後見制度】成年後見制度はなぜ創られたか

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【1】高齢化の進展

近時における我が国の高齢化の進行には著しいものがあり、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」付属資料によれば、日本の総人口に占める65歳以上の高齢者の比率は、昭和27年(1952年)に5.0%であったものが、昭和60年(1985年)に10%を超え、成年後見制度創設時である平成12年(2000年)には17.4%となり、平成17年(2005年)には20.2%、平成27年(2015年)には26.6%、令和7年(2025年)には、30.4%となり、実に10人中3人以上がお年寄りという時代を迎えています。

一般に、65歳以上の人口が総人口に占める割合を高齢化率といい、高齢化率が7%から14%までを高齢化社会、14%から21%までを高齢社会、21%以上を超高齢社会といいますので、我が国は、すでに世界に類を見ない超高齢社会に突入しています(日本の高齢化率は世界第1位になっております)。

そして、超高齢社会に突入した我が国の認知症高齢者は、平成24年(2012年)には462万人(15%)、令和7年(2025年)には700万人(約20%)と5人に1人が認知症を発症すると言われております。

 

【2】社会福祉理念の変化

高齢化が急速に進行するその一方で、精神障害や知的障害のある人たちが、可能な限り通常の家庭生活を営んだり地域活動に参加したりできるよう、生活様式、環境を整えていこうという新しい理念(ノーマライゼーション)が提唱されるようになりました。

また、判断能力が衰えたとしても本人に残っている能力を最大限活用できるようにする(本人の残存能力の活用)、あるいは、本人の意思決定を制度上でもできるだけ尊重する(自己決定の尊重)といった動きがみられるようになり、高齢者福祉、障害者福祉の在り方についても見直しが進められております。

 

【3】「措置」から「契約」への移行

福祉サービスは、これまでは、市町村がお年寄りや障害のある人について、それぞれ必要となる福祉サービスの内容や提供機関を決定するという行政処分(措置)と位置付けられていました。

しかし今日では、個人が自ら福祉サービスの内容や提供機関をを選択し、それを福祉サービス提供者との「契約」によって利用する制度へと移行することが望ましいとされるようになっています(「措置」から「契約」)。

そのためには判断能力の不十分な人についても、福祉サービス提供者と対等な立場で契約を行なうことができるような、法的基盤を整備する必要がありました。

このような状況を踏まえ、平成12年(2000年)4月1日に介護保険制度の運用が開始されましたが、成年後見制度と同時に運用が開始されたということは、社会福祉の分野における構造改革の具体的なあらわれであるといえます。

【任意後見制度】新たな成年後見制度の始まり

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【1】お年寄り・精神的弱者のための新法

平成12年(2000年)4月1日は、お年寄りや精神上の障害のある人、そして、その家族、さらには福祉事業に関わるすべての人達にとって、きわめて大きな節目となった日でした。

この日は新たな介護保険法の運用が開始された日であるとともに、「民法の一部を改正する法律」(平成11年法律第149号)、「任意後見契約に関する法律」(平成11年法律第150号)、「民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(平成11年法律第151号)及び「後見登記等に関する法律」(平成11年法律第152号)という4つの法律が施行された日でした。

これら4つの法律は、いずれも新たな成年後見制度の創設に関するものであることから、成年後見関連4法と呼ばれています。

 

【2】新たな2本柱・・・法定後見制度と任意後見制度

新たな成年後見制度は、法定後見制度と任意後見制度の2つの制度から成り立ってます。法定後見制度は「民法の一部を改正する法律」により創設された制度であり、任意後見制度は民法の特別法である「任意後見契約に関する法律」により創設されたものです。

いずれも認知症や知的障害、精神障害等の精神上の障害により判断能力が不十分であるために契約や相続などの法律行為を自分自身で行うことが困難な人の判断能力をサポートするための制度です。

これまでの禁治産・準禁治産制度の問題点を解消しつつ、新しい時代に即応した制度として創設されたものです。

この制度を支える理念が①ノーマライゼーション、②自己決定の尊重、③身上配慮義務です。
①ノーマライゼーションとは、高齢者や障害者であっても特別扱いをしないで、今までと同じような生活を送るようにとする考え方
②自己決定の尊重とは、本人の自己決定を尊重し、現有能力(残存能力)を活用しようとする考え方
③身上配慮義務とは、本人の状況を把握し配慮する義務

この3点を基本に、新しい制度は、精神上の障害を持つ人の、生命、身体、財産等の利益や権利を擁護することを目指すものです。

 

【3】従来の制度との違い

具体的には、禁治産制度・準禁治産制度が廃止され、新たな成年後見制度として法定後見制度及び任意後見制度が創設されました。

また、禁治産制度・準禁治産制度に関する事項が戸籍に記載されていましたが、この戸籍への記載に変わる公示制度として、成年後見登記制度が創設されました。

また、民法上の「禁治産」「準禁治産」「心神喪失」等の差別的であるという批判が寄せられていた用語を廃止。禁治産者・準禁治産者に関する資格制限に関する規定(欠格事項)を減縮、福祉関係の行政機関としての市町村長に後見開始の審判等の申立権を付与する法整備等が行われました。

 

【4】成年後見登記制度

「後見登記等に関する法律」の制定により、法定後見制度と任意後見制度に共通する新たな公示制度として成年後見登記制度が創設されました。

従前の禁治産・準禁治産制度では、禁治産宣告・準禁治産宣告を受けたことが戸籍法に基づき戸籍に記載する公示方法であったのですが、戸籍に記載されることについて、関係者の中に強い心理的抵抗感を持つ者が多く、そのことが禁治産・準禁治産制度の利用の妨げとなっているとの指摘がありました。

新たに創設された補助制度や任意後見制度においては、補助人、任意後見人に様々な代理権を付与することができるようになりますが、これを戸籍に記載するとした場合、公示方法等において実務上十分な対応ができないケースが想定されました。

そこで、戸籍への記載という公示方法から、成年後見登記制度が創設されることになりました。

【改正民法債権編】組合契約

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組合契約

これまで解釈で認められてきた事項の多くを明文化

 

◆組合契約とは
組合契約とは、各当事者が出資をして、共同の事業を営むことを目的とする団体を作る契約です。組合契約に関する改正では、これまで解釈で認められていた事項の多くが明文化されました。

 

◆契約総則の規定の不適用
組合契約には、他の民法上の契約とは異なり、団体的な性格があります。
そのため、同時履行の抗弁権や、債務不履行解除の規定は適用されません(新法667条の2第1項)。
他の組合員が組合契約に基づく債務を履行しないことを理由に組合契約を解除することもできません(同2項)。

 

◆組合員の1人についての意思表示の無効、取消し等
組合員の1人につき、錯誤など意思表示の無効等を導く原因があっても、他の組合員との間では組合契約の効力は妨げられません(新法667条の3)。

 

◆組合の業務執行、組合代理
組合業務の決定と執行は、1人または数人の組合員または第三者に委任でき、委任を受けた者を「業務執行者」といいます。業務執行者が数人あるときは、その過半数で決定し、各業務執行者が執行できます(新法670条)。

各組合員は、組合員の過半数の同意を得たとき、他の組合員を代理して組合業務をを執行できます(新法670の2第1項)。ただし、業務執行者があるときには、業務執行者だけが組合員を代理できます(同2項)。

 

◆債権者による権利行使
組合の債権者は、組合財産について、その権利を行使することができます(新法675条1項)。

そして、債権者は、債権発生時に各組合員の損失分担割合を知っていた場合を除き、その選択に従い、各組合員に対して損失分担の割合または等しい割合で権利を行使することができます(同2項)。

他方で、各組合員の債権者は、組合財産について権利行使することはできず、当該組合員に対する請求ができるにとどまります(新法677条)。

 

◆組合に関するその他改正
(1)組合員の持分の処分
組合財産は、「合有」(組合財産は、1個の財産として総組合員に帰属する)の性質を持つと考えられています。そのため、組合員は、組合財産を処分しても、それを組合等に対抗できず、組合財産の分割請求もできません。また、組合財産である債権について、各組合員が持分について単独で権利行使することもできません(新法676条)。

(2)組合員の加入
組合員は、組合員全員の同意または組合契約の定めにより、新たな組合員を加入させることができます(新法677条の2第1項)。
組合成立後に加入した新組合員は、その加入前に生じた組合の債務について弁済の責任を負いません(同2項)。

(3)脱退した組合員の責任等
脱退した組合員は、脱退前に生じた組合の債務について、従前の責任の範囲内で責任を負います。ただし、債権者が全部の弁済を受けない間、組合に対して担保提供や自己の免責の請求ができ、また組合の債務を弁済すれば組合に対して求償権も取得します(新法680条の2)。

(4)組合の解散
組合は、①事業の成功または成功の不能、②組合契約で定めた存続期間の終了、③組合契約で定めた解散の事由の発生、④総組合員の同意のいずれかによって解散します(新法682条)。

【改正民法債権編】寄託契約

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寄託契約

要物契約から諾成契約への変更、混合寄託の新設など

 

◆寄託契約とは
寄託契約とは、当事者の一方(受寄者)が、相手方(寄託者)のために物の保管をすることを内容とする契約です。

旧法下では、「要物契約」(委託物を実際に受け取ることで効力を生ずる契約)とされていましたが、新法では「諾成契約」(物の委託の約束だけで効力を生ずる契約)に変更されたほか、「混合寄託」が新設されました。

 

◆寄託物受取り前の解除
契約の性質が諾成契約となったことで、契約成立後から寄託物受取り前までの法律関係が明確化されました(新法657条の2)。

【寄託物受取り前の解除】
①寄託者(新法657条の2第1項)/受寄者の寄託物受取りまで解除できる(受寄者は、その解除で損害を受けた場合には賠償請求できる)

②無報酬の受寄者(同2項)/書面による寄託の場合を除いて、寄託物受取りまで解除できる

③上記以外の受寄者(同3項)/寄託物受取時期経過後に寄託者が引き渡さない場合、催告の上で解除できる

 

◆受寄者の保管に関する義務
受寄者は、寄託者の承諾がなければ寄託物の使用はできず、寄託者の承諾や、やむを得ない事由がなければ、寄託物を第三者に保管させることもできません(新法658条1項、2項)。

再受寄者が選任された場合、再受寄者は、寄託者に対して、受寄者と同様の権利義務を直接負うことになります(同3項)。

受寄者は、寄託物について権利を主張する第三者が受寄者に対して訴えの提起等をした場合には、寄託者がすでに知っている場合を除いて通知義務を負います(新法660条1項)。

受寄者は、第三者から権利主張されている場合でも、寄託者の指示がない限り、原則として寄託者に寄託物を返還する義務を負います(同2項)。
受寄者は、この義務に従って寄託者に寄託物を返還したことにより第三者に損害が生じても、その賠償責任は負いません(同3項)。

 

◆寄託に関するその他改正
(1)寄託者の返還請求
寄託者は返還時期を定めた場合であっても、いつでも寄託物の返還を請求できます。ただし、返還時期前の返還請求で受寄者に損害が生じた場合、受寄者はその損害の賠償を請求できます(新法662条)。

(2)損害賠償請求等の期間制限
寄託者による損害賠償請求、受寄者による費用償還請求の可能期間は、寄託物の返還時から1年以内です。そして、寄託者による損害賠償請求権については、寄託物に損害等が生じた時期にかかわらず、返還から1年を経過するまでは時効が完成しません(新法664条の2)。

(3)混合寄託
混合寄託とは、受寄者が複数の寄託者の承諾のもと、寄託された種類と品質が同一の物を混合して保管し、寄託されたのと同数量を返還するというもので、新たに明文化されました(新法665条の2)。

(4)消費寄託
消費寄託とは、当事者間の契約で、受寄者が寄託物を消費できると定める場合をいいます(新法666条)。
旧法下では、消費貸借の条文を包括的に準用していましたが、消費貸借が主に借主の利益を目的とするのに対し、消費寄託は寄託者の利益を目的とする点で異なるため、必要な範囲での準用に改められました。

【改正民法債権編】雇用契約

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雇用契約

履行割合に応じた報酬の請求、契約解除などの規定を整備

 

◆雇用契約とは
雇用契約は、労働への従事と、それに対する報酬の支払いの約束によって成立する契約です。労働基準法・労働契約法が適用される労働契約は、労働基準法・労働契約法が優先的に適用されますが、民法にも一般法として雇用の定めが置かれています。

 

◆履行割合に応じた報酬の請求
労働者は、約束した労働を終わった後でなければ報酬の請求ができないのが原則です。また、期間によって報酬を定めた場合には、期間経過後でなければ報酬の請求はできません(法624条)。

ただし、今回の改正で、使用者の責めに帰することができない事由によって労働に従事できなくなったときや、雇用が履行の中途で終了したときには、すでにした労働の履行割合に応じて報酬を請求できることが明文化されました(新法624条の2)。

「使用者の責めに帰することができない事由」とは、言い換えれば、次のいずれかの事由です。
①当事者双方の責めに帰することができない事由
②労働者の責めに帰すべき事由

また、「雇用が履行の中途で終了したとき」とは、たとえば労働者死亡の場合や、労働契約が中途解約された場合などが想定されます。

他方、使用者の責めに帰すべき事由によって労働に従事できなくなった場合の規定はありません。この場合、労働者は、新法536条2項の法意に照らし、対応期間の報酬の全額を請求できると解釈されています。旧法下でも、判例は、このような解釈で労働者の報酬請求権を認めていました。

 

◆期間の定めのある雇用の解除
5年を超える雇用期間を定めた場合や、雇用期間の終期が不確定の場合には、雇用期間が5年を経過した後、当事者の一方はいつでも契約を解除できます(新法626条1項)。ただし、契約を解除しようとする場合には、使用者は3か月前に、労働者は2週間前に、その予告が必要です(同2項)。

 

◆期間の定めのない雇用の解約申入れ
雇用期間を定めなかった場合や、報酬だけを期間によって定めた場合に、各当事者は、解約の申入れをすることができます。

雇用期間の定めがない場合、各当事者はいつでも解約の申入れができます。この場合、解約申入れから2週間の経過で雇用契約は終了します。
雇用期間は定めず、報酬を期間によって定めていた場合、労働者からの解約申入れは原則通りいつでも可能です。他方で、使用者からの解約申入れは、当期の前半において、次期以降についての解約のみ可能とされています。また、6か月以上の期間で報酬を定めた場合には、使用者からの解約申入れが認められるのは3か月前までです。

このように、解約申入れについては、使用者と労働者で一定の差があります。この差は、使用者からの解約申入れを制限すると同時に、労働者の辞職の自由を保護しようという考えに基づいています。

【改正民法債権編】委任契約

世田谷区砧で車庫証明、相続、遺言、パスポートが得意な行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
今回は、【改正民法債権編】に関して、委任契約について考えてみたいと思います。

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委任契約

復受任者の選任や委任者の任意解除権などを明文化

 

◆委任契約とは
委任契約は、委任者が、受任者に対して何かしらの法律行為をすることを委託するという内容の契約です。

法律行為ではない事務の委託をする場合は「準委任」と呼ばれ、「委任」と同様の規律に服します。

旧法下では、復受任者の選任や委任者の任意解除権など、解釈や判例法理に頼る部分がありました。
新法では、これらが明文化されるとともに、受任者の報酬形態についても新たに整理されました。

 

◆復受任者の選任
新法644条の2第1項は、受任者は、「委任者の許諾を得たとき」または「やむを得ない事由があるとき」でなければ、復受任者を選任することができないとしています。

受任者が復受任者を選任したときは、復受任者は、委任者に対して、その権限の範囲内において受任者と同一の権利義務を負います(同2項)。

 

◆受任者の報酬
委任契約では、受任者は無報酬が原則です。この点は、新法でも変更はありません。しかし、実際の委任契約は有償で結ばれることが多いことから、受任者の報酬請求時期については常に問題となってきました。

新法では、この受任者の報酬請求時期について、委任契約の内容に応じて次のように整理し直されました(新法648条、648条の2)。
①受任者の事務処理の労務に対し報酬を支払う場合(原則型・履行割合型)
②受任者の事務処理の成果に対し報酬を支払う場合(成果完成型)

委任契約では、①が原則型になります。新法では①の場合の報酬について「雇用」と同様の規律とし(新法648条2項、同3項)、②の場合の報酬について「請負」の規定を準用しています(新法648条の2第2項、634条)。

【受任者の報酬請求の要件・時期】
①原則型(履行割合型)
・【原則ルール】委任事務履行後に報酬請求可(期間により報酬を定めた場合には期間経過後に報酬請求可)
・【中途挫折の場合】・委任者の帰責事由によらずに委任事務が履行不能となった場合と、委任事務が履行途中で終了した場合→いずれも、委任事務の既履行割合に応じて報酬請求可

②成果完成型
・【原則ルール】成果の引渡しを要する場合は、引渡しと同時に報酬請求可
・【中途挫折の場合】・委任者の帰責事由によらずに委任事務が完成できなくなった場合と、完成前に契約が解除された場合→いずれも、すでに完成された委任事務の成果のうち、「可分」な履行によって委任者が受ける利益の限度で報酬請求可

 

◆委任の解除
委任は、当事者双方の信頼を基礎に成り立つため、両当事者は、いつでも委任関係を解除することができます(法651条1項)。

ただし、次の場合には、やむを得ない事由があるときを除き、解除した者が相手方の損害を賠償する必要があるとされています(新法651条2項)。
①一方が、相手方に不利な時期に委任を解除したとき
②委任者が、受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く)をも目的とする委任を解除したとき